市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

緊急事態宣言発令の日本を尻目に4月11日から無観客でプロ野球を始める台湾のCOVID-19対策の成果!

2020-04-08 22:12:00 | 新型コロナ問題
■相変わらず中国の傀儡が事務局長や役員を締めているWHOは台湾を無視した施策をしています(本稿末尾記事参照)。にもかかわらず台湾は新型コロナウイルスの感染が最も深刻な時期を乗り切っています。4月6日現在、台湾での死者はわずか5人、感染が確認された人も373例で、多くの学校や商店が正常に機能しており、11日からは無観客試合ながら、プロ野球も始まります。4月8日に大都市を要する東京都など7都府県で緊急事態宣言が施行され、感染者の増加に歯止めがかからない我が国の実情からは、想像もつきません。この理由はなんといっても、事前の断固とした予防策の実施にくわえ、迅速かつ詳細な情報開示の徹底、そして、根拠を明確にした的確かつ先を見通したさまざまな対策の効果にあります。
 新型コロナ対策で国民を守るためにも、我が国政府は、国交を気にしながら中共の顔色をいつまでもうかがっておらず、率直に台湾当局に教えを乞うべきではないのでしょうか。

中央感染症指揮センターは6日、台湾の新型コロナウイルス感染者が対前日比10人増えて累計373人となったことを明らかにした。これまでの検体採取者は39,011人、うち34,022人が陰性、373人が陽性。新型コロナウイルス感染による死者は5人、隔離解除(退院)は57人となっている。(衛生福利部疾病管制署サイトより)

 先週3月29日に、日本の誇るコメディアンの志村けんがCOVID-19による肺炎で亡くなりましたが、すかさず台湾の蔡英文総統がTwitterで追悼文を公表しました。しかも日本語で……。
https://twitter.com/iingwen/status/1244494296943742976

 筆者はなぜ台湾でこれほど志村けんの人気があるのか、最初は分かりませんでしたが、台湾の親族から、蔡英文総統をはじめとして、いかに多くの台湾人が志村けんの出演番組を見て笑い転げてきたのかを知りました。次の記事がそのことを物語ります。

**********朝日新聞デジタル2020年3月30日 16時19分
「台湾に笑いをありがとう」 総統も志村さんにツイート

志村けんさんの死を悼む、台湾の蔡英文総統のツイッターの投稿
 新型コロナウイルスに感染したお笑いタレントの志村けんさん(70)が亡くなったことについて、台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は30日、自身のツイッターに、「きっと天国でもたくさんの人を笑わせてくれることでしょう。ご冥福を心から祈ります」という日本語のメッセージを投稿した。
 志村さんが出演した日本の番組は、台湾でも長年放映されて親しまれてきた。志村さんは、日本と台湾を結んだ日本アジア航空(当時)の広告キャンペーンに、俳優の金城武さんと共に出演したことがある。
 蔡氏はメッセージで、「志村けんさん、国境を超えて台湾人にたくさんの笑いと元気を届けてくれてありがとうございました」と、その死を悼んだ。
 台湾の現地メディアも志村さんの死を速報で伝え、ニュース番組で、かつてのお笑い番組の内容を紹介している。(台北=西本秀)
★海外メディア「日本のロビン・ウィリアムズ」★
 海外メディアも、「日本で最も有名なコメディアンの一人」として志村さんの死を次々と報じた。
 米CNNは、志村さんを「日本のロビン・ウィリアムズとも評される」と報道。ロイター通信も、顔を白塗りにした黒い太まゆの「バカ殿」のキャラクターで知られ、1970~80年代の日本のお笑い界を席巻した存在だったと紹介している。
 英BBCでは東京の記者が、70~80年代に「8時だョ!全員集合」が家族向けの娯楽としてお茶の間で愛された様子を述懐。「バブル経済まっただ中のあの頃、彼をテレビで見ていた私たちにとって大きなショック」とつづり、コロナウイルスの脅威を軽視している人々に警鐘を鳴らしている。

**********東京中日スポーツ2020年3月30日 15時49分
台湾の蔡総統が志村けんさん追悼 日本語で「天国でもたくさんの人を笑わせてくれるでしょう」

志村けんさんへ追悼メッセージをつづった台湾の蔡英文総統のツイッター
 台湾の蔡英文総統(63)が30日、志村けんさん死去の報を受けて自身のツイッターに「志村けんさん、国境を超えて台湾人にたくさんの笑いと元気を届けくれてありがとうございました。きっと天国でもたくさんの人を笑わせてくれることでしょう。ご冥福を心から祈ります」と日本語で追悼メッセージをつづり、桜が咲いた風景写真に「志村さん、たくさんの笑いをありがとう! 心よりご冥福を祈ります。」というメッセージも添えた。

**********日経2020年3月30日17:25
「台湾人に笑いと元気」 蔡総統、志村けんさん追悼
【台北=伊原健作】台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は30日、タレントの志村けんさんが29日に新型コロナウイルスによる肺炎のため死去したことを受け、「台湾人にたくさんの笑いと元気を届けてくれてありがとうございました」「ご冥福をお祈りします」とコメントした。自身のツイッターに日本語で投稿した。

台湾の蔡英文総統(1月、台北市の総統府)
 台湾メディアは30日朝、志村さんの死去を相次ぎ速報した。出演番組は台湾でも高い人気を集め、特にフジテレビ系で放映されたバラエティー番組「志村けんのだいじょうぶだぁ」は、台湾では「志村大爆笑」の番組名で有名だ。1980年代の放送開始直後から台湾のケーブルテレビによる違法コピーで流入し、90年代には現地の業者が放映権を購入し正式にテレビ放映されるようになった。
 台湾主要紙「聯合報」(電子版)は90年代に台湾の有力芸能人が相次ぎ志村さんの番組でのキャラクターや芸をコピーしていたと指摘。「演出やスタイルは台湾のテレビ番組に極めて深い影響を与えた」と評した

**********東洋経済オンライン2020年4月1日07:00
台湾総統が「志村けん」さんを追悼した理由 台湾で一番の喜劇王であり、ヒーローだった

新型コロナウイルスに感染し、亡くなった志村けんさん(中央)(写真:時事)
 3月30日、コメディアンの志村けんさんが新型コロナウイルスに感染し、肺炎で亡くなったというニュースにもっとも敏感に反応したのは台湾だった。どの台湾メディアも、おそらく台湾ではコメディアンに対する最高の敬称である「喜劇王」「爆笑天王」と呼び、志村さんの訃報を伝えていた。
 東京都内を中心に新型コロナウイルスの患者数が増え続けているという報道に接しながらも、台湾国内で日本の感染状況を身近に感じることは難しかった。そこに飛び込んできた志村さんの訃報は、台湾国内に大きな衝撃を与えたと言っても過言ではない。
 志村さんの訃報が伝えられた3月30日午後には、台湾の蔡英文総統が自らのSNSで日本語による追悼を行った。一国の元首が他国のコメディアンを追悼することは異例中の異例のことだ。このことからも、台湾における志村さんの存在感がどれだけ大きかったかがわかる。
★台湾で浸透する志村さんのギャグ★
 しかし、彼はなぜここまで台湾で有名なのだろうか。
 筆者の個人的体験からご紹介しよう。筆者は1990年代に台湾に住み、現地の学校に通っていた。校内で筆者が日本人だとわかると、クラスメートたちから必ず発せられた日本語があった。「なんだ、ちみは?」だ。
 続いて「そうです、わたしが変なおじさんです」「変なおじさん、だから変なおじさん……」と、つたないながらも、日本語で一世を風靡した志村さんのギャグを口にするクラスメートは少なくなかった。それほどまでに、志村さんのギャグは台湾に浸透していたのだ。
 志村さんが台湾で人気を得た背景には、1987年の民主化前後、政治的にも社会的にも躍動していた台湾社会で、体を張ったコントが台湾人の心をもわしづかみにしたからだろう。「笑いは国境を越えるか」という問いに、志村さんはまさしく「越えられる」と答えられるほどの人気を得たのだ。
 今の30代後半から50代の台湾人は、経済は高度成長にありながら政治的には戒厳令という時代を生きてきた。メディアのコンテンツのほとんどは、当局の検閲を受けたものが流されていた。海外の情報はそんなメディアからしか得られないうえ、テレビの地上波放送局は3チャンネルしかなかった。台湾の人々は、とにもかくにも海外の生の情報に飢えていた。
 そんな時代に出現したのが、ビデオテープとレンタルビデオ店だった。当時の台湾のレンタルビデオ店には、映画のほかに、日本の地上波テレビで放送された番組も録画されて貸し出されていた。その中でも高い人気を得たコンテンツはプロレスとアダルトビデオ(AV)、そして志村けんである。
 リング上で死闘を繰り広げるプロレスラーに対して人々は喜怒哀楽をぶつけた。さらに、水しぶきが飛んだり、落ちてくるたらいに体を張って笑いを取ろうとするコントに、人々は腹の底から笑ったのだった。
★中高年世代の中に残る志村さんの存在感★
 この3つのコンテンツに共通するのは、あまり高度な日本語力を必要としないことだ。しかし、人々の心を強く打つコンテンツは、喜怒哀楽がはっきりとしており、出演者が真剣勝負でぶつかるものではないだろうか。
 その後、台湾社会ではケーブルテレビが発達してくる。台湾ではケーブルテレビのことを今でも「第四台」と言うことがあるが、これは合法な3チャンネルに次ぐ「4つめのチャンネル」という意味で、この時代の名残とも言うべきものだ。
 ビデオは視聴したいときに貸し出しされていて手にできない可能性があるが、ケーブルテレビは30~40あるチャンネルの中から見たいときに見られるという利点が台湾社会で受け入れられた。
 そのため、民主化前後の時代にレンタルビデオ店が担っていた社会的役割や影響が次第にケーブルテレビに移行し、人々はプロレス専門チャンネルや日本のバラエティー専門チャンネル、成人向けチャンネルを視聴する時代に移っていった。志村さんの番組についても、ビデオからケーブルテレビの専門チャンネルと発信元が変わりつつも、主要なキラーコンテンツとなり、台湾社会でもヒーローの1人になっていった。
 ちなみに、2000年代に、日台間を結ぶ日本航空の子会社・日本アジア航空が台湾各地を紹介するCMに志村さんを起用し、日本における台湾の存在感を高め、それをみた台湾人も台湾のよさを再認識した。志村さんをキャスティングした理由は、これまで述べてきたような日台間での知名度の高さにほかならなかった。
 志村さんが亡くなったことは本当に残念だ。だが、台湾での報道や社会の反応を見ると、今の台湾の中高年世代の中に、志村さんがいまだ色褪せずにしっかりと存在していることがわかる。志村さんが台湾社会に与えた影響と存在の大きさに改めて気づかされる。
【高橋 正成】
**********

■時を同じくして、台湾政府は、ペルーから出国できなくなった邦人133人を自国のチャーター機に同乗させて出国させてくれました。

**********毎日新聞2020年3月30日 12時59分(最終更新 3月31日 14時34分)
日本人133人がペルー出国 菅氏、チャーター利用認めた台湾に「深い謝意」

記者会見で質問に答える菅義偉官房長官(奥右)=首相官邸で2020年3月30日午前11時26分、川田雅浩撮影
 菅義偉官房長官は30日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念するペルー政府による国境封鎖で出国できなくなっていた日本人旅行者約260人のうち133人が、台湾政府と日本の旅行会社が手配した2機のチャーター機で米国やメキシコに出国したと発表した。菅氏は、チャーター機への日本人の搭乗を認めた台湾に対して「深い謝意の念を伝えた」と述べた。
 チャーター機は世界遺産のマチュピチュ遺跡に近いクスコから、首都リマを経由して運航された。28日に台湾政府が台湾人旅行者の退避のために派遣したチャーター機の空席を利用し、29人が米南部マイアミへ移動。29日には、旅行会社のチャーター機で104人がメキシコ市へ移動した。
 外務省によると、ペルーでの短期滞在が把握できた約260人に対して、現地大使館からチャーター機の運航を案内し、希望者は2機に搭乗した。現地にいた日系ペルー人の学生も搭乗した。ただ、ペルー残留を希望したり、ペルー国内での移動が困難だと判断したりした旅行者もいるとみられ、外務省は引き続き対応にあたる方針だ。【秋山信一】

**********2020年03月31日07:49
ペルー旅行者133人出国…チャーター機融通の台湾に「深い謝意」
 菅官房長官は30日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けたペルー政府の国境封鎖で出国できなくなった日本人旅行者260人のうち133人が29日(現地時間)までに出国したことを明らかにした。
 出国者のうち、104人は旅行会社のチャーター機で29日に出国し、メキシコ市に到着した。ほかの29人は、28日に台湾が手配したチャーター機に搭乗し、米フロリダ州マイアミに移動した。菅氏は「台湾に対して深い謝意の念を伝えた」と語った。

**********NHK NEWS WEB 2020年3月29日 11時41分
ペルーで足止めの日本人 台湾チャーター機に同乗し一部が出国

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて国際便の運航を停止している南米ペルーで日本人観光客らおよそ260人が足止めされている問題で、現地の日本大使館などによりますと、このうちおよそ30人がペルーを出国しました。
 南米のペルーでは今月15日に非常事態が宣言されて以降、国際便の運航が停止され、世界遺産のマチュピチュなどを観光していた日本人およそ260人が出国できなくなって、ホテルに足止めされていました。
 現地の日本大使館などによりますと、このうちおよそ30人が28日、台湾側が台湾の観光客のために手配したチャーター機に同乗して出国したということです。
 このほか現地では、日本の旅行会社がペルーの都市クスコからリマを経由して中米メキシコの首都メキシコシティまで運航するチャーター便の手配を進めていて、希望者は先着順に搭乗することができるということです。
 ただ、このチャーター便はメキシコから日本までの帰国便については各自で手配しなければならないほか、クスコとリマ以外にいる人は自力で現地の空港まで移動しなければならず、どれだけの日本人が帰国できるかは不透明な情勢です。
**********

■それでは、冒頭に紹介した台湾がWHOに未だにいじめられている状況について報じたBBCの記事を見てみましょう。

**********BBC NEWS JAPAN 2020年3月31日
https://www.bbc.com/japanese/52102309
台湾はなぜ、WHOにとって頭痛の種なのか?

台湾はWHOから排除されている
 新型コロナウイルスの感染拡大を、厳格な措置に頼ることなく見事に抑え込んでいる、世界でもまれな地域がある。台湾だ。
 だが、そうした努力にもかかわらず、台湾は世界保健機関(WHO)から実施的に締め出されている。中国との複雑な関係が原因だ。
 このことがはっきりした出来事が先週末にあった。WHOの幹部がテレビ局のインタビューで、台湾に関する質問を意図的に避けたような印象を与えた。その模様の動画は急拡散され、批判や、偏見が見て取れるとの告発も出ている。
★何が起きた?★
 香港の放送局RTHKは28日、WHOのブルース・アイルワード事務局長補佐が、イヴォンヌ・トン記者のテレビ電話インタビューを受ける様子を放送した。

 このインタビューでトン記者は、WHOは台湾の加盟を再検討するかと質問。するとアイルワード氏はしばらく沈黙した後、トン記者の声が聞こえなかったとし、別の質問に移るよう促した。
 トン記者が再度、台湾について話しを聞きたいと言うと、アイルワード氏は電話を切ったように見えた。
 トン記者は電話をかけ直し、改めて台湾の新型ウイルス対策についてコメントを求めた。
これに対しアイルワード氏は、「ああ、中国についてはもう話した」と返答した。
 同氏の最後の言葉は、台湾は中国の一部だとする、中国の姿勢を反映したものとみられた。一方、台湾は自らを独立国家だとみなしている。
★台湾とWHOの関係★
 アイルワード氏の応答は、台湾とWHOのぎくしゃくした関係を示すものと、多くの人に捉えられた。台湾はWHOへの加盟を認められていない。
 WHOに加盟できるのは、国連の加盟国か、世界保健総会(WHOの最高意思決定機関)で承認された申請者に限られている。国連は台湾を加盟国と認めていない。
 こうした状況のため、台湾は新型ウイルスの世界的流行(パンデミック)に関する緊急会議や、重要なブリーフィングに参加できない。台湾当局のスタンレー・カオ氏は、台湾は近年、世界保健総会の年次会合にも出席を断られていると話す。
 現在、新型ウイルスに関する台湾のデータは中国の集計にまとめられている。カオ氏はこれについて、パンデミックに関する正確で時宜に合った情報を世界に伝えることにならないと指摘する。
 台湾の排除と、中国に対する度重なる称賛(これに対しては保健衛生の専門家が批判している)から、WHOは政治的に中国寄りに偏向しているとの非難が出ている。中国はWHOにとって大口の資金提供国となっている。

台湾では地下鉄の乗客の体温をチェックしている
 台湾の除外は、国際オリンピック委員会(IOC)や国連の国際民間航空機関(ICAO)などでもみられる。ただ、世界最高レベルの医療制度を自負する台湾にとってWHOはどの機関よりも重要だろうと、同地にいるBBCのシンディ・スイ記者は説明する。
 台湾はかつて中国政府と良好な関係を保ち、世界保健総会にもオブザーバーとして出席していた。しかし近年、両者の緊張が高まると、台湾はオブザーバーの地位を失った。
★どんな問題が起こるのか★
 台湾はこれまでも、国際機関から除外されるたびに不公平で差別的だと声をあげてきた。
 新型ウイルスに関しても同じだ。台湾は今月上旬、WHOの対応を非難した。新型ウイルスの大流行が中国で発生してすぐのころ、台湾政府がWHOに人から人への感染について質問したところ無視され、人命に危険が及んだという。
 台湾の陳時中・衛生福利部長(保健相に相当)はこれまでの記者会見で、「どの地域も除外されるべきではない」、「世界への貢献のために、いかなる地域の強みも軽視されるべきではない」と述べている。
 台湾は早期に中国からの航空機の乗り入れを大幅に規制し、渡航者を隔離するなど、コロナウイルス対策で世界各国と共有できる多くの知見や手法があるとしている。
 香港大学の伝染病学者、ベンジャミン・カウリング教授は、「台湾はコロナウイルス感染の疑いがある人を集中的に検査し、非常にすぐれた感染経路の追跡や社会的距離戦略を実施してきた。かなりうまくやっていると思う」と評価する。
★電話インタビューについてWHOは?★
 WHOはアイルワード事務局長補佐のインタビュー後、台湾の加盟は職員が答えるべき問題ではなく、加盟する国々の判断だと説明した。
 また、台湾の保健衛生の専門家や当局と協力し、素早い情報の伝達と効果的な対策の共有に努めていると述べた。
 ただ、そうした面はある一方、情報回路が限定されているなど、加盟国と同等の効率的な情報交換はできていないと、BBC特派員は指摘する。
 台湾の蔡英文総統は30日、WHOの声明に応えて、「すべての国がこの大流行を経験した後、台湾の能力と貢献への理解を深め、パンデミックへの世界的な対策に台湾が加わることを真剣に検討することを望む」と述べた。
 また、「台湾のスタンスは常に明快だ。各国と共に健康問題を防ぐ能力も意志もある。役立つ経験を共有する意志もある」と表明した。
 台湾の呉●(金偏にリ)燮(ジョセフ・ウー)外交部長(外相に相当)はより直接的に、「なんと、WHOでは『台湾』と言うことすらできないのか?」とWHOを批判するツイートをした。

 中国はこの問題で公式にコメントしていない。中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボ)」では、多くの中国人がアイルワード氏を応援しているようにみえる。
 政治的な喧騒を超えて、台湾と中国はどちらも新型ウイルスとの闘いを続けている。両者とも、欧州など海外から戻った居住者が感染源となる第2波の感染に直面している。
 人口約2400万人の台湾では、30日現在、300人以上の感染が確認されている。大多数は海外からの渡航者で、死者は5人しか出ていない。
取材:テッサ・ウォン
(英語記事 Why Taiwan has become a problem for WHO)↓
https://www.bbc.com/news/world-asia-52088167
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■台湾の人たちにとって、これまで日本はあらゆる面で「お手本」だった国です。それが、今回の新型コロナ騒動で、当初、中国の習近平来日予定や、大勢の中国人観光客への配慮から、毅然とした中国人の入国遮断措置を取らなかった安倍政権により、今日の非常事態宣言を招いてしまったと言っても過言ではありません。

 「師と仰ぐ日本がこの体たらくとは……」台湾の人たちの驚きと落胆は、今や同情に変わっています。今こそ、対等な立場で台湾との国交回復を真剣に進めるときです。

【群馬台湾総会理事】

※参考情報「新型コロナ対策の決め手…N95マスク」
**********TAIWAN TODAY 2020年4月7日
「10億人以上の健康守る」、N95マスクの生みの親は台湾出身

新型コロナウイルスの世界的な拡大が続く中、感染予防に有効であることから注目を集めるN95マスクの発明者は台湾出身。その技術はこれまでに10億人の健康を守ったとも。写真は台湾区不織布同業公会のフェイスブックで、写真の人物がN95マスクの技術を開発した蔡秉燚氏。(台湾区不織布同業公会のフェイスブックから)
 米国の化学・電気素材メーカー、3Mが米国政府によるN95マスクの強制的な買い上げを拒否したとされることが話題となり、 感染症防止に効果的な微粒子用マスクのN95マスクが改めて注目されている。台湾区不織布工業同業公会(台湾不織布工業同業組合)はこれを受けて7日、公式ウェブサイトで同マスクの発明者が台湾出身の蔡秉燚(Peter Tsai)氏であることを紹介した。
 N95マスクの「N」は「not resistant to oil」(耐油性は無い)ことを意味している。しかし、その濾過効果は抜群で、インフルエンザウイルス、粉塵、花粉、煙霧、及び煙と埃などの微粒子を「95」%捕集するとされる。同マスクがウイルスや粉塵を取り除ける秘密は、フィルター中間層の「静電熔噴布」(帯電メルトブロー不織布)にある。「熔噴布」(メルトブロー不織布)はその製造過程において繊維を極細にすることで微小な穴を作り出し、粉塵と粒子状物質などの捕集を可能にする。そしてそれをさらにエレクトレット(電石)化して帯電。すると病原菌がフィルターの上層を通過して中間層まで来た時に静電気がその全てを吸着することとなる。これこそが「静電熔噴布」が「マスクの心臓」とされる所以。
 蔡秉燚氏とその研究チームは30年前に「静電熔噴布」を開発した。蔡氏は大量の素材から最適なものを探し出し、メルトブローの技術を高めることでその発展を推し進めた。メルトブローとは、熱可塑性プラスチック樹脂を高速高温の気流で吹き出し、自己接着性の網を作り出す技術。現在の産業界ではその成熟した技術を直接利用し、高速高温の気流で樹脂を極細の繊維に加工出来るようになっている。
 さらに電界を利用して中性の空気中に電気解離を発生させ、逆の電荷を帯びたイオンと電子を生み出した。それによって不織布の繊維が帯電することになる。こうしてエレクトレット化された繊維はマスクを通り抜けようとする様々な微粒子物質を吸着するのだという。
 蔡秉燚氏は米テネシー大学(ノックスビルの旗艦校)の材料工学科に35年間勤務してすでに定年退職している。同校のMaha Krishnamurthy副学長は蔡氏について、「(蔡秉燚氏は)我が校の研究者たちがいかにして科学研究と産業界を結びつけたか、どのようにしてイノベイティブな製品を市場に送り出し、巨大な影響をもたらしたかを証明した。研究面で彼が果たした功績、ならびに研究成果を産業化するというその情熱と行動力に感謝する」と述べた。
 一部では、蔡秉燚氏の発明した技術によって健康が守られた人、健康状態が改善した人は10億人を超えると試算されている。
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