■2月に入り関東地方には頻繁に雪が降っています。これは台湾付近で発生した低気圧が日本列島の太平洋側に沿って東に移動してくる際に、北にある寒気団の南下で気温が下がり、雨が雪に変わるためです。先週末の2月15日午後にも関東地方に積雪があり、安中市にもまとまった雪が降りました。
↑15日の降雪で妙義山も雪化粧。↑
地元の北野殿地区は海抜210m前後の丘陵地帯の上にある集落ですが、麓とは60m~70mの高低差があるため、雪の場合、積る量が多めになります。また、麓ではみぞれでも、北野殿地区では雪ということもしばしばです。
したがって、雪が降った後、次の日の早朝は大変です。とりわけ、北野殿から西側に向かって下るヒヤ坂では、途中、日蔭の場所もあり、平日の通勤時間帯には車両が凍結した路面にハンドルを取られて道路脇の畑に転落したり、あるいは下から上れなくなり、立ち往生をすることが発生します。
■15日の降雪でも北野殿地区では積雪が10センチ近くありました。筆者は翌16日の朝8時54分ごろ安中駅から地元V社のタクシーに乗り、ヒヤ坂経由で北野殿に行こうとしました。ところが、ヒヤ坂の途中で軽自動車が1台止まっていました。
何をしているのかなと思いきや、上から、のどの荘の工事用の大型の生コン車やトラックが列をなしています。軽自動車の上には軽トラックが1台おり、しばらく様子を見ていましたが、4輪駆動のためか、トラックが停止しているのを見極めると、ゆっくり上って行きました。
↑ヒヤ坂のこの辺が凍結して滑りやすい箇所。↑
FR(フロントエンジン・リアドライブ)のスタッドレスタイヤ装備のV社タクシーもその後に就こうとして前に停止したままの軽自動車を追い越して、上ろうとしましたが、路面が凍結していて、タイヤが滑りだしました。これはいかん、と運転手は車を左側に寄せて、少し待っていてほしい、と、ドアを開けて、路面の凍結具合を確かめに上り始めました。
↑滑りやすい箇所から上り方向を見る。↑
やがて、危なっかしい足元で戻って来て、とても上れそうにない、と言い残して、下で立ち往生したままの軽自動車やその後ろに数台数珠つなぎになっていた車の運転手に、一旦バックして戻った方がいい、とアドバイスをしました。
↑この辺も滑りやすい。↑
そして、後ろの車がバックをし始めたので、それを見ていた生コン車やトラックがゆっくりと降りて来ました。道路幅すれすれでしたが、いずれもなんとか下って行きました。筆者の乗ったタクシーも下りのトラックが通過した後、40mほどバックして路面が交わしている場所でUターンをして、ヒヤ坂を下りました。途中、上って来る車のドライバーに運転手が窓から声をかけて、4駆でないと滑って上れないよ、と忠告していました。いずれもUターンして下り始めました。
結局、一旦安中駅前迄戻り、国道18号経由で岩井交差点から県道安中富岡線に入り、水境経由で北野殿に辿り着きました。時間は9時半近くになっていました。
■タクシーの運転手は、下仁田出身で安中市内でタクシーの運転手をしばらくしているが、松井田の方はともかく、このあたりで、スタッドレスで立ち往生をしたのは初めてだ、と言っていました。また、通常であればこうした路面の凍結しやすい個所には事前に融雪剤を用意したり撒いたりして未然に凍結防止の措置を行うはずだ、とこぼしていました。
実際に、県道の大谷入口から水境の間の上り坂のカーブで日当たりの悪い個所がありますが、融雪剤をまいたためか、道路脇に積雪はありましたが、とくに問題なく通過できました。
ちなると、安中市の道路行政の怠慢ということも考えられます。さっそく市役所に電話をしてみると、休日のため、当番の女性職員が電話口に出ました。野殿のヒヤ坂の道路凍結状況と渋滞の様子を報告しておいたところ、間もなく市の道路担当者から折り返し電話がありました。
なんでも、市内のあちこちで同じような状況の個所があり、てんてこ舞いなのだそうです。今、対応している場所が終わったあと、現場を見に行く、ということでした。
ヒヤ坂は、積雪の後、路面が凍結する場合が多く、平日の場合、通勤の車が何台か道路脇の畑に突っ込んでレッカー車が出動する事故もよく起きます。そこで「凍結し安い場所なので、除雪ができなければ、せめて融雪剤を撒いたり、或は道路脇に準備したりしておけば、よいのではないでしょうか」と提案したところ、「融雪剤を撒いても一旦解けるが、再び凍結してしまい、効果が薄い。砂を撒いた方が効果的だ」ということでした。
■そのあと、しばらくして、「現場を見たが、日差しがでてきたためか、路面の凍結はあまりみられず、通行車両は徐行運転ながら渋滞も無く通行している。念の為、砂を撒いておき、予備の砂袋も現場近くに補充しておいた」と担当者から電話がありました。
ロシアの極東地区でも、ナホトカ市の入り口の峠では、路面がカチカチに凍結します。そこでは、黒い粉を散布しています。聞いてみると製鉄所で副産物として出てくるスラグを粉砕したものを路面に散布しているのだそうです。そのため、気温がマイナス20℃でも、通行車両は問題なく、峠を上り下りしています。
日本の場合には、融雪剤として塩化カルシウムを使用することが一般的なようです。この原理は、融雪剤の散布によって融雪剤の主成分である塩化カルシウムが水に溶け、凝固点降下が起こり融点が低下し、それにより融点が気温を下回れば雪は水へと変化する現象をり言おうしたものです。
しかしこれで低下する融点は数度から十数度程度であるため、極端に低い温度の中では効果が得られません。だからロシアでは、黒色の粉末を道路に散布しているわけです。着色材料の路面散布による融雪は、雪や氷の表面に黒色の粉末を散布することで、太陽熱エネルギーを吸収しやすくする現象を利用したものです。
塩化カルシウムの場合、路面の状況にもよりますが、1平方メートルあたり約30グラム(一握り)から100グラム程度が散布量のメドのようです。これを融雪したい箇所に散布すると、数分から数十分で融雪が完了します。
塩化カルシウム自体は自然界にも存在して毒性は低く、融雪効果がある反面、塩害によりガードレールなどの鉄製品や植物、コンクリート、通行車両などに悪影響を与えるという副作用もありますが、交通の安全と安心という観点から使用されるものです。また、毒性は低いものの、素手で扱うと炎症を起こす恐れがあるため、手袋の使用が必要になります。
■安中市の場合、除雪にしても融雪剤の散布にしても、対応は非常に不十分です。この背景には、例の土地開発公社のタゴ51億円横領事件の影響が市の財政に影響しているとみている市民は数多いのですが、本当に困ったことです。
とりわけ北野殿地区のヒヤ坂は、国道18号船と県道前橋安中富岡線のショートカットで利用する車両が多く、路面凍結による交通渋滞やスリップ事故が多発する個所でもあります。
いくらタゴ51億円事件の103年ローンがあと89年続くとはいえ、市民の安全と安心を優先的に考えてもらいたいものです。
【ひらく会事務局】
↑15日の降雪で妙義山も雪化粧。↑
地元の北野殿地区は海抜210m前後の丘陵地帯の上にある集落ですが、麓とは60m~70mの高低差があるため、雪の場合、積る量が多めになります。また、麓ではみぞれでも、北野殿地区では雪ということもしばしばです。
したがって、雪が降った後、次の日の早朝は大変です。とりわけ、北野殿から西側に向かって下るヒヤ坂では、途中、日蔭の場所もあり、平日の通勤時間帯には車両が凍結した路面にハンドルを取られて道路脇の畑に転落したり、あるいは下から上れなくなり、立ち往生をすることが発生します。
■15日の降雪でも北野殿地区では積雪が10センチ近くありました。筆者は翌16日の朝8時54分ごろ安中駅から地元V社のタクシーに乗り、ヒヤ坂経由で北野殿に行こうとしました。ところが、ヒヤ坂の途中で軽自動車が1台止まっていました。
何をしているのかなと思いきや、上から、のどの荘の工事用の大型の生コン車やトラックが列をなしています。軽自動車の上には軽トラックが1台おり、しばらく様子を見ていましたが、4輪駆動のためか、トラックが停止しているのを見極めると、ゆっくり上って行きました。
↑ヒヤ坂のこの辺が凍結して滑りやすい箇所。↑
FR(フロントエンジン・リアドライブ)のスタッドレスタイヤ装備のV社タクシーもその後に就こうとして前に停止したままの軽自動車を追い越して、上ろうとしましたが、路面が凍結していて、タイヤが滑りだしました。これはいかん、と運転手は車を左側に寄せて、少し待っていてほしい、と、ドアを開けて、路面の凍結具合を確かめに上り始めました。
↑滑りやすい箇所から上り方向を見る。↑
やがて、危なっかしい足元で戻って来て、とても上れそうにない、と言い残して、下で立ち往生したままの軽自動車やその後ろに数台数珠つなぎになっていた車の運転手に、一旦バックして戻った方がいい、とアドバイスをしました。
↑この辺も滑りやすい。↑
そして、後ろの車がバックをし始めたので、それを見ていた生コン車やトラックがゆっくりと降りて来ました。道路幅すれすれでしたが、いずれもなんとか下って行きました。筆者の乗ったタクシーも下りのトラックが通過した後、40mほどバックして路面が交わしている場所でUターンをして、ヒヤ坂を下りました。途中、上って来る車のドライバーに運転手が窓から声をかけて、4駆でないと滑って上れないよ、と忠告していました。いずれもUターンして下り始めました。
結局、一旦安中駅前迄戻り、国道18号経由で岩井交差点から県道安中富岡線に入り、水境経由で北野殿に辿り着きました。時間は9時半近くになっていました。
■タクシーの運転手は、下仁田出身で安中市内でタクシーの運転手をしばらくしているが、松井田の方はともかく、このあたりで、スタッドレスで立ち往生をしたのは初めてだ、と言っていました。また、通常であればこうした路面の凍結しやすい個所には事前に融雪剤を用意したり撒いたりして未然に凍結防止の措置を行うはずだ、とこぼしていました。
実際に、県道の大谷入口から水境の間の上り坂のカーブで日当たりの悪い個所がありますが、融雪剤をまいたためか、道路脇に積雪はありましたが、とくに問題なく通過できました。
ちなると、安中市の道路行政の怠慢ということも考えられます。さっそく市役所に電話をしてみると、休日のため、当番の女性職員が電話口に出ました。野殿のヒヤ坂の道路凍結状況と渋滞の様子を報告しておいたところ、間もなく市の道路担当者から折り返し電話がありました。
なんでも、市内のあちこちで同じような状況の個所があり、てんてこ舞いなのだそうです。今、対応している場所が終わったあと、現場を見に行く、ということでした。
ヒヤ坂は、積雪の後、路面が凍結する場合が多く、平日の場合、通勤の車が何台か道路脇の畑に突っ込んでレッカー車が出動する事故もよく起きます。そこで「凍結し安い場所なので、除雪ができなければ、せめて融雪剤を撒いたり、或は道路脇に準備したりしておけば、よいのではないでしょうか」と提案したところ、「融雪剤を撒いても一旦解けるが、再び凍結してしまい、効果が薄い。砂を撒いた方が効果的だ」ということでした。
■そのあと、しばらくして、「現場を見たが、日差しがでてきたためか、路面の凍結はあまりみられず、通行車両は徐行運転ながら渋滞も無く通行している。念の為、砂を撒いておき、予備の砂袋も現場近くに補充しておいた」と担当者から電話がありました。
ロシアの極東地区でも、ナホトカ市の入り口の峠では、路面がカチカチに凍結します。そこでは、黒い粉を散布しています。聞いてみると製鉄所で副産物として出てくるスラグを粉砕したものを路面に散布しているのだそうです。そのため、気温がマイナス20℃でも、通行車両は問題なく、峠を上り下りしています。
日本の場合には、融雪剤として塩化カルシウムを使用することが一般的なようです。この原理は、融雪剤の散布によって融雪剤の主成分である塩化カルシウムが水に溶け、凝固点降下が起こり融点が低下し、それにより融点が気温を下回れば雪は水へと変化する現象をり言おうしたものです。
しかしこれで低下する融点は数度から十数度程度であるため、極端に低い温度の中では効果が得られません。だからロシアでは、黒色の粉末を道路に散布しているわけです。着色材料の路面散布による融雪は、雪や氷の表面に黒色の粉末を散布することで、太陽熱エネルギーを吸収しやすくする現象を利用したものです。
塩化カルシウムの場合、路面の状況にもよりますが、1平方メートルあたり約30グラム(一握り)から100グラム程度が散布量のメドのようです。これを融雪したい箇所に散布すると、数分から数十分で融雪が完了します。
塩化カルシウム自体は自然界にも存在して毒性は低く、融雪効果がある反面、塩害によりガードレールなどの鉄製品や植物、コンクリート、通行車両などに悪影響を与えるという副作用もありますが、交通の安全と安心という観点から使用されるものです。また、毒性は低いものの、素手で扱うと炎症を起こす恐れがあるため、手袋の使用が必要になります。
■安中市の場合、除雪にしても融雪剤の散布にしても、対応は非常に不十分です。この背景には、例の土地開発公社のタゴ51億円横領事件の影響が市の財政に影響しているとみている市民は数多いのですが、本当に困ったことです。
とりわけ北野殿地区のヒヤ坂は、国道18号船と県道前橋安中富岡線のショートカットで利用する車両が多く、路面凍結による交通渋滞やスリップ事故が多発する個所でもあります。
いくらタゴ51億円事件の103年ローンがあと89年続くとはいえ、市民の安全と安心を優先的に考えてもらいたいものです。
【ひらく会事務局】
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