市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

2018年度安中緑の大地を守る会総会が開かれる

2018-05-13 23:49:00 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題
■今日は、北野殿地区恒例の資源回収(廃品回収)と同じ時間に、地元の「安中緑の大地を守る会」総会が開催されました。生憎、組長として廃品回収作業に駆り出されたため、8時45分ごろ会場の同会事務所に駆けつけた時には、既に草刈り作業も終了し、報告事項もひととおり済んでいました。

草刈りの終わった公園と記念碑。



JPEG ⇒ dscf8545n.jpg
緑の大地の碑文。

JPEG ⇒ dscf8546qc.jpg
公害原告団ほか名簿。

 事務局長から会議のあらましをお聞きしたところ、①前年度活動報告と今年度活動予定について、②学習会開催について(公害防除特別土地改良事業の実務に関する学習会の開催)、③事務所雨どいの補修・その他事務所およびその前の公園の整備について(業者に委託せず委員会形式で実施予定)、および④裁判関係資料の保存と利用について話し合われたそうです。

 最後に、当会から、遅れて出席したことについての陳謝と、現在東邦亜鉛安中製錬所由来と思しき非鉄スラグが、県道高崎・渋川線の中央分離帯になぜか舗装の路肩の擦りつけ材として相当量が敷き詰められており、群馬県県土整備部建設企画課職員立ち合いのもと、試料を採取して、それを東邦亜鉛安中製錬所に持ち込み由来を尋ねて分析を依頼したところ、「わが社が排出したという証拠もないのに分析などできない」として拒否されたため、自己負担で業者に分析を依頼したところ、基準値をはるかに超える鉛が含まれていたことが判明。東邦亜鉛に善処を申し入れたが拒否されたため、現在群馬県の県土整備部と環境森林部に速やかな撤去と東邦亜鉛に対するしかるべき行政処分を依頼していることを報告しました。


建設企画課配置図: JPEG ⇒ dscf8546qc.jpg
5月2日に県庁21階の県土整備部建設企画課を訪れて、前年度鈴木次長が異動で逃げ切ってしまったため、4月に新たに着任された滝野補佐(写真右)と土屋副主幹に面談し、「ここにお持ちした東邦亜鉛由来と思しき鉛入りの非鉄スラグについて早急に撤去と原因者の特定及びしかるべき処分をお願いします」と要請したところ、「ちょっと即答ができずに申し訳ないですね。うちのほうも人が変わった。対応方針を考えたい。県の対応を知りたいということですね?(当会:そうです)連絡先は(前任者の)鈴木から聞いているので、上と相談してから連絡します」と力強く答えてくださった。


廃棄物・リサイクル課配置図:JPEG ⇒ dscf8440pzu.jpg
5月2日に県庁16階の環境森林部廃棄部リサイクル課を訪れて、サンパイ係の飯塚次長(写真左)と小林副主幹と面談し、東邦亜鉛由来と思しき鉛入りの非鉄スラグを見ていただき、「土壌汚染防止法に定めた基準を遥かにオーバーするシロモノが環境中に放置してあるが問題はありませんか?大同有毒スラグには蓋をすればよいという地裁の判決が先日でたようですが、東邦亜鉛の鉛入りスラグの場合はどのような問題があるのでしょうか?それとも問題がないのでしょうか?対応方針をお聞かせ願います」と要請したところ、「すぐにはわかりませんが、検討してみます」と前向きな回答をいただけた。

 総会で配布された資料のなかに「緑の大地だより」がありました。

*****緑の大地だより*****PDF ⇒ 20180425n.pdf

安中緑の対地を守る会 発行責任者:藤巻千浪 発行:平成30年4月25日

一、会長あいさつ
 新緑の葉が茂る季節となりました。皆様方にはますますご清栄の事とお慶び申し上げます。
 さて、当会では東邦亜鉛株式会社安中製錬所と地域住民との相互理解と環境の改善維持を図るため、継続的な意見交換や工場視察会を行って参りました。四月七日には第二七回工場視察会が開催され、会社関係者、弁護団、市議会議員、地域住民等三〇名余りが参加し場ない視察と意見交換が行われました。当該工場の公害防止対策は安中公害訴訟「和解」後、格段に進展したものの、主に南東部に広がる、それまでに汚染されてしまった農地は未だカドミウム等に被毒され、安心して作物を作れる状況に成っておりません。これら汚染土壌の復元対策の実施により安心安全な作物の生産が可能となり、合わせて、当該企業の新たなイメージの醸成が成されます。今後とも皆様方のご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します。
 安中緑の大地を守る会会長 藤巻千浪

二、工場視察会実施される
 会長あいさつの中で触れられている様に、平成三十年一月、および三月の二回にわたる事前協議を経て、去る四月七日、東邦亜鉛(株)案赤製錬所場内視察会が開催された。視察会では二班に分かれ排煙脱硫工程、新電解工程、バグフィルター工程浄水工程、硫酸工場等を視察し、参加者一同会社説明に耳を傾けました。
 その後、意見・情報交換として安中製錬所の状況報告、公害防止設備の改善計画等の報告説明の他、当会の委員からは「公害防除特別土地改良事業・推進委員会」の中でも議論に成っていた立木保証の考え方、また工場主変の土地取得面積等の質問の他、会社で実施している工場西側の「雉子観世音堂」(岩戸山観音堂)跡地(通称キジガン)周辺の環境歩道整備に対して謝意が評されました。

排煙脱硫装置の説明に耳を傾ける参加者

三、協定書の更新
 工場視察会での質疑応答・情報交換の後、地域住民、会社関係者、弁護団が見守る中、安中緑の大地を守る会の藤巻千浪会長と東邦亜鉛(株)常務執行役員・安中製錬所の秋山武郎所長により協定書の更新調印が行われました。

協定書に調印する秋山所長と藤巻会長

 この協定書は、周辺住民と会社との信頼関係の維持拡大や環境維持に関する継続的な努力、及び相互理解。また土壌改良に関する意見並びに情報交換を目的とし、締結期間は3年間、双方の合意の上、更新することが出来る、と成っています。

四、工場周辺の環境
 群馬県環境白書、平成二十九年度版に当地の公害防止対策について記載が有ります。大気中の浮遊物質中のカドミウム濃度を野殿、岩井、中宿、安中地内で毎月1回測定しており過去1年間と比較し大きな変化は見られない。

 また、平成二十八年度の降下ばいじん量、降下カドミウム量は上記表の様で、四十km離れた対象地点(太田市)より多い事から、群馬県では引き続き監視していくとしています。
⇒当会注:群馬県環境白書
http://www.pref.gunma.jp/04/e01g_00014.html
「特定地域の公害防止対策」
http://www.pref.gunma.jp/contents/100033245.pdf
PDF → 20180513_chapter7_tokuteichiiki_no_kougai_bousi_taisaku.pdf
(P129に降下ばいじん中のCd濃度の記事あり)

五、その他
 弁護士の廣田繁雄先生より、安中公害訴訟資料を製本化した資料の収納キャビネットの提供が有りました。有り難う御座いました。
※ 例年行っている、会の総会、及び緑の対地公園の今年度一回目の清掃・整備作業を左記の予定で行います。作業用具持参でご参集下さい。
○ 日 時 5月13日(日)8時~

☆ 編集後記 ☆
 友より工場西側の通称キジガンの話が出た。調べると今から一二世紀前、円仁の開基、栄朝禅師の開山、上野三一番札所、本尊白雉(シロキジ)観世音・・・・当時の姿に思いを馳せた。
**********

■2018年度の安中緑の大地を守る会の活動予定は次のとおりです。

04月07日 東邦亜鉛(株)安中製錬所工場視察会
04月21日 文書ロッカー搬入作業
04月29日 会計監査
05月02日 機関紙「緑の大地」発行
05月13日 総会及び公園整備作業
06月中旬  事務所雨樋の補修作業
08月中旬  学習会開催
11月中旬  公園整備作業
01月中旬  東邦亜鉛(株)との協議会
03月中旬  途方亜鉛(株)との協議会

 今年の工場視察会は急遽海外取材のため出席できませんでしたが、引き続き安中緑の大地を守る会とともに東邦亜鉛安中製錬所による重金属汚染問題の早期解決と、同社が排出している非鉄スラグの不法投棄の実態解明と責任の所在の明確化を通じて再発防止に寄与したいと思います。

【ひらく会情報部】

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曇天のもとで行われた北野殿地区の恒例の集団資源回収

2018-05-13 21:09:00 | 国内外からのトピックス
■毎年この時期に行われる北野殿地区恒例の資源回収(廃品回収)が、今年も5月13日(日)午前8時から来た野殿公会堂で行われました。ちょうど安中遠足マラソンのスタート時間と一緒でしたが、幸い雨がまだ降り始めませんでした。これまでは子ども会育成会が主体で開催されていたこの資源回収ですが、子どもの数が少なくなってしまったため、今年から地元の自治会(岩野谷4区)が主体となって実施することになりました。筆者も今年は隣組(いわゆる隣保班)の組長のため、軽トラックで参加しましたが、大勢の住民の協力で、わずか30分で資源ごみの収集作業を終えることができました。なお、次回は11月11日(日)に予定されています。

集まった資源ごみ。

 現在、安中市では語彙焼却施設の2台の焼却炉を交互に改修中のため、資源ごみの回収をとくに奨励しています。今回回収の対象となった資源ごみは、新聞、雑誌・雑がみ、ダンボール、紙パック、アルミ缶です。

 実際に庭先に置かれている家々の資源ごみを集めて回るとその家庭の特徴が伺えます。なかには、一升瓶やビール瓶などの空き瓶を出す家をありましたが、既に道路傍に出してあるため、引き取り拒否をするわけにもゆかず、軽トラの荷台に放り込みました。

 子どもでも運べるように、持ちやすいように小さくまとめて、荷崩れをしないようにしっかりしばってある家もあれば、レジ袋に無造作に入れた家もありました。まだ、リサイクルのための分別作業の大変さの認識が十分には浸透していないようです。


区長挨拶。

待機するパッカー車。



皆で手分けして作業。

資源ごみの種類ごとにパッカー車へ。

それにしても軽トラの普及率は凄い。

■群馬県は全国でも一人当たりの生活ごみ排出量が10年続けてワースト1です。我々県民のリサイクルや環境保全意識が低いためだとすれば、早く汚名返上しなければなりません。

 しかし、大同特殊鋼渋川工場の有害な六価クロムやフッ素入りの鉄鋼スラグが県内広域にわたりばらまかれていたり、東邦亜鉛安中製錬所の高濃度の鉛入りの非鉄スラグが県道の分離帯や人家の庭に敷き詰められていたり、80キロ以上も離れたJFE千葉工場からごみの溶融スラグが館林市内に持ち込まれて埋め土に使われていたりしている実情を見るにつけ、行政対応のズサンさが最大の原因だと思われます。

【ひらく会情報部】

※参考情報1:安中市HP「有価物集団回収について」
**********
http://www.city.annaka.lg.jp/seikatsu_kankyou/05.html
PDF ⇒ lwcbbs.pdf
碓氷川クリーンセンターでは、焼却施設の大規模改修工事を実施しています。工事期間中は焼却炉を停止することがあるため、ごみを焼却できる量が大幅に減少しています。
 ごみの減量化・資源化には、有価物集団回収が重要な役割を果たしています。「雑がみ」の回収の推進や、集団回収の実施回収を増やし資源物を出す機会を増やしていただくなど、ごみの減量化・資源化ご協力いただきますようお願いいたします。
 また、市では有価物集団回収団体を随時募集しています。自治会や子ども会、スポーツクラブなどの公共的または公益的な団体が対象となり、回収量1キログラムあたり10円の報償金を交付します。
 環境政策課廃棄物対策係(027-382-1111)までお気軽にご相談ください。

※参考情報2:「生活ごみ排出量10年連続最下位」
**********東京新聞2018年5月10日
【群馬】
ごみ排出量 全国ワースト5位 生活系可燃ごみ 10年連続最下位

ごみ減量に取り組む「食べきり協力店」登録ステッカー(県提供)
 二〇一六年度の県民一人一日当たりのごみ排出量は千五グラムで、都道府県別で全国ワースト五位だったことが環境省の調査で分かった。前年度比で二十六グラム(2・5%)減り、全国順位も前年度のワースト三位から改善したが、依然下位に低迷。家庭から出る生活系収集可燃ごみの一人一日当たりの排出量は記録のある〇七年度以降、十年連続で全国最下位となった。 (石井宏昌)
 ごみの総排出量は前年度から3・1%減の七十三万三千七百九十七トン。一人一日当たりの排出量も減ったが、全国平均の九百二十五グラムを八十グラム上回った。一人一日当たりの生活系収集可燃ごみは五百六十七グラムで前年度より八グラム、1・4%減らしたが、全国平均の四百十五グラムより百五十二グラム多かった。リサイクル率は15・7%で前年度の15・4%から改善し、順位も四十一位から三十六位に上がった。
 県総合計画では、ごみ排出量を一九年度に一人一日当たり九百十三グラム以下、生活系収集可燃ごみは同四百六十四グラム以下とし、リサイクル率を25%以上にする目標を掲げる。
 ごみ減量がなかなか進まない現状について県廃棄物・リサイクル課は「複数の要因が複雑に絡み合っているが、生活系のごみの影響が大きい」として県民の意識の問題を指摘する。県が一四年度に実施した県民意識調査で、約84%が県内のごみ排出量や全国順位で下位に落ちこんでいることを「知らない」「あまり知らない」と回答した。
 このため県は生活系可燃ごみを主な対象に減量への取り組みを実施。生ごみや食品ロスの削減に向け、「使い切る」「食べきる」などを訴える「3キリ運動」、飲食店や食料品店に量の調整や少量販売などに協力してもらう「ぐんまちゃんの食べきり協力店」登録を進める。
 同課の担当者は「ごみ削減は着実に改善しているものの、目標達成のためには一層の取り組み強化が必要。県民の意識改革のために普及、啓発を進めていく」と話した。
**********

コメント (2)
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