市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

4月1日にゴミ焼却施設の所長に昇進した途端、死に追いやられた安中市職員の一体なぜ?(続報5)

2013-06-05 22:44:00 | 困ったちゃん岡田義弘・元市政
■平成25年4月2日の朝、松井田にある安中市所有の最終処分場で、同施設を管理している安中市市民部クリーンセンターの所長(課長)が急死した事件について、当会はこれまで事件の原因を追究し真相を解明すべく、情報公開手続を通じて必要な情報収集を図り、秘書課及びクリーンセンターの部下の職員や後任の所長(=課長)らと面談して、事情聴取を試みました。しかし、なぜか、不完全燃焼のまま2ヶ月が経過してしまいました。それでも当会はこの間、逐次報告をしてまいりました。
 平成25年4月1日付 http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/991.html 
 同4月26日付(続報1) http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1008.html 
 同4月29日付(続報2) http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1009.html 
 同5月1日付(続報3) http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1011.html 
 同5月5日付(続報4) http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1015.html 

 民間であれば、職場の施設内で急死事件が発生すれば、その原因について、必死に究明することでしょう。さらにその死亡理由が自殺であれば、何が原因だったのか、パワハラなのか、それとも、顧客からのクレーム、あるいは職場でのイジメなど、詳しく調査して再発根絶に向けた対策が取られるはずです。

 ところが安中市の場合はそうではないようです。当会がこの問題について市側の対応を質してきた過程で、安中市はひたすらこの件を外部に知られたくないという対応をとってきたからです。

■現職の市職員、それも大抜擢人事により碓氷川クリーンセンターの所長に就任したばかりの幹部職員の急死で、自殺の可能性が指摘されているわけですから、当然、その背景や事情について、安中市当局は組合や市民に対する説明責任として、職場環境に問題は無かったのかどうか、積極的に調査し、原因を究明して再発防止策を講じるのが通常の対応だと思われます。

 ところが、当会が安中市長に情報公開を請求したところ、安中市長は「親族の心痛への配慮」という大義名分をかざし、原因がなんだったのかを知ろうとする当会の動きを初っ端からけん制しました。

■そのため、秘書課に聞いても埒が明かないと判断した当会は、直接クリーンセンターの関係者にコンタクトを試みました。しかし、既に当会の動きは市役所内に通達が回っていたと見えて、クリーンセンター側からも「アポイントをとる場合には、窓口の秘書課の許可を得てからしてほしい」と釘をさされてしまいました。

 もともとコソコソ動くつもりはありませんでしたから、事前に秘書課と次のようなやりとりをメールで行いました。

-----5月6日(月)午前9時12分の秘書課宛メール-----
宛先: sorimachi <sorimachi@city.annaka.gunma.jp>
送信日時: 2013/5/6, 月, 9:12
件名: 5月1日の電話でお願いしたクリーンセンター関係者との面談について(お願い)
安中市役所 総務部 秘書課 広報広聴係
反町様
毎々お世話になります。
5月1日に電話でご相談申し上げたように、碓氷川クリーンセンターの所長急死に関連して、同センター関係者にヒヤリングを希望したところ、秘書課を通じて面談を申し入れるように要請があった件で、まことに勝手ながら、次の期日に関係者と面談いたしたく、よろしくご検討くださるようお願い申し上げます。
日時:平成25年5月13日(月)午後4時から
面談目的・次の疑問点※に関する質疑及び聴取
※面談時に同センター関係者に質問を予定している項目は次の通りです。
1.平成25年4月2日当日の出来事について
(1)家族が連絡する前に捜索を開始したのかどうか?
(2)その場合、そのきっかけはどのようなものだったのか?
(3)その場合、何時から捜索に着手したのか?
(4)家族からの電話連絡に対して、何係の誰が対応したのか?
(5)捜索は、どのように行ったのか?
(6)ふたりひと組で何グループ化にわかれて手分けして行ったのか?
(7)捜索の対象場所としてこころあたりは何か所あったのか?
(8)誰が何時に所長を発見したのか?(第一発見者と時刻)
(9)警察に通報した時刻は何時何分だったのか?
(10)警察が現場に到着したのは何時何分だったのか?
(11)秘書課に通報した時刻は何時何分だったのか?
(12)秘書課には誰が電話をしたのか?
(13)秘書課を通じて誰に報告したのか?
(14)マスコミ等からこの件で直接クリーンセンターに問い合わせはあったのか?その場合、どのように対応したのか?
2.報道内容について
(1)東京新聞によると、所長の発見時刻が午前8時45分とあるが、間違いはないか?
(2)死亡の原因として、4月3日朝の新聞記事には、「自殺らしい」とか、「事件性は無い」などと報じているが、そうした死亡原因の理由について、事前に2日の時点で知り得ていたのか?それとも、新聞報道で初めて知ったのか?
3.所長の人事について
(1)4月1日の夕方、所長は何時頃まで事務所にいたのか。その日の夕方の行動について、なにか聞いていたか?
(2)3月22日に所長昇格の内示を受けてからなにか所長に変わった事はあったか?
(3)係長から所長に抜擢されたことについて、どのように受け止めたのか?意外と感じたのか、あるいは内部からの抜擢として当然の人事だと感じたか?
(4)係長時代に、月平均何時間残業をしていたのか?
(5)後任の所長が、5月1日付で着任したが、今回は内部からの抜擢ではなかったことについて、どう感じたか?
4.タクマとの関係について
(1)後も焼却施設は、現在24時間の連続運転をしているそうだが、2交替制か、それとも3交替制なのか?
(2)それぞれの当直の時間帯は何時から何時までなのか?
(3)どの時間帯を市職員が担当し、どの時間帯をタクマ・テクノスが担当しているのか?
(4)2基のゴミ焼却炉は交互に運転していると思われるが、どのような使い方をしているのか?
(5)平成10年4月から運転を続けていると思われるが、更新の計画はどのような予定と内容で考えているのか?
また、4月22日の貴課との面談を踏まえて、貴課に次の質問があります。これらについても、貴コメントのほどよろしくお願いします。
(A)4月2日の朝9時30分にFAXをマスコミに発信しなければならなかった理由は何か?
(B)その際、家族への配慮についてはどのように考慮していたのか?
(C)後任所長として、クリーンセンター内部からの抜擢人事ではなく、外部から人選した理由は何か?
(D)クリーンセンターにもこの事件について、緘口令あるいはその類の指示を秘書課から出しているか?
(F)後任の所長人事として、平成25年5月1日付で、総務部契約検査課入札契約係の白石久男・主幹に辞令が交付されたが、今回、クリーンセンターの内部から抜擢しなかった理由は何か?
以上、取り急ぎ。
安中市野殿980 小川賢

------5月10日(金)午後3時38分の秘書課広報係宛メール-----
宛先: kouhou kouhou@city.annaka.gunma.jp
送信日時: 2013/5/10, 金, 15:38
件名: Fwd: 5月1日の電話でお願いしたクリーンセンター関係者との面談について(お願い)
秘書課 高橋様
毎々お世話になります。
先ほど架電にてお願いした件です。
反町係長殿が、午後退出されたとのことですので、恐縮ですが至急本件ご調整のうえ、ご返事をいただけますようお願い申し上げます。
安中市野殿980 小川賢

-----5月10日(金)午後3時49分の秘書課長からのメール-----
Date: 5/10 15:49
From: 安中市 田中秀雄
Sub: Re: 5月1日の電話でお願いしたクリーンセンター関係者との面談について(お願い)
昨日、送信させていただいたのですが、送信できなかったようですので携帯電話のアドレスに送信させていただきます。
小 川  賢  様
新緑の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
日頃、大変お世話になっております。
さて、貴殿からの質問項目につきましては、総体的に市の業務(職務)と関係のないことであり、答える義務はないと考えております。
ただし、質問の「4 タクマとの関係について」は答えられる内容であると認識しております。
ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。
安中市総務部秘書課 田中秀雄

-----5月10日(金)午後4時15分の秘書課長宛メール-----
Date: 5/10 16:15
To: hideo-t@city.annnakagunma.jp
Sub: Re: 5月1日の電話でお願いしたクリーンセンター関係者との面談について(お願い)
秘書課 田中様
毎々、お世話になっております。今回お願いした件は、碓井川クリーンセンターの指示によるものです。アポイントは秘書課を通じて申し入れてほしいとの依頼だったので貴課にお願いしたものです。予めお聞きしたい事項をお知らせして無用な時間を減らしたかったのですがかえって無用な心配をお掛けしたようですね。いずれにしてもゴミ施設にことについて質問させて頂きたいので、当該日時訪問許可賜りたくお願いいたします。
安中市野殿980 小川賢

-----5月10日(金)午後4時39分の秘書課長からのメール-----
Date: 5/10 16:39
From: 安中市 田中秀雄
Sub: Re: 5月1日の電話でお願いしたクリーンセンター関係者との面談について(お願い)
小 川  賢  様
大変、お世話になっております。
クリーンセンターの「施設」に係ることの問い合わせであれば、直接、クリーンセンターへお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
安中市総務部秘書課 田中秀雄

■秘書課長から、「クリーンセンターの施設に関する問い合わせであれば、直接コンタクトしても良い」とのお墨付きを得た当会では、5月13日(月)午後4時30分から6時にかけて、クリーンセンターを訪れ、5月1日付けで新所長に赴任した白石久男所長および同センター管理係の石原勉課長補佐(今年4月1日付けで係長から昇格)と面談してゴミ施設のことについて事情聴取をしました。

 事前に午後4時にアポイントをとっていましたが、交通事情により30分ほど遅れてしまいました。

 クリーンセンター事務所を尋ねたところ、白石所長は不在で、直前に市役所に会議で出かけたばかりだというので、事務係長の石原課長補佐だけでもよいから(白石所長は赴任したばかりで事情は良く知らないため)、話を聞きたいと申し入れましたが、「所長同席でないと面談できない」というので、所長を電話で呼び出し、センターに戻るよう伝えてもらいました。その後15分ほど事務所の中で待たされました。

 まもなく白石所長が息せき切って戻ってきました。石原課長補佐を交えて3人で事務所内の作業机で質疑応答をしました。

■正味1時間10分ほどの聴取でしたが、前所長の急死については秘書課から触れないように、と厳しく釘を刺されていたので、もっぱら秘書課がこだわる「ゴミ施設」の話題に絞ってあれこれ尋ねました。

 質問項目の順番としては、ごみ焼却施設、し尿処理施設、焼却灰処分施設(サイボウ環境の最終処分場)、そして松井田の最終処分場の順番です。

 最初に、ごみ焼却施設について聴取しました。現在稼動中のタクマのごみ焼却施設と粗大ごみ処理施設は平成10年4月から使用しており、既に15年を経過しています。そろそろ更新のための準備作業が開始される時期に来ているはずです。そこでごみ焼却施設の更新について、現状を聴取したわけです。

 とはいえ、白石所長は5月1日付で赴任したばかりなので、施設の細かいことはご存知ありません。これは仕方の無いことです。そこで、管理係の石原係長にも補足説明をしてもらいました。ただし同係長も、3月までは業務2係(し尿処理施設担当)に所属していたということで、焼却施設のほうはすべて頭に入っているというわけではありませんでした。

 その結果、次のことが判明しました。

①施設の更新は、建て替えではなく、長寿命化と称して現状施設を長持ちさせる方針に決まったこと。
②そのため、今年度から長寿命化計画の作成を開始すること。
③現在の施設の運転パターンについて、3交替で2つの焼却炉を同時に運転しているが、ゴミの量がそんなにないので、もっぱら平日運転をしていて、ゴミがピットに無くなれば、その時点でストップして、ゴミがたまったら連続運転を再開している。
④当会が、「平成7年当時、この施設の計画段階では16時間あたり焼却能力45tの炉×2基で設置したのだから、その後のごみ排出量の予測と実際では、当時の人口増加予想どころか、少子高齢化により人口が減少しており、また、リサイクル意識向上で一人当たりゴミ排出量も減少したわけだから、24時間運転をしても、1基だけで賄えるのではないか」と質問したところ、上記③のように「ゴミがあるうちは、炉2基で24時間の連続運転をしている」という。
⑤当会が「当初計画での設計性能は16時間運転で45t×2基=90tだから、24時間運転で67.5t×2基=135tとなっており、一人当たりのゴミ排出量は確かに少なくなったのだから、設計性能にたいして非常に負荷率が低い運転をしているのではないか、どの程度の負荷率なのか、むしろ、1台で運転したほうがメリットがあるのではないか」などいろいろ尋ねたが、「そういう分析はしていない」とのこと。
⑥ごみ焼却施設の現況としては、「平成10年4月から使用開始して既に15年を経過しており、耐火煉瓦も剥がれ落ちやすくなり、頻繁に補修が必要となっている。補修作業は、金曜日に炉を止めて月曜日に炉内に入ろうとしても、まだ熱くてすぐには入れない。だから一旦炉を止めると再スタートまで時間が相当かかる」とのこと。

 しかし、二人から話を聞く限りデータに裏打ちされた風情はなく、全部タクマ・テクノス(タクマの子会社の運転代行会社)に任せきりにしていることが伺えました。そこで、焼却施設の運転状況について、別途、運転記録を出していただくよう、二人にお願いしました。

 このように焼却施設について、運転管理方法や実態に関する説明を求めても、本人らも分からない様子でした。白石所長は無理もありませんが、石原課長補佐は、昇格前はし尿処理施設担当(つまり業務2係)だったため、立て板に水の説明という感じではありませんでした。もし、急死した前所長がその場にいれば、全て詳細に説明してもらえたはずです。
 
■次にクボタのし尿処理施設について訪ねました。こちらは石原係長がさすがによく知っている様子がうかがえました。それによると、こちらは焼却施設よりもさらに古く、やはり老朽化してきているそうです。

 続いて、焼却灰の処理について聞きました。しかし、当会のほうが良く知っていると思えるくらい、二人の口は重く、焼却灰の排出量一つにしても、あとで調べないといけないので時間がかかるという説明に終始しました。

■最後に松井田の処分場施設について聞きました。管理型なので、遮水シートで集められた地下浸透水を、地下の大きなタンクにためておき、それを汲み上げて、地上にある一時貯留タンクに移し、それから、生物処理や化学処理をして、放流するということです。1日当たり平均20トンの浸出水を処理できる施設だそうですが、地下のタンクにある程度たまってから汲み上げる為に現地に行って設備を動かしているそうです。そのため、毎日ではないが、週に3日程度現地に行って、昼の間処理のための運転をするそうです。しかし、どういう体制でやっているのか聞いても要領を得ないことと、現地の施設の様子について、説明を聞いてもサッパリ飲み込めないので、「現地の施設を視察したい」と申し入れたところ、OKともダメだとも言われませんでした。そこで、後日改めて都合を調整して、視察時期を確認させてもらうことにしました。

 以上のことから、現在の碓氷川クリーンセンターが直面している課題としては、施設の老朽化に対処するため、更新ではなく長寿命化という方針をとるべく計画案を立案することのようです。

 この場合、昨年まで談合問題で争っていたタクマの技術で建設した施設のため、当然、タクマと協議しながら計画を立てなければなりません。そして、補助金の申請や、長寿命化にかかる契約についても随意契約の形をとることが前提となります。となると、イロイロなしがらみ、たとえば談合問題や、それが原因の安中市とタクマの裁判、一方、クリーンセンターが運転保守を業務委託しているタクマの子会社のタクマ・テクノスとの関係など、いろいろと縛りのあるなかでの長寿命化計画の策定をしなければならず、計画策定に際しては、あれやこれや、いろいろな要素を勘案する必要が出てくることでしょう。

 前所長の急死の原因がそうした業務上の悩みであるかどうか、当会が判断する為の材料は、残念ながら安中市の秘書課が情報統制をしているため、入手できません。そのため、当会としては憶測でしか判断する術がありません。すると、安中市長の手紙にもあったように、「親族の心痛を逆なでしないよう、憶測で判断するな」と言われてしまうことになります。

 しかし、あえて言わせて貰えば、そうした長寿命化計画の策定作業の困難さを知り尽くしているからこそ、前所長はアレコレ悩んでいたという可能性があります。

■安中市と松井田が平成18年4月に合併後、平成23年3月までクリーンセンターの所長だった大塚敏彦氏は、現在の施設の計画立上げからずっと施設に関わってきました。施設の更新時期を控えて、1992年のクリーンセンターへの中途採用から市職員の立場で、ずっと施設の運営に携わってきた前所長が、ポスト大塚氏のような役割を周りから期待されていた可能性も十分あります。

 また、更新ではないというものの、長寿命化計画においても、施設の主要部分は更新することになるわけで、その事業規模は、平成7年(1995年)6月にタクマが落札したときの64億8591万円(もちろん談合価格なので、実際のコストはこれより2割は低い?)と同等レベルにはならないものの、その半分の30億円は優に超えるに違い有りません。しかも、建物など使えるところは残しながら部分的に交換工事をするため工期も多年度にわたるはずです。となると、談合企業として知られるタクマとのタフな交渉が不可避となります。

■タクマが碓氷川クリーンセンターの前身の安中・松井田衛生施設組合当時、それまでの旧式のバッチ式から准連続式のストーカ炉に更新するため、平成7年6月に入札が行われました。入札は大手5社を含む9社により行われ、タクマが落札して64億8591万円で契約しました。しかし、この計画段階からいろいろな不自然な動きがありました。当会のブログを参照ください。
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/558.html

 平成7年6月といえば、まさに安中市土地開発公社を舞台にした前代未聞、空前絶後の巨額詐欺横領事件が発覚し、安中市役所は混乱の坩堝にありました。そのような混沌とした状況の中、平成7年10月に突然、当時の小川勝寿市長が職を投げ出したため、急遽出直し市長選挙が平成7年11月に行われることになりました。

 当会の事務局長も市民団体をバックに市長選に出馬をしましたが、当時は史上空前の51億円横領事件のこともさりながら、約65億円に上るタクマのごみ焼却施設の問題も市役所を巡る利権問題としてクローズアップされていました。

 安中市民は、タゴ51億円事件のほうばかり目が行っていましたが、実は利権の観点から言えば、小川市長を取り巻く関係者の間では、タクマのこの談合の産物のごみ焼却施設のほうが、もっと大事な問題だったのです。

 当時を知る役所のOBは、今でも当会の事務局長に対して、「本当はタゴ事件の真相解明ではなく、タクマのごみ焼却施設計画の利権に食い込むことだったのだろう」と真顔で尋ねてきます。当時、当会の事務局長は、ストーカ燃焼式のごみ焼却施設案件を独占していた大手5社とは別に、流動床燃焼方式のごみ焼却施設を製造していた三井造船株式会社に勤務していました。そのため、もし市長選で当選を果たしてしまった場合、談合による利権構造はもとより、地元関係者への利権の配分もすべてパーになるという重大な危機感が市役所及び業者の間に共有されていたというのです。

 当会の事務局長は、当初そのような事情は知りませんでしたが、激しい選挙戦を戦うにつれて、いろいろな利権が錯綜していることを知り、このまちはなんと腐りきっているのだろうと痛感したのでした。

 結局、いろいろな選挙妨害が功を奏して、市民団体出身者が安中市長選挙を制することはありませんでしたが、その結果、市役所内の談合体質が温存されてしまったのでした。

■その意味でも、あれから18年年目の今年、クリーンセンターの所長が自殺と見られる急死を遂げなければならなかった事件について、18年前の状況と共通した背景が浮き彫りになってくるのも無理からぬことかもしれません。

 今回、たまたま4月2日に発生したごみ焼却施設を管理する碓氷川クリーンセンターを舞台にしたショッキングな事件を契機に、真相解明と再発防止のために当会は調査に乗り出し、そのために必要な質問項目を事前に安中市に通知しておりました。ところが、上述のとおり、当会と安中市とのやり取りの中で、市の秘書課長は「答える義務は無い」などという言葉を使って、当会の質問への回答を拒否してきました。

 18年前に発覚したタゴ51億円巨額詐欺横領事件についても、安中市の対応は司直に委ねてあるの一点張りで、自ら情報を開示し、説明責任を果たそうとする姿勢に欠けていました。

 今回の悲しい事件の場合も、タゴ事件の場合も、市民に対して何かを隠そうとする背景には、安中市政に共通した体質や課題が感じ取れます。当会の投じた一石が、どのような波紋を残してゆくのかどうか、注目していきたいと思います。

【ひらく会情報部・公務員労働環境調査班】


※参考情報
「役所の顔」28歳職員が過労自殺、住基ネット移行で負担集中 宮崎県新富町」
http://www.mynewsjapan.com/reports/1770

※参考情報
 地基補第173号
平成11年9月14日
地方公務員災害補償基金
 各支部長 殿
                    地方公務員災害補償基金
                    理事長 山崎 宏一郎
精神疾患に起因する自殺の公務災害の認定について(通知)
 精神疾患に起因する自殺事案の取扱いに関し、「公務上の災害の認定基準について」(昭和48年11月26日地基補第539号)の記の3の「公務上の疾病と相当因果関係をもって生じたことが明らかな障害又は死亡」と認定することについては、下記の基準により行うこととしたので、その処理に遺漏のないようにされたい。
          記
第1 自殺が公務上の災害と認められる場合
 精神疾患に起因する自殺が公務上の災害と認められる場合は、次の要件に該当する場合である。
1 次のいずれかに該当すること。
(1)自殺前に、公務に関連してその発生状態を時間的、場所的に明確にしうる異常な出来事・突発的事態に遭遇したことにより、驚愕反応等の精神疾患を発症していたことが、医学経験則に照らして明らかに認められること。
(2)自殺前に、公務に関連してその発生状態を時間的、場所的に明確にしうる異常な出来事・突発的事態の発生、又は行政上特に困難な事情が発生するなど、特別な状況下における職務により、通常の日常の職務に比較して特に過重な職務を行うことを余儀なくされ、強度の肉体的過労、精神的ストレス等の重複又は重積によって生じる肉体的、精神的に過重な負担に起因して精神疾患を発症していたことが、医学経験則に照らして明らかに認められること。この場合において、精神疾患の症状が顕在化するまでの時間的間隔が、精神疾患の個別疾病の発症機序等に応じ、妥当と認められること。
2 被災職員の個体的・生活的要因が主因となって自殺したものではないこと。
第2 自殺の公務起因性の判断に関する取扱い
1 自殺の公務起因性を判断するに当たっては、第1に掲げる要件について、自殺の直前から6か月(特別の事情があると認められる場合は、1年)前程度までさかのぼって調査を行い、その結果を基礎とし、総合的に評価し、判断すること。
2 自殺前に医師の診断、診療を受けていない場合にあっては、上記1の調査に基づき、精神疾患発症の可能性の有無、疾病の性質等について、医学経験則に照らして合理的に推定して判断すること。
3 自殺の公務起因性の判断については、理事長に協議すること。
 この場合において、理事長は、複数の医学専門家から精神疾患の発症機序、鑑別診断等に関する医学的知見を徴するものとする。
第3 具体的事項等
1 「精神疾患」とは、次に例示するものをいう。
(1)心因性うつ病、反応性うつ病
(2)抑うつ状態
(3)神経症性うつ病
(4) 疲弊状態
(5)心因反応、驚愕(きょうがく)反応
(6)心因性錯乱状態
2 「異常な出来事・突発的事態」とは、医学経験則上、驚愕反応等の精神疾患を発症させる可能性のある異常な出来事・突発的事態をいい、例えば、精神疾患に起因する自殺の直前に発生した爆発物、薬物等による犯罪又は大地震、暴風、豪雨、洪水、高潮、津波その他の異常な自然現象若しくは火災、爆発その他これらに類する異常な状態がこれに該当する。
3 「特別な状況下における職務」とは、医学経験則上、強度の肉体的過労、精神的ストレス等を生じさせる可能性のある職務をいい、例えば、「異常な出来事・突発的事態」の発生時以降の職務又は大規模プロジェクト、制度の創設・改廃、条例の制定・改廃、緊張を強いられる折衝、伝染病・集団食中毒の発生に伴う対応等、通常の日常の職務に比較して、特に困難な職務を行うことを命じられるなどして、当該職務に従事したことがこれに該当する。
4 「通常の日常の職務」とは、当該職員が占めていた職に割当てられた 職務のうち、正規の勤務時間内に行う日常の職務をいう。
5 「強度の肉休的過労、精神的ストレス等の重複又は重積」とは、医学経験則上、「特別な状況下における職務」に従事したことにより生じる、精神疾患を発症させる可能性のある強度の肉体的過労、精神的ストレス等の重複又は重積をいい、例えば、次のような事態、状況等(以下「事象」という。)の重複又は重積が該当する。
 この場合において、「強度」の肉体的過労、精神的ストレス等の有無については、被災職員と職種、職等が同等程度の職員との対比において客観的に判断する必要がある。
(1)肉体的過労等を発生させる可能性のある事象
ア 1週間程度から数週間程度にわたる、いわゆる不眠・不休の状態下で行う、犯罪の捜査若しくは火災の鎮圧又は、危険、不快、不健康な場所等において行う、人命の救助その他の被害の防禦等
イ アの職務遂行中における二次災害、重大事故等の発生への対処等
ウ 期限の定められている職務のため数週間程度から1か月程度にわたって行う、特に過重で長時間に及ぶ時間外勤務(週40時間を超える程度の連続)
エ 通常の日常の職務に比較して、特に精神的、肉体的に過重な職務のため、1か月程度以上にわたって行う、過重で長時間に及ぶ時間外勤務(週数十時間程度の連続)
オ 上司、同僚、部下等の事故、傷病等による休業又は欠員の発生等による上記に準ずる、肉体的過労等を生じさせる諸事象
(2)精神的ストレス等を発生させる可能性のある事象
ア 第三者による暴行、重大な交通事故等の発生
イ 組織の責任者として連続して行う困難な対外折衝又は重大な決断等
ウ 機構・組織等の改革又は人事異動等による、急激かつ著しい職務内容の変化
エ 極度のあつれきを生じるような職場の人間関係の著しい悪化
オ 重大な不祥事の発生
カ その他の上記に準ずる精神的ストレス等を発生させる諸事象
6 「症状が顕在化する」とは、自他覚症状が明らかに認められることをいう。
7 自殺の原因としては、傷病苦、経済問題、被災職員又は家族等に係る事故・事件の発生、うつ病・精神分裂病等の精神疾患、アルコール依存症、家庭問題(家庭内暴力、家族の病気・死亡、教育問題、家庭不和・離婚問題など)、異性問題、交友関係等が考えられる。また、自殺については、被災職員の性格等種々の要因も影響する。そのため、当該職員の個体的・生活的要因について調査し、評価する必要がある。
第4 留意事項
1 精神疾患の診断病名については、我が国の伝統的診断方式による従来診断病名(以下「従来診断」という。)が一般的に使用されている。しかし、最近では、我が国で使用する疾病、傷害及び死因の統計分類が準拠している世界保健機関(WHO)の「疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10回修正」(以下「ICD-10」という。)の「精神および行動の障害(FOO-F99)」による診断病名が用いられる場合が増加している。このため、第3の1で例示する精神疾患については、参考として、別紙1のとおり、より詳細な従来診断とICD-10の疾病分類による診断病名を併せて列挙する。
2 例示されていない精神疾患に係る事案の取扱いについては、本通知を準用して検討することとするが、内因性うつ病、操うつ病、精神分裂病等、いわゆる狭義の精神疾患に係る事案の場合は、当該精神疾患の発症機序に関する医学経験則に照らし、厳正に行うこと。
 なお、これらの精神疾患の診断病名についても、参考として、別紙2のとおり従来診断とICD-10の疾病分類による診断病名を併せて列挙する。
3 公務に関連する自殺であっても、精神疾患に起因しない自殺は、公務上の災害とは認められないものであること。
4 公務に関連して精神疾患を発症したと認定請求された事案の取扱いについては、本通知を準用する。
5 本通知の適正な運用のためには詳細な調査が必要であるが、その特別な性質に鑑み、関係者等に対して調査を実施する際には、特にプライバシーの保護に配慮するとともに、収集した諸資料の保全に注意すること。
 なお、調査事項等によっては遺族等の同意を得ておくことが望ましい。
第5 精神疾患に起因する自殺の公務起因性判断のための調査事項
1 -般的事項
2 災害発生の状況
3 身体状況
4 災害発生前の勤務状況
5 災害発生前の生活状況
6 その他の事項

別紙 1
従来診断病名/ICD-10
1 心因性うつ病、心因反応性うつ病、反応性うつ病、荷降ろしうつ病/F43.0 急性ストレス反応、F43.1外傷後ストレス障害、F43.2 適応障害
2 心的外傷反応によるうつ状態、抑うつ状態、うつ状態、神経症性うつ状態、反応性抑うつ状態/F34 持続性気分(感情)障害、F43.1外傷後ストレス障害、F43.2 適応障害
3 抑うつ反応、抑うつ神経症、適応障害の環境性のうつ型、性格(反応)型うつ病、神経症性うつ病/F34 持続性気分(感情)障害、F43.2 適応障害
4 精神的生理的疲弊状態、疲弊状態/F43 重度ストレスへの反応および適応障害
5 急性一過性状況性障害、心因性精神障害、心因反応、意識朦朧状態、驚愕反応/F43.0 急性ストレス反応、F43.1外傷後ストレス障害
6 心因性錯乱状態、錯乱状態、心神喪失、反応性精神病/F23 急性一過性精神病性障害、F25 分裂感情障害、F43.0 急性ストレス反応の重度の状態
(注)診断病名については、米国精神医学会(APA)が作成した、DSM-Ⅳによるものが使用されている場合があることに注意すること。

別紙 2
従来診断病名/ICD-10
1 内因性うつ病、躁うつ病/F31 双極性感情障害(躁うつ病)、F32 うつ病エピソード、F33 反復性うつ病性障害
2 精神分裂病/F20~29の精神分裂病、分裂病型障害および妄想性障害/(F23急性一過性精神病性障害及びF25分裂感情障害を除く。

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1 コメント

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Unknown (アポロ13)
2013-06-11 15:10:24
彼を一言で表わすなら"気は優しくて力持ち"。

あんな正直者に"所長"なんかやらせちゃダメだ。

彼はきっと何かを守りたかったのに違いないと思っている。
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