市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

道普請のたびに思う、安中市の道路行政のお粗末さと地元住民の苦労の度合

2012-10-16 00:55:00 | 困ったちゃん岡田義弘・元市政
■春と秋の恒例の道普請が10月14日(日)朝8時から行なわれました。安中市岩野谷地区第4区の北野殿でも、村人が総出で道路清掃に汗を流しました。

清掃分担地図。
 しかし、この「道普請」(道路清掃とも呼ばれる)については、問題があります。安中市は、サイボウのゴミ処分場へのゴミの搬入道路を巡る市道拡幅工事の裁判では、道路管理者以外には道路をいじってはいけないのだから、道路に関して訴訟をする資格がない、などと原告住民らに主張した経緯があるからです。

藤井坂とヒヤ坂との三叉路脇の側溝の堆積物。0.20μSv/h。

 一般市民の前では、道普請は、「既に舗装されており、道路わきの草が高く生えてくるとか、道路上、支障をきたすものについては行政で管理するのが一般的だが、皆さんが一般に使用している身近な道路については、基本的に行政がやらなくてはいけないものの、一番皆さんにより効率的に日頃よく使われているところは、皆さんに協力いただいて、草刈り等の整備をするというのは、昔ながらの慣例としてお願いしてきた経過がある」(安中市土木課田村氏談)と口頭で説明しています。

 しかし、いつになっても道普請について、行政はルールを明文化しようとしません。おそらくまた道路に絡む住民訴訟が提起された時は、「道路法で道路管理者しか、道路をいじってはならないとあるので、不特定多数が通行する道路について、地元住民が道路に関して権利を主張することはできない」と言い張ることでしょう。

■それはさておき、今回も、線量計で測定しながら、道路清掃作業を行ないました。北野殿のヒヤ坂の場合、のどの荘に入るところの交差点の縁石付近にたまっていた落ち葉や泥を計測したところ、最大0.29μSv/hを記録しました。昨年よりはさがってきているようですが、まだまだ線量が高く、本来であれば、これらの土砂はきちんと隔離して処理しなければならないはずです。

↑北野殿ヒヤ坂を上りきった二夜堂前の交差点。正面の道を行くとのどの荘に至る。↑

のどの荘へ行く交差点の脇。

側溝で0.25μSv/h。

側溝の端の縁石付近に堆積していた土砂の放射線量は0.29と、かなり高い。

 ヒヤ坂を下っていくと、早くも作業を終えて戻ってくる村人が数名居ました。まだ8時半ですが、安中市が道路わきの草刈りをしたので、余り作業をすることもなく、ゴミ拾いをしただけで済んだようです。

道普請で回収した空き缶。

市道脇に無造作に捨てられた燃えるゴミも回収。

 そのまま下ってゆくと、先日、台風により土砂崩れが起きた場所がありました。ブルーシートで養生してありました。きちんと擁壁工事をしていないため、こうして、土がむき出しになり、浸食されて、崩落する箇所はたくさんあります。

先日の台風で土砂崩れが起きた場所。

 なにしろ、必要な予算を減らしてまで、51億円巨額横領事件の尻拭いをしなければならないため、道路管理も畢竟おろそかになります。

 坂の途中の山で空間線量を計測したところ、0.15μSv/hでした。やはり山は人の出入りがないため、セシウムの影響で空間線量が、未だに比較的高いようです。

付近の山の空間線量は0.15μSv/h。

 作業をしながらさらに下っていくと、山側の歩道の基点に着きました。ここに放置?してある大手組の看板の下で地表面を測ると0.15μSv/hでした。

歩道が切れる場所にある大手組の看板。

看板の下は0.15μSv/hでさほど高くない。

■そこから、右カーブをへてから、まっすぐ続く下り道の歩道と車道の縁石にたまった草や土砂を除去しながら、計測したところ、最大0.27μSv/hを記録しました。とりあえず雑草や堆積した土砂は、山側に除去しておきましたが、本来、これらは、行政がきちんと安全に処理しなくてはならないものです。しかし、安中市は道路維持管理に無頓着です。

縁石に沿って溜まっている土砂。

0.27μSv/hあり、相当線量が高い。

縁石脇で0.28μSv/h。

引き抜いた草の根っこを測定すると0.20μSv/h。

この草の根っこも同じく0.20μSv/h。

本来、こうした高い放射線量のゴミは、道路管理者である行政が回収し、きちんと処分しなければならないはず。

 作業をしていると、1時間たらずのあいだに、大型のサンパイを運ぶダンプが轟音を上げながら4台通過しました。2台は下り、あとの2台はサンパイを満載して、ヒヤ坂をエンジンを吹かしながら上っていきました。北野殿の村の中の狭い市道を大型ダンプが通ると、地元の一般車には脅威となります。なぜか、いずれも引間運輸という会社の産廃用ダンプです。

けたたましい轟音とともに上ってゆく引間運輸のサンパイ満載輸送中のダンプ。

20分もしないうちに2台目の引間運輸のサンパイ輸送ダンプがヒヤ坂を上って行った。

■こうした大型ダンプが通行することにより、路盤強度が国道や県道に比べて劣る市道の場合、道路の痛みが加速するのではないかと心配されます。そのため、安中市土木課に電話をして、路盤強度と大型ダンプなど重車輌の通行の制約の有無等について問い合わせてみました。最初に電話に出た中曽根担当には、こちらが5分間、質問内容について説明したにもかかわらず、理解してもらえず、上司の柳沢氏に質問しました。ところが、それでもよく分からないのです。重量が20トンから25トン以上の特殊車輌は好ましくないが、ダンプは特殊車輌ではないから、問題ないのではないか、などというのです。

重車輌の走行のためか、カーブ地点に散乱する砕石。道路の痛みが心配だ。

 以前、子ども育成会で、県道前橋安中富岡線から国道18号に抜ける大型ダンプが野殿地区の市道をショートカットして頻繁に通行していたことから、子どもらの交通安全上、このましくないということで、通学時間帯の通行を制限するよう、警察や行政に要請したことがあります。しかし、今ではもう野放図になっているようです。

農免道路の側溝の一番下端。

側溝の一番下の端に溜まった土砂が0.18μSv/h。

付近には心無いドライバーにより不法投棄されたゴミやガレキ。
山の中の農免道路の線量は0.15μSv/h。

東京ガスのバルブステーション脇の雑草。

東京ガス施設脇の雑草の生える地表面で0.14μv/h。今回は入口ゲート前に落葉は見当たらなかった。

■大型ダンプの通行により、道路の痛みが加速しても、修理代は我々市民の税金です。51億円事件で毎年2000万円ずつ、元職員の尻拭いで群銀に血税を支払っている安中市なので、余計納得できません。

 しかも、安中市の場合、自民党の重鎮である元群馬県連の事務局長(現・上毛共済理事長)に口利きしてもらうと、落ちをちょっとだけ提供すれば、道路を公金で整備してもらえるのです。

■それにしても、安中市の市道を管理する土木課の担当職員がこのように道路をどうやって長持ちさせるかという意識がまったくないのは、本当に困ったことです。

 そこで、当会は、市道を我が物顔で走り回らせている引間運輸(〒369-1503 埼玉県秩父市下吉田7200 電話: 0494-77-0005)に電話をしてみました。

 同社の野口氏は、当会の質問に対して次のように述べました。

(1)安中市方面にはたくさん配車しており、国道18号線から県道富岡線をショートカットするために山を越えるルートのことは、自分も通ったことがありイメージできる。
(2)なにか迷惑なことがあれば、どんどん連絡してもらってかまわない。
(3)安中市では東邦亜鉛をはじめ、松井田方面に顧客があり、当該ルートはよく利用しているのは事実。
(4)使用トラックはイスズ製。積載量は10トンから11.5トンで、車体重量を入れると総重量が21.9トンになる。
(5)今回、実際に通行される地元のかたから電話を戴いて、実情が分かったので、走行ルートを変更するように指示を徹底させたい。ただし、国道が混雑している時など、やむを得ない場合には、通行させてもらう場合があるので、了承願いたい。

■必要なら税金を使ってやればいい、と考えているためか、市道の管理に無頓着な行政に比べ、サンパイを運送する業者でさえ、電話を受ければ、一応、それなりの返事をすることが今回の一件で分かりました。引間運輸が、今後、本当に野殿地区の市道に乗り入れないように努力するのかどうか、関心を持って見守りたいと思います。

 また、市道の道路管理について、安中市のやり方は言語道断です。政治的な圧力には弱いくせに、自分たちの役目が楽になる道普請は積極的に奨励しながら、ゴミ処分場のような利権が絡むと、途端に地元住民らの貢献を忘れて業者よりの立場で処分場計画を後押しするからです。このような二枚舌の行政を引続き監視してゆくことが、安中市民に課せられた使命と受け止め、今後とも、注意深く見守る必要があります。

【ひらく会情報部】

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