■2017年7月13日の当会ブログで県民の読者の皆様にご報告した、高崎市の建築確認における、「建築確認申請時の添付証明図書類が今後提出不要となる」続編レポートをご紹介します。
なお、この問題に関連して当ブログに掲載した記事は次の通りです。
〇2016年7月13日:高崎市役所の建築確認手続きにおける二重基準体質による“二枚舌騙し”行政の実態(続報)↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2069.html#readmore
○2017年1月31日:建築確認申請提出時の添付証明関係図書類が今後不要となる高崎市の事例を市内建築関係者に伝達↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2226.html#readmore
〇2016年6月21日:高崎市役所の農地法手続きにおける二重基準体質による“騙し”行政の実態↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2035.html#readmore
〇2016年6月2日:建築確認申請提出時の添付証明関係図書類が今後不要となる高崎市の事例を全国に伝達↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2020.html#readmore
○2015年12月4日:農地法の杜撰な運用の実態まざまざ・・・高崎市農業委員会からの回答状から分かる行政の二重基準↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1821.html#readmore
○2015年9月12日:インチキ手続で農地法をなし崩しにする高崎市農業委員会がオンブズマンの公開質問状に回答延期↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1719.html#readmore
○2015年2月24日:インチキ書類・手続きを駆使して農地法をなし崩しにする高崎市農業委員会事務局と関係不動産業者の手管↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1539.html#readmore
○2015年1月29日:高崎市建築指導課の虚偽証言とデタラメ行政で、知らぬ間に不法建築がまかり通る理不尽さ↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1519.html#readmore
****インチキ・イカサマな高崎市の建築確認制度(第9弾)****
1.はじめに
前回は、高崎市に建築確認申請をする際に、必要添付証明図書類が今後不要となるご報告をしました。当会会員によれば、この件の裁判を通じて、被告高崎市の「ダマシの建築確認の実態」をマザマザと見せつけられて、「これが納税先の行政の本質か」と呆れてしまい、開いた口が塞がらないとのことです。
被告高崎市の証言は、裁判を通じてなされたものですから、疑いようもない真実です。建築確認の審査機関である被告高崎市自身が主張しているものですから、少なくとも今後一切の「土地証明関係の図書類の提出は不要」です。
何故ならば、被告高崎市は本件裁判(平成27年(ワ)第335号損害賠償請求事件、次回口頭弁論期日は、平成29年10月2日、16:00 於:前橋地裁高崎支部)を通じて、一貫して「建築用地、及び接道用地などの土地所有権に関する審査権限はない」と主張してはばからないからです。
換言すると高崎市は、「他人の土地を無断使用しても構わない」という主張をしているのです。
今回、被告高崎市が出してきた被告準備書面8によると、建築確認に際して被告高崎市は、その必須前提条件である「接道使用について、『重複使用でも、建築許可を与える(建築確認)』」と言い切っています。
なお、本件裁判を通じて高崎市は、「他人所有の土地についても、土地所有権は審査対象外とする」と主張しているのです。
ここでもう一度、被告高崎市の主張を整理してみましょう。
2.建築確認に提出を求められていた図書類
読者の皆様はご存じと思いますが、「家(建物)」(以下「建物」を総称して「家」という)を建てる際には、建築確認・許可が必要です。建築基準法により、無断勝手に家は建てられないためです。
また、他人の土地に無断勝手に家を建てて良い筈がありません。このことは、小学生でもわかることです。
法律以前の問題ですが、それを被告高崎市は「かまわない」と言っているのですから、驚きです。被告高崎市が、いかにウソをついてごまかそうとしても、程があります。
(1)「接道要件」とは?
さて、家を建てる際には、1丁目1番地の大前提として、先ず「接道要件」を満たしているかどうか、被告高崎市のような審査機関により確認がなされます。そして、その次の段階として、「建物そのもの」の審査が始まります。
実際「家」に通じる、出入りできる通路がなければ生活できませんから、当然のことです。
建築基準法での「接道要件」とは、家に通じる通路のことです。
建築基準法では、基本的に、建物用地に通じるその通路の幅を「2.0m以上なければならない」と規定しています。
つまり、家1軒分について2mですから、もし仮に3軒分であるとしたら、基本的に「6m」となる訳です。
但し、「位置指定道路」となる場合にはこの限りではありませんが、基本的には、「1軒分について2m」となります。
(2)提出が求められていた「必要証明図書類」とは?
さて、被告高崎市では、従前より必ず「必要土地証明図書類」を添付提出として求めていました。具体的には以下のものがあります。添付資料1、2をご参照下さい。
★添付資料1
これは、本件裁判で、当会会員の原告が、裁判所に「文書送付嘱託申立」をして入手したもので、被告高崎市の建築確認の審査時における提出書類一覧の確認表(審査表)の内部資料です。
「審査表」と銘ある通り、これに基づいて、被告高崎市は審査をしている様子がわかります。
この審査表記載の土地証明関係の必要提出添付図書類としては、次の5点です。
①土地公図
②土地登記簿謄本
➂土地使用承諾書:他人名義の土地を使用する場合に必要。例えば、接道や建物用地を借りて家を建てる場合などが該当します。
➃土地売買契約書写:土地を本当に購入して家を建てる場合に、その証明に必要です。
➄農地転用許可書・届出書:建物用地などが「農地」である場合に、無断勝手に家を建てられませんから、農業委員会の許可・届出が必要です。
★添付資料2
これは、被告高崎市のホームページ上で公表されている「建築確認申請書一式」として必要な添付提出図書類を示しているものです。
既に被告高崎市のホームページ上で、このように公表されているのですから、申請者は、これら書類を事前に用意する事は当然です。
それによれば、やはり、次の書類の提出が必要とされています。
①土地公図
②土地登記簿謄本
➂農地転用許可書・届出書:関係規定以外でも必要と記載されて、「農地を転用する場合に許可・届出が必要となります」と示されています。
つまり、「①土地公図、②土地登記簿謄本」により、被告高崎市は、土地現況を確認して、他人の土地であればその「土地使用承諾書」の提出を求め、農地であれば、農業委員会の許可を確認しているのです。
これらの確認が必要な事は当然です。農地法によって、農地(田や畑など)に家を建てて良い筈もなく、ましてや、他人の土地を無断勝手に使用して、家を建てて良い筈もなく、その接道についても、土地所有者に無断で使用して良い筈もありません。
さらに通常であれば、接道用地の重複使用もできないのです。
そして、この無断使用に立脚した建築確認申請は、誰の目にも明らかな様に、当然に自己所有地ではありませんから、「原本不実記載の虚偽申請」となります。役所に提出する書類に瑕疵のある「虚偽申請」により不正に取得した許可は、取り消されてしかるべきです。
ところが被告高崎市は、この土地の無断使用のインチキを事前に知っていながら、「『適法』である」と主張しています。その根拠として、被告高崎市は「建築確認は拒めない」ということを挙げているのです。
したがって、今後は、審査機関である被告高崎市の、この様な「スゴイお墨付き」があるのですから、無断勝手に他人所有地に「家」が、あちらこちらで建ってしまうことになります。
そしてその責任は、お墨付きを与えた被告高崎市が全部負うことになります。つまり、責任は被告高崎市に帰着するので、市民の皆さん、損害を被ったらどしどし損害賠償を高崎市に請求しましょう。
3.被告高崎市は、「接道の重複使用を認める」
今回、ぜひ皆様にご報告したいことがあります。それは、本件裁判を通じて、被告高崎市は「土地所有権を審査対象外とする」と主張していることです。しかも、さらに加えて、「接道について、その重複使用も認める」ということを明言しているのです。
添付資料3,2/2の、上から2から4行目をご覧ください。
**********
「被告高崎市としては,重複利用とならないように原告に対して行政指導を行ったことに対して,原告がこれに従わない場合,現行法上の解釈としては建築確認処分をせざるを得ない。」(原文ママ引用)。
**********
本件では当該通路用地について「道路位置指定」を受けていないので、被告高崎市の答弁は、「位置指定道路」ではなく、「一般的な接道要件について示すもの」としています。
これは、被告市高崎市の訴訟代理人である小林優公弁護士が、代理人として独断で主張しているものとは見なすことができません。なぜなら、必ず、被告高崎市の担当部署である「建築指導課」と打ち合わせの上での、裁判所においての被告訴訟代理人弁護士の答弁ですから、社会的効力があるものです。
少なくとも高崎市に家を建てる場合には、他人の土地を無断使用して、家の建築をしたり、接道要件を満たしたりしても「建築許可を受けられる」ことにご注目ください。
従って、被告高崎市に対しての建築確認申請の場合には、被告高崎市より、万一「必要提出書類であるから」と提出を求められても、応ずる必要はありません。高崎市はそれでも建築許可をすると、裁判で明言しているからです。
ましてや、建築確認申請の「不受理などは、持ってのほか」のことです。
4.被告高崎市の建築確認制度の制度変更について
以上の事実関係から見えてくることは、普通の社会常識的な観点から誰がどうひねくれて考えたとしても、被告高崎市は、堂々とウソをついている、ということです。「この裁判だけしのげればいいや」という考えがミエミエだからです。もし「そうでない」というなら、高崎市の二枚舌は大したものです。
なぜなら、今後は土地証明などの添付必要提出書類は、不要であるからです。
法廷における自らの証言の通り、添付必要提出書類が不提出でも、被告高崎市は「建築確認」を申請者に与えなければなりません。
従ってこの実態は、被告高崎市における建築確認制度における「制度変更」となる訳ですから、広く「公報」などを通じて広く広報されなければなりません。
5.犯罪人的体質の被告高崎市
第一審となる前橋地方裁判所高崎支部のこれまでの裁判においては、被告高崎市は未だに本件について真実を述べていません。
資料1の「審査表」の審査記録からも明らかなように、「全ての土地証明欄には、チェックがなされた跡」が確認されており、何らの指摘指導事項もありません。全ての図書類一式は、耳を揃えて提出されることが必要である、と考えるのが普通です。
そして、「若宮苑」ケアプラン偽造事件と同様に、原告である当会会員名義の「偽造された土地使用承諾書」は存在するものと推測されます。
そもそも、役所に提出する図書類一式については、内容についてはともかくも、外観上形式的に必要書類が揃っていなければ受理されないはずです。
被告高崎市の場合、土地使用承諾書は「印鑑証明が不要な認め印」で済ませられます。「認め印」ですから、何人もいとも簡単に「押印」できるのです。
きちんと建築確認を行っている他の自治体では、真贋の証明の為に「印鑑証明の添付提出」を求められます。
この裁判を通じて、被告高崎市は、きちんと行政運用をするどころか、「違法行為を幇助して、未だに犯人を庇い続けている」ことがハッキリしたのです。
当会会員が直面している建築確認と、それに関連する農地転用を巡る裁判を通じて判明したことは、被告高崎市の「違法行為幇助」、犯人を庇い続ける「犯人隠匿・隠避」、「共同正犯行為」、「ウソ証言」など、別事件「若宮苑事件」と全く同じ構図であることす。
この被告高崎市の市民に対するダマシの体質は、勤務する職員の業務態度を反映していると見なせますから、善良なる市民の皆様は今後、市役所を訪れる際には「ウソつきの巣窟に赴くのだ」というくらい、心して行動した方が良いでしょう。
高崎市役所には、善良なる職員や市会議員が果たして居るのでしょうか? どうもそうとは思えないのです。
なぜならば、法廷でも一向に高崎市は自らの非を認めようとせず、原告市民に対して謝罪もせず、平気でヌケヌケとウソをつき続けているからです。裁判沙汰にもなっているのにも拘わらず、です。
そもそも、社会常識的に考えても、いきなり「裁判沙汰」になる筈はありません。裁判に踏み切らざるを得ない理由と経緯があるのです。市民の皆様、その辺の事情をよくよくお考え下さい。いつ、あなたご自身が同様の目に遭うかも知れないのです。
当会会員も、この様に実際にヒドイ目に会うまでには、高崎市はきちんとしていると思っていたそうです。ところが、現実は、思っていた事と違っていました。
当会会員は、当初、当会会員が交付したとされる「土地使用承諾書」の照会の為に、高崎市の担当部署の建築指導課に最初に訪れましたが、結局騙されてしまいました。そして正義を追及してくれることを期待して「共産党市議」のところにも相談に行きました。
しかしこれまた何もしてもらえず、結果的に当会会員には裁判以外に取る道はなかったのです。
その後も、当会会員は、この様な被告高崎市の、いわば犯罪人的体質とも言えるウソつき体質を正そうとしましたが、結局、未だに、高崎市職員も高崎市議も誰も何も対応してくれません。
しかも、真面目な当該建築指導課の職員の方が、いわゆる「配置転換」、つまり、飛ばされたことを聞き及びました。この様なことがあって良いのでしょうか?
6.二重基準、二枚舌がまかりとおる高崎市行政
本件裁判中でも未だに、被告高崎市は、「土地証明図書類の提出は、行われていない」とウソ偽りの証言をしているありさまです。
そもそも土地証明書類がなければ、被告高崎市は、何ら土地所有権を確認できる筈もありません。加えて、その様な土地証明書類を自ら「不要だ」と主張しているにも拘らず、裁判では被告高崎市から突如として脈絡もなく「原告の土地使用承諾書の代わりとする『理由書なるもの』」が証拠として提出されてきているのです。
もちろん、この「理由書なるもの」に記載されている内容は、「偽り」の内容であり、事実ではありません。そしてそのウソを立証する証拠も、原告の当会会員は裁判所に提出しました。
被告高崎市らの主張によれば、建築確認申請者はこのような「ウソ事実の理由書なるもの」を提出さえすれば良いのです。この「ウソ事実の理由書なるもの」は、「土地使用承諾書の代わり」として有効だというのですから、このように土地証明書類がなくても「貰えませんでした」と役所に報告さえすれば良く、建築確認申請者にとってこれ程楽なことはありません。(添付資料4)
そして被告高崎市は、裁判で全く合理的説明ができないにも拘らず、未だに被告らの「罪」を認めようとしません。
果たして、公平・公正である筈の裁判所は、どのような判断をするのでしょうか?
7.ドロボーに追い銭の税金の無駄遣い
被告高崎市の建築指導課は、いつも弁論日当日、税金で雇っている訴訟代理人の弁護士と一緒に、本来の役所での公務を放棄して、最低でも2名、或は3名の建築指導課の職員が裁判所を訪れています。その間の職員の給与は、支払われるのでしょうか?
市民を騙しウソの証言をして、弁護士を雇って自らの不正を正当化する為に、結局、我々市民の税金が使われています。この不条理は決して看過できません。
8.まとめ
「被告高崎市は、いい加減に『真実』を話したら良いのに」と思うのですが、本件裁判における被告高崎市の証言により、建築設計事務所の方々には、思いもかけず、大変都合が良い事になりました。
なぜならば、今後は、今まで必ず提出が必要であった「土地証明書、特に土地所有者交付の「土地使用承諾書が不要になった」からです。これほど「楽」なことはないでしょう。そして、「接道の重複使用」も認められるのです。
今後はもう頭を下げて貰いに、何度も何度も、土地権利者の処に訪問しなくて良いのですから。そして土地所有権などの「審査は不問」になったのですから。
以上
**********
■以上のレポートをお読みになり、善良なる市民・国民の皆様は、現在の高崎市の建築確認制度についてどのような考えを抱かれるでしょうか?
市民・国民の皆様の貴重なご意見を、ぜひとも当会事務局までどしどしお寄せ下さい。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※添付資料
●1:審査表
JPG ⇒ siryo1_sinsahyou.jpg
●2:被告高崎市のホームページ
PDF ⇒ siryo2_takasakisi_homepage.pdf
●3:被告高崎市の「接道についての重複使用を認める」準備書面8
JPG ⇒ siryo31_hikoku_junbishomen_no.8_p1.jpgsiryo32_hikoku_junbishomen_no.8_p2.jpg
●4:土地使用承諾書の代わりと認める「理由書なるもの」
(同一物で証拠番号だけ異なる)
被告建築主、建築会社らの証拠番号:「乙A第5号証」
被告高崎市の証拠番号:「乙B第3号証」
JPG ⇒ siryo4_riyuusho.jpg
なお、この問題に関連して当ブログに掲載した記事は次の通りです。
〇2016年7月13日:高崎市役所の建築確認手続きにおける二重基準体質による“二枚舌騙し”行政の実態(続報)↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2069.html#readmore
○2017年1月31日:建築確認申請提出時の添付証明関係図書類が今後不要となる高崎市の事例を市内建築関係者に伝達↓
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〇2016年6月21日:高崎市役所の農地法手続きにおける二重基準体質による“騙し”行政の実態↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2035.html#readmore
〇2016年6月2日:建築確認申請提出時の添付証明関係図書類が今後不要となる高崎市の事例を全国に伝達↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2020.html#readmore
○2015年12月4日:農地法の杜撰な運用の実態まざまざ・・・高崎市農業委員会からの回答状から分かる行政の二重基準↓
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○2015年9月12日:インチキ手続で農地法をなし崩しにする高崎市農業委員会がオンブズマンの公開質問状に回答延期↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1719.html#readmore
○2015年2月24日:インチキ書類・手続きを駆使して農地法をなし崩しにする高崎市農業委員会事務局と関係不動産業者の手管↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1539.html#readmore
○2015年1月29日:高崎市建築指導課の虚偽証言とデタラメ行政で、知らぬ間に不法建築がまかり通る理不尽さ↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1519.html#readmore
****インチキ・イカサマな高崎市の建築確認制度(第9弾)****
1.はじめに
前回は、高崎市に建築確認申請をする際に、必要添付証明図書類が今後不要となるご報告をしました。当会会員によれば、この件の裁判を通じて、被告高崎市の「ダマシの建築確認の実態」をマザマザと見せつけられて、「これが納税先の行政の本質か」と呆れてしまい、開いた口が塞がらないとのことです。
被告高崎市の証言は、裁判を通じてなされたものですから、疑いようもない真実です。建築確認の審査機関である被告高崎市自身が主張しているものですから、少なくとも今後一切の「土地証明関係の図書類の提出は不要」です。
何故ならば、被告高崎市は本件裁判(平成27年(ワ)第335号損害賠償請求事件、次回口頭弁論期日は、平成29年10月2日、16:00 於:前橋地裁高崎支部)を通じて、一貫して「建築用地、及び接道用地などの土地所有権に関する審査権限はない」と主張してはばからないからです。
換言すると高崎市は、「他人の土地を無断使用しても構わない」という主張をしているのです。
今回、被告高崎市が出してきた被告準備書面8によると、建築確認に際して被告高崎市は、その必須前提条件である「接道使用について、『重複使用でも、建築許可を与える(建築確認)』」と言い切っています。
なお、本件裁判を通じて高崎市は、「他人所有の土地についても、土地所有権は審査対象外とする」と主張しているのです。
ここでもう一度、被告高崎市の主張を整理してみましょう。
2.建築確認に提出を求められていた図書類
読者の皆様はご存じと思いますが、「家(建物)」(以下「建物」を総称して「家」という)を建てる際には、建築確認・許可が必要です。建築基準法により、無断勝手に家は建てられないためです。
また、他人の土地に無断勝手に家を建てて良い筈がありません。このことは、小学生でもわかることです。
法律以前の問題ですが、それを被告高崎市は「かまわない」と言っているのですから、驚きです。被告高崎市が、いかにウソをついてごまかそうとしても、程があります。
(1)「接道要件」とは?
さて、家を建てる際には、1丁目1番地の大前提として、先ず「接道要件」を満たしているかどうか、被告高崎市のような審査機関により確認がなされます。そして、その次の段階として、「建物そのもの」の審査が始まります。
実際「家」に通じる、出入りできる通路がなければ生活できませんから、当然のことです。
建築基準法での「接道要件」とは、家に通じる通路のことです。
建築基準法では、基本的に、建物用地に通じるその通路の幅を「2.0m以上なければならない」と規定しています。
つまり、家1軒分について2mですから、もし仮に3軒分であるとしたら、基本的に「6m」となる訳です。
但し、「位置指定道路」となる場合にはこの限りではありませんが、基本的には、「1軒分について2m」となります。
(2)提出が求められていた「必要証明図書類」とは?
さて、被告高崎市では、従前より必ず「必要土地証明図書類」を添付提出として求めていました。具体的には以下のものがあります。添付資料1、2をご参照下さい。
★添付資料1
これは、本件裁判で、当会会員の原告が、裁判所に「文書送付嘱託申立」をして入手したもので、被告高崎市の建築確認の審査時における提出書類一覧の確認表(審査表)の内部資料です。
「審査表」と銘ある通り、これに基づいて、被告高崎市は審査をしている様子がわかります。
この審査表記載の土地証明関係の必要提出添付図書類としては、次の5点です。
①土地公図
②土地登記簿謄本
➂土地使用承諾書:他人名義の土地を使用する場合に必要。例えば、接道や建物用地を借りて家を建てる場合などが該当します。
➃土地売買契約書写:土地を本当に購入して家を建てる場合に、その証明に必要です。
➄農地転用許可書・届出書:建物用地などが「農地」である場合に、無断勝手に家を建てられませんから、農業委員会の許可・届出が必要です。
★添付資料2
これは、被告高崎市のホームページ上で公表されている「建築確認申請書一式」として必要な添付提出図書類を示しているものです。
既に被告高崎市のホームページ上で、このように公表されているのですから、申請者は、これら書類を事前に用意する事は当然です。
それによれば、やはり、次の書類の提出が必要とされています。
①土地公図
②土地登記簿謄本
➂農地転用許可書・届出書:関係規定以外でも必要と記載されて、「農地を転用する場合に許可・届出が必要となります」と示されています。
つまり、「①土地公図、②土地登記簿謄本」により、被告高崎市は、土地現況を確認して、他人の土地であればその「土地使用承諾書」の提出を求め、農地であれば、農業委員会の許可を確認しているのです。
これらの確認が必要な事は当然です。農地法によって、農地(田や畑など)に家を建てて良い筈もなく、ましてや、他人の土地を無断勝手に使用して、家を建てて良い筈もなく、その接道についても、土地所有者に無断で使用して良い筈もありません。
さらに通常であれば、接道用地の重複使用もできないのです。
そして、この無断使用に立脚した建築確認申請は、誰の目にも明らかな様に、当然に自己所有地ではありませんから、「原本不実記載の虚偽申請」となります。役所に提出する書類に瑕疵のある「虚偽申請」により不正に取得した許可は、取り消されてしかるべきです。
ところが被告高崎市は、この土地の無断使用のインチキを事前に知っていながら、「『適法』である」と主張しています。その根拠として、被告高崎市は「建築確認は拒めない」ということを挙げているのです。
したがって、今後は、審査機関である被告高崎市の、この様な「スゴイお墨付き」があるのですから、無断勝手に他人所有地に「家」が、あちらこちらで建ってしまうことになります。
そしてその責任は、お墨付きを与えた被告高崎市が全部負うことになります。つまり、責任は被告高崎市に帰着するので、市民の皆さん、損害を被ったらどしどし損害賠償を高崎市に請求しましょう。
3.被告高崎市は、「接道の重複使用を認める」
今回、ぜひ皆様にご報告したいことがあります。それは、本件裁判を通じて、被告高崎市は「土地所有権を審査対象外とする」と主張していることです。しかも、さらに加えて、「接道について、その重複使用も認める」ということを明言しているのです。
添付資料3,2/2の、上から2から4行目をご覧ください。
**********
「被告高崎市としては,重複利用とならないように原告に対して行政指導を行ったことに対して,原告がこれに従わない場合,現行法上の解釈としては建築確認処分をせざるを得ない。」(原文ママ引用)。
**********
本件では当該通路用地について「道路位置指定」を受けていないので、被告高崎市の答弁は、「位置指定道路」ではなく、「一般的な接道要件について示すもの」としています。
これは、被告市高崎市の訴訟代理人である小林優公弁護士が、代理人として独断で主張しているものとは見なすことができません。なぜなら、必ず、被告高崎市の担当部署である「建築指導課」と打ち合わせの上での、裁判所においての被告訴訟代理人弁護士の答弁ですから、社会的効力があるものです。
少なくとも高崎市に家を建てる場合には、他人の土地を無断使用して、家の建築をしたり、接道要件を満たしたりしても「建築許可を受けられる」ことにご注目ください。
従って、被告高崎市に対しての建築確認申請の場合には、被告高崎市より、万一「必要提出書類であるから」と提出を求められても、応ずる必要はありません。高崎市はそれでも建築許可をすると、裁判で明言しているからです。
ましてや、建築確認申請の「不受理などは、持ってのほか」のことです。
4.被告高崎市の建築確認制度の制度変更について
以上の事実関係から見えてくることは、普通の社会常識的な観点から誰がどうひねくれて考えたとしても、被告高崎市は、堂々とウソをついている、ということです。「この裁判だけしのげればいいや」という考えがミエミエだからです。もし「そうでない」というなら、高崎市の二枚舌は大したものです。
なぜなら、今後は土地証明などの添付必要提出書類は、不要であるからです。
法廷における自らの証言の通り、添付必要提出書類が不提出でも、被告高崎市は「建築確認」を申請者に与えなければなりません。
従ってこの実態は、被告高崎市における建築確認制度における「制度変更」となる訳ですから、広く「公報」などを通じて広く広報されなければなりません。
5.犯罪人的体質の被告高崎市
第一審となる前橋地方裁判所高崎支部のこれまでの裁判においては、被告高崎市は未だに本件について真実を述べていません。
資料1の「審査表」の審査記録からも明らかなように、「全ての土地証明欄には、チェックがなされた跡」が確認されており、何らの指摘指導事項もありません。全ての図書類一式は、耳を揃えて提出されることが必要である、と考えるのが普通です。
そして、「若宮苑」ケアプラン偽造事件と同様に、原告である当会会員名義の「偽造された土地使用承諾書」は存在するものと推測されます。
そもそも、役所に提出する図書類一式については、内容についてはともかくも、外観上形式的に必要書類が揃っていなければ受理されないはずです。
被告高崎市の場合、土地使用承諾書は「印鑑証明が不要な認め印」で済ませられます。「認め印」ですから、何人もいとも簡単に「押印」できるのです。
きちんと建築確認を行っている他の自治体では、真贋の証明の為に「印鑑証明の添付提出」を求められます。
この裁判を通じて、被告高崎市は、きちんと行政運用をするどころか、「違法行為を幇助して、未だに犯人を庇い続けている」ことがハッキリしたのです。
当会会員が直面している建築確認と、それに関連する農地転用を巡る裁判を通じて判明したことは、被告高崎市の「違法行為幇助」、犯人を庇い続ける「犯人隠匿・隠避」、「共同正犯行為」、「ウソ証言」など、別事件「若宮苑事件」と全く同じ構図であることす。
この被告高崎市の市民に対するダマシの体質は、勤務する職員の業務態度を反映していると見なせますから、善良なる市民の皆様は今後、市役所を訪れる際には「ウソつきの巣窟に赴くのだ」というくらい、心して行動した方が良いでしょう。
高崎市役所には、善良なる職員や市会議員が果たして居るのでしょうか? どうもそうとは思えないのです。
なぜならば、法廷でも一向に高崎市は自らの非を認めようとせず、原告市民に対して謝罪もせず、平気でヌケヌケとウソをつき続けているからです。裁判沙汰にもなっているのにも拘わらず、です。
そもそも、社会常識的に考えても、いきなり「裁判沙汰」になる筈はありません。裁判に踏み切らざるを得ない理由と経緯があるのです。市民の皆様、その辺の事情をよくよくお考え下さい。いつ、あなたご自身が同様の目に遭うかも知れないのです。
当会会員も、この様に実際にヒドイ目に会うまでには、高崎市はきちんとしていると思っていたそうです。ところが、現実は、思っていた事と違っていました。
当会会員は、当初、当会会員が交付したとされる「土地使用承諾書」の照会の為に、高崎市の担当部署の建築指導課に最初に訪れましたが、結局騙されてしまいました。そして正義を追及してくれることを期待して「共産党市議」のところにも相談に行きました。
しかしこれまた何もしてもらえず、結果的に当会会員には裁判以外に取る道はなかったのです。
その後も、当会会員は、この様な被告高崎市の、いわば犯罪人的体質とも言えるウソつき体質を正そうとしましたが、結局、未だに、高崎市職員も高崎市議も誰も何も対応してくれません。
しかも、真面目な当該建築指導課の職員の方が、いわゆる「配置転換」、つまり、飛ばされたことを聞き及びました。この様なことがあって良いのでしょうか?
6.二重基準、二枚舌がまかりとおる高崎市行政
本件裁判中でも未だに、被告高崎市は、「土地証明図書類の提出は、行われていない」とウソ偽りの証言をしているありさまです。
そもそも土地証明書類がなければ、被告高崎市は、何ら土地所有権を確認できる筈もありません。加えて、その様な土地証明書類を自ら「不要だ」と主張しているにも拘らず、裁判では被告高崎市から突如として脈絡もなく「原告の土地使用承諾書の代わりとする『理由書なるもの』」が証拠として提出されてきているのです。
もちろん、この「理由書なるもの」に記載されている内容は、「偽り」の内容であり、事実ではありません。そしてそのウソを立証する証拠も、原告の当会会員は裁判所に提出しました。
被告高崎市らの主張によれば、建築確認申請者はこのような「ウソ事実の理由書なるもの」を提出さえすれば良いのです。この「ウソ事実の理由書なるもの」は、「土地使用承諾書の代わり」として有効だというのですから、このように土地証明書類がなくても「貰えませんでした」と役所に報告さえすれば良く、建築確認申請者にとってこれ程楽なことはありません。(添付資料4)
そして被告高崎市は、裁判で全く合理的説明ができないにも拘らず、未だに被告らの「罪」を認めようとしません。
果たして、公平・公正である筈の裁判所は、どのような判断をするのでしょうか?
7.ドロボーに追い銭の税金の無駄遣い
被告高崎市の建築指導課は、いつも弁論日当日、税金で雇っている訴訟代理人の弁護士と一緒に、本来の役所での公務を放棄して、最低でも2名、或は3名の建築指導課の職員が裁判所を訪れています。その間の職員の給与は、支払われるのでしょうか?
市民を騙しウソの証言をして、弁護士を雇って自らの不正を正当化する為に、結局、我々市民の税金が使われています。この不条理は決して看過できません。
8.まとめ
「被告高崎市は、いい加減に『真実』を話したら良いのに」と思うのですが、本件裁判における被告高崎市の証言により、建築設計事務所の方々には、思いもかけず、大変都合が良い事になりました。
なぜならば、今後は、今まで必ず提出が必要であった「土地証明書、特に土地所有者交付の「土地使用承諾書が不要になった」からです。これほど「楽」なことはないでしょう。そして、「接道の重複使用」も認められるのです。
今後はもう頭を下げて貰いに、何度も何度も、土地権利者の処に訪問しなくて良いのですから。そして土地所有権などの「審査は不問」になったのですから。
以上
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■以上のレポートをお読みになり、善良なる市民・国民の皆様は、現在の高崎市の建築確認制度についてどのような考えを抱かれるでしょうか?
市民・国民の皆様の貴重なご意見を、ぜひとも当会事務局までどしどしお寄せ下さい。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※添付資料
●1:審査表
JPG ⇒ siryo1_sinsahyou.jpg
●2:被告高崎市のホームページ
PDF ⇒ siryo2_takasakisi_homepage.pdf
●3:被告高崎市の「接道についての重複使用を認める」準備書面8
JPG ⇒ siryo31_hikoku_junbishomen_no.8_p1.jpgsiryo32_hikoku_junbishomen_no.8_p2.jpg
●4:土地使用承諾書の代わりと認める「理由書なるもの」
(同一物で証拠番号だけ異なる)
被告建築主、建築会社らの証拠番号:「乙A第5号証」
被告高崎市の証拠番号:「乙B第3号証」
JPG ⇒ siryo4_riyuusho.jpg
私達の普通の主婦は、市役所は、ちゃんとしていると思っていました。
市会議員の人たちの無能力には、本当に嫌になります。
選挙の時には、思い知らせてやりたいですね。
今後も、皆さんにいろいろと、教えて下さい。
平素より当会のブログをご愛読くださり厚く御礼申し上げます。
私どもも、最初のうちは、役所というものは公僕として住民サービスに徹しているものと思っていました。ところが、安中市で起きた51億円巨額詐欺横領事件をはじめ、役所における不祥事件の追及を通じて役所の内部の実態を知る機会を経験すると認識が真逆になってしまいました。
なぜならば、情報公開や住民監査請求を通じて、役所の対応に接してみると、情報非開示の隠蔽体質を思い知らされたからです。その後のオンブズマン活動を通じて、そのことをますます痛感させられます。
ましてや主婦の立場であれば、育児や家事で精一杯で、役所のことなど関心を持つ時間が取れないことでしょう。
そのため、できる限り広く市民、住民の皆様にオンブズマン活動を通じて、役所の実態を知ってもらえれば、私どもの活動の一つの大きな社会貢献だと思います。
ぜひ、政治や行政の本当の実態を知っていただき、役所の窓口での鉄浮や、選挙のときにお役立ていただければ、当会としても願ったり叶ったりです。
市民オンブズマン群馬事務局より