■当会では更に、悪辣な情報不開示体質の徹底的な是正を目指す戦略的観点から、10月7日に提訴を行った訴訟(第一次訴訟)と並行して、もうひとつの訴訟(第二次訴訟)を起こすことにしました。
その背景を説明する上で、「そもそも高専組織がエンドレスに生産してくる『やり過ぎおバカ不開示』の源泉は果たしてどこにあるのか?」という問題をもう一度別の視点から考え直してみましょう。実は、(その1)で説明した事情とはまた異なった事情が、高専組織をむしばんでいるのです。
↑東京高等裁判所、知的財産高等裁判所、東京地方裁判所、東京簡易裁判所が入居する高さ92メートル、地上19階・地下3階の東京高等地方簡易裁判所合同庁舎前の歩道。合同庁舎内部に設置された法廷の数は150を超え、一日当たりの利用者数は1万人を超えるとされている。1984年竣工。↑
↑我が国の裁判所で唯一、庁舎入口に金属探知機ゲートと手荷物検査のためのX線手荷物検査機が常時設置されており、裁判所職員、検察庁職員、法務省職員、弁護士、司法修習生以外の一般人は、金属探知機ゲートを通過し手荷物検査を受けないと中に入れない。なお、法曹関係者と一般人とでは、入場ゲートが異なる。敷居を跨ぐ時点で既に一般住民はハンディを背負わされていることが分かる。↑
■もともと、公文書の開示・不開示の判断というものは、情報公開法とその解釈はもちろんのこと、判例等に至るまで精通している必要があり、それなりの専門性を要する作業です。よって、情報公開の専門部署ならともかく、何の知識も経験もない事務員が素人判断でできるものでは到底ありません。
この前提を踏まえながら、高専組織の文書開示システムに焦点を当ててみましょう。各高専の文書開示は各高専の権限で行えることになってはいるようですが、各高専には情報公開専門の部署も職員も存在しません。そして、矢面に立つ総務課がそのような専門性を要する作業を完璧にこなせる訳もありません。加えて、個々で勝手に判断していると、「ある情報がA高専で開示されたのにB高専で不開示」といったようなチグハグ対応にもつながってしまいます。
よって少なくとも最近では、各高専に情報開示請求がなされると、おおむね高専機構本部と「情報共有」がなされているようです。まして「オンブズマン事案」ともなれば、何が命取りになるかも分からないため、即座に高専機構本部との綿密な連携が取られているようです。
ところが、その高専機構本部でも、取りまとめ役となる情報公開の担当職員は一応いるものの、あくまで総務課総務係の括りであって、情報公開専門の部署は設けられていません。しかも、その担当職員も、たまたまそこに配置になった一事務員というだけで、情報公開法やその運用に関する知識のあるプロでも何でもありません。当会が高専機構本部と関わってきた過程の中でも、情報公開の担当職員は毎年入れ替わっており、最低限の引継ぎだけなされただけの素人が対応に回ってきます。
■というわけで、「素人集団」の高専組織がすがる先となるのが、高専機構の顧問弁護士です。具体的に言えば、東京銀座にオフィスを構える「田中・木村法律事務所」で、文科省やその関連組織(もちろん高専機構含む)の御用達弁護士と目されています。
田中・木村法律事務所の概要についてはこちらの記事も参照ください。↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2230.html
事務所名に最初に冠されている田中和弁護士については、既に弁護士業から退いており名前だけが残っています。なので、2番目に名前の来る木村美隆弁護士がトップとして切り盛りしている事務所です。これまで「オンブズマン案件」に対して木村弁護士が直接出てきたことはなく、当会ではその姿をハンコでしか見たことがありません。実際に当会が相対することになった事務所員は、その部下の藍澤幸弘弁護士です。
■読者の皆様は「国の御用達弁護士なのだから、さぞや一流のエース弁護士なことだろう」と戦々恐々のことかもしれません。確かに、木村・藍澤弁護士の能力には目を見張るものがあり、当会がかつて戦った群馬高専アカハラ関連情報不開示取消訴訟でも、その恐ろしい実力を遺憾なく発揮しました。
例えば、訴訟の序盤では、基本的な判例集である民集(最高裁判所民事判例集)の判例を知らないことを裁判長直々に突っ込まれ、慌ててデタラメ主張を撤回する一幕を披露しました。
※参考:https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2293.html
最高裁の判例といえば、我が国の司法においてほぼ絶対的な指針であり、司法試験にあたっては欠かせない暗記事項だということは子供でも知っていることです。しかし木村・藍澤弁護士は、これを知らないまま司法試験に合格するという天才的な偉業を成し遂げたのです。こんな英才弁護士に当会ごときが敵うわけありません。
さらに木村・藍澤弁護士は、1か月半をかけてたった2ページの準備書面を出してくるというとても丁寧な仕事ぶりを見せる一幕もありました。その非常に丁寧に作りこまれた2ページの中で、大金を払った事実上の依頼主である群馬高専の学科名をまず間違え、ついでに当会の名前も間違え、当会を非難する証拠には本ブログをそのまま印刷して出してくるだけという茶目っ気を見せたことは、弁護士のお堅いイメージを崩そうとする両弁護士の気概とユーモアが感じられるものでした。
※参考:https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2388.html
しかも、「オンブズマンが訴訟経過をブログで公表しているから不開示が当然」という眉唾物の理屈を延々主張し続け、挙句の果てにはそれを主理由に大金を投じて控訴まで行ってくるという粘り強さを見せました。当会としては、「なら、仮にブログでの公表を取りやめたら大人しく全部開示するのか?」と突っ込みを入れたくなったことは言うまでもありません。自分自身を信じ続ける心の強さとその不屈のガッツには、当会も学ぶべき所が多いと言えます。
※参考:https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2546.html
こうした両弁護士のたぐいまれなる実力がどこから来ているのかを考えてみましたが、常に切磋琢磨しなければ生き残れない街や企業の弁護士に比べて、なまじ国とズブズブのコネがあって甘やかされていることが仇になっているのかもしれません。せっかく法学部やロースクールでみっちり法を学び、超難関の司法試験を突破し、手厚いサポートのもと司法修習を受けても、弛まぬ実力の研鑽を止めて怠けてしまうと、どんどん腐り落ちて素人に毛が生えたレベルまで堕ちてしまうようです。
■そして、
①高専機構の「情報不開示アドバイザー」となっているこの弁護士が、
②開示対応に悩む機構側に、適当なデタラメを片端から吹き込んでは、
③「墨塗り」に「お墨付き」を得た高専機構と各高専が、ベタベタ好き勝手に文書を塗り潰して出してくる……
という流れが、「やり過ぎおバカ不開示」が尽きることなく湧き続ける大きな原因のひとつであり、最初に提示した疑問の答えということになります。
実際に、当会が不開示に対する抗議や審査請求などを行った際には、素人の一職員が自分でイチから考えて書いてきたとも思えない独特の文体の不自然な屁理屈や、妙な形での答申例などの援用が、たびたび当会への「説明」としてなされてきます。裏でどこの銀座の弁護士が蠢いているのか、言及するまでもありません。
通常、弁護士は一種の代理人として矢面に立ち依頼人の代わりに火の粉を被る職業ですが、一方で田中・木村法律事務所の弁護士は依頼人に火の粉を被らせて自分は安全圏からそれを眺めているというアベコベな業務を行っています。アドバイザー気取りで適当な大ボラを吹き込み、懇意にする高専機構を好き勝手動かして当会の活動を妨害し続けているあげく、混乱を引き起こし続ける当の自分はコソコソ高専機構の裏に隠れて名前も出されずのうのうと増長を続けているのです。このように陰湿で卑怯な嫌がらせに屈するわけにはいきません。
■しかし当会ではこれまでも、幾度となく「やり過ぎおバカ不開示」には審査請求を行い、(文書不開示側に大変有利な審査請求システムですら)その多くを撤回させてきました。群馬高専アカハラ関連情報不開示取消訴訟でも、全部開示は叶わなかったものの、審査請求と行政裁判の合わせ技によって、当初の「存否応答拒否」状態から大きくひっくり返して文書を開示させることができました。
こうした経緯からしてみれば、多少は「眉にツバを付けて」弁護士の「アドバイス」を聞くようになってもいいはずですが、それにも関わらず、なぜ高専機構側は木村・藍澤弁護士様にすがり続け、その「有難いお言葉」を鵜呑みにし続けるのでしょうか。あるいは、なぜ木村・藍澤弁護士は、自らの情報開示に対する無知を自覚・反省して、より適切なアドバイスを行うように認識を改善しないのでしょうか。
その理由の一端は、皮肉にも、文書不開示取消を求めてきた当会自身のこれまでの基本姿勢にありました。
■当会ではこれまで、不開示取消の可能性が少しでもあるものをすべて審査請求や行政裁判の対象として含め、広範に不開示取消を求める主張を行ってきていました。もっとも、一片でも多く不開示取消を求める姿勢自体は、情報公開を活動の柱とするオンブズマンとして基本的な態度であり、それ自体に一切問題はありません。
しかし、こちらが100、向こうが0を求める状況で審判をすると、基本的には0以上100未満のどこかで落ち着きます。すると必然、高専機構側にも「主張が認められた部分」ができてしまいます。そうなると、「(一部であれ)オンブズマンの『間違った』主張から不開示箇所を守った」「こちらの主張にも正しい部分があった」という逃げ口上が成立してしまいます。
高専機構側のそうした詭弁を象徴した減らず口は、これまで何度も飛び出してきました。前回の訴訟終了後に群馬高専の猿田事務部長(当時)に見解を聞くと「うちの主張した部分は認められてます」と発言されたり、また文書を無理に全部不開示としたことについて責任者の謝罪を求めた際は黙殺されて、あげく、「オンブズマンの見解と機構の見解のすれ違いを訴訟で埋め合わせただけなので、機構に何ら責任は無い」と末端の露払い職員からシャアシャアと強弁を言い放たれる始末でした。
※参考↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2632.html
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2652.html
高専機構は給料を貰いながら適当に鼻歌交じりで墨塗りを行える立場であり、国民側はそれに壮絶な労力と時間と金銭的負担を払って不開示の取消を求めなければならない立場なのですから、そもそも対等ではありません。だからこそ、不開示処分には細心の注意を払わなければならず、一片の瑕疵も許されるものではありません。そうした前提をすべて無視して、「片端から墨塗りにして、文句がついても少しでも主張が認められればOK」などというような詭弁を平気で言い放つ高専機構の情報公開に関するバカげた認識に、しっかりとNOを突き付けなければならないと当会は決意しました。
■問題点をまとめると、広範に不開示取消を求めてきた当会のこれまでの基本姿勢が、結果的に高専機構と弁護士側に「戦果」を掴ませてきてしまったわけです。そこで、一度、極めて争点を限定した裁判を起こし、0or100の勝負を仕掛けるという手を試してみることにしました。不開示を取り消させるという実益を兼ねて、しっかり法廷で戦略的に「勝ち戦」を積み重ねていくことが、地道で長い道のりながらも確実な方法です。
その戦略を実行するにあたり、ちょうど高専機構側による出来立てホヤホヤの「やり過ぎおバカ不開示」がありました。群馬高専のアカハラ犯雑賀洋平が沼津高専に「高専間人事交流」を利用して逃亡した際の文書を開示請求したところ、なぜか交流期間がことごとく墨塗りにされて出てきたのです。当該情報については、実際にその期間「交流」するものであり、最終的には遅かれ早かれ明らかになるものなのですから、墨塗りにする意味がまったく理解できません。
この点について、当会から高専機構本部の担当職員にいつもの通り直接抗議を行いましたが、案の定豆腐にカスガイでした。そこで当会から、今回の件でも例の弁護士に意見を頂戴しているのかと聞くと、担当職員は特に隠すそぶりもなく素直に認めました。
○2019年10月3日:群馬高専アカハラ犯雑賀教授の沼津逃亡経緯情報を開示請求!高専機構本部にて受領した文書の中身は…↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3041.html
■もはや、一刻の猶予も許されません。木村・藍澤弁護士らによる半ば嫌がらせに等しいやり過ぎ不開示を即刻止めなければなりません。こうしている間にも、両弁護士らが高専機構に適当なことを吹き込んではせっせとのり弁文書が生産され、当会はその対応に忙殺され、高専組織の隠蔽体質はますます悪化することになります。もっとも、当会のリソースをそちらに割かせ、「本丸」であるアカハラ事件等にできるだけ注力させないのが狙いなのかもしれませんが、であれば、本丸攻めの傍ら徹底的に訴訟を起こして、根競べを仕掛けるほかありません。
裏でネチネチ姑息に嫌がらせを続ける両弁護士を、しっかり表舞台に引きずり出し、当会と直接刃を交えさせる必要があります。
■当会では以上の背景から、2つ目の訴状を10月18日(金)に東京地裁に提出しました。
当日は、11時35分高崎発Maxときに乗車し、12時36分に東京駅に着き、いつものように丸の内線に乗り換えて、12時50分に霞ヶ関駅に到着しました。裁判所の玄関で手荷物チェックを受けたあと、早速14階の東京地裁民事受付に向かいました。
14階南側の民事受付で整理券発券機で、画面の訴状提出ボタンを押して出てきた「19番」の番号札を持って長椅子に腰かけて待っていると、午後1時のチャイムがなりました。昼休みも窓口で受け付けていますが、18番のひとが手続きをしている横の窓口に職員が来て「19番のかた、どうぞ」と声をかけられたので、カバンから裁判資料一式を取り出して、窓口に提出しました。
先日10月7日の1つ目の訴状を提出した際の職員とはことなり、今度の職員は窓際で横向きの席にいたかたなので、当会が提出した書状をテキパキと見た後、席に戻り、ものの3分もしないうちに、受付票をくれました。今度は前回とことなり、ちゃんと行政訴訟である「行ウ」のコード番号が付けられています。
当該職員は「ではこれで受け付けますので、印紙と切手を準備してきてください。その際は、番号札は不要なので、ここで声をかけてください」と指示してくれました。
さっそく地下1階の郵便局で、収入印紙1万3000円分と6000円の切手セットを購入して、ふたたび14階の民事受付に戻り、担当職員に声をかけて、訴状の正本(裁判所用)の表紙左上に収入印紙を貼り、切手セットを渡すと、訴状提出手続きが完了しました。壁の時計を見ると13時20分でした。
こうして、第二次訴訟の事件番号は令和元年(行ウ)第549号で、担当は東京地裁民事第51部担当となることが決定しました。
↑14階南側にある民事受付窓口には「午前中提出の協力のお願い」と題する張り紙がしてあり、そこには「当窓口では、午後2時30分ごろから午後5時00分までの時間帯は非常に混雑するため、訴状等の提出は、窓口が比較的空いている午前9時から正午までの時間帯を利用されますようご協力をお願いします。」と記されている。午後1時で整理番号19番なので、毎日数十件の訴状提出があることになる。次回以降もできるだけ午後2時までに裁判資料を提出できるようにしたい。↑
■提出した訴状及び付属文書の内容は以下のとおりです。
*****訴状*****ZIP ⇒ i22191018.zip
訴 状
令和元年10月18日
東京地方裁判所民事部 御中
原 告 市民オンブズマン群馬
上記代表者 代表 小 川 賢
〒371-0801 群馬県前橋市文京町一丁目15-10(送達先)
原 告 市民オンブズマン群馬
上記代表者 代表 小 川 賢
電 話 090-5302-8312(原告代表・小川直通)
または 027-224-8567(原告事務局)
FAX 027-224-6624
〒193-0834 東京都八王子市東浅川町701-2番地
被 告 独立行政法人国立高等専門学校機構
上記代表者 理事長 谷 口 功
電話 042-662-3120(代表)
FAX 042-662-3131
法人文書不開示処分取消請求事件
訴訟物の価額 金160万円(算定不能)
貼用印紙額 金1万3000円
第1 請求の趣旨
1 被告が原告に対し,令和元年9月17日付高機総第95号法人文書開示決定(以下「本決定」)において不開示とした箇所のうち,別紙に示す情報について不開示を取消せ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決を求める。
第2 請求の原因
1 請求に至る経緯
原告は,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」)に基づき,被告に対し,令和元年8月9日付で,「群馬工業高等専門学校(以下「群馬高専))電子情報工学科の教員である雑賀洋平氏(以下「雑賀氏」)が,平成31年度から沼津工業高等専門学校(以下「沼津高専」)専攻科に高専間人事交流で期限付き異動していることについて,当該人事交流の申し出,申し入れおよび受け入れ,配置の過程すべてに関して,群馬高専・沼津高専・高専機構が保有する文書の一切(議事録・電子メール・メモ等も含む)」に対する情報開示請求(以下「本請求」,甲1)をおこなった。
それに対して,被告は令和元年9月17日付本決定(甲2)をおこなったが,本決定中において,雑賀氏にかかる内示された派遣期間についての情報(以下「派遣期間情報」)を,「法第5条第四号ヘに該当すると認められ,また,法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当」として不開示とした。実際の関連開示文書及びその不開示状況を甲3ないし甲4に示す。この派遣期間情報不開示処分は,法に照らして明らかに失当とみられるため,行政事件訴訟法第十二条の規定に基づき,その取消を求める訴えを提起する。
2 請求の前提となる事実
被告独立行政法人国立高等専門学校機構(以下「高専機構」)は,高専機構法(平成15年法律第113号)に基づき、群馬高専及び沼津高専を含む全51の高等専門学校(以下「高専」)を設置・運営し,また各高専の(常勤)教員は,高専機構教職員就業規則(高専機構規則第6号)に基づき採用され職務に従事する被告高専機構の職員である。
また,高専教員を他高専に一定期間派遣する「高専間人事交流」は,「高専・両技科大間教員交流制度実施要項(平成19年4月26日制定,甲5)」の規定に基づき行われるもので,原告が本請求において対象とした雑賀氏の高専間異動もこの制度によるものであり,その規定に従う。
当該制度の実際の運用としては,例年夏に各高専が高専機構理事長に対して「高専間人事交流」の対象教員を推薦し,秋に同理事長が派遣の対象校及びその期間を決定して内示するという流れであることが認められる。
3 請求の理由
別紙に示す派遣期間情報は,実際に高専機構理事長により決定・内示されたもので,変更の余地がある内部検討案などではなく,実際の派遣がそのように行われることを示す情報であることが認められる。
しかし,派遣先高専である沼津高専が毎年発行・公表を行っている広報誌「沼津高専概要」の2019年度版において,雑賀氏の同校への所属が公表されており(甲6),今後この掲載状況を継続して確認することで,雑賀氏の沼津高専への在籍状況が確認できることがうかがえる。
また,派遣元高専である群馬高専も,そのHPにて全教員のリストを公開しており(甲7),「高専間人事交流」によるものも含めて,採用・異動・昇進・退職状況は随時反映・更新されている。したがって,雑賀氏が当該派遣期間を満了し,群馬高専に戻った際は,当然これに反映されることがうかがえる。
したがって,将来,雑賀氏が派遣期間を満了した際は,その事実を上記手段で何人も知り得るのであって,当然派遣期間もそこから把握可能なのであるから,明らかに派遣期間情報は法第5条一号ただし書きイに規定のある「慣行として公にすることが予定されている情報」に該当するのであって,「法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えない」などとする被告の処分は失当というほかない。
更に,沼津高専は毎年3月と7月に広報誌「沼津高専だより」を作成し,すべてそのHP上で公表しているが,そのうち沼津高専だより第115号(令和元年7月31日発行)において,雑賀氏の同校着任挨拶が掲載されていることが確認できる(甲8)。
この着任挨拶中において,雑賀氏自身が「沼津高専で1年間,教育・研究に携わる機会を賜りましたことに心より御礼申し上げます」と明記しており,明らかに派遣期間にかかる情報を同氏自身の意思のもと公表していることがうかがえる。
したがって,雑賀氏に係る派遣期間情報は現時点においてすら公開情報なのであって,別紙に係る情報を新たに開示したところで,被告が不開示根拠とする法第5条第四号ヘに規定のある「人事管理に係る事務に関し,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ」が生じる可能性は無いと断定せざるを得ず,別紙部分を不開示とすべき合理的な理由は一切認められない。
また,上記公表事実等の有無に関わらず,派遣期間情報は,単に特定教員が,その期間,実際に派遣先高専で勤務することを示すだけの情報であり,それが開示されることにより,被告高専機構の人事に特段の不公平が生じる又は内部教員等を委縮させ高専間人事交流制度の円滑な実施を困難ならしめるといった不具合が生じることは極めて想定しがたい。よって,派遣期間情報は法第5条第四号ヘの要件のうち「人事管理に係る事務に関する情報」であることは満たすとしても,肝心の「公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれを生じさせる情報」と明らかに解されないことから,かかる被告の処分は何ら根拠の無いものと言わざるを得ない。
第3 むすび
以上のとおり,本決定のうち別紙に示す情報について不開示とした処分が違法であることは明らかであるから,すべて取消を求める。
以上
=====別紙=====
別紙 請求の趣旨
不開示処分取消請求箇所
・文書5及び9「平成30年10月10日付け 平成31年高専・両技科大間教員交流制度派遣推薦者の派遣決定について(通知)」について,「交流期間」。
・文書17-3「平成31年度高専・技科大間教員交流制度」(通知別添表)のうち,雑賀洋平氏に係る「派遣期間」の記述。
以上
=====証拠方法=====
証拠方法
1 甲1号証 令和元年8月9日付法人文書開示請求書
2 甲2号証 令和元年9月17日付高機総第95号法人文書開示決定通知書
3 甲3号証 平成30年10月10日付け30高機人第72号「平成31年高専・両技科大間教員交流制度派遣推薦者の派遣決定について(通知)」
4 甲4号証 30高機人第72号通知及び別添「平成31年度高専・技科大間教員交流制度」
5 甲5号証 高専・両技科大間教員交流制度実施要項
6 甲6号証 2019沼津高専概要(抜粋)
7 甲7号証 群馬高専HPの教員紹介ページ
8 甲8号証 沼津高専だより第115号(抜粋)
=====附属書類=====
1 訴状副本 1通
2 証拠説明書 1通
3 甲号証写し 各1通
**********
○証拠説明書 ZIP ⇒ i22191018.zip
○甲号証
甲1-7 ZIP ⇒ bpv.zip
甲8 ZIP ⇒ bw.zip
○原告・被告の適格証明書類 ZIP ⇒ 201910181iiij.zip
201910182iiiej.zip
■(その1)でご報告しているとおり、この10日前に訴状を提出した第一次訴訟である「令和元年(行ウ)第515号」については、第一回口頭弁論が12月12日の11時半から開廷することがすでに決定しています。そこで、負担軽減のため、書類上の事件としては別ですが、この第二次訴訟(事件番号(行ウ)第549号)の口頭弁論期日を第一次のそれと併合してもらい、並行して審理を進めてもらうよう裁判官に申請を行う予定です。
仮にたとえ裁判官が併合を認めない場合でも、当会としては粛々と裁判を進める所存です。
■当会では、高専組織の情報隠し体質の是正を狙ったこれら2つの訴訟は、訴状ではいずれも「法人文書不開示処分取消請求事件」と事件名を記しておきましたが、ブログ記事では訴訟の本質を分かりやすく表現するために、まとめて「高専過剰不開示体質是正訴訟」と呼称することを決定しました。
訴訟である以上時間はかかりますから、地裁判決はおそらく東京オリンピック後になることが見込まれます。更に、その判決を受けて高専機構・当会がもし控訴・上告を行えば、もっと伸びていくことになります。当会では、高専組織の体質の是正を長期プロジェクトのひとつとして位置づけ、根気強く取り組んでいく覚悟です。
■さて、今回の訴訟では当然、被告高専機構の「懐刀」である木村・藍澤弁護士が出動して、法廷で相まみえることになるでしょう。
今後の流れとしては、当会の方で第二次訴訟の口頭弁論期日を確定させたのちに、木村・藍澤弁護士謹製の答弁書が送られてくるのを待ち、そして12月12日に新たなる戦いのゴングが鳴らされるということになります。
高専過剰不開示体質是正訴訟の進捗については、都度ご報告してまいります。
【11/7追記】
その後、当会では10月23日に東京地裁の担当部署へ2訴訟の期日合併のための上申書を提出していましたが、本日東京地裁民事第51部の書記官に確認したところ、高専機構を相手取った事件番号「令和元年(行ウ)第549号」は、併合の申出が出されていた民事第2部扱いの事件番号「令和元年(行ウ)第515号」とは切り離して、「別々に審理することが、先ほど裁判官の判断として連絡があった」とのことです。
という訳で、出廷負担軽減の為の訴訟合併は、2訴訟の進行の足並みが揃わないと判断されたのか、残念ながら却下されてしまいました。
また、民事第51部扱いの事件番号「令和元年(行ウ)第549号」の第1回弁論期日については、一両日中に、都合のよい日時についての打診の文書を発出する予定であることも、同書記官から伝達がありました。
なお、民事第2部扱いの第515号事件は、第1回口頭弁論が12月12日の11時半から開廷予定です。
【11/28追記】
■その後、11/11に東京地裁民事第51部の山本書記官から電話があり、ようやく期日調整開始かと思い受話器を取ると、「原告の訴状の1ページ目に、行政事件訴訟法第11条第4項に定める処分行政庁が未記載なので、これを追記した上で、別紙の形で『訂正書』に添付して郵送するように」との教示連絡でした。裁判官からの指摘の様です。
しかし、1ページ目を全く同じ書式で書いた第1次訴訟(令和元年(行ウ)第515号)の訴状は何も問題なく受理されています。教示のあった同法同条の法解説や判例、過去事例、他弁護士等の作成した行政訴訟の訴状に至るまで片端から念入りにチェックしましたが、手元で調べられる範囲ではその様な示唆をしているものが見当たりません。そんなわけで「訂正」指示の真意が掴めずまったくお手上げになってしまいました。
そこで翌日同書記官に折り返し電話をして、「縷々調べたが、いまいち訂正の必要性が見出せない」と告げたところ、「(原告代表は、法律で食っている人間では無いものの、)既に色々と訴訟経験を積まれているご様子なので、お手元に解説集や判例集をお持ちであろうと、根拠法に基づきすぐ理解して頂けたかと思った。つまり、訴状のなかにどこにも法律で定めた“処分行政庁”の文言が出てきていないので、1ページ目の『被告』のところを『被告兼処分行政庁』と訂正していただければよい」と詳しく真意を教えてくれました。そこで即日、訂正申立書と訂正書別紙(ZIP ⇒ 20191112_teisei_mousitatsho.zip)を作成し、郵送しました。
それにしても、当会が起こした国相手の行政訴訟の数々において、これまで何度も同様文面の訴状が受理された上で問題なく判決まで至っている事実は確かであり、今回のような文句は初めて付いたので、始終首を傾げざるを得ませんでした。同じ地裁で裁判官によってこうも初歩的な対応がチグハグだと、こちらも参ってしまいます。
■この訴状訂正によりまた手続きの進捗が一歩遅れてしまい、ようやく1週間後に東京地裁から第1回口頭弁論の期日確定にかかる連絡がありました。当初、書記官からは、「1月中旬ではどうか」と打診をされましたが、当会の出廷者の都合がどうしても合わず、不本意ながら節分後の2月4日に期日を設定してもらうことにし、11月20日付で期日請書(PDF ⇒ 201911201_.zip)を送付しました。
よって、第2次訴訟の第1回口頭弁論期日は以下のように決まりました。
事件番号: 令和元年(行ウ)第549号
第一回口頭弁論期日: 令和2年2月4日(火) 13:30~ 東京地裁4階419法廷
よって、第2次訴訟については、第1次訴訟に遅れること2か月弱で開始のゴングが鳴らされることになります。第1次訴訟に比べ、期日確定と第1回口頭弁論期日が大幅に遅れてしまったことは遺憾でしたが、とはいえ、争点が多岐にわたり相当紛糾することが見込まれる第1次訴訟に対して、争点が極めてシンプルな第2次訴訟は、結審も早いことが明らかです。したがって、今回の「高専過剰不開示体質是正訴訟」全体としての進捗にはさほど影響を及ぼさないものと捉えております。
今後、第1次・第2次の両訴訟について、第1回口頭弁論期日の1週間前に被告高専機構側から送られてくるであろう答弁書の内容に注目が集まります。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
★★高専過剰不開示体質是正訴訟・提訴関連記事リンク★★
【第一次提訴のいきさつ及び訴状提出の模様について】
高専組織の情報隠蔽体質是正は成るか?オンブズが東京地裁に新たなる提訴!(その1)↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3055.html
【第一次提訴の訴状内容について】
高専組織の情報隠蔽体質是正は成るか?オンブズが東京地裁に新たなる提訴!(その2)↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3056.html
【第二次提訴のいきさつと訴状内容について】
高専組織の情報隠蔽体質是正は成るか?オンブズが東京地裁に新たなる提訴!(その3)↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3057.html
その背景を説明する上で、「そもそも高専組織がエンドレスに生産してくる『やり過ぎおバカ不開示』の源泉は果たしてどこにあるのか?」という問題をもう一度別の視点から考え直してみましょう。実は、(その1)で説明した事情とはまた異なった事情が、高専組織をむしばんでいるのです。
↑東京高等裁判所、知的財産高等裁判所、東京地方裁判所、東京簡易裁判所が入居する高さ92メートル、地上19階・地下3階の東京高等地方簡易裁判所合同庁舎前の歩道。合同庁舎内部に設置された法廷の数は150を超え、一日当たりの利用者数は1万人を超えるとされている。1984年竣工。↑
↑我が国の裁判所で唯一、庁舎入口に金属探知機ゲートと手荷物検査のためのX線手荷物検査機が常時設置されており、裁判所職員、検察庁職員、法務省職員、弁護士、司法修習生以外の一般人は、金属探知機ゲートを通過し手荷物検査を受けないと中に入れない。なお、法曹関係者と一般人とでは、入場ゲートが異なる。敷居を跨ぐ時点で既に一般住民はハンディを背負わされていることが分かる。↑
■もともと、公文書の開示・不開示の判断というものは、情報公開法とその解釈はもちろんのこと、判例等に至るまで精通している必要があり、それなりの専門性を要する作業です。よって、情報公開の専門部署ならともかく、何の知識も経験もない事務員が素人判断でできるものでは到底ありません。
この前提を踏まえながら、高専組織の文書開示システムに焦点を当ててみましょう。各高専の文書開示は各高専の権限で行えることになってはいるようですが、各高専には情報公開専門の部署も職員も存在しません。そして、矢面に立つ総務課がそのような専門性を要する作業を完璧にこなせる訳もありません。加えて、個々で勝手に判断していると、「ある情報がA高専で開示されたのにB高専で不開示」といったようなチグハグ対応にもつながってしまいます。
よって少なくとも最近では、各高専に情報開示請求がなされると、おおむね高専機構本部と「情報共有」がなされているようです。まして「オンブズマン事案」ともなれば、何が命取りになるかも分からないため、即座に高専機構本部との綿密な連携が取られているようです。
ところが、その高専機構本部でも、取りまとめ役となる情報公開の担当職員は一応いるものの、あくまで総務課総務係の括りであって、情報公開専門の部署は設けられていません。しかも、その担当職員も、たまたまそこに配置になった一事務員というだけで、情報公開法やその運用に関する知識のあるプロでも何でもありません。当会が高専機構本部と関わってきた過程の中でも、情報公開の担当職員は毎年入れ替わっており、最低限の引継ぎだけなされただけの素人が対応に回ってきます。
■というわけで、「素人集団」の高専組織がすがる先となるのが、高専機構の顧問弁護士です。具体的に言えば、東京銀座にオフィスを構える「田中・木村法律事務所」で、文科省やその関連組織(もちろん高専機構含む)の御用達弁護士と目されています。
田中・木村法律事務所の概要についてはこちらの記事も参照ください。↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2230.html
事務所名に最初に冠されている田中和弁護士については、既に弁護士業から退いており名前だけが残っています。なので、2番目に名前の来る木村美隆弁護士がトップとして切り盛りしている事務所です。これまで「オンブズマン案件」に対して木村弁護士が直接出てきたことはなく、当会ではその姿をハンコでしか見たことがありません。実際に当会が相対することになった事務所員は、その部下の藍澤幸弘弁護士です。
■読者の皆様は「国の御用達弁護士なのだから、さぞや一流のエース弁護士なことだろう」と戦々恐々のことかもしれません。確かに、木村・藍澤弁護士の能力には目を見張るものがあり、当会がかつて戦った群馬高専アカハラ関連情報不開示取消訴訟でも、その恐ろしい実力を遺憾なく発揮しました。
例えば、訴訟の序盤では、基本的な判例集である民集(最高裁判所民事判例集)の判例を知らないことを裁判長直々に突っ込まれ、慌ててデタラメ主張を撤回する一幕を披露しました。
※参考:https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2293.html
最高裁の判例といえば、我が国の司法においてほぼ絶対的な指針であり、司法試験にあたっては欠かせない暗記事項だということは子供でも知っていることです。しかし木村・藍澤弁護士は、これを知らないまま司法試験に合格するという天才的な偉業を成し遂げたのです。こんな英才弁護士に当会ごときが敵うわけありません。
さらに木村・藍澤弁護士は、1か月半をかけてたった2ページの準備書面を出してくるというとても丁寧な仕事ぶりを見せる一幕もありました。その非常に丁寧に作りこまれた2ページの中で、大金を払った事実上の依頼主である群馬高専の学科名をまず間違え、ついでに当会の名前も間違え、当会を非難する証拠には本ブログをそのまま印刷して出してくるだけという茶目っ気を見せたことは、弁護士のお堅いイメージを崩そうとする両弁護士の気概とユーモアが感じられるものでした。
※参考:https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2388.html
しかも、「オンブズマンが訴訟経過をブログで公表しているから不開示が当然」という眉唾物の理屈を延々主張し続け、挙句の果てにはそれを主理由に大金を投じて控訴まで行ってくるという粘り強さを見せました。当会としては、「なら、仮にブログでの公表を取りやめたら大人しく全部開示するのか?」と突っ込みを入れたくなったことは言うまでもありません。自分自身を信じ続ける心の強さとその不屈のガッツには、当会も学ぶべき所が多いと言えます。
※参考:https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2546.html
こうした両弁護士のたぐいまれなる実力がどこから来ているのかを考えてみましたが、常に切磋琢磨しなければ生き残れない街や企業の弁護士に比べて、なまじ国とズブズブのコネがあって甘やかされていることが仇になっているのかもしれません。せっかく法学部やロースクールでみっちり法を学び、超難関の司法試験を突破し、手厚いサポートのもと司法修習を受けても、弛まぬ実力の研鑽を止めて怠けてしまうと、どんどん腐り落ちて素人に毛が生えたレベルまで堕ちてしまうようです。
■そして、
①高専機構の「情報不開示アドバイザー」となっているこの弁護士が、
②開示対応に悩む機構側に、適当なデタラメを片端から吹き込んでは、
③「墨塗り」に「お墨付き」を得た高専機構と各高専が、ベタベタ好き勝手に文書を塗り潰して出してくる……
という流れが、「やり過ぎおバカ不開示」が尽きることなく湧き続ける大きな原因のひとつであり、最初に提示した疑問の答えということになります。
実際に、当会が不開示に対する抗議や審査請求などを行った際には、素人の一職員が自分でイチから考えて書いてきたとも思えない独特の文体の不自然な屁理屈や、妙な形での答申例などの援用が、たびたび当会への「説明」としてなされてきます。裏でどこの銀座の弁護士が蠢いているのか、言及するまでもありません。
通常、弁護士は一種の代理人として矢面に立ち依頼人の代わりに火の粉を被る職業ですが、一方で田中・木村法律事務所の弁護士は依頼人に火の粉を被らせて自分は安全圏からそれを眺めているというアベコベな業務を行っています。アドバイザー気取りで適当な大ボラを吹き込み、懇意にする高専機構を好き勝手動かして当会の活動を妨害し続けているあげく、混乱を引き起こし続ける当の自分はコソコソ高専機構の裏に隠れて名前も出されずのうのうと増長を続けているのです。このように陰湿で卑怯な嫌がらせに屈するわけにはいきません。
■しかし当会ではこれまでも、幾度となく「やり過ぎおバカ不開示」には審査請求を行い、(文書不開示側に大変有利な審査請求システムですら)その多くを撤回させてきました。群馬高専アカハラ関連情報不開示取消訴訟でも、全部開示は叶わなかったものの、審査請求と行政裁判の合わせ技によって、当初の「存否応答拒否」状態から大きくひっくり返して文書を開示させることができました。
こうした経緯からしてみれば、多少は「眉にツバを付けて」弁護士の「アドバイス」を聞くようになってもいいはずですが、それにも関わらず、なぜ高専機構側は木村・藍澤弁護士様にすがり続け、その「有難いお言葉」を鵜呑みにし続けるのでしょうか。あるいは、なぜ木村・藍澤弁護士は、自らの情報開示に対する無知を自覚・反省して、より適切なアドバイスを行うように認識を改善しないのでしょうか。
その理由の一端は、皮肉にも、文書不開示取消を求めてきた当会自身のこれまでの基本姿勢にありました。
■当会ではこれまで、不開示取消の可能性が少しでもあるものをすべて審査請求や行政裁判の対象として含め、広範に不開示取消を求める主張を行ってきていました。もっとも、一片でも多く不開示取消を求める姿勢自体は、情報公開を活動の柱とするオンブズマンとして基本的な態度であり、それ自体に一切問題はありません。
しかし、こちらが100、向こうが0を求める状況で審判をすると、基本的には0以上100未満のどこかで落ち着きます。すると必然、高専機構側にも「主張が認められた部分」ができてしまいます。そうなると、「(一部であれ)オンブズマンの『間違った』主張から不開示箇所を守った」「こちらの主張にも正しい部分があった」という逃げ口上が成立してしまいます。
高専機構側のそうした詭弁を象徴した減らず口は、これまで何度も飛び出してきました。前回の訴訟終了後に群馬高専の猿田事務部長(当時)に見解を聞くと「うちの主張した部分は認められてます」と発言されたり、また文書を無理に全部不開示としたことについて責任者の謝罪を求めた際は黙殺されて、あげく、「オンブズマンの見解と機構の見解のすれ違いを訴訟で埋め合わせただけなので、機構に何ら責任は無い」と末端の露払い職員からシャアシャアと強弁を言い放たれる始末でした。
※参考↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2632.html
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2652.html
高専機構は給料を貰いながら適当に鼻歌交じりで墨塗りを行える立場であり、国民側はそれに壮絶な労力と時間と金銭的負担を払って不開示の取消を求めなければならない立場なのですから、そもそも対等ではありません。だからこそ、不開示処分には細心の注意を払わなければならず、一片の瑕疵も許されるものではありません。そうした前提をすべて無視して、「片端から墨塗りにして、文句がついても少しでも主張が認められればOK」などというような詭弁を平気で言い放つ高専機構の情報公開に関するバカげた認識に、しっかりとNOを突き付けなければならないと当会は決意しました。
■問題点をまとめると、広範に不開示取消を求めてきた当会のこれまでの基本姿勢が、結果的に高専機構と弁護士側に「戦果」を掴ませてきてしまったわけです。そこで、一度、極めて争点を限定した裁判を起こし、0or100の勝負を仕掛けるという手を試してみることにしました。不開示を取り消させるという実益を兼ねて、しっかり法廷で戦略的に「勝ち戦」を積み重ねていくことが、地道で長い道のりながらも確実な方法です。
その戦略を実行するにあたり、ちょうど高専機構側による出来立てホヤホヤの「やり過ぎおバカ不開示」がありました。群馬高専のアカハラ犯雑賀洋平が沼津高専に「高専間人事交流」を利用して逃亡した際の文書を開示請求したところ、なぜか交流期間がことごとく墨塗りにされて出てきたのです。当該情報については、実際にその期間「交流」するものであり、最終的には遅かれ早かれ明らかになるものなのですから、墨塗りにする意味がまったく理解できません。
この点について、当会から高専機構本部の担当職員にいつもの通り直接抗議を行いましたが、案の定豆腐にカスガイでした。そこで当会から、今回の件でも例の弁護士に意見を頂戴しているのかと聞くと、担当職員は特に隠すそぶりもなく素直に認めました。
○2019年10月3日:群馬高専アカハラ犯雑賀教授の沼津逃亡経緯情報を開示請求!高専機構本部にて受領した文書の中身は…↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3041.html
■もはや、一刻の猶予も許されません。木村・藍澤弁護士らによる半ば嫌がらせに等しいやり過ぎ不開示を即刻止めなければなりません。こうしている間にも、両弁護士らが高専機構に適当なことを吹き込んではせっせとのり弁文書が生産され、当会はその対応に忙殺され、高専組織の隠蔽体質はますます悪化することになります。もっとも、当会のリソースをそちらに割かせ、「本丸」であるアカハラ事件等にできるだけ注力させないのが狙いなのかもしれませんが、であれば、本丸攻めの傍ら徹底的に訴訟を起こして、根競べを仕掛けるほかありません。
裏でネチネチ姑息に嫌がらせを続ける両弁護士を、しっかり表舞台に引きずり出し、当会と直接刃を交えさせる必要があります。
■当会では以上の背景から、2つ目の訴状を10月18日(金)に東京地裁に提出しました。
当日は、11時35分高崎発Maxときに乗車し、12時36分に東京駅に着き、いつものように丸の内線に乗り換えて、12時50分に霞ヶ関駅に到着しました。裁判所の玄関で手荷物チェックを受けたあと、早速14階の東京地裁民事受付に向かいました。
14階南側の民事受付で整理券発券機で、画面の訴状提出ボタンを押して出てきた「19番」の番号札を持って長椅子に腰かけて待っていると、午後1時のチャイムがなりました。昼休みも窓口で受け付けていますが、18番のひとが手続きをしている横の窓口に職員が来て「19番のかた、どうぞ」と声をかけられたので、カバンから裁判資料一式を取り出して、窓口に提出しました。
先日10月7日の1つ目の訴状を提出した際の職員とはことなり、今度の職員は窓際で横向きの席にいたかたなので、当会が提出した書状をテキパキと見た後、席に戻り、ものの3分もしないうちに、受付票をくれました。今度は前回とことなり、ちゃんと行政訴訟である「行ウ」のコード番号が付けられています。
当該職員は「ではこれで受け付けますので、印紙と切手を準備してきてください。その際は、番号札は不要なので、ここで声をかけてください」と指示してくれました。
さっそく地下1階の郵便局で、収入印紙1万3000円分と6000円の切手セットを購入して、ふたたび14階の民事受付に戻り、担当職員に声をかけて、訴状の正本(裁判所用)の表紙左上に収入印紙を貼り、切手セットを渡すと、訴状提出手続きが完了しました。壁の時計を見ると13時20分でした。
こうして、第二次訴訟の事件番号は令和元年(行ウ)第549号で、担当は東京地裁民事第51部担当となることが決定しました。
↑14階南側にある民事受付窓口には「午前中提出の協力のお願い」と題する張り紙がしてあり、そこには「当窓口では、午後2時30分ごろから午後5時00分までの時間帯は非常に混雑するため、訴状等の提出は、窓口が比較的空いている午前9時から正午までの時間帯を利用されますようご協力をお願いします。」と記されている。午後1時で整理番号19番なので、毎日数十件の訴状提出があることになる。次回以降もできるだけ午後2時までに裁判資料を提出できるようにしたい。↑
■提出した訴状及び付属文書の内容は以下のとおりです。
*****訴状*****ZIP ⇒ i22191018.zip
訴 状
令和元年10月18日
東京地方裁判所民事部 御中
原 告 市民オンブズマン群馬
上記代表者 代表 小 川 賢
〒371-0801 群馬県前橋市文京町一丁目15-10(送達先)
原 告 市民オンブズマン群馬
上記代表者 代表 小 川 賢
電 話 090-5302-8312(原告代表・小川直通)
または 027-224-8567(原告事務局)
FAX 027-224-6624
〒193-0834 東京都八王子市東浅川町701-2番地
被 告 独立行政法人国立高等専門学校機構
上記代表者 理事長 谷 口 功
電話 042-662-3120(代表)
FAX 042-662-3131
法人文書不開示処分取消請求事件
訴訟物の価額 金160万円(算定不能)
貼用印紙額 金1万3000円
第1 請求の趣旨
1 被告が原告に対し,令和元年9月17日付高機総第95号法人文書開示決定(以下「本決定」)において不開示とした箇所のうち,別紙に示す情報について不開示を取消せ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決を求める。
第2 請求の原因
1 請求に至る経緯
原告は,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」)に基づき,被告に対し,令和元年8月9日付で,「群馬工業高等専門学校(以下「群馬高専))電子情報工学科の教員である雑賀洋平氏(以下「雑賀氏」)が,平成31年度から沼津工業高等専門学校(以下「沼津高専」)専攻科に高専間人事交流で期限付き異動していることについて,当該人事交流の申し出,申し入れおよび受け入れ,配置の過程すべてに関して,群馬高専・沼津高専・高専機構が保有する文書の一切(議事録・電子メール・メモ等も含む)」に対する情報開示請求(以下「本請求」,甲1)をおこなった。
それに対して,被告は令和元年9月17日付本決定(甲2)をおこなったが,本決定中において,雑賀氏にかかる内示された派遣期間についての情報(以下「派遣期間情報」)を,「法第5条第四号ヘに該当すると認められ,また,法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当」として不開示とした。実際の関連開示文書及びその不開示状況を甲3ないし甲4に示す。この派遣期間情報不開示処分は,法に照らして明らかに失当とみられるため,行政事件訴訟法第十二条の規定に基づき,その取消を求める訴えを提起する。
2 請求の前提となる事実
被告独立行政法人国立高等専門学校機構(以下「高専機構」)は,高専機構法(平成15年法律第113号)に基づき、群馬高専及び沼津高専を含む全51の高等専門学校(以下「高専」)を設置・運営し,また各高専の(常勤)教員は,高専機構教職員就業規則(高専機構規則第6号)に基づき採用され職務に従事する被告高専機構の職員である。
また,高専教員を他高専に一定期間派遣する「高専間人事交流」は,「高専・両技科大間教員交流制度実施要項(平成19年4月26日制定,甲5)」の規定に基づき行われるもので,原告が本請求において対象とした雑賀氏の高専間異動もこの制度によるものであり,その規定に従う。
当該制度の実際の運用としては,例年夏に各高専が高専機構理事長に対して「高専間人事交流」の対象教員を推薦し,秋に同理事長が派遣の対象校及びその期間を決定して内示するという流れであることが認められる。
3 請求の理由
別紙に示す派遣期間情報は,実際に高専機構理事長により決定・内示されたもので,変更の余地がある内部検討案などではなく,実際の派遣がそのように行われることを示す情報であることが認められる。
しかし,派遣先高専である沼津高専が毎年発行・公表を行っている広報誌「沼津高専概要」の2019年度版において,雑賀氏の同校への所属が公表されており(甲6),今後この掲載状況を継続して確認することで,雑賀氏の沼津高専への在籍状況が確認できることがうかがえる。
また,派遣元高専である群馬高専も,そのHPにて全教員のリストを公開しており(甲7),「高専間人事交流」によるものも含めて,採用・異動・昇進・退職状況は随時反映・更新されている。したがって,雑賀氏が当該派遣期間を満了し,群馬高専に戻った際は,当然これに反映されることがうかがえる。
したがって,将来,雑賀氏が派遣期間を満了した際は,その事実を上記手段で何人も知り得るのであって,当然派遣期間もそこから把握可能なのであるから,明らかに派遣期間情報は法第5条一号ただし書きイに規定のある「慣行として公にすることが予定されている情報」に該当するのであって,「法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えない」などとする被告の処分は失当というほかない。
更に,沼津高専は毎年3月と7月に広報誌「沼津高専だより」を作成し,すべてそのHP上で公表しているが,そのうち沼津高専だより第115号(令和元年7月31日発行)において,雑賀氏の同校着任挨拶が掲載されていることが確認できる(甲8)。
この着任挨拶中において,雑賀氏自身が「沼津高専で1年間,教育・研究に携わる機会を賜りましたことに心より御礼申し上げます」と明記しており,明らかに派遣期間にかかる情報を同氏自身の意思のもと公表していることがうかがえる。
したがって,雑賀氏に係る派遣期間情報は現時点においてすら公開情報なのであって,別紙に係る情報を新たに開示したところで,被告が不開示根拠とする法第5条第四号ヘに規定のある「人事管理に係る事務に関し,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ」が生じる可能性は無いと断定せざるを得ず,別紙部分を不開示とすべき合理的な理由は一切認められない。
また,上記公表事実等の有無に関わらず,派遣期間情報は,単に特定教員が,その期間,実際に派遣先高専で勤務することを示すだけの情報であり,それが開示されることにより,被告高専機構の人事に特段の不公平が生じる又は内部教員等を委縮させ高専間人事交流制度の円滑な実施を困難ならしめるといった不具合が生じることは極めて想定しがたい。よって,派遣期間情報は法第5条第四号ヘの要件のうち「人事管理に係る事務に関する情報」であることは満たすとしても,肝心の「公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれを生じさせる情報」と明らかに解されないことから,かかる被告の処分は何ら根拠の無いものと言わざるを得ない。
第3 むすび
以上のとおり,本決定のうち別紙に示す情報について不開示とした処分が違法であることは明らかであるから,すべて取消を求める。
以上
=====別紙=====
別紙 請求の趣旨
不開示処分取消請求箇所
・文書5及び9「平成30年10月10日付け 平成31年高専・両技科大間教員交流制度派遣推薦者の派遣決定について(通知)」について,「交流期間」。
・文書17-3「平成31年度高専・技科大間教員交流制度」(通知別添表)のうち,雑賀洋平氏に係る「派遣期間」の記述。
以上
=====証拠方法=====
証拠方法
1 甲1号証 令和元年8月9日付法人文書開示請求書
2 甲2号証 令和元年9月17日付高機総第95号法人文書開示決定通知書
3 甲3号証 平成30年10月10日付け30高機人第72号「平成31年高専・両技科大間教員交流制度派遣推薦者の派遣決定について(通知)」
4 甲4号証 30高機人第72号通知及び別添「平成31年度高専・技科大間教員交流制度」
5 甲5号証 高専・両技科大間教員交流制度実施要項
6 甲6号証 2019沼津高専概要(抜粋)
7 甲7号証 群馬高専HPの教員紹介ページ
8 甲8号証 沼津高専だより第115号(抜粋)
=====附属書類=====
1 訴状副本 1通
2 証拠説明書 1通
3 甲号証写し 各1通
**********
○証拠説明書 ZIP ⇒ i22191018.zip
○甲号証
甲1-7 ZIP ⇒ bpv.zip
甲8 ZIP ⇒ bw.zip
○原告・被告の適格証明書類 ZIP ⇒ 201910181iiij.zip
201910182iiiej.zip
■(その1)でご報告しているとおり、この10日前に訴状を提出した第一次訴訟である「令和元年(行ウ)第515号」については、第一回口頭弁論が12月12日の11時半から開廷することがすでに決定しています。そこで、負担軽減のため、書類上の事件としては別ですが、この第二次訴訟(事件番号(行ウ)第549号)の口頭弁論期日を第一次のそれと併合してもらい、並行して審理を進めてもらうよう裁判官に申請を行う予定です。
仮にたとえ裁判官が併合を認めない場合でも、当会としては粛々と裁判を進める所存です。
■当会では、高専組織の情報隠し体質の是正を狙ったこれら2つの訴訟は、訴状ではいずれも「法人文書不開示処分取消請求事件」と事件名を記しておきましたが、ブログ記事では訴訟の本質を分かりやすく表現するために、まとめて「高専過剰不開示体質是正訴訟」と呼称することを決定しました。
訴訟である以上時間はかかりますから、地裁判決はおそらく東京オリンピック後になることが見込まれます。更に、その判決を受けて高専機構・当会がもし控訴・上告を行えば、もっと伸びていくことになります。当会では、高専組織の体質の是正を長期プロジェクトのひとつとして位置づけ、根気強く取り組んでいく覚悟です。
■さて、今回の訴訟では当然、被告高専機構の「懐刀」である木村・藍澤弁護士が出動して、法廷で相まみえることになるでしょう。
今後の流れとしては、当会の方で第二次訴訟の口頭弁論期日を確定させたのちに、木村・藍澤弁護士謹製の答弁書が送られてくるのを待ち、そして12月12日に新たなる戦いのゴングが鳴らされるということになります。
高専過剰不開示体質是正訴訟の進捗については、都度ご報告してまいります。
【11/7追記】
その後、当会では10月23日に東京地裁の担当部署へ2訴訟の期日合併のための上申書を提出していましたが、本日東京地裁民事第51部の書記官に確認したところ、高専機構を相手取った事件番号「令和元年(行ウ)第549号」は、併合の申出が出されていた民事第2部扱いの事件番号「令和元年(行ウ)第515号」とは切り離して、「別々に審理することが、先ほど裁判官の判断として連絡があった」とのことです。
という訳で、出廷負担軽減の為の訴訟合併は、2訴訟の進行の足並みが揃わないと判断されたのか、残念ながら却下されてしまいました。
また、民事第51部扱いの事件番号「令和元年(行ウ)第549号」の第1回弁論期日については、一両日中に、都合のよい日時についての打診の文書を発出する予定であることも、同書記官から伝達がありました。
なお、民事第2部扱いの第515号事件は、第1回口頭弁論が12月12日の11時半から開廷予定です。
【11/28追記】
■その後、11/11に東京地裁民事第51部の山本書記官から電話があり、ようやく期日調整開始かと思い受話器を取ると、「原告の訴状の1ページ目に、行政事件訴訟法第11条第4項に定める処分行政庁が未記載なので、これを追記した上で、別紙の形で『訂正書』に添付して郵送するように」との教示連絡でした。裁判官からの指摘の様です。
しかし、1ページ目を全く同じ書式で書いた第1次訴訟(令和元年(行ウ)第515号)の訴状は何も問題なく受理されています。教示のあった同法同条の法解説や判例、過去事例、他弁護士等の作成した行政訴訟の訴状に至るまで片端から念入りにチェックしましたが、手元で調べられる範囲ではその様な示唆をしているものが見当たりません。そんなわけで「訂正」指示の真意が掴めずまったくお手上げになってしまいました。
そこで翌日同書記官に折り返し電話をして、「縷々調べたが、いまいち訂正の必要性が見出せない」と告げたところ、「(原告代表は、法律で食っている人間では無いものの、)既に色々と訴訟経験を積まれているご様子なので、お手元に解説集や判例集をお持ちであろうと、根拠法に基づきすぐ理解して頂けたかと思った。つまり、訴状のなかにどこにも法律で定めた“処分行政庁”の文言が出てきていないので、1ページ目の『被告』のところを『被告兼処分行政庁』と訂正していただければよい」と詳しく真意を教えてくれました。そこで即日、訂正申立書と訂正書別紙(ZIP ⇒ 20191112_teisei_mousitatsho.zip)を作成し、郵送しました。
それにしても、当会が起こした国相手の行政訴訟の数々において、これまで何度も同様文面の訴状が受理された上で問題なく判決まで至っている事実は確かであり、今回のような文句は初めて付いたので、始終首を傾げざるを得ませんでした。同じ地裁で裁判官によってこうも初歩的な対応がチグハグだと、こちらも参ってしまいます。
■この訴状訂正によりまた手続きの進捗が一歩遅れてしまい、ようやく1週間後に東京地裁から第1回口頭弁論の期日確定にかかる連絡がありました。当初、書記官からは、「1月中旬ではどうか」と打診をされましたが、当会の出廷者の都合がどうしても合わず、不本意ながら節分後の2月4日に期日を設定してもらうことにし、11月20日付で期日請書(PDF ⇒ 201911201_.zip)を送付しました。
よって、第2次訴訟の第1回口頭弁論期日は以下のように決まりました。
事件番号: 令和元年(行ウ)第549号
第一回口頭弁論期日: 令和2年2月4日(火) 13:30~ 東京地裁4階419法廷
よって、第2次訴訟については、第1次訴訟に遅れること2か月弱で開始のゴングが鳴らされることになります。第1次訴訟に比べ、期日確定と第1回口頭弁論期日が大幅に遅れてしまったことは遺憾でしたが、とはいえ、争点が多岐にわたり相当紛糾することが見込まれる第1次訴訟に対して、争点が極めてシンプルな第2次訴訟は、結審も早いことが明らかです。したがって、今回の「高専過剰不開示体質是正訴訟」全体としての進捗にはさほど影響を及ぼさないものと捉えております。
今後、第1次・第2次の両訴訟について、第1回口頭弁論期日の1週間前に被告高専機構側から送られてくるであろう答弁書の内容に注目が集まります。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
★★高専過剰不開示体質是正訴訟・提訴関連記事リンク★★
【第一次提訴のいきさつ及び訴状提出の模様について】
高専組織の情報隠蔽体質是正は成るか?オンブズが東京地裁に新たなる提訴!(その1)↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3055.html
【第一次提訴の訴状内容について】
高専組織の情報隠蔽体質是正は成るか?オンブズが東京地裁に新たなる提訴!(その2)↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3056.html
【第二次提訴のいきさつと訴状内容について】
高専組織の情報隠蔽体質是正は成るか?オンブズが東京地裁に新たなる提訴!(その3)↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3057.html
訴えられた側がテレビの取材で「訴状を見てないのでコメントできない」といつも答えてるので、毎回本当なのか疑問に思ってます。
コメント欄へのご連絡ありがとうございます。
初回口頭弁論の日程が決定して初めて、裁判所は訴状や呼出状を送ることになっています。もちろん、その間にもタイムラグがありますので、訴状を提出した直後の段階では被告側に提訴されたことは伝わっていません。あるいは、原告による公表など、何らかの方法で知ったとしても、訴状を吟味できてはいないので、ニュースでよく言われる「訴状が届いていないのでコメントできない」というのはおおむね事実であると考えられます。
今回の訴訟でいえば、第一次訴訟についてはそろそろ高専機構側に訴状が送達されると思われますが、第二次訴訟については高専機構側に訴状が送られるのはまだ少しだけ先の話になります。
市民オンブズマン群馬事務局より
2012年当時のJ科の冷酷な対応がわかることを期待しています。
当時のJ科にいて他のも他人事でないので、高専全体の異常体質も明らかになって欲しいです。