市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

アスベスト投棄可能なサンパイ場設置を巡り地元区長が出した災害防止協定意見書に返事をしない東邦亜鉛

2013-03-04 23:46:00 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題

■安中市の各地区の区長は、2年ごとに改めて選出されるところが多いようですが、東邦亜鉛安中製錬所の直ぐ南側にある北野殿地区=岩野谷第4区でも、3月31日をもって区長が交代するため、昨日3月3日(日)午後1時から、北野殿公会堂に新旧の区長、区長代理、区長代理、組長それに区長経験者ら10数名が集い、役員改選、決算報告や引継ぎ事項等を話し合う4区代表者会議が行われました。欠席者は委任するが前提になっており、会議は成立しました。筆者も次年度から組長になるため、参加しました。

 会議は、戸塚区長の挨拶で始まりました。この3月末で2年の任期が終わり、来年度からは次期区長の前川区長のもとで4区がまとまっていくことを希望する旨の挨拶がありました。

■次に協議に移りました。初めに24年度の4区会計報告が発表されました。収入の部では総額49万9305円で、内訳として前年度繰越金10万3386円、区費が95世帯@2500円で計23万7500円。市の交付金103世帯分:@1300円で計13万3900円、その他衛生還元金・助成金・体育祭参加賞等計2万4519円、49万9305円。支出の部が総額40万3684円で。内訳が、各種会費として赤十字・社協・体協が15万7000円。各種募金として共同募金・緑の羽根等で5万7000円、組活動費で峯組・西組・中組で世帯@700円で6万6500円、補助金として八木節・体育祭・老人会・育成会等に8万9320円、祝い金として盆踊り・白山神社・芸能大会で1万600円、その他事務費として会議(昨年実施した出前講座を含む)のお茶代・草刈のお茶代・正月用のミカン等で、1万7865円。収入と支出の差額9万5621円は次年度繰越金とすること。ただしこの数字は2月28日現在で、決算は3月31日となることが報告されました。

 その後、これに対する意見として、筆者が、社協費については、国の総務省から、回覧板などで一括して集金するよう促すことは禁止されていること、本来は任意に募金するものであり、現在のようにまとめて支払うのは国の勧告により禁止されている旨、説明しました。しかし、今回は代表者会議であり、まだ区民のコンセンサスを経ていないという理由で、参考意見として退けられました。

■次に役員改選が行われました。候補者の人選は事前に峯組、西組、中組でそれぞれ選任されており、スムースに選出されました。次年度は峯組から順番製で区長を出すことが従来から決まっていることなので、問題なく全会一致で承認されました。

■続いて前川区長代理から、先日実施された関東電気保安境界が安全チェックをしたところ、地区内の街灯にカバーの無いものがあり、安全に問題があるのが4基指摘されたという報告がありました。そのため、電気店に修理を相談したところ、街路灯の機器そのものが古いタイプで、カバーを取り替える場合には、機器本体もそっくり交換しなければならないことが判明しました。そっくり交換すると1基あたり1万8千円余り費用がかかるので、合計7万数千円の費用負担が必要になることがわかりました。

 街路灯のメンテ費用はこれまで、公会堂会計で負担していますが、会計担当の同副区長によれば、次第に残金が減少しており、24年度の残金は8万2800円しかなく、そこから水道代・電気代・ガス代、灯油代を支払っている関係で、今年度は街灯の傘だけとりかえたら、3万3600円かかり、25年度に入る際の残金は3万6487円しか残らないため、街灯の交換ができなくなったこと、そのため、4区の会計でなんとか負担できないものだろうか、との動議が出されました。

 区長からは、公会堂維持費としては、収入は、公害対策委員会から5万円が入ってきているだけであり、あとは公会堂の使用料があるが、殆ど使用者が無いも同然なので、年間の支出が8万9000円くらいかかるので、年間で4万円程度赤字になってしまうという説明がありました。そのうえで、ひとつの提案としては、公会堂の建設時の積立残金を将来の修繕・増築等費用に充てるために150万円と100万円の計250万円の2つの定期があり、できればこのうち、150万円の定期を100万円と50万に分けて、この50万円を公会堂会計に繰り入れたいと提案がありました。もう一つは市の交付金で1300円のうち、7世帯分は各旧区の組活動費として各旧区に配分していること、それを崩せばなんとか補えるが、このような大きな負担があると足りなくなること、そのため区長会のほうとしては今ある150万円のうち50万円を取り崩して公会堂会計に繰り入れたいと思っているとの説明がありました。

■これについて区長経験者から、自分の区長当時に残金を定期預金に積んでおくことを決めたこと、その際、将来公会堂の増築用に保存しておいたらどうかということで250万円を保全したこと、そういう形で、もし今回のように貯金を取り崩してしまった場合、将来公会堂の増改築が必要になっても資金が足りなくなるという事態になるという説明がありました。その結果、250万円の貯金の原資の趣旨は、将来への資金として蓄えたものだが、住民の浄財なので、住民代表者が協議してOKすればそれもかまわないのではないか、という意見が出ました。

 そこで筆者から、限られた原資であり、地区内の防犯用ということは地区の福祉厚生に通じるので、今後は区費から社協費を天引きして安中市に還元して支払うのではなく、それを地区のために使うことにしておけば、これから毎年5万円がこうした不足の支出に備えることが出来るのではないか、と提案しました。しかし、残念ながら今回も、筆者の提案は受け入れられませんでした。

 その時、西組の区長代理から、以前ヒヤ坂の街灯を交換したとき、古いのが1基保存されているので、そのカバーが使えるかもしれないとの提案がありました。そこで1基分のカバーの費用は浮かせることになりました。出席者からは、不足分を4区全世帯で均等割りで集金したらどうかという意見もでましたが、最終的には、公会堂基金から50万円を公会堂会計に繰り入れる音になりました。

■その他の意見交換として、2年後のことについて、現区長から、現在は100世帯ないと区長代理は置けないが、区長代理を例外的に設けることを市に認めてもあっていること、それで、旧区の峰組・西組・中組から代表が出て順番制で区長を選んでいるが、将来的には4区全体の総会というふうにして、区長と区長代理をそれぞれ1人ずつの体制にしてはどうか、との提案がありました。とくに西組では住民が少ないので、旧区間の交代制だと直ぐに区長や区長代理の順番賀まわってくるため、できれば区全体で選出してもらうようにしたいという意見が出てることも紹介されました。

 また、農事組長なども、農協のチラシ配りだけなので、旧地区にそれぞれ配置する必要はなく、4区全体で1名いればでいいのではないかという意見もでました。現在、4区では総世帯数が95世帯として区費を集めていますが、その中には同じ住所で2世帯のところもあるので、市の関係では103世帯とカウントされています。今後、世帯が少し増える傾向にあり、現在の世帯を維持するのであれば、区長+2区長代理の体制は維持できるという意見も出ました。また、西組の場合、住民の人数不足で、区長、区長代理候補をパスすることも不可避となるが、そういう場面に実際に直面したら、その時の区長の判断で決めることになりました。

 なた、交通安全委員も、4区で一人選出でもよいことになりましたが、今回は既に複数任命されているので、このまま2年間継続することが合意されました。

■そのあと、区長の選出方法について、いろいろ意見が出されました。やはり100世帯の代表なので、それなりの人格者でないと都合が悪いので、機械的に選出するのは一考を要する、とか、他の区の例では、評議員会というものをつくって、そこで区長を選任するところもあり、そういった事例を学ぶことも有意義だという意見も出ました。今後いつまでも旧地区ごとの垣根を残しておくことは避けるようにして、ベストとは立候補制であるが、みな同格になると選任する場合に問題が起きるので、多数立候補した時は評議委員会がないと収集できないため、誰も候補者がいなくなった場合など、問題が起きた場合には、急遽評議員会を作って選任することもありうることなどが話し合われました。

 結局、組長が4区としての重要な存在になるが、4区の区長の選出方法については、今後2年間を経る過程で次期区長のもとで検討していくことで確認されました。

■筆者からは、総会ということで、100世帯程度のような小さな規模の区のメリットとして、直接民主襲撃手に集まる機会を設けるのは、よいことであると意見表明しました。その他にも、組長や各担当任命者は、区長の補助者としてなにかイベントがあるばあいにはサポートするのが必要だとおもう、という意見も出されました。

 また、道普請について、各作業担当道路ごとの割当ての面で、バランスがとれなくなったことが課題として提起されました。ヒヤ坂は、道路の側溝の蓋も閉まっており、作業としては缶拾いが主体になる一方で、かつての裏道が農免道路となったため、割当てされあ少人数では負担が大き過ぎるようになったので、再度見直しが必要だ、という意見がでました。側溝に蓋が無いところは、側溝の清掃作業等で余計負担となるため、他の場所よりも1時間程度余計に作業時間がかかったり、土手の笹刈り作業も大変な労力を伴うこと、岩井地区に降りる道路でも、もっと100m程度延伸して作業したいところだが、丁寧に作業をしようとすると、作業者が余計必要になること、昔は耕地ごとに分かれていたが今は地域ごとに分配されて作業をしていること、ヒヤ坂・藤井坂は作業者の割当が大勢なので、それを他の道路に振り分けたほうがいいのではないか、という意見が出されました。そこで、こういった実情について、それぞれの道路担当者が区長代理に進言して、区長が全体のバランスを調整する方向で、とりあえず道普請は、今回もうすぐ実施となり間に合わないので、もし作業人数が不足するところは柔軟に対応して、秋の道普請の時までに要望が出れば改善していくことになりました。、また、高齢となり年齢的に作業リスクのあるかたには掲示板の名簿にマークをつけて、そのことが分かるように今後は表示する予定だということです。

■道普請について、筆者からは、そういうことの前提として、安中市は地区の生活道路であっても、道路法を盾に、不特定多数が往来する道路はそもそも道路管理者である行政以外の者は、いじってはいけないこととしており、サイボウのゴミ処分場への搬入用の市道拡幅計画が持ち上がった際にも、生活道路がゴミの搬入に使用されては困るとして、地元住民が訴訟を提起したことがあったこと、そのため、いつも道路の除雪作業や草刈作業などの道普請を地元住民がボランティアでやっていることから、搬入道路のための市道拡幅計画に反対すべく安中市を相手取り裁判をしたときに、あろうことか安中市は道路法を盾に、道路の道普請は勝手に住民がやっているもので、道路管理者の安中市以外の地元住民には、たとえ生活道路であっても、道路に関する訴訟の資格がないと主張し、それを裁判所が認めたこと、を説明し、もっとも大事なことは、住民が昔からやってきた道普請に対して、安中市から書面で、これは道路法には抵触せず、生活道路として道路を遣っている地元住民には市道の道普請を行うための法的な権利があることを認める旨の確認をとることであるとアピールしました。

 区長からは、やはり事故などがあった場合に、行政に知らん顔をされても困る為、この道普請の法的な位置付けの問題は他の地区でも共通していることから、地区の代表区長とも相談したいというコメントがありました。道普請で住民に一日保険をかけるケースもみられますので、きちんと保険の付保が出来るように、安中市においても、住民による市道管理のための道普請の作業について法的なお墨付きを与えることが緊急に求められています。

■続いて、別の住民からは、体育協会について意見が出されました。以前から少子化の問題があり、次第に地区の子どもの数が減ってきて、とうとう昨年は地区の運動会が中止になり、代わりにハイキング等が実行されていること、最近グランドゴルフ大会なども開催されていること、昔はゲートボールでこの公会堂の前の敷地も使って盛んに行われていたこと、その後ゲートボールは下火になったが、グランドゴルフ大会のように、区として体育協会費として経費を今後も支払い続けるのなら、ここでグランドゴルフの住民への普及の為に講習会を開いてみることも甲があるのではないかということ、もしそれをしないのであれば多忙な中で無理に体育協会費を区として納める必要も無いこと、ゴルフが今の時代に流行っているからと言っても、全員のスポーツではないこと、ところが、体育協会では、区費から支払われた体育協会費が原資なのにそれを市に寄付をしていること、それならばゲームの参加者のみが費用を出して市に寄付すべきであること、区費という公金を原資にした浄財を持ち出して再度市に寄付をしていることは問題であること、その意味で地区住民の共通の裨益のするためにゲームを習って全員が参加できるような体制作りをするのであればよいこと、ところが区費から徴収するのが当たり前のような気がして体協内部では3人で4万9000円で忘年会をしたりして内部のカネを勝手に使っているという実態もあるなど由々しき問題が起きていること、などの厳しい指摘が出されました。

 岩野谷地区では、運動会は昨年から体育祭という形になり、昨年からグランドゴルフとスマートボーリングという形の競技になりました。区長いわく、参加してみると結構面白くて、年配者にもいい運動になるので、公会堂の庭で練習してから出場すればよいのではないか、という発言もありました。

 参加者からは、水境地区などでは1日おきに精米所跡を利用して、高齢者が生き生きとプレーしている様子を見かけること、屋根のある建物を利用して卓球クラブが富岡の津山地区でも活動していることなど、ゲームを通じて広域で交流することはよいことであるが、体協の現在の状況をみると、はなはだよろしくない状況にあるという意見がありました。

■最後に、アスベストを入れることの出来る自社サンパイ場を東邦亜鉛が造成した事について、その後の東邦亜鉛からどのような反応があったのか、について区長に尋ねてみました。

 区長によれば、「東邦亜鉛によるアスベスト廃棄可能なサンパイ処分場造成運用計画に伴い、地元と東邦亜鉛との間の災害防止協定に関する締結について、区長名で意見書として群馬県に提出したが、その後、群馬県からも東邦亜鉛からも未だもって何の返事も来ていない」ということでした。

 筆者が先日、東邦亜鉛安中製錬所の担当責任者に口頭で尋ねたときも、製錬所担当責任者は「東邦亜鉛としては地元との災害防止協定は考えていない。代わりに会社のホームページ上で情報を掲載する方向で検討中だ」という返事だったことを区長に伝えました。

 区長は、「アスベストに関しては絶対入れてはダメだと強く意見書で要請したのに、それに対して東邦亜鉛や県からは一言も返事がなく、全く回答が来ていないのは非常に不愉快であるので、とりあえず地元議員を通じてこの件について調べてもらっている」と述べました。ことほどさように住民軽視の東邦亜鉛の公害企業体質は、住民の不信感をますます増長させているのです。

【ひらく会情報部】

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