■今や民間では想像もつかない厚遇に恵まれている公務員の組合である自治労の規定のなかに、組合犠牲者救援規則というものが存在し、組合員が刑事事件を起こした場合でも、手厚い補償をしてもらえるらしい、という話を耳にしたので、さっそく我らが安中市の職員労働組合にもそういう規則があるのかどうかを確かめるべく、5月6日付で安中市に情報開示請求を行いました。
また、この際、この規則の運用により、これまでの救援の対象となった刑事事件と職員に関する情報(氏名を除く)についても、併せて、開示請求しました。
■すると、平成21年5月16日付で、安中市総務部職員課(電話027-382-1111 内線1031)から、不存在通知が送られてきました。不存在の理由は「請求された情報につきましては、職員組合が保有する内部情報であるため、該当する情報は保有しておりません」というものです。
民間であれば、人事部には当然、労働組合との交渉のため、労組の例規集も保管してありますが、安中市の場合には、労組の例規集は、受理したり、保管していたりしていないようです。とうてい信じられません。
■当会の開示請求に対して、安中市長(総務部職員課)は不存在通知をよこしましたが、さすがに、なにも開示しないことに後ろめたさがあったのかもしれません。次のコメントが付いていました。
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情報の提供について
請求いただきました情報(安中市の職員組合にかかる組合犠牲者救援規則に担当する情報)につきましては、本課で保有しておりませんので不存在の決定をさせていただきましたが、職員組合からの情報として救援会計はありますが、請求事項の中にある救援の対象となった事例は無いとのことですので、情報として提供させていただきます。
総務部 職員課
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■ところで、今回、安中市役所総務部職員課は、「安中市の職員組合にかかる組合犠牲者救援規則に相当する情報」について、自分の課に保有していないので、不存在決定通知を出しました。
一方で、職員組合からの情報として、「救援会計はあるが、刑事事件に関連した救援対象の事例はない」というコメントの提供がありました。
■安中市職員労働組合について、ネットで検索しても具体的な情報は何も出てきません。
http://www.jichiro.gr.jp/jpmap/index.htm
他方、自前のホームページをしょっちゅう更新し、職員労組の規約を堂々と公開している組合もたくさんあります。いずれも自治労の傘下なので、規約なそはほとんど同じなのかもしれません。
しかし、全国に数多くある自治労傘下の職員労組のうち、一部の組合では「新規採用の職員に、組合規約集が渡されていない」という傾向もあるようです。この場合、若い職員に、組合規約の内容が分からないようにして、労組幹部らが自分らの思い通りに組合を操るという心配が生じます。
安中市長は何かと言えば職員労組の機嫌取りに腐心しています。職員労組が市長を懐柔するのに一生懸命で、市民に対してきちんと存在をアピールしようとしないとなると困りものです。役人の特権を維持するためだけの組織として、市民の目線で行動できなくなるからです。
■安中市の職員労組にも、当然組合犠牲者救援規則はあるようだし、実際に「救援会計」が存在すると認めているのですから、犠牲者救援規則くらいは、外部に向けて公開しても差し支えないはずです。「救援会計」といっても、もとはといえば、我々納税者のカネです。
51億円事件の発生を許した体質を引きずる安中市役所です。伏魔殿となりうる「聖域」は、一掃しなければなりません。それには、労組の協力が不可欠です。安中市職員労組に直接、例規集の開示を依頼することを検討したいと思います。
【ひらく会情報部】
<参考資料>
愛知県職員組合犠牲者救援規則
http://www.aichikenshoku.gr.jp/KIYAKU/giseishakyuenkisoku.htm
第1章 総 則
(目 的)
第1条 この規則は、愛知県職員組合の組合員が組合機関の決定に従って行った組合活動により、被った犠牲に対して、これを補償し、救済することを目的とする。
(定 義)
第2条 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるとおりとする。
(1) 組合員
愛知県職員組合規約(以下「規約」という。)第4条の定めるところにより、愛知県職員組合を構成する組合員をいう。
(2) 組合機関
規約第11条及び第23条に規定された大会、中央委員会及び中央執行委員会をいう。
(3) 組合機関の決定に基づく組合活動
組合機関によりなされた決定に基づく指示、指令、通知等により、行われる組合員の行為であって、明らかに組合員の私的行為と認められるものを除いたいっさいの行為をいう。
(4) 給与
給料(調整額を含む。)、扶養手当、地域手当等及び期末勤勉手当として救援事由が発生した当時その者が通常勤務したときに支給されるとみなされる額(救援適用後給与の改訂がなされた場合又は犠牲を被らなかったならば受けるべき通常の昇給が行われたとみなされる場合にはその改定又は昇給に基づき改定された額)をいう。
(救援の実施)
第3条 この規則による救援は、組合員が組合機関の決定に基づく組合活動を行ったことに起因して次の各号のいずれかに該当する犠牲を被った場合(自動車等を自ら運転中又は同乗中である場合にあっては、第1号、第2号又は第6号に該当する犠牲を被った場合に限る。)にこれを行う。
(1) 死亡
(2) 負傷、疾病又は身体障害
(3) 刑事事件
(4) 分限又は懲戒に基づく免職及び解雇
(5) 前号以外の行政処分
(6) 組合員の所有に係る自動車等(自動車及び原動機付自転車にあっては、5,000万円以上の対人賠償保険及び200万円以上の対物保険(以下「任意保険」という。)に加入しているものに限る。)の運行により他人の生命若しくは身体又は財産を害した場合における損害賠償責任の負担及び組合員の所有に係る自動車等の損傷
(7) 前各号に掲げるほか、特に救援を必要と認めたもの
2 組合員が自動車等を自ら運転中又は同乗中に前項第1号又は第2号に該当する犠牲を被った場合には、別に定める交通事故関連救援規程による審査を受け、同規程に定める重大な過失に因るものでないことを認定された後でなければ、この規則による救援を行わない。
(救援給付の起算日及び終結日)
第4条 救援を受ける起算日は、救援事由の発生の日とし、救援給付の終結日は、被救援者の救援事由のなくなった日とする。
(被救援者の義務)
第5条 救援を受ける者は、速やかに中央執行委員会に報告するとともに組合機関の指示に従わなければならない。
2 被救援者が機関の指示にしたがわず、組合の意志と相反する行為と確認された場合は、適用中の救援の一部または全部を打ち切ることができる。
第2章 救援の方法
(死亡の場合の救援)
第6条 第3条第1項第1号に該当する者に対しては、次の各号に掲げる救援をする。
1 葬儀費用の負担
イ 葬儀は原則として組合葬とする。
ロ 組合葬は組合がその喪主となることが困難なときその他特別の事情が生じた場合は、50万円を限度として葬儀料を支給し、これに代えることができる。
2 弔慰金の支給
イ 遺族に対して弔慰金として200万円の範囲で別表第1の基準により支給する。
ロ 弔慰金の支給対象者は、配偶者(内縁関係の場合を含む)、子、父母、孫、祖父母、兄弟、姉妹の順位とし、該当者のないときは、支給しないことができる。
3 遺族補償
イ 遺族補償は本人の収入によって生計を維持していた者に対し、遺族補償金を別表第2の基準により支給する。
ただし、遺族の生計が本人の収入によらないときは半額とする。
ロ 遺族補償の支給対象順位は、前項のロに準ずる。
4 遺族の就職をあっせんする。
(負傷、疾病及び身体障害者の場合の救援)
第7条 第3条第1項第2号に該当する者に対しては、次に掲げる救援をする。
(1) 療養期間が1週間以上1か月未満である場合は、1万円以内の見舞金を支給する。
(2) 療養期間が1か月以上にわたる場合は、見舞金として、当初2万円、以後毎月1万円を支給する。
(3) 全治まで本人負担にかかる療養費の実費については、全額負担する。
ただし、共済組合による給付、その他療養について補償があったときは、その額を差し引いた額とする。
(4) 負傷、疾病により身体障害を残した者には、別表第3に掲げる障害等級の区分に応じて算出した額を支給する。
(5) 給与が減額された者については、通常勤務したときに支給されるべき給与と減額された給与との差額をその期間中支給する。
ただし、その支給は3年を限度とする。
(6) 昇給を延伸された者については、当該昇給延伸の期間が確定したときに、別表第4の基準により算出した金額を一時金で補償する。
ただし、定年制の施行に伴う勤務年数が補償年数(10年)を満たさない場合は、その年数とする。
(刑事事件の場合の救援)
第8条 第3条第1項第3号に該当する者に対しては、次の各号に掲げる救援をする。
1 任意出頭、家宅捜査および逮捕、拘留及び身柄拘束された場合の補償
(1) 起訴又は不起訴(起訴猶予を含む。)処分が決定するまでの弁護士の報酬、及び出張費並びに保釈保証金その他必要な費用を負担する。
(2) 容疑者又は参考人として任意出頭を求められた場合であって、中央執行委員会と協議の結果、出頭を認めた場合は、見舞金として1回につき3千円を支給する。
(3) 家宅捜査された場合は、1万円の見舞金を支給する。
(4) 逮捕、勾留又は身柄拘束の場合は、次のとおり見舞金を支給する。
イ 本人に対して24時間以内は1万円、24時間を超える場合は2万円とし、差入れその他の物品による見舞はこれに含まない。
ロ 家族に対しては、24時間以内は5千円、24時間を超える場合は1万円とする。
ハ 身柄拘束の場合は、差入額は1日につき3千円以内とする。
(5) 起訴された場合は、1万円の見舞金を支給する。
ただし、略式命令であってこれを受け入れたときは、5千円とする。
2 公判、刑の執行、服役の場合の補償
(1) 公判に要する費用は、その全額を負担する。
(2) 公判にあたって、被告として出廷した場合は出廷1回につき3千円、組合側証人として出廷した場合は出廷1回につき千円を見舞金として支給する。
3 刑及び公民権停止が確定した場合の補償
(1) 懲役、禁固又は拘留の刑が確定した場合は、次のとおり見舞金を支給する。
ただし、執行猶予の場合は、半額とする。
(2) 罰金又は科料の刑が確定した場合は、その金額を負担する。
(3) 罰金の刑が確定した場合は、2万円の見舞金を支給する。
ただし、執行猶予の場合は、1万円とする。
(4) 公民権停止が確定した場合は、停止期間1年につき、見舞金1万円を支給する。
イ 1月未満 10万円
ロ 3月未満 15万円
ハ 6月未満 20万円
ニ 6月以上 40万円
4 休職等による補償
起訴又は服役刑の確定により、休職その他の処分を受けた場合は、その給与損失分を補償する。
ただし、補償期間が長期に亘る場合、大会ごとに承認を受けるものとする。
(分限又は懲戒に基づく免職及び解雇の場合の救援)
第9条 第2条第1項第5号に該当する者に対しては、次に掲げる救援をする。
(1) 免職又は解雇につき行政訴訟、行政機関に対する提訴を行うことによって要する費用については、その実費を負担する。
(2) 免職又は解雇から復職までの期間中の給与は、全額補償する。
ただし、後日任命権者からその期間の給与を支払われた場合は、その相当額を返済しなければならない
(3) 敗訴によって復職の見込が失なわれたとき、又は長期にわたる闘争に伴ない、免職又は解雇の受託を本人がしたときは、退職手当補償金ならびに退職見舞金を支給する。
(4) 退職手当補償金は、前号に定める事由が生じた時点において実際に本人が支給を受けている給料の月額を基礎に職員の退職手当に関する条例(昭和29年愛知県条例第26号)第5条の規定の例により、算出した額とし、最低補償額を300万円とする。
ただし、後日任命権者から退職手当が支給された場合は、その相当額を退職手当補償金から控除する。
(5) 退職見舞金は、本人に対して100万円を支給する。
(6) 就職をあっせんする。
(行政処分の場合の救援)
第10条 第3条第1項第5号に該当する者に対して、次に掲げる救援をする。
(1) 身分回復又は損害回復に要する行政訴訟費用については、実費を負担する。
(2) 処分によって生ずる給与の損失補償は、第7条第5号の規定を準用する。
(3) 見舞金として、別表第5の基準により支給する。
(自動車等の事故の場合の救援)
第11条 第3条第6号に該当する者に対しては、次に掲げる救援をする。
(1) 損害賠償金の補償
損害賠償額が自動車損害賠償責任保険及び任意保険による保険金額を超える場合においては、その超える額を負担する。
(2) 組合員の所有に係る自動車等の修繕費の補償
自動車の修繕に要する経費のうち当該組合員の自己負担分を負担する。
2 第3条第2項に該当者に対して第6条又は第7条の規定に基づいて救援する場合の補償額については、地方公務員災害補償法第59条の規定により算出する。
(その他の場合の救援)
第12条 第3条第1項第6号に該当する者に対しては、事情に応じてその都度救援する。
(併 給)
第13条 第3条第1項各号に重複して該当する者に対しては、併せて救援することができる。
第3章 運 営
(救援委員会)
第14条 この規則の運用のため、愛知県職員組合救援委員会を設置する。
2 救援委員会は、次に掲げる委員で構成する。
(1) 中央執行委員会の構成員のうちから5名
(2) その他組合員のうちから5名
3 救援委員は、毎年定期大会で選出する。
ただし、委員に欠員を生じたときは、中央委員会で補充選出することができる。
4 救援委員の任期は、定期大会の翌日から次の定期大会までとする。
ただし、再選を妨げない。
(救援委員会の任務)
第15条 救援委員会の任務は、次のとおりとする。
(1) 救援事実の調査
(2) 第3条の適用事項を審査決定
(3) 第6条から第13条までの救援給付の決定
(4) その他救援に必要な事項の決定
(議 事)
第16条 救援委員会の議事は、構成員の4分の3以上の出席によって成立し、出席委員の5分の4以上の賛成によって決定する。
(決定事項の執行)
第17条 救援委員会で決定した事項は、中央執行委員会で執行し、その経過及び結果を大会又は中央委員会に報告し、承認を受けなければならない。
(緊急執行)
第18条 救援が緊急を要し、救援委員会を開催する暇のないときは、中央執行委員会において処理することができる。
2 前項の場合、中央執行委員会は、速やかに救援委員会委員長に対し救援委員会の開催を求め、処理した内容について報告承認を得なければならない。
(救援申請の手続等)
第19条 救援を受けるべき事態が発生した場合、その適用を求める者は、救援適用申請書を中央執行委員長に提出しなければならない。
2 前項に定める申請は、救援を受けるべき事態が発生した日から1年を経過する日までにこれを行わなければならない。1年を経過しても、なお申請を行わない場合は、救援を受ける権益を失なったものとする。
ただし、正当な理由があると救援委員会が認めたときは、この限りではない。
(申請の付議)
第20条 前条第1項の申請を受けた中央執行委員長は、7日以内に関係書類を添え、救援委員会に対して適用の適否について付議しなければならない。
(申請の審議等)
第21条 前条の付議を受けた救援委員会は、原則として7日以内に会議を開き、審査及び調査を行い、救援の可否を決定し、救援決定通知書を中央執行委員長に提出しなければならない。
2 中央執行委員長は、救援委員会の求めに応じ、審議に必要な書類及び記録書等を提出しなければならない。
3 救援委員である者が、救援審議の対象となったときは、その審議に加わることができない。
この場合、当該委員の数は、救援委員会の出席委員の数にも算入しない。
(決定の通知)
第22条 救援決定通知書を受けた中央執行委員長は、申請者に対して決定通知書を交付しなければならない。
2 中央執行委員長は、救援の実施について、被救援者の生活上、又は精神的な支障がないよう充分配慮して行わなければならない。
(再審議の請求)
第23条 決定に異議のある申請者は救援委員会に再審議を求めることができる。
2 前項の申請は、決定のあった日から30日以内にしなければならない。
(救援の停止)
第24条 事実に相違した申請により救援を受けた者に対しては、救援の停止若しくは変更又は給付したものの返済を求めることができる。
第4章 会 計
(会計区分及び資金)
第25条 この規則による救援に必要な資金は、愛知県職員組合犠牲者救援資金積立金(以下「積立金」という。)をもって充てる。
2 積立金から生ずる収入は、すべて積立金に繰り入れなければならない。
第26条 前条のほか、大会の議を経て必要な資金を積立金に支出することができる。
第27条 積立金は特別会計とし、第1条に定める目的以外に流用してはならない。
(会計処理)
第28条 積立金の会計処理は、愛知県職員組合会計規則に準じて処理する。
(会計監査)
第29条 特別会計とした積立金の監査は、愛知県職員組合会計規則に準じて行う。
第5章 補 則
(特別事情による救援の停止)
第30条 この規則の適用にあっては、客観的条件、その他の事情を勘案し救援の一部または全部を停止することができる。
(委 任)
第31条 この規則の施行に必要な事項は救援委員会において定める。
(規則の変更)
第32条 この規則は、中央委員会の同意がなければ変更できない。
附 則
1 この規則は、1983年11月25日から施行する。
2 前愛知県職員組合救援規則は、廃止する。
3 従来の救援資金積立金を愛知県職員組合犠牲者救援資金積立金に名称変更する。
附 則
この規則は2007年6月20日から施行する。
別表第1 死亡弔慰金の算定基準 (第6条関係) (省略)
別表第2 遺族補償の算定基準(第6条関係) (省略)
別表第3 負傷、疾病による身体障害者の算定基準 (第7条関係) (省略)
別表第4 昇給延伸補償基準 (第7条関係) (省略)
別表第5 行政処分による見舞金支給基準 (第10条(3)関係) (省略)
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