市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同有害スラグ問題を斬る!・・・これでいいのか渋川市「大同様ご機嫌お伺い主義ここに極まれり」その2

2016-02-11 23:48:00 | スラグ不法投棄問題
PTAの皆さん、立ち上がりませんか?子ども達の健康を守りましょう!
■2016年2月6日にお伝えした渋川市議会大同特殊鋼の鉄鋼スラグを用いた工事の撤去・被覆費用を盛り込んだ補正予算案は、その後どうなったのでしょうか?渋川市民はもとより、大同スラグ不法投棄事件に関心を寄せる群馬県民の不安は募ります。そうした最中、とうとう2月9日に、渋川市議会は危険スラグの全量撤去ではなく、「臭いものに蓋」という方針を選択してしまいました。産業廃棄物処理法を勉強し環境問題に真摯に向き合う市議会議員は、渋川市に一体何人いるのでしょうか?


**********2016年2月10日毎日新聞 群馬
渋川市 スラグ処理費計上 補正予算に9カ所2552万円
 渋川市議会は9日、大同特殊鋼の鉄鋼スラグを用いた工事の撤去・被覆費用を盛り込んだ補正予算案を賛成多数で承認した。市は年度内にもスラグの処理に着手する。
 補正予算に盛り込まれたのは、緊急性が高いと判断した小中学校4項の駐車場の他、渋川スライランドパークや市民体育館など9カ所の処理費用計2552万円。
 渋川市と大同は昨年12月、環境基準を超えるフッ素や六価クロムが検出された場所のスラグを市が処理し大同が費用を負担するとの基本協定を締結。基準値超が判明している49カ所のうち、対策済みの8カ所を除く41カ所と環境基準値以下の小中学校4校について、撤去または被覆処理すると決めた。
 補正予算で処理する9カ所以外の36カ所は今後、優先順位をつけて予算化し、順次処理する方針という。【高橋勉】
**********

■先日、2月6日のブログでお伝えした通り、当会が情報を入手していた渋川市スラグ対策を含む補正予算案は、上記の報道が示すように、残念ながら賛成多数で承認されてしまいました。住民の健康被害を真摯に考え、産業廃棄物処理法の何たるかを勉強し、住民の安全・安心な生活環境保全の立場から、今回の補正予算案に反対を表明する議員は少数に留まったのでした。

 渋川市では、法令に違背したり抵触したりする事案の場合であっても、市が法令に照らして解決するという真面な道を探るのではなく、議会において多数決で押し切ってしまえうという、およそ法治国家とは正反対な、悪しき解決方法が横行しています。今回も市議会の場で、その悪しき慣習が繰り返されたことになります。

 新聞報道では「撤去または被覆処理する」という表現になっていますが、撤去はゼロです。今回、緊急性が最も高いとして選定された9カ所のスラグ処理方法ですが、その内訳は「被覆処理」と「土壌汚染調査委託」となっているのです。

 この調子だと、当然ながら渋川市のことですから、土壌を調査して、JISの分析結果で有害物質の量が環境基準値を超えなければ、汚染の心配はないとして、対策そのものをしようとしないでしょう。なぜなら渋川市では、第三者機関でなく、市役所の関係機関が「参考値」などとしながら分析調査することが予想されるからです。その結果として、大同様に都合よく数値が“薄まる(調整される)”ことも懸念されます。大同様は何でも薄めるのが好みですが、渋川市も大同様の好みを知り尽くしているのです。

 なお、参考値についてはこちらの末尾の小さい字をご覧ください↓青いURLをウリックしてください↓↓↓
http://www.city.shibukawa.lg.jp/kurashi/gomi/suragusaiseki/p001606_d/fil/261024bunsekishikenkekka.pdf

■産業廃棄物処理法では、(事業者の責務) を定めています。

「第三条  事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」

 群馬県は大同特殊鋼から排出された危険スラグを産業廃棄物に認定しました。大同特殊鋼はその事業活動に伴って生じた廃棄物を、自らの責任において適正に処理しなければなりません。無許可で天然石に混合して群馬県中に不法投棄された危険スラグについて、適正に処理されているなどと思う者は、誰もいないことでしょう。

 そこで断言します。
 「適正に処理していません」

■大同特殊鋼は、自らの責任において、危険スラグを過去に遡って撤去しなければならないのです。また、群馬県や渋川市は、大同特殊鋼に撤去するよう指導監督しなければならないのです、指導に従わないのであれば、躊躇することなく、違法産業廃棄物・撤去の措置命令を出していかなければ群馬県の環境は守れません。

 このように、大同スラグの処理対策は、産業廃棄物処理法に抵触するからこそ、行わなければならないのです。にもかかわらず、渋川市では、大同様のご負担が少なくなるよう画策し手加減した上で、予算化して議会において多数決で押し切ってしまいました。

 毎日新聞では、渋川市が大同様のご機嫌を取る様子を「基準値超が判明している49カ所のうち、対策済みの8カ所を除く41カ所と環境基準値以下の小中学校4校について、撤去または被覆処理すると決めた」と紹介されています。

 大同特殊鋼は、有害物を天然石で薄める(=希釈する)方法で、土壌汚染対策法を脱法し、危険スラグを広い範囲にわたり不法投棄してきました。この“希釈”という方法は、環境省により違反行為であると指摘されています。大同特殊鋼は環境省の指摘を無視し、この期に及んでも、希釈がうまくいかず基準値を超過している場所だけ対策を施す、と言い張っているのです。

■これを見て、渋川市は是正措置命令を出すどころか、大同特殊鋼から「基準値を超過している49カ所しか金を出さない」と脅され、渋川市議会は「予算がなくてはどうしようもない」と、慌てふためいてしまったのです。

 この渋川市議会の混乱の背景には、群馬県環境森林部リサイクル課の不作為、またはスラグマネーによる人的な汚染の影響があるのではないか、との疑惑が持たれています。

 2015年1月22日の週刊金曜日に、大同スラグ問題に関するジャーナリストの取材記事が掲載されました。この中で、大同スラグを県警に告発した群馬県廃棄物・リサイクル課の松井次長が、取材に対して発した次のコメントが印象に残ります。

「昨年9月、群馬県警が廃棄物処理法違反の疑いで大同特殊鋼に家宅捜索に入った。結局、不法投棄は間われず、同社などの委託基準違反(無許可業者への産廃処理の委託)にとどまる見込みだ。廃棄物処理法の「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」(16条)の適用を検討したが、「1300円で販売・施工されていたから『みだりに』と言えない」(群馬県廃棄物・リサイクル課 松井次長)」

 詳しくはこちらをご覧ください。
○2016年1月23日:大同有害スラグ問題・・・週刊金曜日に掲載された「汚染された地が残された」と題する記事で占う今後の展開
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1867.html
○2016年1月27日:大同有毒スラグ問題を斬る!・・・「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」についての考察
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1871.html

■まさか、群馬県廃棄物・リサイクル課の松井次長が“大同特殊鋼はみだりに廃棄物を捨てていない”と、大同特殊鋼を擁護しているとは思いたくはありませんが、大同特殊鋼のスラグを産業廃棄物に認定したからには、群馬県廃棄物・リサイクル課は産業廃棄物処理法第3条(事業者の責務) に定める「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」に従い、厳しく指導監督していかなければならない立場であるのではないでしょうか?指導に従わなければ躊躇なく措置命令を出していかなければなりません。

 渋川市議会の動向について、群馬県廃棄物・リサイクル課の松井次長様が、スラグの毒に感染されてしまったのでしょうか?なぜか指導権限を行使せず、「成り行きを見守る」という群馬県の不作為が、法律抵触行為でさえも、市議会で押し切ってしまえ、とする渋川市の今回の暴挙を生んだ背景にあるのではないでしょうか?


これは、市道4-2041号線に不法投棄された危険スラグの様子です。ご覧のマンホールのまわりは、どのように被覆するのでしょうか?マンホールも一緒にアスファルトで埋めてしまうのでしょうか?他方、少しでも掘削すれば、その掘削物は遮断型最終処分場に処分しなければなりません。まさかコンクリートと同じように、その辺に捨ててしまうのではないでしょうね。


渋川市金井郵便局近くの市道の様子です。アスファルトで舗装しても危険スラグの膨張が原因ですぐに壊れてしまうでしょう。また、この地域の住民は署名を募り、撤去・道路補修を嘆願しているのに、渋川市はこれまでずっと無視しているそうです。こちらも、有害物質の基準値は超過していないことにして、大同様は撤去に応じないことでしょう。こんなことでいいのでしょうか?スラグと小石は固体同士なのです。実際には毒は薄まっておらず、この道に厳然と存在して、住民を苦しめているのです。渋川市議会議員の皆様!住民の置かれた状況をご理解ください。それとも、住民の健康被害などは関係ないと、おっしゃるのでしょうか?

 住民無視の渋川市の件については、こちらを参照ください。
○2015年3月15日:大同有毒スラグ問題を斬る!…ここが変だよ渋川市「住民の署名嘆願を無視」
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1544.html

■毎日新聞では「環境基準値以下の小中学校4校について、撤去または被覆処理すると決めた」と報道されています。予算案を見ると「被覆工事」となっているので、危険スラグの撤去はされないことでしょう。恐れ多くも渋川市の影の権力者たる大同特殊鋼様のご判断基準から察すると、「環境基準値以下の小中学校4校」については、「環境基準値を超過していないので、本来なら何もしたくないが、場所が学校という場所だけに、保護者が騒ぐかもしれない。だから“武士の情け”で舗装被覆をしてやるのじゃ。ありがたく思へ」とばかりに、「舗装被覆工事をするだけでも、物凄い大盤振る舞いのことなんだ」とばかりに、胸を張っているのではないでしょうか?

■最後に、PTAの皆様方にご連絡、ご提案があります。

 例えば、遊園地であれば「遊びに行かない」という選択肢もあるでしょう。しかし、小中学校の場合は、私立学校にでも行かない限り、別の選択肢は無く、近くの学校に通わなければならないのです。
 渋川市が崇める大同様ですが、あれだけ大量に危険スラグを群馬県中に不法投棄して、莫大な廃棄物処分費を浮かせてきたのですから、せめて“小中学校のスラグ”くらい、撤去してもらってもいいじゃないですか?
 いえ、ぜひ撤去させるべきです。そして、ぜひ子ども達の健康を守りましょうよ!
 何も遠慮することはありません。大同様にもCSR(企業の社会的責任)という企業モラルがあるはずです。http://www.daido.co.jp/csr/data/report.html
 「せめて小中学校のスラグだけは撤去してください」と言って何が悪いのでしょうか?


■当会では暗黒に支配された渋川市議会の暴挙にかかわらず、地域住民の健康被害を少しでも軽減するべく微力ながら粘り強く活動を続けてまいります。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

※参考資料1「大同特殊鋼の内部資料」
 大同特殊鋼の内部資料に危険スラグは一粒でもあれば「環境基準の10倍までのフッ素が含まれている」ことが読み取れます。このことについては当会ブログを参照して下さい。
○2015年9月9日:大同スラグを斬る!・・・スラグ混合路盤材の製造及び販売管理に関する大同マニュアルで問われる企業モラル
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1715.html

※参考資料2「有害物質の希釈という禁じ手」
 大同特殊鋼は土壌汚染対策法で予定される分析方法を悪用・脱法して、今回の不法投棄犯罪を計画しています。その分析方法とは、天然石とスラグを現場から均等混合しながら採取し、これを粉にし、水に浸けて分析調査することです。固形の塊を粉にすることで、液体と土を擬態した調査方法といえます。この点、環境省は、「有害スラグと天然石は希釈されない」、つまり「混ざり合うことはなく、有害物質は薄まらない」と話しています。次の国会質疑を参照ください。
◆第187回国会 経済産業委員会 第8号 平成26年11月12日(水曜日)
塩川鉄也衆院議員(共産)
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009818720141112008.htm
○鎌形政府参考人 御指摘は、廃棄物と認識されるものを廃棄物でないものと混合するという行為についてということだと解釈いたしますけれども、廃棄物につきまして処理という行為がございますが、廃棄物の処理につきましては、物理的、化学的または生物学的な手段によって形態、外観、内容等について変化させるということでございますので、御指摘のようなスラグを希釈目的で自然砕石と混合する、このような行為は廃棄物の処理には当たらないということでございまして、混合されたものにつきましては、廃棄物と廃棄物でないものを混合したものとして取り扱っていくべきもの、こういうことと解釈してございます。


※参考資料3
【9月11日】大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について(廃棄物・リサイクル課)
《大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について》
http://www.pref.gunma.jp/houdou/e1700084.html
(7)ふっ素の土壌環境基準等が設定されて以降、大同特殊鋼(株)渋川工場から製鋼過程の副産物として排出された鉄鋼スラグは、土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり、また、平成14年4月から平成26年1月までの間、関係者の間で逆有償取引等が行われていたことなどから、当該スラグは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案し、廃棄物と認定される。
詳しくはこちらを参照ください↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1723.html#readmore

※参考資料4
「環境省から各都道府県サンパイ所管部署長あて通知」
**********
https://www.google.com/url?q=https://www.env.go.jp/hourei/add/k040.pdf&sa=U&ved=0CBoQFjAIOApqFQoTCJ3Pj8iflMkCFSPapgodv3gNSQ&client=internal-uds-cse&usg=AFQjCNHn8XQ6PWIG5LSQflPDNx5098ua_g
                    産発第1303299号
                    平成25年3月29日
各都道府県・各政令市産業廃棄物行政主管部(局)長 殿
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長
         行政処分の指針について(通知)
第8 措置命令(法第19条の5)
1 趣旨
(1) 都道府県知事は、処理基準又は保管基準(以下「処理基準等」という。)に適合しない産業廃棄物の処理が行われた場合において、生活環境の保全上の支障を生じ、又は生ずるおそれがあるときは、必要な限度においてその支障の除去又は発生の防止のために必要な措置を講ずるように命ずることができることから、これらの者による不適正な処分を把握した場合には、速やかに命令を行い、生活環境の保全上の支障の発生を防止し、又は除去されたいこと。なお、この場合において、処理基準等に違反する状態が継続している(不法投棄の場合であれば、廃棄物が投棄されたままの状態が継続している。)以上、いつでも必要に応じ命令を発出することができること。
(2) 法第19条の5は、「命ずることができる」と規定されているところ、同条は生活環境の保全を図るため都道府県知事に与えられた権限を定める趣旨であるから、不適正処理された産業廃棄物の種類、数量、それによる生活環境の保全上の支障の程度、その発生の危険性など客観的事情から都道府県知事による命令の発出が必要であるにも関わらず、合理的な根拠がなく権限の行使を怠っている場合には、違法とされる余地があること。
2 要件
(1) 生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるとき
①「生活環境」とは、環境基本法(平成5年法律第91号)第2条第3項に規定する「生活環境」と同義であり、社会通念に従って一般的に理解される生活環境に加え、人の生活に密接な関係のある財産又は人の生活に密接な関係のある動植物若しくはその生育環境を含むものであること。また、「生活環境の保全」には当然に人の健康の保護も含まれること。
②「おそれ」とは「危険」と同意義で、実害としての支障の生ずる可能性ないし蓋然性のある状態をいうこと。しかし、高度の蓋然性や切迫性までは要求されておらず、通常人をして支障の生ずるおそれがあると思わせるに相当な状態をもって足りること。
このように「生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがある」とは、人の生活に密接な関係がある環境に何らかの支障が現実に生じ、又は通常人をしてそのおそれがあると思わせるに相当な状態が生ずることをいい、例えば、安定型産業廃棄物が道路、鉄道など公共用の区域や他人の所有地に飛散、流出するおそれがある場合、最終処分場以外の場所に埋め立てられた場合なども当然に対象となること
      ----中略-----
3 内容
(1) 命令は「必要な限度において」とされており、支障の程度及び状況に応じ、その支障を除去し又は発生を防止するために必要であり、かつ経済的にも技術的にも最も合理的な手段を選択して措置を講ずるように命じなくてはならないこと。具体的には、例えば、最終処分場において、浸出液により公共の水域を汚染するおそれが生じている場合には、遮蔽工事や浸出液処理施設の維持管理によって支障の発生を防止できるときは、まずその措置を講ずるように命ずるべきであって、これらの方法によっては支障の発生を防止できないときに初めて、処分された廃棄物の撤去を命ずるべきであること

当会注:“極悪”佐藤建設工業は有害スラグを成分が異なるのに天然盛り土材と偽装して不法投棄していました。盛り土材に混入されているので接する直下の土壌にフッ素が流失し土壌を汚染してしまいます。上記3内容(1)にあるように広域に施工された毒入り盛り土を全部いったん撤去して遮蔽工事することは対象が広すぎ不可能なのではないでしょうか、ましてや浸出液処理施設を造りの維持管理によって支障の発生を防止することなども不可能です、であれば撤去しかないのではないでしょうか?つまりこれらの方法では支障の発生を防止できないと考えられ、廃棄物の撤去を命ずるべきと結論づけられると考えます。

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