■昨日、4月10日に告示の安中市長選には、予想通り現職の茂木候補と新人の岩井候補が立候補しました。すでに市内各地で支援を訴える両候補の選挙カーが走り回っています。そうした中、筆者は北野殿公害対策委員会としての公開質問状へ誠実に回答していただいた両候補に対して謝辞を述べるため、4月11日の午後、両陣営の選挙事務所を訪れました。
↑安中市役所の新館に掲げられた市長選投票を促す垂れ幕↑
↑候補者のポスターが張られた北野殿にある掲示板のひとつ↑
■マスコミもさっそく報道しました。
**********NHK News Web 2022年04月10日17:24
安中市長選告示 現職と新人の2人が立候補
任期満了に伴う群馬県安中市の市長選挙が10日告示され、現職と新人の合わせて2人が立候補しました。
安中市長選挙に立候補したのは、届け出順にいずれも無所属で3期目を目指す現職の茂木英子氏(62)、新人で自民党と公明党が推薦する元群馬県議会議員の岩井均氏(58)の合わせて2人です。
安中市は人口5万5000余り。
選挙戦では、人口減少対策や観光振興の強化策、幹線道路を活用したまちづくりの在り方などについて論戦が交わされる見通しです。
安中市長選挙の投票日は今月17日で即日開票されます。
**********上毛新聞2022年4月10日13:23
富岡、安中、みどり3市長選が告示
任期満了に伴う群馬県富岡、安中、みどりの3市長選が10日告示された。同日正午現在、富岡と安中はそれぞれ予想された現職、新人の計2人が届け出た。みどりは現職のみが届け出ている。投開票は17日。期日前投票は11~16日、各市庁舎などで行われる。
(候補者名は届け出順)
■富岡
再選を目指す現職の榎本義法氏(53)=七日市=と、市議で元市議会議長の堀越英雄氏(73)=内匠=が届け出た。
■みどり
再選を目指す現職の須藤昭男氏(61)=笠懸町阿左美=が届け出た。
■安中
3期目を目指す現職の茂木英子氏(62)=野殿=と、元県議で県議会議長などを歴任した岩井均氏(58)=松井田町高梨子=が届け出た。
**********
【候補者のプロフィール】
茂木 英子 氏
もてき ひでこ
公約:①女性の活躍推進②全地域型AIオンデマンド乗り合いタクシーの運行③給付型奨学金の創設など子ども・若者支援
肩書き:安中市長
略歴:安中市長2期。群馬県西毛広域幹線道路建設促進連絡協議会長。元群馬県議2期、元安中市議4期
政党(公認):無所属
現職・新人:現職
年齢:62歳
最終学歴:富岡東高卒、高崎経済大地域政策学部中退
<候補者の横顔>
里山歩きで気分転換
「市民の声が政策の原点」として市民との〝つながり〟を重視して2期8年、市政のかじ取りをしてきた。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で孤立を深める人は少なくないとし、「市民間の交流が難しくなり、もどかしい思いをした。収束後は再びつながりを強めていきたい」との思いで再選出馬を決意した。
育児や家事、介護といった生活の大きな部分に女性が関わっているのにもかかわらず、市議会に女性議員が1人もいないことを知り、政治への第一歩を歩み始めた。
1997年、安中市議に初当選。市議や県議を19年続けた後、54歳で県内初の女性市長に当選した。政治を志すきっかけとなった女性の社会進出のほか、子育て世帯や妊産婦、お年寄りらの「困りごと」を解決するため、さまざまな支援策に取り組んできた。
コロナ下を経験し、「社会的な弱者を助けなければならない」と強く感じた。女性の声をしっかり拾い、女性の視点を生かした優しいまちをつくっていきたいと話す。
里山歩きが趣味。公務で忙しい中、地元の野殿などを巡っている。タンポポのような道端に咲く花を眺めるのが「リフレッシュになる」という。
【メモ】
①生活信条:一生懸命
②愛読書:湊かなえの著作
③尊敬する人:市川房枝
④趣味・特技:里山歩き
⑤健康法:ウオーキング
岩井 均 氏
いわい ひとし
公約:①産業団地の早急な整備と積極的な企業誘致②新たな観光地づくりと道の駅新設③高校生までの医療費無料化
肩書き:元群馬県議
略歴:群馬県アーチェリー協会長、群馬県治水砂防協会長。元群馬県議会議長、元群馬県議6期、元衆院議員秘書
政党(公認):無所属
推薦・支持(政党・団体):自民党、公明党
現職・新人:新人
年齢:58歳
最終学歴:筑波大大学院修了
<候補者の横顔>
初孫の笑顔が楽しみ
県議を6期23年にわたって務めた。「県から安中市を眺めたとき、存在感が薄れ、地域間競争に負けている」と危機感を感じた。
「県議では限界がある。市長にならなければ停滞している状態から前進できない」と立候補した。
「12市の中で市は人口増加ワースト3に入る。県は10年間で4%人口が減ったが安中は10%減っている」と指摘。人口減少対策に向けて産業用地の整備と企業誘致に取り組みたいとしている。
故・中曽根康弘元首相の秘書を10年間務めた。教員を目指して大学院に通っていたが、中曽根元首相と接して「教育も大事だが、社会すべてに関わってくる政治の重要さ」を学び、政治家を志した。人の意見を聞いて取り入れ、国のことを常に考える姿勢を中曽根元首相から学んだ。
出馬に当たって、地元の20~40代の若手支持者との勉強会を毎月開いた。今の市にとって何が大切か議論して公約をまとめた。「10年、20年後の市の再生へ向けて方向性を詰め込んだ。実現したい」と語る。
選抜高校野球大会に出場経験もあるスポーツマン。ゴルフやジョギングで汗を流す。今一番の楽しみは「2月に生まれた初孫の笑顔」と目を細める。
【メモ】
①生活信条:結縁 尊縁 随縁
②愛読書:なし
③尊敬する人:中曽根康弘
④趣味・特技:野球、ゴルフ、囲碁
⑤健康法:ランニング、酸素浴
**********
■茂木候補の事務所は国道18号線の岩井交差点付近にあります。国道の下り車線からしか入れず、しかも側道を経由して駐車場に入ります。
↑国道18号の上りレーンから見た茂木候補の事務所わきの駐車場↑
↑国道側と奥に駐車場がある↑
↑駐車場から事務所に通じる渡り通路↑
これまでの2度の市長選も、いずれも金子製作所の跡地の建物を使っています。倉庫のような建物の内部に入ると、非接触式の体温計とアルコール消毒の噴霧器があり、そのわきにはミストを噴霧するブースがあり、そこを通過するとコロナ除菌ができるという触れ込みです。
入口に、支援団体の代表と、所属する地元市議がおり、「東邦亜鉛安中製錬所の降下ばいじんの情報について、知らないというので持ってきた」と言うと、中に入るよう促されました。
↑事務所内部を撮影してもよいか市議に尋ねたところ難色を示されたため、なるべく人物を写さず、撮影した画像を確認してもらうことにより3枚ほど撮影できた。↑
色々話をきいたところ、やはり相手が組織力を使っており、口をそろえて選挙戦の厳しさをアピールしていました。8年前に、同様に組織力を使った当時の市長の岡田義弘候補に3700票差を付けて勝利した時と異なり、今度は現職として受けて立つ側にあることから、勝手が違うようです。
選挙スタイルは、市民団体「未来塾」のネットワークをそのまま踏襲し、かつ政治色を薄めた名称「市民ネットワーク」を使いつつ、実際には茂木候補の政治団体として、これまでと同様に「草の根」選挙に注力する方針です。
他方、これまで8年間の茂木市政で、いろいろなしがらみが出来ており、8年前のときのフレッシュさはだいぶ影を潜めた感があります。事実、選対長には区長会の重鎮を据えるなど、2期8年で構築し獲得してきた利権構造の維持に腐心しなければならない事情を抱えています。
その証左として、前回4年前に岡田候補を支援した地元有力者が「今度は茂木候補を支援する」と言ってきたそうで、地元出身候補を推したがる有権者の傾向が見て取れます。
今回の争点の市役所移転建替え問題について地元出身市議に聞いてみると、「きちんと手続きを踏んでいるのに、なぜ理解してもらえないのだろう」「熊本地震を契機に、市庁舎が損壊すると災害対応に著しい支障が出ることが証明された」「その観点から議会で毎年1億円の基金積み立てる決定をした」「その甲斐あって25億円準備できたが、45億円には不足するので、特例債を使えば20億円のうち7割が国から交付されるので、6億円を追加手当すればよい」「松井田のひとたちが、いろいろ騒いでいるが、説明しても聞く耳を持ってくれない」「議論が足りないというが、聞いてもらえないのでは話にならない」などと、この問題が争点であることを十二分に認識している様子がうかがえました。
勝算としては、やはり、女性市長候補という、これまでにも打ち出してきたイメージを今回も前面に押し出し、政策よりもイメージのほうを受け入れやすい若い世代にターゲットを絞っている様子です。そういえば、支援者に張ってもらっているポスターに「18歳になったら投票に行こう」というロゴが記してあり、若い世代の投票率が伸びれば、得票が増えると見込んでいるのかもしれません。
茂木陣営では、「決起の集い」を4月14日(木)午後6時00分から選挙事務所(安中市岩井170番地)で開くとしています。
■岩井候補の事務所は、新島学園から磯部につながる県道沿いにある酒・米類販売店だったヤマトや酒店の建物と駐車場を借り上げており、県道からのアクセスは申し分ありません。岩井県議のお膝元は松井田ですが、有権者数は、旧安中と松井田でおよそ3:1であることから、アウェーでの選挙戦を考慮して、安中市街地に近いこの場所を選んだようです。
↑事務所前に停まっていた街宣カー。候補者が乗る選挙カーとは別に、政党として1台出せる↑
↑<span style="font-style:italic">岩井候補の選挙事務所入り口↑
入口で体温測定と手指消毒用のアルコール噴霧器で感染防止をしたあと、中に入りました。これまでにも酒類の購入で何度も訪れたことのある店舗ですが、内部の商品展示棚は全て撤去され、広いスペースに整然とテーブルと椅子が並べられており、支援者と思しきいくつかのグループが、アクリル板を立てたテーブルを囲んで談笑していました。
奥の方のスペースは空いていましたが、中ほどのテーブルに座ると、後援会幹部と思しき男性がやってきたので、いろいろ話をしました。「エビラを貼る場所がなくなっちゃって」というので、あらためて建物内の壁を見回すとびっしりとエビラが貼って有り、提供者の企業や団体、個人の名前が隠れない程度に重ねて貼られていました。
↑岩井候補の事務所では、内部の撮影について全く自由で雰囲気もオープンだった↑
企業や団体としては、どちらの候補が当選してもよいようにエビラを贈るのが習慣化していますが、数の上で岩井候補の方が圧倒的のようです。
安中市区における現職県議として6期の実績があるとはいえ、やはり首長である市長選となると、アウェーでの戦いと言う形になるため、旧安中での票読みが最大の関心事だということです。
表向きには「草の根」スタイルでの選挙を標榜する茂木陣営と異なり、岩井陣営では、保守王国群馬県の政界の中枢に携わってきた候補だけに、組織票をがっちり固めるスタイルを徹底して展開している様子がうかがえます。
そのため、必然的に弱点となる若い世代向けのアピールの重要性も認識しており、どこまで浮動票を掘り起こせるかがポイントだとしています。そのため、市内を計画的に遊説すべく、あらかじめ街頭演説の日時と場所を決めて、安中市の東部地区から順に、西側に向かって移動しながら支持を呼び掛ける作戦をとっています。
政策の焦点である市役所移転建替え問題について、後援会幹部からは、「2期にわたる茂木市政を見てきたが、特定の取り巻きを優遇するケースが目立つ」として、「安高跡地への移転に拘る背景には、現在の市役所の跡地利用の思惑が潜んでおり、そうした疑惑を払しょくするためにも、茂木市政が市民への説明責任を果たしていないのはいかがなものか」とのコメントがありました。
岩井陣営として、今後の選挙戦の展開として、「高齢化や人口減少のなかにあって比較的活気あふれる原市地区における攻防が焦点だ」と分析していました。
岩井候補の陣営は、「総決起大会」を4月16日(土)午後3時00分から選挙事務所のある「ヤマトや」(安中市安中3870-7)で開くとしています。
■このように、選挙スタイルは表面上、「草の根」対「組織力」というかたちをとっており、対照的な両陣営ですが、がっぷり四つに組んでの戦いが、4月17日の投開票日に向けてさらにヒートアップしていくことが十分に予想されます。
そうなると、安中市長選につきものの「怪文書」やら、先年来、県内で話題となった「陣中見舞い」など勇み足による公選法に抵触しかねない事態発生も懸念されます。
当会では、ルールに則った公平、公明、公正、透明な選挙の実現が、開かれた明るい市政の実現に不可欠だと長年主張してきました。読者の皆さんが、これはルールに抵触するのではないか、と疑問に思った事例に遭遇した際には、遠慮なく当会に通報下さるようお願いします。もちろん通報者の秘密は厳守いたします。
【市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
【4月12日マスコミ報道記事】
**********上毛新聞2022年4月12日(一面)
2市長選 現新激突
任期満了に伴う富岡、安中、みどりの3市長選は10日告示され、みどりは現職が無投票で再選を決めた。富岡、安中は選挙戦に突入し、ともに現職と新人による一騎打ちとなっている。両市長選は17日に投開票される。
★人口減少など争点 安中
安中市長選はいずれも無所属で、3期目を目指す現職の茂木英子氏(62)=野殿=と新人の元県議、岩井均氏(58)=松井田町高梨子が立候補した。人口減少問題や2期8年の茂木氏の市政への評価、新市庁舎建設などが焦点となっている。
両氏が戦った2007年の県議選安中市区で、岩井氏は茂木氏を約5千票上回る1万4433票を獲得。一方、元職らを破った前回市長選の茂木氏の得票は1万5298票だった。両陣営は似通う過去の得票数も参考に、激しい選挙戦を繰り広げる。
市民団体を中心に草の根選挙を展開する茂木氏は機動的に遊説し、現職としての実績を訴える。地元県議や市議16人ら幅広い支援を受けた岩井氏は、街頭演説で支持を呼びかけている。
9日現在の選挙人名簿登録者数は、4万8528人(男2万3753人、女2万4775人)。
(田島孝朗)
**********上毛新聞2022年4月12日(21面)
市長選立候補者の横顔
**********上毛新聞2022年4月12日(24面)
市長選第一声(届け出順) 安中市長選
■茂木英子氏
安中市岩井の選挙事務所で第一声。「一人一人を大切に、人を大切にしてみんながつながれば安中市の元気につながる」と訴えた。出発式では、空き家対策や女性活躍推進など県内唯一の女性市長としての8年の実績を挙げて支援を呼びかけた。
○選挙事務所
所 在 地:安中市岩井170
電話番号:027・382・3341
■岩井均氏
安中市安中の選挙事務所で第一声。「停滞か前進か問う選挙。地域間の競争に負けている」と指摘した。「最優先課題は人口減少対策。少しでも(人口減)止めるような政策に取り組みたい」とし、観光振興の強化や市民幸福度の向上などを訴えた。
○選挙事務所
所 在 地:安中市安中3870-7
電話番号:027・382・6353
**********東京新聞2022年4月12日 08:12
群馬県内 安中、富岡市長選が告示 みどり市は無投票
群馬県内では十日、安中、富岡、みどりの三市長選が告示された。安中、富岡市はともに現職と新人の一騎打ちとなった。投開票は十七日。みどり市は現職が無投票当選した。
◆安中 現新の一騎打ちに
↑気勢を上げる支持者たち=安中市で↑(←当会注:かなり密集状態になっているのが気になる)
安中市長選はともに無所属で、現職の茂木英子さん(62)と新人で元県議の岩井均さん(58)が立候補を届け出た。
茂木さんは同市岩井の事務所で出発式に臨み、支持者ら約二百人を前に「県内唯一の女性市長として市民の声を政策に反映させてきた。安中の魅力を発信し、移住促進や観光でも安中が元気になってきた。全ての人を思いやり、大切にしたい。皆さんと心一つに戦い抜く」と支援を求めた。
ボランティアらをねぎらって回った後、「一週間、町づくりに懸ける私の熱い思いを安中市中の人に訴え続けていく。人を大切にしてつながれば、安中の元気につながる」と声を張り上げた。選挙カーに乗り、支持者らの拍手に見送られて遊説に向かった。
一方、岩井さんは市内の碓村神社で必勝祈願の後、同市安中の事務所で出陣式を開いて第一声を上げた。
イメージカラーのオレンジの上着姿の支持者らを前に「今回の選挙は停滞か前進かを問う選挙だ」と強調し、県議を六期務めた実績から「安中市の存在感が低くなっている」と指摘。観光振興の強化や西毛広域幹線道路を活用した町づくり、市役所新庁舎建設問題の精査などの公約を挙げ、「人口減少を少しでも止めるような政策をしっかりやっていく」と力を込めた。
遊説後の午後には事務所開きがあり、山本一太知事らが応援に駆け付けた。
九日現在の選挙人名簿登録者数は四万八千五百二十八人。(安永陽祐、樋口聡)
◇安中市長選立候補者(届け出順)
茂木英子(もてき・ひでこ)62 無現<2>
市長(元)県議・市議▽高崎経済大中退
岩井均(いわい・ひとし)58 無新
(元)県議長・自民党県政調会長▽筑波大院
**********
↑安中市役所の新館に掲げられた市長選投票を促す垂れ幕↑
↑候補者のポスターが張られた北野殿にある掲示板のひとつ↑
■マスコミもさっそく報道しました。
**********NHK News Web 2022年04月10日17:24
安中市長選告示 現職と新人の2人が立候補
任期満了に伴う群馬県安中市の市長選挙が10日告示され、現職と新人の合わせて2人が立候補しました。
安中市長選挙に立候補したのは、届け出順にいずれも無所属で3期目を目指す現職の茂木英子氏(62)、新人で自民党と公明党が推薦する元群馬県議会議員の岩井均氏(58)の合わせて2人です。
安中市は人口5万5000余り。
選挙戦では、人口減少対策や観光振興の強化策、幹線道路を活用したまちづくりの在り方などについて論戦が交わされる見通しです。
安中市長選挙の投票日は今月17日で即日開票されます。
**********上毛新聞2022年4月10日13:23
富岡、安中、みどり3市長選が告示
任期満了に伴う群馬県富岡、安中、みどりの3市長選が10日告示された。同日正午現在、富岡と安中はそれぞれ予想された現職、新人の計2人が届け出た。みどりは現職のみが届け出ている。投開票は17日。期日前投票は11~16日、各市庁舎などで行われる。
(候補者名は届け出順)
■富岡
再選を目指す現職の榎本義法氏(53)=七日市=と、市議で元市議会議長の堀越英雄氏(73)=内匠=が届け出た。
■みどり
再選を目指す現職の須藤昭男氏(61)=笠懸町阿左美=が届け出た。
■安中
3期目を目指す現職の茂木英子氏(62)=野殿=と、元県議で県議会議長などを歴任した岩井均氏(58)=松井田町高梨子=が届け出た。
**********
【候補者のプロフィール】
茂木 英子 氏
もてき ひでこ
公約:①女性の活躍推進②全地域型AIオンデマンド乗り合いタクシーの運行③給付型奨学金の創設など子ども・若者支援
肩書き:安中市長
略歴:安中市長2期。群馬県西毛広域幹線道路建設促進連絡協議会長。元群馬県議2期、元安中市議4期
政党(公認):無所属
現職・新人:現職
年齢:62歳
最終学歴:富岡東高卒、高崎経済大地域政策学部中退
<候補者の横顔>
里山歩きで気分転換
「市民の声が政策の原点」として市民との〝つながり〟を重視して2期8年、市政のかじ取りをしてきた。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で孤立を深める人は少なくないとし、「市民間の交流が難しくなり、もどかしい思いをした。収束後は再びつながりを強めていきたい」との思いで再選出馬を決意した。
育児や家事、介護といった生活の大きな部分に女性が関わっているのにもかかわらず、市議会に女性議員が1人もいないことを知り、政治への第一歩を歩み始めた。
1997年、安中市議に初当選。市議や県議を19年続けた後、54歳で県内初の女性市長に当選した。政治を志すきっかけとなった女性の社会進出のほか、子育て世帯や妊産婦、お年寄りらの「困りごと」を解決するため、さまざまな支援策に取り組んできた。
コロナ下を経験し、「社会的な弱者を助けなければならない」と強く感じた。女性の声をしっかり拾い、女性の視点を生かした優しいまちをつくっていきたいと話す。
里山歩きが趣味。公務で忙しい中、地元の野殿などを巡っている。タンポポのような道端に咲く花を眺めるのが「リフレッシュになる」という。
【メモ】
①生活信条:一生懸命
②愛読書:湊かなえの著作
③尊敬する人:市川房枝
④趣味・特技:里山歩き
⑤健康法:ウオーキング
岩井 均 氏
いわい ひとし
公約:①産業団地の早急な整備と積極的な企業誘致②新たな観光地づくりと道の駅新設③高校生までの医療費無料化
肩書き:元群馬県議
略歴:群馬県アーチェリー協会長、群馬県治水砂防協会長。元群馬県議会議長、元群馬県議6期、元衆院議員秘書
政党(公認):無所属
推薦・支持(政党・団体):自民党、公明党
現職・新人:新人
年齢:58歳
最終学歴:筑波大大学院修了
<候補者の横顔>
初孫の笑顔が楽しみ
県議を6期23年にわたって務めた。「県から安中市を眺めたとき、存在感が薄れ、地域間競争に負けている」と危機感を感じた。
「県議では限界がある。市長にならなければ停滞している状態から前進できない」と立候補した。
「12市の中で市は人口増加ワースト3に入る。県は10年間で4%人口が減ったが安中は10%減っている」と指摘。人口減少対策に向けて産業用地の整備と企業誘致に取り組みたいとしている。
故・中曽根康弘元首相の秘書を10年間務めた。教員を目指して大学院に通っていたが、中曽根元首相と接して「教育も大事だが、社会すべてに関わってくる政治の重要さ」を学び、政治家を志した。人の意見を聞いて取り入れ、国のことを常に考える姿勢を中曽根元首相から学んだ。
出馬に当たって、地元の20~40代の若手支持者との勉強会を毎月開いた。今の市にとって何が大切か議論して公約をまとめた。「10年、20年後の市の再生へ向けて方向性を詰め込んだ。実現したい」と語る。
選抜高校野球大会に出場経験もあるスポーツマン。ゴルフやジョギングで汗を流す。今一番の楽しみは「2月に生まれた初孫の笑顔」と目を細める。
【メモ】
①生活信条:結縁 尊縁 随縁
②愛読書:なし
③尊敬する人:中曽根康弘
④趣味・特技:野球、ゴルフ、囲碁
⑤健康法:ランニング、酸素浴
**********
■茂木候補の事務所は国道18号線の岩井交差点付近にあります。国道の下り車線からしか入れず、しかも側道を経由して駐車場に入ります。
↑国道18号の上りレーンから見た茂木候補の事務所わきの駐車場↑
↑国道側と奥に駐車場がある↑
↑駐車場から事務所に通じる渡り通路↑
これまでの2度の市長選も、いずれも金子製作所の跡地の建物を使っています。倉庫のような建物の内部に入ると、非接触式の体温計とアルコール消毒の噴霧器があり、そのわきにはミストを噴霧するブースがあり、そこを通過するとコロナ除菌ができるという触れ込みです。
入口に、支援団体の代表と、所属する地元市議がおり、「東邦亜鉛安中製錬所の降下ばいじんの情報について、知らないというので持ってきた」と言うと、中に入るよう促されました。
↑事務所内部を撮影してもよいか市議に尋ねたところ難色を示されたため、なるべく人物を写さず、撮影した画像を確認してもらうことにより3枚ほど撮影できた。↑
色々話をきいたところ、やはり相手が組織力を使っており、口をそろえて選挙戦の厳しさをアピールしていました。8年前に、同様に組織力を使った当時の市長の岡田義弘候補に3700票差を付けて勝利した時と異なり、今度は現職として受けて立つ側にあることから、勝手が違うようです。
選挙スタイルは、市民団体「未来塾」のネットワークをそのまま踏襲し、かつ政治色を薄めた名称「市民ネットワーク」を使いつつ、実際には茂木候補の政治団体として、これまでと同様に「草の根」選挙に注力する方針です。
他方、これまで8年間の茂木市政で、いろいろなしがらみが出来ており、8年前のときのフレッシュさはだいぶ影を潜めた感があります。事実、選対長には区長会の重鎮を据えるなど、2期8年で構築し獲得してきた利権構造の維持に腐心しなければならない事情を抱えています。
その証左として、前回4年前に岡田候補を支援した地元有力者が「今度は茂木候補を支援する」と言ってきたそうで、地元出身候補を推したがる有権者の傾向が見て取れます。
今回の争点の市役所移転建替え問題について地元出身市議に聞いてみると、「きちんと手続きを踏んでいるのに、なぜ理解してもらえないのだろう」「熊本地震を契機に、市庁舎が損壊すると災害対応に著しい支障が出ることが証明された」「その観点から議会で毎年1億円の基金積み立てる決定をした」「その甲斐あって25億円準備できたが、45億円には不足するので、特例債を使えば20億円のうち7割が国から交付されるので、6億円を追加手当すればよい」「松井田のひとたちが、いろいろ騒いでいるが、説明しても聞く耳を持ってくれない」「議論が足りないというが、聞いてもらえないのでは話にならない」などと、この問題が争点であることを十二分に認識している様子がうかがえました。
勝算としては、やはり、女性市長候補という、これまでにも打ち出してきたイメージを今回も前面に押し出し、政策よりもイメージのほうを受け入れやすい若い世代にターゲットを絞っている様子です。そういえば、支援者に張ってもらっているポスターに「18歳になったら投票に行こう」というロゴが記してあり、若い世代の投票率が伸びれば、得票が増えると見込んでいるのかもしれません。
茂木陣営では、「決起の集い」を4月14日(木)午後6時00分から選挙事務所(安中市岩井170番地)で開くとしています。
■岩井候補の事務所は、新島学園から磯部につながる県道沿いにある酒・米類販売店だったヤマトや酒店の建物と駐車場を借り上げており、県道からのアクセスは申し分ありません。岩井県議のお膝元は松井田ですが、有権者数は、旧安中と松井田でおよそ3:1であることから、アウェーでの選挙戦を考慮して、安中市街地に近いこの場所を選んだようです。
↑事務所前に停まっていた街宣カー。候補者が乗る選挙カーとは別に、政党として1台出せる↑
↑<span style="font-style:italic">岩井候補の選挙事務所入り口↑
入口で体温測定と手指消毒用のアルコール噴霧器で感染防止をしたあと、中に入りました。これまでにも酒類の購入で何度も訪れたことのある店舗ですが、内部の商品展示棚は全て撤去され、広いスペースに整然とテーブルと椅子が並べられており、支援者と思しきいくつかのグループが、アクリル板を立てたテーブルを囲んで談笑していました。
奥の方のスペースは空いていましたが、中ほどのテーブルに座ると、後援会幹部と思しき男性がやってきたので、いろいろ話をしました。「エビラを貼る場所がなくなっちゃって」というので、あらためて建物内の壁を見回すとびっしりとエビラが貼って有り、提供者の企業や団体、個人の名前が隠れない程度に重ねて貼られていました。
↑岩井候補の事務所では、内部の撮影について全く自由で雰囲気もオープンだった↑
企業や団体としては、どちらの候補が当選してもよいようにエビラを贈るのが習慣化していますが、数の上で岩井候補の方が圧倒的のようです。
安中市区における現職県議として6期の実績があるとはいえ、やはり首長である市長選となると、アウェーでの戦いと言う形になるため、旧安中での票読みが最大の関心事だということです。
表向きには「草の根」スタイルでの選挙を標榜する茂木陣営と異なり、岩井陣営では、保守王国群馬県の政界の中枢に携わってきた候補だけに、組織票をがっちり固めるスタイルを徹底して展開している様子がうかがえます。
そのため、必然的に弱点となる若い世代向けのアピールの重要性も認識しており、どこまで浮動票を掘り起こせるかがポイントだとしています。そのため、市内を計画的に遊説すべく、あらかじめ街頭演説の日時と場所を決めて、安中市の東部地区から順に、西側に向かって移動しながら支持を呼び掛ける作戦をとっています。
政策の焦点である市役所移転建替え問題について、後援会幹部からは、「2期にわたる茂木市政を見てきたが、特定の取り巻きを優遇するケースが目立つ」として、「安高跡地への移転に拘る背景には、現在の市役所の跡地利用の思惑が潜んでおり、そうした疑惑を払しょくするためにも、茂木市政が市民への説明責任を果たしていないのはいかがなものか」とのコメントがありました。
岩井陣営として、今後の選挙戦の展開として、「高齢化や人口減少のなかにあって比較的活気あふれる原市地区における攻防が焦点だ」と分析していました。
岩井候補の陣営は、「総決起大会」を4月16日(土)午後3時00分から選挙事務所のある「ヤマトや」(安中市安中3870-7)で開くとしています。
■このように、選挙スタイルは表面上、「草の根」対「組織力」というかたちをとっており、対照的な両陣営ですが、がっぷり四つに組んでの戦いが、4月17日の投開票日に向けてさらにヒートアップしていくことが十分に予想されます。
そうなると、安中市長選につきものの「怪文書」やら、先年来、県内で話題となった「陣中見舞い」など勇み足による公選法に抵触しかねない事態発生も懸念されます。
当会では、ルールに則った公平、公明、公正、透明な選挙の実現が、開かれた明るい市政の実現に不可欠だと長年主張してきました。読者の皆さんが、これはルールに抵触するのではないか、と疑問に思った事例に遭遇した際には、遠慮なく当会に通報下さるようお願いします。もちろん通報者の秘密は厳守いたします。
【市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
【4月12日マスコミ報道記事】
**********上毛新聞2022年4月12日(一面)
2市長選 現新激突
任期満了に伴う富岡、安中、みどりの3市長選は10日告示され、みどりは現職が無投票で再選を決めた。富岡、安中は選挙戦に突入し、ともに現職と新人による一騎打ちとなっている。両市長選は17日に投開票される。
★人口減少など争点 安中
安中市長選はいずれも無所属で、3期目を目指す現職の茂木英子氏(62)=野殿=と新人の元県議、岩井均氏(58)=松井田町高梨子が立候補した。人口減少問題や2期8年の茂木氏の市政への評価、新市庁舎建設などが焦点となっている。
両氏が戦った2007年の県議選安中市区で、岩井氏は茂木氏を約5千票上回る1万4433票を獲得。一方、元職らを破った前回市長選の茂木氏の得票は1万5298票だった。両陣営は似通う過去の得票数も参考に、激しい選挙戦を繰り広げる。
市民団体を中心に草の根選挙を展開する茂木氏は機動的に遊説し、現職としての実績を訴える。地元県議や市議16人ら幅広い支援を受けた岩井氏は、街頭演説で支持を呼びかけている。
9日現在の選挙人名簿登録者数は、4万8528人(男2万3753人、女2万4775人)。
(田島孝朗)
**********上毛新聞2022年4月12日(21面)
市長選立候補者の横顔
**********上毛新聞2022年4月12日(24面)
市長選第一声(届け出順) 安中市長選
■茂木英子氏
安中市岩井の選挙事務所で第一声。「一人一人を大切に、人を大切にしてみんながつながれば安中市の元気につながる」と訴えた。出発式では、空き家対策や女性活躍推進など県内唯一の女性市長としての8年の実績を挙げて支援を呼びかけた。
○選挙事務所
所 在 地:安中市岩井170
電話番号:027・382・3341
■岩井均氏
安中市安中の選挙事務所で第一声。「停滞か前進か問う選挙。地域間の競争に負けている」と指摘した。「最優先課題は人口減少対策。少しでも(人口減)止めるような政策に取り組みたい」とし、観光振興の強化や市民幸福度の向上などを訴えた。
○選挙事務所
所 在 地:安中市安中3870-7
電話番号:027・382・6353
**********東京新聞2022年4月12日 08:12
群馬県内 安中、富岡市長選が告示 みどり市は無投票
群馬県内では十日、安中、富岡、みどりの三市長選が告示された。安中、富岡市はともに現職と新人の一騎打ちとなった。投開票は十七日。みどり市は現職が無投票当選した。
◆安中 現新の一騎打ちに
↑気勢を上げる支持者たち=安中市で↑(←当会注:かなり密集状態になっているのが気になる)
安中市長選はともに無所属で、現職の茂木英子さん(62)と新人で元県議の岩井均さん(58)が立候補を届け出た。
茂木さんは同市岩井の事務所で出発式に臨み、支持者ら約二百人を前に「県内唯一の女性市長として市民の声を政策に反映させてきた。安中の魅力を発信し、移住促進や観光でも安中が元気になってきた。全ての人を思いやり、大切にしたい。皆さんと心一つに戦い抜く」と支援を求めた。
ボランティアらをねぎらって回った後、「一週間、町づくりに懸ける私の熱い思いを安中市中の人に訴え続けていく。人を大切にしてつながれば、安中の元気につながる」と声を張り上げた。選挙カーに乗り、支持者らの拍手に見送られて遊説に向かった。
一方、岩井さんは市内の碓村神社で必勝祈願の後、同市安中の事務所で出陣式を開いて第一声を上げた。
イメージカラーのオレンジの上着姿の支持者らを前に「今回の選挙は停滞か前進かを問う選挙だ」と強調し、県議を六期務めた実績から「安中市の存在感が低くなっている」と指摘。観光振興の強化や西毛広域幹線道路を活用した町づくり、市役所新庁舎建設問題の精査などの公約を挙げ、「人口減少を少しでも止めるような政策をしっかりやっていく」と力を込めた。
遊説後の午後には事務所開きがあり、山本一太知事らが応援に駆け付けた。
九日現在の選挙人名簿登録者数は四万八千五百二十八人。(安永陽祐、樋口聡)
◇安中市長選立候補者(届け出順)
茂木英子(もてき・ひでこ)62 無現<2>
市長(元)県議・市議▽高崎経済大中退
岩井均(いわい・ひとし)58 無新
(元)県議長・自民党県政調会長▽筑波大院
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