■3期12年の任期を終えた大澤正明・群馬県知事が7月27日に退任しました。実質的には7月26日(金)に県庁を去りましたが、この12年間の大澤県政を振り返って、当会が思い起こすのは、小寺・前知事まで歴代の知事が使っていた知事公舎を問答無用で壊したあと、当時総務部長から副知事に抜擢した茂原副知事から、愛人との密会の場所として副知事公舎を、災害発生時の宿泊所と称して、3000万円もの血税を使いラブホテル仕様に改造し、最初の4年間に毎週末、愛人を連れ込んで不倫にふけっていたことです。しかし、天網恢恢疎にして漏らさず。副知事公舎に隣接するマンションの住民に目撃されていたのでした。
↑知事公舎に愛人を泊める「群馬県知事」。週刊新潮2011年7月21月号の広告。↑
今から8年前、「週刊新潮」(2011年7月13日発売)で知事公舎に女性を宿泊させたと報じられた群馬県の大沢正明知事。知事公舎を「ラブホテル代わりにしていたのでは」と記事で指摘されましが、妻と別の女性を宿泊させたことは認めたものの、男女関係は否定しました。当会は、大澤知事の不倫のために3000万円もの血税が何のためらいもなく費消されたことを問題視し、住民監査から住民訴訟に持ち込みました。
問題の副知事公舎は、大澤知事の入居前に塀を高くし、浴室をユニットバスにするなど税金を使って改修したにもかかわらず、週末に愛人と過ごすためだけにしか使っていませんでした。目的外使用が分かっていながら、総務部管財課や秘書課は多額の予算を平然とつぎ込んだのでした。
東日本大震災が発生した4か月後、週刊新潮の記事によると、2011年7月3日の知事選で再選した大沢知事は同8日、県庁での初登庁式後に50代女性とともに公舎へ入り、翌朝まで過ごしました。女性は時季外れのフード付きダウンジャケットを着て、顔を隠して公舎に急ぎ足で駆け込む様子がカメラに収められました。女性は大沢知事と十数年来の愛人で、大澤知事が運営する老人ホームの職員で、2010年だけで30回、11年はすでに13回は泊めたと指摘しています。
■週刊新潮の取材に対して、大沢知事は、女性が顔を隠して公舎に入る理由について「あの後藤田正純さんのようなこともあったから」と説明しました。後藤田衆院議員が飲食店で銀座のホステスの体を触るなどした後、赤坂の議員宿舎に招き入れた報道を引き合いに出したのでした。
報道対応の為、大沢知事は秋田市で7月12、13日に開かれていた全国知事会議を12日午後から急遽途中欠席しました。理由については「(知事会に)ご迷惑をかけるとの思いがあった」と述べました。7月13日の県庁での緊急会見で、「県民の皆様の信頼を傷つけることになったことに対しまして、深くお詫びを申し上げます」「今後は慎まないといけない」などと謝罪しました。
大沢知事の言い分によると、女性は愛人ではなく、知事が顧問を務める社会福祉法人の職員で、月に1回は、公舎に事業報告をしにきており、7月8日は打ち合わせ中に「うかつにも酒を飲んでしまいまして、いつの間にか相当酔って(知事が)先に寝てしまった」といい、車の運転ができないことを理由に翌朝まで宿泊させたというのです。男女関係は否定しましたが、女性がこれまで月1回は事業報告に公舎を訪れていたことを認め、「倫理的に問題があるのでは?」と質問されると「思いますね」とだけ答えました。
■大澤知事いわく、宿泊させたのはその1回だけで、40回以上の指摘については「意味が分からない」なのだとか。群馬県公舎管理規則では、第三者の宿泊についての規定はないものの、公舎は「公務の円滑な運営を図るため」にあると定義しています。となれば、女性を宿泊させたことへの責任について問われるべきです。ところが大澤知事は「自分を戒め、県発展のため努力することが私の使命」などとして不倫を棚に上げ、辞職の考えは皆無でした。
副知事公舎に宿泊させた女性と一緒に酒を飲むうちに寝てしまったとしどろもどろで釈明する様子は、当時繰り返しYouTubeで流されました。保身のためにウソをつく知事の本質を群馬県民はこの時思い知らされました。
■せっかく多額の血税を注いで整備した副知事公舎をめぐって、大澤知事は2011年5月の記者会見で、週に1、2回程度しか使っておらず「あのような広い公舎はいらない」と発言していました。要らないのであれば、なぜ貴重な税金で、公舎をラブホテル化したのか、辻褄が合いません。
大沢知事は2007年7月の県知事選初出馬の際に「自宅がある太田市から県庁までエコカーで通う」と公約していました。ところが、当選して1か月ほどすると、「危機管理」を理由に公舎に住むようになりました。「築60年以上の知事公舎は老朽化で安全面に問題がある」として取り壊したのに、それまで副知事公舎として使っていた公舎に、塀を高くしたり門扉を自動開閉するものにしたりする改修工事を施したうえで入居しました。その実態は、大澤知事の愛人との密会が安心・安全に実現するように、副知事、総務部長らが知事の歓心を得るために、管財課の予算から、多額の税金を投入したのでした。
その後、副知事公舎には、一時、総務省から出向の副知事が半年ほど単身で住んでいたことがありますが、やはり知事と愛人のためのラブホテル顔負けの設備に囲まれての単身暮らしでは、落ち着かなかったのでしょう。愛人との宿泊が発覚した直後の2011年7月13日の記者会見で、大澤知事はこの副知事公舎の今後について「廃止も含め第3者委員会を設けて検討したい」などと言っています。
■当会としては、せっかく最高裁で「愛人との宿泊を伴う公舎での滞在は、同居ではないので、公社使用規則には抵触しない」という、貴重な判決が出されたので、せっかく3000万円もの税金を投入した公舎を、公務員がラブホテルとして利用しないのは、まことにもったいないと思っています。
そのため、現在でも副知事公舎を管理している管財課には、若手の独身職員がガールフレンドとこころおきなく夜を過ごせるように、きちんと管理し、ゆめゆめ前橋市図書館の駐車場にするため、前橋市に売り渡さないように申し入れました。もし、前橋市に売却するために、さらに血税を使って建物を取り壊し、更地にした場合には、当会としてあらためて住民監査請求を行うことを告げています。
■1期目4年間、ラブホテル代わりに使用していた不倫知事が県庁を去るにあたり、当会はあらためて、主の消える副知事公舎を訪れてみました。
↑不倫現場の目の前にある桃井小学校はRenewalを終えた。↑
↑愛人連れ込みの一部始終を目撃した隣接マンション。↑
↑玄関ゲートの監視用ビデオカメラ。今はただの飾り。↑
↑草ぼうぼうの庭に立つ掲揚ポール。↑
↑以前は公舎の玄関わきの建仁寺垣が透けて見えたが、今はこのとおり。↑
↑愛人を乗せたまま車から降りずに済むように設置されたリモコン式開閉ゲートのシグナル受信アンテナ。↑
↑愛人とお泊り後、早朝パジャマ姿でお散歩しカメラマンの餌食になった庭。↑
↑風化が進む目隠し用木塀。↑
↑ブロック塀の透かし部分の目隠し板も色褪せた。↑
↑東側の小学校沿いの目かくし木塀。↑
↑北側の通用門。↑
↑北側は日陰のせいか木塀の劣化がいっそう激しい。↑
↑左側奥のせり出し部が改造した浴室。右側の物置との間の空き地も草だらけ。↑
↑カトリック教会側の木塀。↑
↑前橋カトリック教会。その隣にある副知事公舎での群馬県行政トップである知事の不倫。↑
↑新しい知事は、この副知事公舎をどのように「活用」するのだろうか。↑
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※参考情報1「週刊誌に報道されたときの大澤知事の会見記事」
**********産経新聞2011年7月13日19:03
「公舎への女性宿泊報道」受け、群馬県知事が会見 「妻から『許し難い』と叱責」
↑週刊誌報道を受け記者会見する群馬県の大沢正明知事=13日午後、群馬県庁↑
群馬県の大沢正明知事(65)は13日、前橋市の知事公舎に女性を宿泊させたとする週刊新潮の報道を受けて記者会見。事実を認め「憶測を呼ぶ行動で県民に迷惑をかけた」と謝罪したが、辞職は否定した。知事は7月3日の知事選で再選を果たしたばかり。
知事によると、女性は自らが顧問を務める社会福祉法人の経理を担当。月に1度、公舎で知事に事業報告をしていたが、今月8日にはソファで2人きりで飲酒、そのまま宿泊した。知事は妻から「許し難い」と叱責されたという。
昨年から40回以上も女性を公舎に泊め、“愛人”関係にあると記事で指摘された点については「意味が分からない」と釈明した。
知事が初当選した平成19年以降、公舎では浴室をユニットバスに改修したり塀を高くするなど、税金を使って住環境を整備。にもかかわらず知事は、妻のいる同県太田市の自宅から県庁に通い、公舎は週に1、2度しか使用していなかった。
**********産経新聞2011年7月13日21:30
「愛人ではない」 群馬県知事の会見要旨
--愛人と会ったのか
「愛人ではない」
--女性を公舎に泊めたのか
「彼女は月に1度、私が顧問を務める社会福祉法人の事業報告をしてくれた。彼女と打ち合わせしながら酒を飲んでしまい、酔って寝てしまった。車の運転ができず、結果的に宿泊させた」
--週刊新潮の報道では、女性は40回以上宿泊したとあるが
「意味が分からない」
--女性との関係は
「彼女は以前、県議会の嘱託職員をしていた。就職先を探しているという話を聞いて、うちの法人に招いた。十数年来の知人だ」
--女性がダウンジャケットを着ていた理由は
「私をおもんぱかったのだろう。2人で入ったから…」
--知事が寝たとき、女性はどうしていたのか
「ソファにいたのでは。私が気付いたのが午後11時くらいで、『明日送っていくよ』となった」
--タクシーを呼ぶこともできたはずだが
「考えるべきだった。女性とは家族ぐるみの付き合いだったので、対応がルーズだった」
--公舎で報告を受ける理由は
「以前は私が施設に寄っていたが、いかがなものかと思った」
--知事公舎の存廃は
「検討してもらいたい。改修したばかりでもったいないが…」
--知事の処分は
「そこまで考えていない。よく考えたい」
--辞職の考えは
「自分を戒め、県発展のため努力することが私の使命だ」
--今後酒は控えるか
「積極的に現場に出ていく。酒の席で真意が出る場合もある」
--妻からは何と言われたか
「『誤解を招くことは許し難い』と強烈にお叱りを受けた」
--退職金を受け取るか
「検討する」
※参考情報2「3期目の退職金3580万円はオレのもの」
**********毎日新聞2019年5月19日 10時20分(最終更新 5月19日 10時48分)
退職金ゼロ公約、3期経て「変節」 群馬知事に自民幹部容認
7月末の任期満了での退任を表明している大沢正明・群馬県知事の現任期分の退職金支払いを容認する声が一部から上がっている。大沢氏は初当選した2007年の知事選で「退職金は0(ゼロ)円」を公約。退職金を受け取ればこの公約に反することになり、専門家は、まずは知事の公約遂行を県民に代わってチェックする県議会の判断が問われると指摘。知事の公約違反は県民の政治不信を招く可能性もある。【西銘研志郎】
**********朝日新聞2019年5月25日17時59分
「退職金ゼロ」公約だったのに 群馬知事、受領を表明
「退職金ゼロ」を公約として2007年に初当選した群馬県の大沢正明知事(73)が24日、3期目の退職金約3580万円を受け取る考えを明らかにした。大沢氏は7月4日告示の知事選に立候補せず、引退する意向を表明している。取材に対し、15年の3選後に支給基準が引き下げられた経緯などを挙げ、「問題はないと考えている」と話した。1、2期目の退職金は受け取っていない。
大沢氏は07年7月の知事選で、5選をめざした小寺弘之知事(当時)の退職金を「高すぎる」「4期で辞めてもなんと2億円」などと批判して初当選。当選後の07年9月、1期目の退職金を自らに支給しないための特例条例案を県議会に提案し、可決された。
再選を果たした11年7月には2期目の退職金は受け取る意向をいったんは示したが、終盤の15年2月に条例改正案を提案。再び退職金を受け取らなかった。退職金は退職時の給料月額に在職月数を掛けた金額の100分の60で計算され、1、2期目でそれぞれ約3770万円が支給されるはずだった。
しかし、「不支給とするのがいいのか。(退職手当の条例があるのに)不自然だ」などと県議会側から疑問の声が上がり、知事の諮問を受けた県特別職報酬等審議会は16年2月、全国平均との均衡から退職金の算出基準を100分の60から57に引き下げるよう答申。県議会は答申通りに退職手当条例改正案を議決した。
大沢知事はこうした経緯をもとに「任期は2期8年という公約で初当選し、2期までは不支給だった。3期目は各団体からの要請を受けた出馬で、審議会や県議会でも支給基準を引き下げて支給することで理解を得ている。退職金は支給されるのが原則で、支給に問題はない」などと説明した。(金井信義)
※参考情報3「3期12年後の退任会見」
**********東京新聞2019年7月27日
【群馬】「やり残しはGメッセ」 大沢知事が退任会見
↑退任式出席者と握手しながら退庁する大沢知事=県庁で↑
三期、十二年間を務めた大沢正明知事(73)が二十六日退任し、記者会見と退任式があった。会見で大沢知事は県が高崎市の高崎競馬場跡地に建設中の集客施設「Gメッセ群馬」について、「やり残したことは、コンベンション(集客施設)だ。課題がたくさんあるので、県は市町村とも連携してしっかりと地域に(効果が)反映できるように取り組んでほしい」と求めた。 (菅原洋)
施設は全体で事業費に約三百五十億円を投じ、来春開業の予定。しかし、安定した収支や稼働率が実現できるかどうか疑問の声も出ている。大沢知事は「施設にはそれなりの予約が入っている。施設で県としても(人口減少などを)転換しなければならない」と事業の狙いを説明した。
二十一日投開票の知事選で初当選した元参院議員の山本一太さん(61)が、副知事などの特別職を交代させる意向を示していることには、大沢知事は「新知事の専権事項だ」と述べた。
山本さんには「あれだけ長く国会議員を務め、大臣もやった人だから、県政の在り方は十分承知している。私があえて(注文を)言う必要はない」と語った。ただ、「誰が知事になろうとも、県民主体の県政が大事だ」と指摘。二十六日に引き継ぎをした際、「発信力があるので、県の発展のために大いに頑張ってください」と伝えたという。
任期中を「八ッ場ダム計画の中止、(草津の)本白根山噴火、防災ヘリの痛ましい事故など数多くの困難に直面し、緊張の連続だった」と振り返った。
その上で「特別支援学校の未設置地域を解消するなどの政策が実現できた。県民の皆さまのご支援のおかげで、県議会や市町村などの理解と協力に心から感謝する。古里群馬のために力を尽くし切れ、本当に幸せだ」と感慨を込めた。
退任式には、県議、各市町村長、国会議員、県職員ら計約八百人が参加。大沢知事は花束や記念品を受け取り、参加者の拍手で見送られながら退庁した。
**********日本経済新聞2019年7月26日20:49
群馬県の大沢知事が退任、「県政の主役は県民」
群馬県の大沢正明知事は27日、任期を終え退任する。26日に開いた記者会見では3期12年にわたる県政運営を振り返り「主役は県民であるという強い思いを持ち、現場主義で県政を推進してきた」と述べた。「多くの政策を実現できたのは、県民の期待に全力で応えたいという思いを持ち続けられたからだ」と感謝した。
↑群馬県庁で開かれた大沢正明知事の退任式(26日、前橋市)↑
大沢氏は2007年の知事選で当時現職の小寺弘之氏を破り、初当選した。任期中は東日本大震災や草津白根山の本白根山の噴火、県防災ヘリコプターの墜落があったことを踏まえ「常に緊張の連続であったが、現場の皆さんと共に悩みながら取り組んできた」と振り返った。
印象に残った事業については子供の医療費の完全無料化と、特別支援学校の未設置地域の解消を挙げた。やり残した事業については20年春に開業する高崎市のコンベンション施設を挙げ「県や市町村が連携し、地域に反映できるよう取り組んでもらいたい」と期待した。
29日には山本一太新知事が初登庁する。大沢氏は「一太さんには発信力がある。群馬のために頑張っていってもらいたい」と話した。
*********上毛新聞2019年07月27日
「発展に尽くせて幸せ」 27日に任期満了の大沢正明知事が退任
↑職員らの拍手の中、退庁する大沢知事↑
★「ふるさとの発展のために力を尽くした」と語る大沢氏★
27日で任期満了となる大沢正明群馬県知事は26日、県庁で退任会見を開き、「知事としてふるさと群馬の発展のために力を尽くしきれたことは、本当に幸せだと思っている」と述べた。東日本大震災や記録的豪雪、政権交代に伴う八ツ場ダム建設の中断、県防災ヘリコプターの墜落事故などを振り返りながら、3期12年を「常に緊張の連続だったが、現場の皆さんと共に悩み、その一つずつに全力で取り組んできた」と表現した。
★◎特別支援学校の未設置地域解消 印象に★
特に印象に残っていることとして、特別支援学校の未設置地域の解消を挙げた。各地に出向き、地域の声に耳を傾ける中で課題を探り、解決策を検討してきたという。子ども医療費の無料化を市町村と連携して実現したことや、来年4月に完成するコンベンション施設「Gメッセ群馬」にも言及した。
新知事の山本一太氏に期待することなどを問われると、「誰が知事になろうとも、県民主体の県政を推進していくことが一番大事」と語った。
大沢知事は同日午前、山本氏へ事務の引き継ぎを行った。午後4時半から退任式に臨み、大勢の職員らに見送られながら県庁を後にした。
◎12年の歩みに感謝 職員を激励 「輝く群馬へ励んで」
27日で任期満了を迎える大沢知事の退任式が26日、県庁県民ホールで開かれた。3期12年にわたり県政のかじ取りを担った大沢知事は鳴りやまぬ拍手で見送られ、県職員に別れを告げた。
大沢知事はこれまでの歩みを振り返り感謝の言葉を並べ、「人と地域が輝く、ふるさと群馬の実現に向けて大いに励んでいただきたい」と力を込めた。
職員をはじめ、国会議員や県議らが詰め掛けた。代表して反町敦副知事が「大沢知事の優しさから生まれる信頼に加え、市町村や関係団体と協力関係を築いたことが素晴らしい実績につながった」と賛辞を贈った。
◎これから「パソコンのエクセルを習いたい」…会見一問一答
大沢正明知事の退任会見での主なやりとりは次の通り。
―退任の感想は。
12年間、県政の主役は県民であるという思いで、できるだけ地域に出向いて意見を聞いてきた。特別支援学校については障害者のお母さんから、子ども医療費は子育て世代のお母さん方からの意見を基に、経済的負担の解消に取り組んだ。
そうした政策が実現できたことは大変うれしい。一方、県経済を強くするためには思い切った政策でないといけない。県議会や各団体、多くの皆さんにご支援いただき、今日までやってこられて本当によかった。
―新知事への期待や取り組んでもらいたいことは。
今日午前に山本(一太)さんと事務の引き継ぎを行い、当面の課題はしっかりと引き継いでいただくようお願いした。誰が知事になろうとも、県民主体の県政を推進していくことが一番大事だと思っている。
―山本氏とどのような話をしたのか。
発信力があるので、県のために大いに頑張っていただきたいとお伝えした。長く国会議員をされて大臣も務めた方だから、県政の在り方は十分承知されていると思っている。
―やり残したこと、課題だと考えることは。
コンベンション施設が来年春には完成する。これからは県もこのような施設で展開をしていかないと県経済が大きく発展していかない。課題もあるだろうが、市町村などとも連携し、地域に反映できるように取り組んでもらいたい。
―12年の任期中で印象に残っていることは。
特別支援学校の未設置地域がこれだけ多かったのかということ。障害のある子どもたちが地域で生まれ、育ち、学び、就労し、安心して生活ができる体制までしっかりやり遂げることが大切。これをさらに充実していただきたい。
―山本氏は、大沢知事が選んだ(副知事などの)特別職を白紙にする意向を示している。
それは新知事の専権事項だと思っている。
―重責から解かれるが、まずしたいことは。
パソコンのエクセルを習うこと。また、スマホの使い方が分からないので、そういうのをちゃんと講習してくれると…。今後は一県民として、そうした声を上げていこうかと思う。
◎“閣僚行脚”を活発化…山本一太氏 3日間で5人に
新知事に就く山本一太氏が28日の任期開始を控え、参院議員時代のパイプを生かし、閣僚への協力要請を活発化している。26日は世耕弘成経済産業相、河野太郎外相と面会。3日間で安倍晋三首相を含む5閣僚と相次いで会談した。
河野氏には中国への県産農畜産物の輸入規制解除の働き掛け、世耕氏には解禁後も見据えた海外展開支援などを求めた。山本氏は「知事として活動する最初の舞台装置づくり。価値ある行脚ができた」としている。
**********読売新聞2019年07月27日05:00
Gメッセを「起爆剤に」…退任の大沢知事
↑県職員から花束を受け取り、笑顔を見せる大沢知事(26日、県庁で)↑
27日に任期満了を迎える大沢正明知事(73)が26日、県庁で退任の記者会見を開いた。「ふるさと群馬のために力を尽くし切れたことは大変幸せだった」と3期12年を振り返り、次期知事に望むこととして、「県民主体の県政運営」の姿勢を強調。群馬コンベンションセンター(Gメッセ群馬)を「発展の起爆剤に」と、活用推進へ注力も求めた。
大沢知事は自身の成果として、〈1〉中学3年までの医療費無料化〈2〉特別支援学校未設置地域の解消〈3〉Gメッセ群馬の整備――などを挙げた。八ッ場ダム建設事業の中断、大雪や噴火といった災害などで対応に追われたことにも言及し、「緊張の連続だった」と語った。退任後は政界引退を明言しており、今後は「白紙」という。「パソコンやスマートフォンの使い方を勉強する」と笑った。
同日午前には、事務引き継ぎで山本一太氏(61)とも会い、「発信力があるのだから、群馬のために頑張って」と激励したという。
会見後は県庁1階で退任式が行われ、市町村長や一般の県民ら約800人が参列。大きな拍手の中、職員らに見送られた大沢知事は、涙をこらえながら県庁を後にした。
**********