市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

初回口頭弁論で結審したタゴお宝絵画等6点の絵柄不公開処分取消訴訟の控訴審の判決は12月22日

2011-11-08 17:29:00 | 土地開発公社51億円横領事件
■本日、平成23年11月8日(水)午前11時から、東京高等裁判所の8階にある民事第817号法廷で、平成23年(行コ)第306号公文書不公開処分取消請求控訴事件の第一回口頭弁論が行われました。当会からは事務局長が出席。一方、安中市側からは顧問弁護士の渡邉明男氏のほか、安中市企画課から田中、富田、須藤の3氏が岡田義弘市長の代理人として出席しました。また、高裁は3人の裁判官による合議制として本件について、審議する体制です。


今日の東京高裁のようす。

 冒頭、裁判長が、これまでに控訴人(当会)と被控訴人(安中市長)から提出された裁判書類として、それぞれ控訴人から控訴状と控訴理由書、被控訴人から答弁書と準備書面(1)が提出されていること、そして、本日、控訴人から準備書面(1)が提出され、これらが陳述されたとして、訴訟指揮が行われました。

 控訴人(当会)からは、本日の10時過ぎに、第4民事部に準備書面(1)を提出しておいたため、裁判長から、「内容について簡単に説明してほしい」と訴訟指揮がありました。そこで控訴人(当会)は、「この書面の内容は、被控訴人の答弁書と準備書面(1)の内容に対して、あらためて、絵画等6点は、元職員が職員として勤務していた期間に公金で買ったものであり、あきらかに安中市の所有物であることを説明するものです」などと簡単に説明しました。

■続いて、証拠書類として控訴人(当会)から甲11号証と甲12号証が提出され、これらはいずれも写し(コピー)であることから、原本チェックは行われず、一方、被控訴人(安中市長)から提出された乙1号証と乙2号証は原本のため、チェックが行われました。被控訴人(安中市長)から、15年前の計画書が原本として提示されましたが、たぶん改ざんはされていないだとうとして、控訴人(当会)として確認をしておきました。

 その後、裁判長から控訴人(当会)に対して、「これは法律的な、また技術的なことだが」と前置きのあった後、「控訴の趣旨として原判決を取り消す、としか書いてないが、それに加えて、当初、一審で請求した、“本件異議申立てに係る処分のうち、絵画等6点に関するビジュアル情報を不開示とした部分を取り消す”ということを控訴の趣旨に追加することになる」と指揮があったため、控訴人(当会)はこれを了承しました。

■続けて裁判長は、被控訴人(安中市長)に対して、「本日、控訴人から準備書面が提出された。これは被控訴人の反論に対する再反論だが、この控訴人の準備書面について、どのように考えるか」と質問したところ、被控訴人の代理人である渡邉明男・顧問弁護士は「まだ、いまさっきもらったばっかなので…」と言いつつ、当会が提出した準備書面をペラペラとめくりつつ、「結局、これに対する反論は同じことになるので、あらためて(再反論は)必要ない」との見解が示されました。

 裁判長はさらに被控訴人(安中市長)に対して「すでに答弁書でも主張されておられるが、控訴人とすれば、絵画等6点は公社のものではなく、市の所有ではないか、と主張していて、被控訴人は、組織として公社は別の組織だとしているが、市長が理事長と同一であり、控訴人としては、そういう点からすれば(公社は)市と同じ身内ではないか、という主張だがその点はどうか。別組織であるという点については?」と質問したところ、安中市長の代理人の顧問弁護士は「これは別の組織だ…、と思う」と述べるにとどまりました。

■裁判長は「公社にも条例で開示を求める規定があると思う。市としても、いちおう公社に開示を求めたわけだが、なぜ…」と、疑問を被控訴人にぶつけると、安中市長の代理人は「(それを公社が)拒否したわけだ」と答えました。裁判長は「同じ市長であるわけだが、拒否する理由が分かりにくい。なぜ…」と重ねて疑問を被控訴人にぶつけたところ、市長の代理人は「(ビジュアル情報を)明らかにすると売却の時に不利益になる」と答えました。

 すると、今度は右陪審の裁判官が、「それは答弁書でも書かれているが、真贋についてはいずれ明らかにしなければならないはず。ニセモノを持つわけには行かないし、もしニセモノだとわかっても、それは贋作として売るしかない。(ビジュアル情報で)真贋があきらかになることがなぜ問題なのか?の重ねて質問しました。

 渡邉明男・顧問弁護士は、さすがにこれ以上、返答に窮したらしく「必要であればまた準備書面で出す」と苦し紛れに言いました。

 これをみていた控訴人(当会)は、呆れてしまい「(公社を別法人として扱いたがる安中市役所では)この状態がもう16年間も続いているからなあ」と思わず言葉を漏らしてしまいました。

■裁判長はすかさず、「進行について合議する」と言い残し、3名の裁判官と共に法廷から一時退場しました。

 その間、手持ち無沙汰だった為、控訴人(当会)は、傍聴席に座っている安中市企画課の3氏に向かって、「いま絵画等6点はどこにしまってあるのですか」と訊いて見ました。しかし、3氏はうつむくだけで返事がありません。そこで、「本当に、絵画等6点は存在するのでしょうか。ひょっとしたら無いのでは?」と再度質問しましたが、これまた黙秘されました。

■約3分間ほど経過しました。裁判長を初め3名の裁判官が再入場しました。一同、起立して礼をして迎えました。

 裁判長は「進行について裁判所で合議した。今後の進め方については、この処分取消の訴訟自体については、裁判所で判断できるため、これにて弁論を終結する。ただし、若干、さきほどあったように公社が開示を拒否する理由が曖昧であることと、市が公社に対して積極的に開示を求めようとしないのはどうしてなのか。このあたりをもう少しお聞かせ願いたいので、被控訴人で検討してもらい、必要な範囲で書面を提出するのであれば11月末までに提出すること。一応、終結後の書面なので陳述はしないが、控訴人のほうでも何かあれば、それはそれで受け付ける」と述べました。

 控訴人(当会)としては、前橋地裁とは全く異なる裁判所の対応に驚くと共に、思わず「ありがとうございます」と感謝の言葉を発しました。


裁判所の壁に掲示されている傍聴についての注意事項。法廷内では写真撮影や録音は禁止されているため、この記事はメモと記憶に頼っています。なるべく正確に再現できるように努めてはいますが、不正確な個所があるかもしれません。その場合はご指摘ください。

■裁判長は「ということで少し時間をいただく。判決の言渡期日は12月22日、木曜日、午後1時20分とする」と宣言し、3名の裁判官は法廷を退出していきました。

 安中市が、元職員をかばう為に、どのような準備書面(2)を11月末までに提出してくるのか、非常に関心が集まるところです。

【ひらく会事務局】



※参考までに、本日、当会が東京高裁に提出した準備書面(1)は次の通りです。

平成23年(行コ)第306号公文書不公開処分取消請求控訴事件
控 訴 人  小 川 賢
被控訴人  安 中 市

           準 備 書 面 (1)

                       平成23年11月8日

東京高等裁判所第4民事部 御中

         〒379-0114 群馬県安中市野殿980番地
                   控訴人 小 川 賢
                   電 話 027-382-0468
                   FAX 027-381-0364

Ⅰ.平成23年10月24日付の答弁書に対する反論

1.第2 第2項(安中市情報公開条例(以下「条例」という。)2条2項を無視した判決の誤り)について
(1)被控訴人は「安中市土地開発公社(以下「公社」という。)は、昭和55年に群馬県知事の認可を得て設立され、安中市とは別個の独立した法人であって、所有する文書も市の業務とは別に区分され、公社で独自に管理している。」と主張しているが、実際には、公社は安中市の幹部やOBや市議会関係者の利権の巣窟として機能していたものであり、「公社で独自に管理している」というべき代物ではないことは、巨額詐欺横領事件の発生の経緯と結果を見ても明らかである。
(2)被控訴人は「本件に係る絵画等6点については、元職員が職務行為とは全く無関係に、元職員本人の個人的な理由により、骨董品又は美術品蒐集の一環で行われたものであるため、懲戒免職前に取得したとしても、公社又は安中市が所有するものではないことは明らかである。」と主張しているが、本件絵画等6点を含む骨董品又は美術品の購入資金は、元職員が詐欺横領により取得した公金に由来するものである。したがって、「その損害賠償の一部の支払いとして、元職員の妻が公社に差し入れた」としても、元職員の知人のものでも、元職員の配偶者のものでもなく、もともと安中市の財産であり、安中市の所有物である。現に、安中市・公社は連帯して毎年12月25日に、群馬銀行に和解金として2000万円を支出しており、安中市民は史上空前の詐欺横領事件の尻拭いをさせられている。
(3)被控訴人は「「したがって、控訴人から情報開示請求により、条例第24条第2項に基づいて、安中市長として公社に本件文書の提出を求めたが、経営に支障を及ぼすおそれがあるなどの理由により、その提出を拒否されたため、本件文書については、実施機関(安中市長)として保有しておらず、不存在である。」としているが、巨額詐欺横領事件は安中市長が公社理事長を兼務していたからこそ起きた事件であることは、刑事記録でも裁判記録でも明らかである。それなのに、16年前のように、岡田義弘安中市長が岡田義弘公社理事長に対して文書の提出を求め、岡田義弘公社理事長が岡田義弘市長に本件文書の提出を拒否されたから、安中市長として不存在である、などという理論はいったいどこから出てくるのか。元職員と懇意だった岡田義弘市長(事件当時市議ないし県議)ならではの特別な事情が、そのような対応をさせているのではないか。なお、巨額詐欺横領事件の真相はもとより、この特別な事情についても、被控訴人は、これまで一度も安中市民に説明責任を果たしたことがない。
(4)被控訴人は「また、条例第24条第2項の情報提出については、強制力はないため、公社の任意の協力が得られない以上、実施機関(安中市長)に本件文書(情報)が存在しないのは、やむを得ないことであるとした、原判決は正当なものである。」と主張しているが、安中市の屋台骨を揺るがしてきた巨額詐欺横領事件の14億円余りといわれる巨額使途不明金の行方とも関係する本件絵画等6点について、事件当事者である被控訴人が「情報提供の求めに対して強制力が無い」などとどうして言えようか。公社は、民間で言えば、安中市の100%子会社であり、連結決算の対象である。そこが保管している安中市の公金で購入した絵画等6点の情報は、当然、親会社の指示により、子会社から無条件で提出されるべきものである。しかも同一人物である安中市長=公社理事長が、意見を異にすること自体、民間ではありえない事象である。このような非常識な論理が、公正な裁判所で通用すると思ったら大間違いだ。

2.第3 第3項(絵画等6点は元職員が在職中に入手した行政文書)について
(1)被控訴人は「これは条例を恣意的かつ不当に解釈したものであり、その主張を認めることは到底できない。」と主張しているが、噴飯ものである。そもそも、「実施機関の職員が職務上作成し又は取得した…」とは、行政機関の職員が当該職員に職務上の命令として割り当てられた業務を遂行する立場で、すなわち公的立場において作成し、又は取得した文書の事を示すものである。元職員は、実施機関の職員であり、公社公印を駆使して、さまざまな公文書を自由自在に作成できた立場にある。したがって、元職員の身分を知る富岡市在住の古物商の免許を持ち、仲介者としてほとんど全ての骨董品又は古美術品の購入に当たった事件当時甘楽信用金庫勤務の知人としては、元職員が「美術館の建設計画がある」と言っても言わなくても、公務員であった元職員からの要請を受ければ、なんらかの公的な目的で購入が必要だと思うはずであり、だから、仲介者は何の疑いもなくこれらの絵画等6点の購入を仲介したのである。
(2)これに関連して、前項1.(2)にも示したように、被控訴人は「本件に係る絵画等6点については、元職員が職務行為とは全く無関係に、元職員本人の個人的な理由により、骨董品又は美術品蒐集の一環で行われたものである。」と主張しているが、仲介人は、当時甘楽信用金庫安中支店に勤務しており、元職員に1000万円規模の住宅資金の融資をしていた。したがって、何億円もの単位に上る巨額の骨董品又は美術品収集のための資金が元職員本人の自己資金であるとは到底信じられるはずもなく、当然、元職員が「美術館の建設計画がある」と言っても言わなくても、公務員であった元職員の職位や職務を考えて、なんらかの公的な目的で骨董品又は美術品を収集していると思うのは当然であり、被控訴人の主張は、この点からも失当である。
(3)このように、外見上からも、行政機関の職員が巨額の資金を使って行った行為については、その結果として公的立場において作成し、又は取得したものと考えることは決して不自然ではない。控訴人が原審でも主張したとおり、元職員が本件絵画等6点を取得した時期については、あきらかに元職員が懲戒免職前に取得したものであり、絵画等6点のように、著名と思われる作品を、一般の市民の立場で購入することは不可能であり、元職員が公的な職務に携わっていたからこそ、購入が可能であった。したがって、本件絵画等6点を購入した行為は公務として行ったものとみなすことができる。
(4)控訴人が提出した甲11号証については、捜査にあたった当該警察官らが自ら告白しているように、「幹を切るだけで精一杯で、枝葉までは切れなかった」としていることから、甲11号証に記載のある関係者のみならず、多くの市役所の関係者らが、巨額の資金を自由に扱える元職員に対して、一部にはいぶかっていた者もいるかもしれないが、つながりをもっていたと考えるのが妥当である。
(5)にもかかわらず、被控訴人は「公文書の不公開処分の取消についてであるにもかかわらず控訴人は、甲11号証の捜査資料も論拠に、既に終結した刑事事件について憶測を廻らせ、繰り返し詭弁を論述し、条例の不当な解釈を用い、恣意的な結論づけを行っている。」などと主張している。史上空前の巨額詐欺横領事件を起こした自治体としての反省や後悔もなく、あたかも事件に関与していないかのような無責任な陳述に対して、安中市民及び納税者として看過できるものではない。強く抗議する。
(6)被控訴人は、条例第2条第2項を引き合いに出して、行政文書について「『・‥当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているもの…』としている。『組織的に用いる』とは、組織として共用文書の実質を備えた状態、すなわち、当該行政機関の組織において、業務上必要なものとして、利用又は保存されている状態のものを意味する。仮に、絵画等6点が文書であるとして、また、その取得時期が元職員の懲戒免職前であったとしても、前述のとおり元職員が公務として行ったものではなく、単独で為した行為であることは間違いがないため、実施機関の職員が組織的に用いるもので実施機関が保有している文書には該当しない」と主張しているが、元職員が公務員であったからこそ、多数の高額な骨董品又は古美術品を購入できたわけであり、一般の常識から言えば、本件絵画等6点の購入は公務として行われたということができる。
(7)安中市がいまだに、公社を温存しているのは、群馬銀行に対する和解金の支払いの原資をひねり出す為に必要不可欠な存在だからだ。高崎市を初め全国のほとんどの自治体では、総務省の指導により、公社の公共用地の先行取得という役割は既に終わったとして、公社を解散する動きが全国的に活発化している。にもかかわらず、いまだに公社の権益を後生大事に守ろうとする岡田義弘市長=公社理事長(平成7年5月18日の事件発覚当時は、市会議員から県会議員に鞍替えして当選した直後)には、元職員が起こした巨額詐欺横領事件に関与したひとりとして、また、公社役員経験者として、事件発覚当時から、詳細な経緯と事実関係を元にした説明責任が求められていたにもかかわらず、いまだにそれが果たされていない。

Ⅱ.被控訴人の準備書面(1)についての反論

1.第1 第1項「本件公文書(絵画等6点)は安中市元職員が職務上取得したものであること」について
(1)被控訴人は「控訴人は既に終了した刑事事件について推論で論理展開を行っている。絵画等6点の取得については、元職員がどのような経緯で取得したのか、安中市にとって不知であり、控訴人の推論を認めることはできない。」と主張しているが、事件の当事者である被控訴人がこのような無責任な陳述をする背景には、何か特別な理由があるに違いない。通常であれば、巨額の公金を横領された自治体としては、積極的に捜査に協力し、刑事記録についても積極的に入手し、事件の真相と責任の所在の明確化、そして再発防止策を徹底的に講ずるはずである。これを怠っている被控訴人は、事件関係者としてよほど特別な事情があるに違いない。
(2)被控訴人は「答弁書でも述べたとおり、元職員が骨董品や古美術品類を取得する際に美術館建設の話をしていたか否かは不知であり、事件発覚前の状況において、当時の安中市には具体的な美術館建設の計画はない(乙1号証および乙2号証)。安中市が美術館のような大規模建造物の建設等、主要な事業を実施する際には、あらかじめ安中市総合計画に根幹事業として登載し、実施していくものである。」と主張して、乙1号証および乙2号証を提出してきたが、これらは何の意味も持たない。なぜなら、公社は公有地拡大の推進に関する法律に基づき設置されたものであり、5年計画のような短期的な視点から事業をしているわけではないからである。そのことは公社の理事長を兼務し、かつては理事或いは監事として元職員と一緒に公社の運低にあたった経験を持つ被控訴人が最もよく知るところであり、ここであらためて指摘するまでもない。
(3)被控訴人は「なお、仮に、刑事記録等に控訴人が主張するような事実が残されていたとしても、元職員が虚偽の美術館建設構想を口実として、仲介人の古物商から個人的に美術品等を購入していた事実が判明するだけであって、所有権が安中市にあることを証明するものではない。」としているが、このことを明らかにする為に、控訴人は、民事訴訟法226条に基づき、甲12号証の「証拠等関係カード」に掲載された情報について、文書送付嘱託を行う用意がある。

2.第2 第2項「本件公文書(絵画等6点)の所有権は、もともと安中市に存在すること」について
(1)被控訴人は、「本件公文書(絵画等6点)が元職員の懲戒免職前の取引であって、公務員の資格で公金を使って取得したものであるから、安中市に所有権があると主張しているが、全く事実と反する。公務員として職務命令に基づき公金により取得したものでない。」と主張するが、前述のとおり、元職員が正規の公務員であり、さらに公印を自由自在に使いこなし、当時の市長(また現市長)とも懇意であり、巨額資金が横領した公金であっても貸し出した側の金融機関は安中市に正規の手続で融資したと警察の捜査に対して供述しており、事実、金融機関との裁判では、安中市・公社としても落ち度はなかったと主張していた背景を鑑みれば、公金により本件絵画等6点を取得したことは疑う余地のないところである。
(2)被控訴人は、「さらに公社は、昭和55年に群馬県知事の認可を得て設立され、安中市とは別個の独立した法人である。公社が所有する文書についても市の業務とは別に区分され独自に管理されており、法人としての意思決定の手続きについても、別個に行われている。」と主張するが、史上空前の巨額詐欺横領事件を起こしておきながら、よくまあこんなことがしゃあしゃあと言えるものだと呆れる。市民として納税者としてこのような自治体に税金を支払うのは本当にアホらしくなるが、それはさておき、少なくとも、市長が公社理事長を兼務することは、16年前の元職員による巨額詐欺横領事件発生直後に、安中市として厳しく自戒して、だから、兼務を解いたはずである。それがなぜ、元職員と親しく、この事件の説明責任も果たしていない岡田義弘市長が公社理事長を、合併市長選に当選直後、兼務するようになったのかは非常に問題だ。
(3)被控訴人は、「当該絵画等6点について、公社が引き取った平成22年5月14日(甲10号証)以前において、安中市の所有であった事実はない」と主張するが、本件絵画等6点は、元職員が富岡市在住の古物商の免許を持つ知人である仲介者に、事件発覚直後から逮捕されるまでの間に預けておいたものである。元職員が手ガネで買えたはずもなく、絵画の目利きのある仲介者を経由して購入したことは警察の捜査資料でも明らかであり、その原資は、公社の理事長印と市長印が押印された公文書により、金融機関から融資された公金であることは、被控訴人も否定できないはずである。
(4)被控訴人は、「また、公社が引き取った後は、引き続き公社で保管しており、安中市には使用、収益、処分等、当該絵画等6点に対する支配権は及ばない状況にある」などと意味不明のことを主張するが、前述のとおり安中市の公金で購入したことは明らかであるから、公金を出した安中市に所有権があるのは当然であり、被控訴人の主張には理由がなく失当である。
                             以上



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巨額使途不明金の一部と思われるタゴお宝絵画等6点の絵柄不公開処分取消訴訟控訴審の口頭弁論が本日開廷

2011-11-08 00:39:00 | 土地開発公社51億円横領事件

■タゴが安中市土地開発公社理事長印と安中市長印を自由自在に押印できたことから、我々安中市民が汗して稼いだ収入の中から支払った税金を湯水のごとく使い、甘楽信用金庫安中支店に勤務していた竹馬の友人で古物商の免許をもつ富岡市在住の金融マンを仲介して購入した、本件の絵画等6点を含む多数の骨董品又は古美術品のうち、これまで警察の目をかいくぐって隠し通していた絵画等6点が昨年5月にようやく日の目を見ようとしていますが、残念ながら、かつて元職員とともに土地開発公社の運営に当たっていたことのある岡田義弘安中市長=安中支土地開発公社理事長が、いまだにタゴのお宝である絵画等6点に日が当たらないようにしている問題で、このタゴお宝絵画等6点のビジュアル情報不公開処分取消請求訴訟の控訴審が、本日11月8日(火)午前11時00分に東京高等裁判所第817号法廷(8階)で開廷されます。

 これに先立ち、東京高等裁判所から「10月24日までに主張したいことがあれば文書で提出するように」との要請を受けて、同日、当会では次の内容の控訴理由書を提出しました。


<控訴理由書>
平成23年(行コ)第306号 公文書不公開処分取消請求控訴事件
控訴人(第一審原告)   小  川    賢
被控訴人(第一審被告)  安中市長 岡田義弘
控 訴 理 由 書
平成23年10月24日
〒100-8933
東京都千代田区霞が関1丁目1番4号
東京高等裁判所 第4民事部 御中
           控訴人(第一審原告)   小  川    賢
 控訴人(以下「第一審原告」といい、被控訴人を「第一審被告」という)の控訴理由は、平成23年9月2日付の控訴状に「控訴理由」として記述しているが、この中で陳述している次の事項について、ここに補足的に詳述する。
1.本件公文書(絵画等6点)は、安中市元職員が職務上取得したものであること
2.本件公文書(絵画等6点)の所有権は、もともと安中市に存在すること。
第1 本件公文書(絵画等6点)は、安中市元職員が職務上取得したものであること
 安中市情報公開条例において「『行政文書』とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。」と定められている。
 ここで本件公文書が元市職員の職務とどのような関係があったのかどうかという点について、次のことを指摘する。
 元市職員は、本件公文書を取得するに際して、元市職員のことをよく知る古物商の免許を持つ人物(以下「仲介者」という。)を通じて、億単位の公金を費消し、絵画等の骨董を取得していたが、この背景には美術館の設立という説明を、仲介者を通じて古物商らにしていた。
 この仲介者は、元市職員が安中市の公務員であることを熟知していたことから、当然、なんらかの職務上必要なことに使うものであると認識していたはずである。なぜなら、この仲介者は、安中市土地開発公社を舞台にした51億円余りの巨額詐欺横領事件(以下「51億円事件」という。)で、刑事起訴されておらず、共同正犯とはみなされていない。その理由として、元市職員からの業務上の依頼による絵画等の取得の代行をしていたということが考えられる。
 このことについて、控訴人は、51億円事件の刑事裁判記録にある訴訟等関係カード(甲11)に記された仲介人の供述調書の入手を司直に再三再四にわたり求めてきたが、これまでに開示されてこなかったため、控訴人はここに証拠として提出することができない。
 だが、元市職員から本件公文書の取得の代行を委託されたこの仲介者が、もし、元市職員の原資である多額の資金について、元市職員の合法的な資産、つまり安中市の公金として業務上に必要なものであると認識していたならば、警察はその資金の出所について問うこともなく、仲介者は共同正犯ではないと判断するであろう。なぜなら、仲介者は、地元の金融機関である甘楽信用金庫に当時勤務し、元市職員にも融資をしていたことから、元市職員の資産や資力について、熟知していたはずだからだ。
 仲介者は、51億円事件で警察の事情聴取を何度か受けているが、結果的に共同正犯として起訴されていない。したがって、仲介者は、元市職員から、「美術館用の展示物として公金により購入したい」などと、「業務上必要な行為である」という前提で購入代行依頼を受けていたはずである。
 もしも仲介者が、「億単位の金額を元市職員が資金として個人的に調達できていたと信じていた」のであれば、それに足る理由があったはずである。しかし、仲介者が、長年にわたり元市職員の絵画等の骨董の購入を仲介していた背景には、この巨額の原資が合法的な手段で調達され、元市職員の職務上必要であると考えており、だからこそ、元市職員からそのような依頼があったとき、それに応じていたと考えられる。
 この点については、前述の通り、証拠等関係カードのうち、仲介者に関係すると思われる次の証拠資料で、真実を確認する必要がある。控訴人は、裁判所が「実際の証拠が必要だ」と判断するのであれば、証拠となる文書を収集するための手段として、民事訴訟法にもとづき、文書提出命令(同法220条~225条)や文書送付嘱託(同法226条)を裁判所に請求する用意がある。
【タゴ刑事事件証拠等関係カードのうち骨董品関連の証拠資料】
▼103 供述調書
 H7・06・29(小貫達)
 被告人との交際状況等、被告人に骨董品を販売していた状況、平成3年頃かんら信金職員石原の紹介で被告人と知り合い、長期間多量に被告人タゴに販売していた。
※甲33号 336号として
 立証:被告人に骨盗品を販売していた状況
▼359 捜査報告書
 H7・11・16 小貫達方
▼360 捜査報告(押収)
 H7・11・16
※甲43号 445として
 立証:一品堂を紹介・仲介
▼361 捜査報告(写報)
 一品堂状況
▼362 供述調書
 H7・7・12(小貫達)
 被告人に骨董品を販売していたこと及びその販売価格
▼363 供述調書
 H7・6・12(石原保)
 被告人に一品堂を紹介し骨董品を仲介
※甲43号 445として
 立証:一品堂を紹介・仲介
▼364 供述調書
 H7・6・21
▼365 供述調書
 H7・7・12
▼366 供述調書
 H7・7・14
▼367 供述肩書
 H7・6・23(佐藤洋一)
 石原に古美術品を販売していた状況
※甲143号 455として
 立証:石原に古美術品を販売していた状況
▼368 供述調書
 H7・8・22(佐藤洋一)
 石原に古美術品を販売していた状況
※甲43号 456として
 立証:石原に古美術品を販売していた状況
▼369 供述調書
 H7・6・30(小林紀一)
 石原に古美術品を販売していた状況
※甲43号 457として
 立証・・石原に古美術品を販売していた状況
▼370 供述調書
 H7・6・30(小林紀一)
 石原に古美術品を販売していた状況
※甲43号 458として
 立証:石原に古美術品を販売していた伏況
 しかしながら、そもそも、これらの証拠資料の内容を確認するまでもなく、仲介者が共同正犯として起訴されなかったことは、仲介者が絵画等の骨董を古物商らから購入したのは、元市職員の業務上のことであると認識していたことを示すものである。
 また、元市職員が取得した絵画等の骨董は、市役所関係者や関連業者らに一部渡っていたことも明らかになっている。
【タゴ刑事事件証拠等関係カードのうち骨董品関連の証拠資料】
▼548 供述調書
 H7・6・30(神岡和彦)
 被告人から絵画をもらった状況
▼549 供述調書
 H7・7・19(調査官)
 被告人から佐藤敬一に版画を送った事及び版画の状況
▼550 供述調書
 H7・7・19(調査官)
 被告人から浦野幸雄に版画を送った事及び版画の状況
 このことから、元市職員が本件文書を含む絵画等の骨董を、仲介者を通じて購入したのは、職務上の行為であったということができる。
 また、元市職員が、安中市土地開発公社の職員の立場で購入したのか、それとも兼務する安中市都市計画課職員としての立場で購入したのか、については定かでない。
 だが、これほど巨額の購入資金の出所について、当時の事件関係者が誰も疑いを抱かなかったところをみると、やはり元市職員は、安中市職員としての立場で業務上購入していたというべきであり、この点からも、本件公文書は、元市職員が職務上取得したものであることを示している。
第2 本件公文書(絵画等6点)の所有権は、もともと安中市に存在すること。
 元市職員が、当時の市長らから懲戒免職を受けたのは、平成7年5月31日である。一方、甲10号証によれば、元市職員が骨董品・古美術品を取得した時期について、一品堂の小貫達は「平成3年~平成7年5月10日」と供述し、佐藤洋一は「平成元年~平成2年」と供述し、小林紀一は「平成2年頃」と供述している。
 これらは、いずれも元市職員が懲戒免職を受けて、安中市職員を解雇される以前の取引であり、さらに51億円事件が発覚した平成7年5月17日もしくは18日以前であるから、逮捕される直前に仲介者に預けた時期にかかわらず、元市職員が本件公文書を古物商から仲介者を経由して取得したのは、公務員の資格を有していた時期に間違いない。したがって、元市職員が公金を使って取得したものであるから、本件公文書の所有権は安中市にあると考えるのが妥当である。
 したがって、本件文書は、もともと安中市の所有物なのであるから、いくら安中市が、「本件文書は安中市土地開発公社が『保有』しているので、安中市として『保有』していないから不存在だ」などと主張しても、事実上は所有権を持つ安中市が「所有」しているのであるから、所有物は条例の対象に当然なるはずだ。
以上

■すると、東京高裁から転送された当会の控訴理由書を見て、わずか数日の間に、安中市は次の準備書面を、顧問弁護士を通じて当会に送りつけてきました。よほど、当会の主張が気になるようです。

<被控訴人準備書面(1)>
平成23年(行コ)第306号公文書不公開処分取消請求控訴事件
控 訴 人  小川 賢
披控訴人  安 中 市
        準 備 書 面(1)
                        平成23年11月2日
東京高等裁判所第4民事部 御中
             被控訴人訴訟代理人弁護士 渡 辺 明 男

平成23年10月24日付控訴理由書に対する反論
第1 第1項「本件公文書(絵画等6点)は安中市元職員が職務で取得したものであること」について
 控訴人は既に終でした刑事事件について推論で論理展開を行っている。絵画等6点の取得については、元職員がどのような経緯で取得したのか、安中市にとって不知であり、控訴人の推論を認めることはできない。
 まず、控訴人が主張する「美術館建設構想」についてであるが、答弁書でも述べたとおり、元職員が骨董品や占美術品類を取得する際に美術館建設の話をしていたか否かは不知であり、事件発覚前の状況において、当時の安中市には具体的な美術館建設の計画はない(乙1号証および乙2号証)。安中市が美術館のような大規模建造物の建設等、主要な事業を実施する際には、あらかじめ安中市総合計画に根幹事業として登載し、実施していくものである。安中市が提出した書証(乙1号証および乙2号証)では、当時の安中市の総合計画根幹事業として「美術館建設計画」はなく、控訴人の主張は失当である。また、元職員が勤務をしていた安中市土地開発公社(以下「公社」という。)の業務には美術品等の取得は含まれておらず、元職員が骨董品や古美術品類を取得した行為は、職務命令に基づき公務として行われたものではなく、元職員の個人的な古美術品類蒐集の一環にすぎず、職務に該当しないことは明らかである。したがって「本件公文書(絵画等6点)は安中市元職員が職務上取得したものである」とする控訴人の主張は、全く理由がなく失当である。
 なお、仮に、刑事記録等に控訴人が主張するような事実が残されていたとしても、元職員が虚偽の美術館建設構想を口実として、仲介人の古物商から個人的に美術品等を購入していた事実が判明するだけであって、所有権が安中市にあることを証明するものではない。
第2 第2項「本件公文書(絵画等6点)の所有権は、もともと安中市に存在すること」について
 控訴人は、本件公文書(絵画等6点)が元職員の懲戒免職前の取引であって、公務員の資格で公金を使って取得したものであるから、安中市に所有権があると主張しているが、全く事実と反する。公務員として職務命令に基づき公金により取得したものでないことは、第1で上述したとおりである。
 さらに公社は、昭和55年に群馬県知事の認可を得て設立され、安中市とは別個の独立した法人である。公社が所有する文書についても市の業務とは別に区分され独自に管理されており、法人としての意思決定の手続きについても、別個に行われている。当該絵画等6点について、公社が引き取った平成22年5月14日(甲10号証)以前において、安中市の所有であった事実はない。
 また、公社が引き取った後は、引き続き公社で保管しており、安中市には使用、収益、処分等、当該絵画等6点に対する支配権は及ばない状況にある。
 したがって、本件公文書(絵画等6点)の所有権が安中市に存在するとする控訴人の主張は理由がなく失当である。

<被控訴人証拠説明書>
平成23年(行コ)第306号 公文書不公開処分取消請求控訴事件
控 訴 人  小 川 賢
披控訴人  安 中 市
           証 拠 説 明 書
                       平成23年11月2日
東京高等裁判所第4民事部 御中
           披控訴人訴訟代理人弁護土 渡 辺 明 男
号証/標目/作成年月日/作成者/立証趣旨
乙1/安中市新総合計画(1986~1995)根幹事業施設整備画一覧表・原本/昭和61年
3月/安中市/安中市総合計画において、1986年(昭和61年度)~1990年(平成2年度)までに美術館建設計画は計画されてなかった。
乙2/安中市新総合計画(後期基本計画1986~1995)根幹事業計画一覧・原本/平成3年3月/安中市/安中市総合計画において、1991年(平成3年度)~1995年(平成7年度)までに美術館建設計画は計画されてなかった。

■安中市にしては珍しく、二審でも徹底的に防御をするつもりのようです。安中市は必死で「当時、安中市には美術館建設構想はなかった」として、当時の「安中市新総合計画」の資料を引っ張り出して抗弁に努めています。

 もともと、元職員は、土地開発公社の役目である「用地の先行取得」が任務でしたから、安中市新総合計画に、そうした事業が乗っているはずがありません。また、長野新幹線の計画をフルに利用して、理事長印や市長印を金銭貸借証書に暴印して、銀行から巨額の公金を引き出し、横領していたことから、もともと安中市の総合計画とは、相容れない状況にあったのでした。

 にもかかわらず、安中市は「安中市新総合計画」などという絵に描いた餅のような資料をだして、「美術館計画は見当たらなかった」などと主張しているのは、まさに元職員の巨額詐欺横領事件について、事件直後から証拠隠滅など、事件の真相をやっきになって隠してきた体質がいまでも続いていることを証明しています。

■無理もありません。元職員とともに市議会議員の立場として、安中市土地開発公社の経営に絡んできた岡田義弘安中市長=安中市土地開発公社理事長としては、事実が明るみにでることは、なんとしても避けたいのでしょうから。しかし、控訴人が主張しているのは、元職員が隠し持っていたお宝である絵画等6点の絵柄を公開してほしい、という単純明快な要望だけなのです。

 なぜこうも頑なに市民への公開を拒否したがるのか、岡田義弘市長=公社理事長の真意を確認してみたいところですが、裁判でもこのような頑なな態度では、臨むべくもないのでしょう。

■本日の裁判には、岡田義弘市長=公社理事長自ら出廷する可能性はありませんが、群馬県公安委員会(委員長:横田英一、委員:正田寛・渡邉明男)の一員でもある安中市顧問弁護士でもある渡辺明男氏としては、地方自治体としては史上最大級の詐欺横領事件を起こした安中市の体質を知らないわけがありません。きっと、きょうの裁判では、司法の正義が示されるに違いないと期待したいところです。

 高裁での裁判が終了次第、裁判の様子をご報告する予定です。

【ひらく会事務局】

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