↑群馬高専HPトップ。「お知らせ」欄には新型コロナ対応の通知が並ぶ。それにしても、学問をする機関を名乗るならば、「お知らせ」の日付くらいすべてキチンと付記してほしいものである。通知を行った日時や時系列すら判然としないのはあまりに粗末ではないか↑
■瞬く間に日本と世界を覆いつくした新型コロナウイルス(COVID-19)の脅威に対抗するため、本邦はあらゆる「クラスター(感染集団)」潰しに躍起になっています。市民オンブズマン群馬でも、活動上はじめて、クラスター化を避けるため4月の例会を中止することになりました。
そして、社会的に大規模な「クラスター」予備軍の筆頭として挙げられるのが教育機関であり、小中高、大学、塾・予備校などは、軒並み始業延期やオンライン化などの措置を取らざるを得なくなっています。では国立高専の年度明け後の新型コロナ対応はというと、少なくとも3月~4月初めの時点で、元締めの高専機構からは統一した指示を特に出しておらず、各高専の裁量ということにされているようです。
群馬高専では、4月3日に入学式を挙行し、授業も6日(月)から平常通り行う構えだったようです。アカハラ犯雑賀洋平の復帰と3J担任就任に関し、当会が電話で抗議と遺憾の意を伝えたのが4月2日13時半過ぎでした。その際、総務課尾内課長は「入学式は間違いなく実施する」「明日の入学式を滞りなく済ませることに注力している」と説明していました。
○2020年4月2日:【速報】群馬高専アカハラ犯の雑賀洋平がJ科3年クラス正担任着任確定!↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3142.html
ところが、4月10日の昼下がりに村田課長補佐と電話口で話すと、「入学式は結局中止とした。更に今週月曜日(4/6)から始める予定だった授業も取りやめ、現時点では5月8日再開予定にしている」と現況が明かされました。どう常識的に考えても、入学式の前日昼過ぎの時点で実施秒読みの状態にあったのに、それを突如中止するとは生半可な話ではありません。そこで経緯を調べてみたところ、群馬高専の呆れた現状が浮き彫りになってきました。
■群馬高専HPの「お知らせ」をチェックすると、4月3日(金)付で、山崎校長が5月6日までの臨時休校(4/6始業の中止)と、学生寮の緊急閉鎖(4/10~5/6)を内部学生や保護者に通達していることがわかります。しかし、4月6日(月)の始業予定を取り止めるのに、たった3日前の通達では、あまりにも遅すぎるし、急すぎます。しかも、土日を挟むため、営業日でいえば前日です。
○群馬高専HP:【重要】臨時休校のお知らせ↓
http://www.gunma-ct.ac.jp/cms/oshirase/0403rinji.htm
○群馬高専HP:【重要】臨時休校に伴う学生寮の閉寮について↓
http://www.gunma-ct.ac.jp/cms/oshirase/200403ryo.htm
ただし上記通知を読むと、臨時休校とはいっても、始業予定日であった4月6日には全学年を生活・学習指導と教科書購入のため登校させ、次いで4月8日及び9日にも健康診断のため登校させていることがわかります。
しかも、予定通り始業ということで、電車やバスの定期を既に購入してしまった学生も多数いたはずです。公共交通機関各社では定期払戻しの特例を設けて対処しているようなので、金銭的な損害は軽微とみられるのが幸いですが、買ったばかりの定期をすぐ払い戻す二度手間を強いられる学生からしてみればいい迷惑です。
■そして、新入生・保護者に向けた入学式の中止のアナウンスも掲載されています。信じたくありませんが、URLの日付からするに、4月3日、つまり入学式予定日当日に入学式中止のアナウンスが掲載されているようです。通知が出された正確な日時はサイトからは窺い知れませんが、極めて重大な正式アナウンスなのですから、日付(更に言えば時刻)と責任者氏名の最低2点くらいはきちんと明記してほしいものです。
○群馬高専HP:【中止のお知らせ】第59回入学式及び第26回専攻科入学式の実施について(お知らせ)(入学生)↓
http://www.gunma-ct.ac.jp/cms/oshirase/200403nyug.htm
○群馬高専HP:【中止のお知らせ】第59回入学式及び第26回専攻科入学式の実施について(お知らせ)(入学生保護者様)↓
http://www.gunma-ct.ac.jp/cms/oshirase/200403nyuho.htm
■さすがに入学式の出席予定者には内々に電話などで通知しているはずと考え、各方面から新入生・学生の反応等を調べてみると、どうも4月2日の夕方ごろ(16時半過ぎ)には通知が始められていたようです。
そうなると、4月2日、尾内課長が13時半過ぎに入学式決行の固い意志を語ってからものの2~3時間で、突如180度方針転換し、夕方から本科・専攻科新入生二百名以上の家庭一軒一軒に中止の連絡を入れ始めたということになります。既に翌日の出席を前提に各種準備・手配をしていた新入生とその家庭からしてみれば言うまでもなく大迷惑ですが、対応に当たった教職員にもさすがに憐憫の情を禁じ得ないレベルです。上の方針で着々進めていた入学式と始業の準備が一瞬で無駄になってしまった上に、その日のうちに膨大な関係者への説明に追われることになるとは、地獄さながらです。
群馬高専は、そのまま文字通りの「朝令暮改」を、より正確には「昼令暮改」を成し遂げる伝説を打ち立てたことになります。
■こうした昼令暮改に振り回される一般学生・保護者や職員の負担もさることながら、特に筆者として気になるのは寮生のことです。群馬高専の通知を更に覗いてみると、入学式の中止と合わせて、入学式後に新入寮生対象で予定されていた「入寮式」も中止され、代わりに本来入学式が開かれるはずだった午前9時30分から「入寮ガイダンス」を行うことに急遽変更がなされているのがわかります。この通知も、これまた予定日当日に掲載されています。
○群馬高専HP:入寮式の変更、入寮のためのガイダンスの実施について↓
http://www.gunma-ct.ac.jp/cms/oshirase/0403ryou.htm
しかし、「入寮ガイダンス」を行うという事は、4月3日に入寮すること自体は予定通りそのままということになります。しかし、この同日に、3日後の始業取り止めと、4月10日以降の寮の閉鎖も決定・公表されているのですから、たった7日間だけ入寮させる意味が皆無に近いのは明らかです。寮生の場合、地元は遠方の市町村や他県にわたることから、感染・拡散のリスクは更に高く、わざわざ呼んで集めてしまうこと自体がハイリスク要因のはずです。
確かに前述のとおり、全学生を対象に1、2日ほど登校日が設定されてはいますが、そのためにこの状況でわざわざ遠方から人を呼んで入寮させるというのはナンセンスです。というより、大して重要でもない「不要不急」の用事のために、寮生のみならず全学生対象に登校日を設定すること自体、馬鹿げています。
さらに言えば、新入寮生や現寮生は、4月6日から夏休みまで平常通り授業が行われることを大前提に、4月初めに実家から寮に移動していたわけです。それを昼令暮改ですぐに帰すわけですから、寮生は無駄にコロナリスクに晒されたうえ、生活のために荷物を持ってきた手間も、往復分の交通費も、ドブに捨てさせられたことになります。自分の財布でないからと、寮生とその家庭の負担も顧みずに杜撰な通達を乱発して好き勝手振り回すのはいかがなものでしょうか。
群馬高専のこうした無神経が表出した類似例は以前にもありました。2014年1月に南寮で寮生自殺が発生した際も、なぜか無関係の別の棟の寮生まで含めた全寮生に対し、即日寮を出て実家に帰れという命令を日暮れ寸前に発していたという経緯があるようです(https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2061.html、質問2-1)。いくら自殺発生という大事件とはいえ全員をいきなり実家に戻す必要がどこにあったのか、冬の夜に突然百数十人を放り出す方が危ないのではないか、学校都合なのだから遠方在住者の交通費くらい補填すべきではないのか、現場検証など都合の悪いものを隠し自殺発生の事実が外部に漏れないようにしたかっただけではないか、といった疑問を当会から群馬高専に投げたこともありましたが、西尾前校長は無視し、山崎校長も話のすり替えに終始しました(https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2349.html、回答(2)-2)。こうしたことから見るに、自分たちの財布が痛まないのをいいことに学生・寮生とその家庭を無配慮に振り回す群馬高専の悪癖は、いまだ健在のようです。
■もちろん、入学式の中止と始業延期措置自体は、時勢に鑑みれば当然のことであり、極めて妥当な措置といわざるを得ません。問題は、この社会状況にも関わらず、4月2日昼の段階まで入学式挙行と予定通りの始業を押し通す気でいたということです。もっと早く決断をしておけば、急転換で学生(寮生)やその保護者、内部教職員らにここまでの大迷惑がかかることはなかったはずです。
4月10日に村田課長補佐と会話をした際、「急遽入学式と授業開始を中止したのは、上(国や機構)からの指示というより、群馬県の教育委員会の指示にならった」と強調していました。地域に配慮したということを伝えたかったのかもしれませんが、国立である群馬高専とは系統が全く異なる群馬県教委が口を挟まなければならない事態そのものが異常です。
■そこで、新型コロナ対応の比較のため、近隣の他高専の状況をみてみましょう。
例えば当会の一大追及先となっている長野高専では、3月19日の時点でいち早く入学式の中止を決定・通達しているようです。問題まみれの長野高専ですが、この迅速な判断は率直に評価できます。
○参考:http://www.nagano-nct.ac.jp/important/docs/nyuugakushikityuushi.pdf
また、小山高専では3月30日に入学式の延期を決定・通達しているようです(※4/9に中止決定)。
○参考:https://www.oyama-ct.ac.jp/news/%e3%80%90%e9%87%8d%e8%a6%81%e3%80%91%e4%bb%a4%e5%92%8c%ef%bc%92%e5%b9%b4%e5%ba%a6%e3%81%ae%e5%85%a5%e5%ad%a6%e5%bc%8f%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/
さらに、東京高専では3月31日に入学式の延期を決定・通達したようです。
○参考:https://www.tokyo-ct.ac.jp/news/20200331/
入学式の延期または中止に関する小山高専と東京高専の対応はかなり遅い方ではあるものの、年度内に決定と通達を収めることができたという点において、最終防衛ラインはギリギリ超えなかったという見方もできます。
そして更に重要なのは、対応が遅かったこの2高専においてすら、健康診断延期・開寮延期としたうえで、更に教科書について、小山高専は販売延期、東京高専は郵送販売とし、学生らが学校に集まる必要性が最初から一切生じないようにしていることです。
ところが群馬高専は、生活学習指導、教科書購入、健康診断といった不要不急のイベントのために、「臨時休校」にも関わらず登校日を設けて全学生を学校に集めてしまいました。そして新入寮生や現寮生も、無意味な数日でのトンボ返りをするために遠方の実家からわざわざ呼び寄せられてしまいました。コロナ感染と拡大のリスク、学生・寮生とその家庭の負担、教職員の業務混乱と士気低下、いずれの観点からみても、入学式と始業の強行に次いで最低最悪級の対応と評するほかありません。
■年度明け前後の学生や保護者らのSNS上での反応を見ても、相当な不安と混乱が巻き起こっていたことがわかります。
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↑群馬高専の新型コロナ対応について、関係者らの不安や憤りの声がSNS上を埋め尽くした(抜粋引用)。【当会注:学校側からの不利益な取扱いに繋がらないよう、配慮として発言者にかかる箇所を黒塗りし、URLも非掲載としておりますが、万が一苦情や要望があれば、都度応じますのでお申し付けください】↑
やはり、前日や当日に入学式の中止や始業延期をするまで決行予定を曲げなかったのは、はっきり言って異常です。他高専や大学等のほとんどは、もっと早くから始業延期や入学式中止の方針を決めて対処しているのであり、仮に自分で情勢を判断する勇気がなくとも、風見鶏でよいのでそれらに合わせておきさえすれば、「無難」な選択には終わったはずです。
■ところで気になるのは、どうやら寸前までの強行の背景には、新型コロナを舐めに舐め切った群馬高専の危機管理トップの暴走があったらしいという情報です。
高専における「危機管理」として当会が最初に思いつくのは、長野高専の「リスク管理室」です。恒常的にそのような部署が存在しているわけではなく、リスク事案が発生した際に学校幹部らが招集されて構成される委員会的なもののようです。自殺事案や水銀流出事件発生の際にも設けられており、長野高専で発生した数々の重大事件について当会が文書開示を求めた際は、その議事概要をイヤというほど目にしました(参考:https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2745.htmlの記事内リンク群)。このリスク管理室というのは基本的にどの高専においても存在し、各高専の危機管理規則・マニュアル等の規定に則って設けられるもののようです。
そうすると現在、群馬高専でも、群馬高専版の危機管理規則に則って、リスク管理室ないし危機管理室のようなものが稼働していることが伺われます。H26年度の外部評価報告書(P47)によれば、群馬高専にも確かに「群馬工業高等専門学校危機管理規則」が設けられているようです。
○参考:平成26年度実施高等専門学校機関別認証評価評価報告書(群馬工業高等専門学校)↓
https://www.gunma-ct.ac.jp/gakko/pdf/houkokusho.pdf
ところが、群馬高専が肝心の当該規則を公表しておらず、内容がまったく不明です。したがって、外部者はおろか、おそらく内部の学生や保護者からすらも、群馬高専が重大リスク事案に対してどのような体制で臨んでいるのかわからないのです。他の多くの高専ではこうした危機管理に関する情報もきちんとオープンにしているのですが、ここに至っても群馬高専の情報公開意識の低さを見せつけられて唖然としてしまいました。
■仕方がないので、他校の公開情報から群馬高専の対応を類推してみましょう。高専関係者の話によれば、こうした危機管理マニュアルや規則等については、基本的に高専機構がひな形を作って各高専が独自に手直しをしているのが実情のため、根本的な部分で大差はないようです。公表されている各高専のリスク管理規則等のうち、一部を抜粋して以下に示します。
○参考:長野工業高等専門学校リスク管理室規則↓
http://www.nagano-nct.ac.jp/guide/rule/docs/02-23.pdf
○参考:福島工業高等専門学校リスク管理室規則↓
http://www.fukushima-nct.ac.jp/upload/04f3ff6a1a69590eb464968ea88aed9f8cadef72.pdf
○参考:新居浜工業高等専門学校危機管理規則↓
http://www.off.niihama-nct.ac.jp/shomu-a/kisoku-html/3somu/kikikanri.pdf
○参考:沼津高専 危機管理関連情報↓
http://www.numazu-ct.ac.jp/college/disclosure/risk
どの高専においても、校長・各主事(副校長)・事務部長は必ずリスク管理室のメンバーとされており、高専によってこれに総務課長や学生課長が入ったり入らなかったりするようです。しかし、半ば当然のことながら、すべての高専においてリスク管理室長=学校長です。
■ところで、各主事(副校長)らは、将来の校長昇格や機構本部栄転のため、校長の犬として擦り寄る傾向が強いようですが、各々が学内で受け持つ領域は分散されており、限定的です。また、各主事は校長が任命し、更迭も自由自在な以上、校長の意に添わない暴走をするというのも考え難いものです。そうなると、あくまで当会の推理としては、暴走したのは山崎校長または亀原正美事務部長兼学生課長のどちらかであるように思われます。
校長がトップダウンで予定通りの入学式挙行・授業開始を固辞したという見方はかなりの説得力を持ちます。一方で、「亀原説」も説得力を持っているように思われます。というのも亀原氏は事務部長と学生課長の兼務であり、掌握している学内領域と権限は極めて多大なものとみられるからです。それは取りもなおせば、新型コロナで入学式中止や授業開始延期などといったイレギュラーに手を出せば、途方もない事務負担が降りかかるわけであり、「動機」の観点でも一定の整合性があるように思料されます。
いずれにせよ、リスク管理に関する学内決定の最高・最終決定権と責任は山崎誠校長にあるのですから、今回の杜撰極まる新型コロナ対応について、批判を避けることはできません。
■一時期、高専関係者らの間で他高専への異動の可能性も取り沙汰されていた山崎校長ですが、2020年度も留任となりました。最初からそのような話自体が無かったのか、あるいは緊迫する新型コロナ情勢の中で年度明け前後の対応が大混乱に陥ることを危惧した高専機構によって急遽据え置きとされたのか、真相は今後も闇の中です。
○2020年3月22日:群馬高専アカハラ・寮生連続死問題を追う…2020年度目前のいま注目される群馬高専の現況↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3138.html
今後2020年度以降も留任することになった山崎校長が、今回の滅茶苦茶な新型コロナ対応と雑賀洋平復帰&3J担任就任強行のダブルパンチによって、学生・保護者からまとめて買った不安と反感はかなりのものでしょう。
このダブルパンチはどちらも、学生・保護者や一般教職員のことなど微塵も顧みることのない、そして自分の身と一部幹部の利害しか視界に入れない腐敗しきった学校運営の発露であり、その点において同根です。そして、教育を受ける学生たちのことを第一に考えられないのであれば、それはもはや教育機関とは呼べません。
これは同時に、腐敗していく学校運営へのチェックと追及を怠ってきた保護者側の責任でもあります。後援会の面々も、コロナがある程度収まったら、今度こそ子供可愛さに学校に忖度することなく、キッチリと苦情・抗議を申し立てるべきです。学校の腐敗を是正しようとしない無責任な姿勢は、結果として自分の子供が振り回され窮地に立たされることに繋がるのだと、いい加減に認識しなければなりません。
■新型コロナ対応が思わぬ映し鏡となって、学生・保護者や一般教職員をコケ同然に扱う群馬高専の体たらくがまた一つ明らかとなった今般、当会では引き続き、山崎誠校長の高配により晴れて3J新担任となったアカハラ犯・雑賀洋平との決着を付けるべく活動してまいります。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】