■当会では、談合問題で一躍脚光を浴びているゴミ焼却施設について、かつて当会が毎月発行していた安中市民通信「まど」1998年4月20日第28号7ページで、平成10年4月11日の竣工式を契機に、「環境特集 新ゴミ焼却炉稼動によせて」と題して、この施設の設置計画の閲覧で入手したデータを詳細に掲載したことがあります。
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【環境特集 新ゴミ焼却施設稼動によせて】
安中市原市にある碓氷川クリーンセンターのグラウンド跡地(旧焼却灰捨て場)に、安中市民と松井田町民待望の新しいゴミ処理施設が着工から二年半で完成し四月一一日(土)に竣工式が行われました。
新施設は、地下一階地上四階建て。延べ床面積は約五六〇〇平方メートルで、今年の一月から試運転を始め、四月一日から稼働を開始しており、この日の竣工式では、安中松井田衛生施設組合の管理者も兼務する中島市長が挨拶。「この地域の地球環境保全を担う中心施設一」東京紙)と、グローバルな表現で小川前市長の「置き土産」施設を評しました。
新聞には「ダイオキシンなど環境対策にも最新設備を導入したので、管理棟を含めた総事業費は約六五億五千万円に膨らんだ」などともっともらしく報じられていますが、総事業費が膨らんだのは、もっと別な理由であることは、本紙でも既にお伝えしたとおりです。
この新しいゴミ処理施設(焼却炉、粗大ゴミ破砕施設)の稼働開始にあたり、計画時点ではどうなっていたのか、主な内容を紹介します。ぜひ、市民の皆さんも時間があれば新施設を見学し、この計画内容を参考に、じっくり内部を見て回り、担当者に六五億五千万円の事業費の内訳を質問してみることをお薦めします。 【情報部】
<事業費> 【単位:円】
焼却処理施設 粗大ゴミ破砕施設
建設費合計 5,470,000,000 1,480,000,000
補助対象事業分 4,212,250,000 1,110,600,000
土木建築工事 273,000,000 48,100,000
機械工事 2,572,900,000 725,800,000
配管工事 48,000,000 12,000,000
電気工事 295,000,000 102,000,000
計装工事 365,000,000 53,000,000
共通仮設費 71,100,000 14,000,000
現場管理費 181,300,000 40,500,000
一般管理費 342,000,000 98,700,000
委託料 62,250,000 16,400,000
補助対象外事業分 1,339,800,000 391,600,000
土木建築工事 1,086,200,000 306,400,000
機械工事 0 0
配管工事 0 0
電気工事 0 0
計装工事 0 0
共通仮設費 21,700,000 4,600,000
現場管理費 55,400,000 13,200,000
一般管理費 104,700,000 32,100,000
付帯工事 52,000,000 29,500,000
土地造成工事 13,000,000
構内道路工事 11,000,000
場内整備工事 10,000,000
門・囲障工事 10,500,000
土木工事 25,300,000
機・管・電工事 0
共通仮設費 900,000 400,000
現場管理費 2,300,000 1,100,000
一般管理費 4,300,000 2,700,000
委託料 19,300,000 5,800,000
事務費 82,050,000 22,200,000
総計 5,552,050,000 1,502,200,000
<安中・松井田のゴミ等の排出量の見通し>
年度 平成元年 平成5年 平成10年 平成17年
項目 (1989) (1993) (1998) (2003)
人口 (人) 64,815 65,825 69,610 82,794
総量 (g/人・日) 687.53 772.35 922.50 1080.21
可燃物 585.55 666.92 668.72 782.46
不燃物 - - 81.84 100,01
紙 - - 74.30 86.94
ガラス 55.54 57.12 33.86 41.38
金物 46.44 48.31 25.24 31.04
粗大ゴミ - - 38.37 38.37
処理量トータル(t/日) 49.14 54.86 67.95 93.27
焼却量 42.54 47.92 51.09 69.45
不燃物理立量 3.84 3.60 7.07 10.18
資源化量 2.77 2.91 9.80 13.64
その他 - - - -
焼却残渣 (t/日) 16.18 5.23 7.66 10.42
最終埋立量 (m3/年) 2903 2563 4301 6022
不燃物 1168 1094 2149 3097
灰 1735 1468 2152 2925
し尿焼却灰理立量(m3/年) - - 115 115
<財源> 【単位:円】
焼却処理施設 粗大ゴミ破砕処理
国庫補助金 446,085,000 277,650,000
起債 3,829,400,000 918,400,000
県補助 0 0
一般財源 1,276,565,000 306,150,000
その他 0 0
小計 5,552,050,000 1,502,200,000
消費税 166,561,000 45,066,000
総合計 5,718,611,000 1,547,266,000
<ゴミ処理施設庇備計画概要>
規模形式 90トン/日(16時間炉、45トン/日×2炉)
更新工期 平成7~9年度
目標値 熟灼波量 5%
排煙中煤塵量 0.02ミリグラム/N立米
排水 無
排ガス処理設備 有
前処理設備 有(粗大ゴミ)
用地 地番 安中市原市65(公有地)
面積 9550平米
地目 宅地
都市計画決定 平成6年12月
同意者 原市代表区長 池島五作 H6/8/26
(敬称略) 安中代表区長 有坂芳一 H6/8/26
および 磯部代表区長 山本政次 H6/8/25
(同意日) 安中5区長 中村藤二 H6/8/23
安中7区長 大野孝義 H6/8/25
原市1区長 有限英一 H6/8/25
磯部11区長 堀口 優 H6/8/25
碓氷川沿岸水利権者
連合会会長 金井方平 H6/8/23
上州漁業協同組合員 大塚金蔵 H6/9バ0
予算計上予算額 5,718,611千円(平成7年3月議会議決予定)
排ガス規制条例 大気汚染防止法第3条第3項又は第
4条による排出量の基準の適用状況 無
計画の背景
▼現有施設は稼働開始後20年を経過しており設備の損傷、老朽化が激しい。これに対しては装置の補修、整備により対応しているが、これによる稼働率の低下や補修費の増大は不可避。
▼計画当時に比べ現在のゴミ質の高カロリー化によって炉の容積や機器容量が不足し、そのため処理率が減少。これに対しては運転管理の(運転時間延長等)によって対応しているものの抜本的な対策が必要。
計画の目的
▼可燃物については焼却。不燃物は埋立処分。
▼ゴミ排出減量化図る。焼却破砕処理における減量化を図る。
▼ゴミ排出量の増大に備え、適正な処理能力、処理機能の維持向上に努め処理率を100%とする。
▼処理施設の稼働に伴い発生する大気汚染物質について監視し、今後ゴミの多様化に伴い混入する重金属や適正処理困難物についても実態を把握し、その対策を講ずる。
▼不燃物の金属物の回収、再資源化並びにゴミ焼却時に生ずる熱エネルギーの効率的な回収、再利用(温水利用等)に務める。
<計画諸元>
年間平均処理量(焼却対象)
計画収集人口 82,636人
計画一人1日平均排出量 766.77グラム
計画収集ゴミ量 63.36トン/日
計画直接搬入量 3.12トン/日
計画年間平均処理量 68.00トン/日
計画処理量 76.86トン/日
要整備規模 2H=45t/d ・ H×2H=90t/d
H=68.00t/d×1.13÷0.85=90.4 → 90トン/口
計画月変動係数分布
1月1.15 4月1.04 7月1.00 10月0,94
2月1.08 5月1.03 8月0.99 11月0.91
3月1.06 6月1.02 9月0.96 12月0.88
<ゴミ知理施設内容>
規模 45トン/16時間 × 2炉
ゴミ組成 低質ゴミ 基準ゴミ 高質ゴミ
水分(%) 61.3 45.5 27.8
可燃分(%) 30.3 43.6 59.2
灰分(%) 8.4 10.9 13.0
低位発熱量 1,000 1,800 2,700
(Kcal/Kg)
見かけ比重 0.24 0.24 0.24
炉形式 準連続燃焼式
焼却残渣の熱灼減量 5%以下
排ガス目標値 煤塵量 0.02 g/Nm3以下
HCl 3.29 1g/Nm3以下
NOx 150 pp以下
SOx 29.0 Mm3/hr以下
受入供給設備 ごみ計量機 ロードセル式、最大秤量25t
ごみビット 容量1,000m3(3日分)以上
クレーン 2基
燃焼設備 火格子
燃焼室熱負荷80,000~150,000Kcal/13/hr以下
排ガス冷却 水噴射方式
排ガス処理 バグフィルター
出口粉塵量 0.02g/Nm3以下
設計温度 200度C
塩化水素除去装置 湿式
除去率 50%以上
出口濃度 200ppm以下(酸素=12%)
排水処理設備 ごみピット汚水→炉内噴霧燃焼
プラント排水→生物処理+濾過→再利用
余熱利用設備 給湯
通風設備 煙突高さ 55m
灰出し設備 灰ピット容量 約90立米
施設面積 約9550平米
年間維持補修費 1年目 6,000,000円
2年口 9,000,000円
3年目 16,000,000円
4年目 36,000,000円
5年目 41,000,000円
<主な記述>
近年の新設される焼却施設が排ガスの高度処理施設を採用しているのは、これらの施設が公共施設として、ふさわしい公害防止対策を先取りして設置しなければならないという意識の現れであろう。
ダイオキシン類発生防止等ガイドライン(平成2年12月)に示されるダイオキシンヘの対策を含め、より高度な有害ガス除去装置の設置が必要である。
新施設の建設予定地である安中市原市は、市街地や磯部温泉と至近な位置にある。市民の自然保護、公害防止に対する意識は高く、施設の建設に対しては、環境保全に充分貧吝ごするよう要求されている。
SPM(大気浮遊微粒子)対策は、バックグランド値への寄与率をできるだけ低く仰えるためと、ダイオキシン対策を考慮して排出基準は0.02g/Nm3とする。窒素酸化物(Nox)は大気汚染防止法の排出基準250ppmに対し150ppm以下に設定する。硫黄酸化物(SOx)は大気汚染防止法の排出基準K値=17.5(157.5Nm3/hr)に対し、K値=3.25(29.0Nm3/hr)に設定する。塩化水素(HCl)について、大気汚染防止法の排出基準700mg/Nm3に対して3.29mg/Nm3に設定する。
<焼却施設のフローシート>
計量機
↓
ごみピット………>押込送風機………>燃焼空気
↓ ↓
焼却炉→排ガス→ガス冷却室→空気予熱器→→→
↓↑ ↓ ↓
↓ <…………温水発生器<……燃焼空気 ↓
↓ ↓ ↑温水 白煙防止空気加熱器
↓ 温水タンク ↓
↓ ↓ ↑給湯 有害ガス除去装置
↓ 場内 場外 ↓
↓ ダスト排出装置←←←←集塵機(バグフィルター),
↓ ↓ ↓
↓ 灰固形化装置 誘引通風器
↓ ↓ ↓
↓ ↓ダスト ↓排ガス
灰ピット 煙突
<粗大ゴミ処理・資源化フローシート>
粗大ゴミ 鉄アルミ類 不燃ゴミ
↓ ↓ ↓
投入ホッパー 投入ホッパー・破砕機
↓ ↓
前処理租破砕機 ワンウェイ瓶選別ライン
↓←←←←←←←←混合(黒、青、緑)
破砕機 茶→→→→カレット(貯留場)
↓ 透明→→→カレット(貯留場)
磁選機→→→→→→→→鉄類→→プレス機→→→鉄類(貯留場)
アルミ選別装置→→→→アルミ→プレス機→アルミ類(貯留場)
↓
不燃物分別装置
↓ ↓
可燃物 不燃物→→→→→→→→→→埋立地へ
↓
→→→→→→→→→→→→→→→搬送・ごみ焼却ゴミピットへ
<処理プロセス>
直接搬入ゴミ 収集ゴミミ
可燃ゴミ ネイチャーランド 可燃ゴミ 不燃ゴミ 粗大ゴミ 収集資源ごみ
3.12t/d 0.57t/d 63.36t/d 8.06t/d 3.17t/d 12.87t/d
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
↓ ↓(67.05t/d) ↓ ↓ ↓ ↓
ゴミ焼却施設 68.00t/d←←←←←粗大ゴミ処理施設 ストックヤード資源化物
↓ 可燃物0.95t/d ↓ ↓ ↓
焼却灰↓10.20t/d ↓ 資源化ゴミ 資源化ゴミ
↓ ↓ 0.631t/d 12.71t/d
最終処分場←←←←←←←←不燃物9.65t/d
※ネイチャーランド:松井田町の地域開発計画。
※数字はトレンド法による平成16年度の量を示す。
**********
■このように、当会では、タクマが受注して建設したこのゴミ処理施設の計画段階から監視してまいりましたが、コンサルタントによる計画策定段階から、人口の増加やゴミの増加を右肩上がりに過剰に見込むなど、そもそもはじめから談合ありきの計画だったことがわかります。
現在では、人口が計画値の8万2636人どころか、それより2万人も少ない6万3016人(10月1日現在)しかいません。そのため、2つある焼却炉は、交互に稼動させているだけで、まことにもったいない施設となっています。さらに談合で吊り上げられた事業費にくわえ、当時発生したタゴ51億円巨額詐欺横領事件で、まさに安中市民は泣き面にハチの状況でした。
そして、その状況は、この談合ゴミ焼却施設の起債に対する返済と、タゴ51億円事件の103年ローンとあわせて、我々安中市民の肩にのしかかり続けています。一方、これら2つの事業・事件に注がれたカネでよい思いをしている輩もいるのです。
【ひらく会情報部】
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【環境特集 新ゴミ焼却施設稼動によせて】
安中市原市にある碓氷川クリーンセンターのグラウンド跡地(旧焼却灰捨て場)に、安中市民と松井田町民待望の新しいゴミ処理施設が着工から二年半で完成し四月一一日(土)に竣工式が行われました。
新施設は、地下一階地上四階建て。延べ床面積は約五六〇〇平方メートルで、今年の一月から試運転を始め、四月一日から稼働を開始しており、この日の竣工式では、安中松井田衛生施設組合の管理者も兼務する中島市長が挨拶。「この地域の地球環境保全を担う中心施設一」東京紙)と、グローバルな表現で小川前市長の「置き土産」施設を評しました。
新聞には「ダイオキシンなど環境対策にも最新設備を導入したので、管理棟を含めた総事業費は約六五億五千万円に膨らんだ」などともっともらしく報じられていますが、総事業費が膨らんだのは、もっと別な理由であることは、本紙でも既にお伝えしたとおりです。
この新しいゴミ処理施設(焼却炉、粗大ゴミ破砕施設)の稼働開始にあたり、計画時点ではどうなっていたのか、主な内容を紹介します。ぜひ、市民の皆さんも時間があれば新施設を見学し、この計画内容を参考に、じっくり内部を見て回り、担当者に六五億五千万円の事業費の内訳を質問してみることをお薦めします。 【情報部】
<事業費> 【単位:円】
焼却処理施設 粗大ゴミ破砕施設
建設費合計 5,470,000,000 1,480,000,000
補助対象事業分 4,212,250,000 1,110,600,000
土木建築工事 273,000,000 48,100,000
機械工事 2,572,900,000 725,800,000
配管工事 48,000,000 12,000,000
電気工事 295,000,000 102,000,000
計装工事 365,000,000 53,000,000
共通仮設費 71,100,000 14,000,000
現場管理費 181,300,000 40,500,000
一般管理費 342,000,000 98,700,000
委託料 62,250,000 16,400,000
補助対象外事業分 1,339,800,000 391,600,000
土木建築工事 1,086,200,000 306,400,000
機械工事 0 0
配管工事 0 0
電気工事 0 0
計装工事 0 0
共通仮設費 21,700,000 4,600,000
現場管理費 55,400,000 13,200,000
一般管理費 104,700,000 32,100,000
付帯工事 52,000,000 29,500,000
土地造成工事 13,000,000
構内道路工事 11,000,000
場内整備工事 10,000,000
門・囲障工事 10,500,000
土木工事 25,300,000
機・管・電工事 0
共通仮設費 900,000 400,000
現場管理費 2,300,000 1,100,000
一般管理費 4,300,000 2,700,000
委託料 19,300,000 5,800,000
事務費 82,050,000 22,200,000
総計 5,552,050,000 1,502,200,000
<安中・松井田のゴミ等の排出量の見通し>
年度 平成元年 平成5年 平成10年 平成17年
項目 (1989) (1993) (1998) (2003)
人口 (人) 64,815 65,825 69,610 82,794
総量 (g/人・日) 687.53 772.35 922.50 1080.21
可燃物 585.55 666.92 668.72 782.46
不燃物 - - 81.84 100,01
紙 - - 74.30 86.94
ガラス 55.54 57.12 33.86 41.38
金物 46.44 48.31 25.24 31.04
粗大ゴミ - - 38.37 38.37
処理量トータル(t/日) 49.14 54.86 67.95 93.27
焼却量 42.54 47.92 51.09 69.45
不燃物理立量 3.84 3.60 7.07 10.18
資源化量 2.77 2.91 9.80 13.64
その他 - - - -
焼却残渣 (t/日) 16.18 5.23 7.66 10.42
最終埋立量 (m3/年) 2903 2563 4301 6022
不燃物 1168 1094 2149 3097
灰 1735 1468 2152 2925
し尿焼却灰理立量(m3/年) - - 115 115
<財源> 【単位:円】
焼却処理施設 粗大ゴミ破砕処理
国庫補助金 446,085,000 277,650,000
起債 3,829,400,000 918,400,000
県補助 0 0
一般財源 1,276,565,000 306,150,000
その他 0 0
小計 5,552,050,000 1,502,200,000
消費税 166,561,000 45,066,000
総合計 5,718,611,000 1,547,266,000
<ゴミ処理施設庇備計画概要>
規模形式 90トン/日(16時間炉、45トン/日×2炉)
更新工期 平成7~9年度
目標値 熟灼波量 5%
排煙中煤塵量 0.02ミリグラム/N立米
排水 無
排ガス処理設備 有
前処理設備 有(粗大ゴミ)
用地 地番 安中市原市65(公有地)
面積 9550平米
地目 宅地
都市計画決定 平成6年12月
同意者 原市代表区長 池島五作 H6/8/26
(敬称略) 安中代表区長 有坂芳一 H6/8/26
および 磯部代表区長 山本政次 H6/8/25
(同意日) 安中5区長 中村藤二 H6/8/23
安中7区長 大野孝義 H6/8/25
原市1区長 有限英一 H6/8/25
磯部11区長 堀口 優 H6/8/25
碓氷川沿岸水利権者
連合会会長 金井方平 H6/8/23
上州漁業協同組合員 大塚金蔵 H6/9バ0
予算計上予算額 5,718,611千円(平成7年3月議会議決予定)
排ガス規制条例 大気汚染防止法第3条第3項又は第
4条による排出量の基準の適用状況 無
計画の背景
▼現有施設は稼働開始後20年を経過しており設備の損傷、老朽化が激しい。これに対しては装置の補修、整備により対応しているが、これによる稼働率の低下や補修費の増大は不可避。
▼計画当時に比べ現在のゴミ質の高カロリー化によって炉の容積や機器容量が不足し、そのため処理率が減少。これに対しては運転管理の(運転時間延長等)によって対応しているものの抜本的な対策が必要。
計画の目的
▼可燃物については焼却。不燃物は埋立処分。
▼ゴミ排出減量化図る。焼却破砕処理における減量化を図る。
▼ゴミ排出量の増大に備え、適正な処理能力、処理機能の維持向上に努め処理率を100%とする。
▼処理施設の稼働に伴い発生する大気汚染物質について監視し、今後ゴミの多様化に伴い混入する重金属や適正処理困難物についても実態を把握し、その対策を講ずる。
▼不燃物の金属物の回収、再資源化並びにゴミ焼却時に生ずる熱エネルギーの効率的な回収、再利用(温水利用等)に務める。
<計画諸元>
年間平均処理量(焼却対象)
計画収集人口 82,636人
計画一人1日平均排出量 766.77グラム
計画収集ゴミ量 63.36トン/日
計画直接搬入量 3.12トン/日
計画年間平均処理量 68.00トン/日
計画処理量 76.86トン/日
要整備規模 2H=45t/d ・ H×2H=90t/d
H=68.00t/d×1.13÷0.85=90.4 → 90トン/口
計画月変動係数分布
1月1.15 4月1.04 7月1.00 10月0,94
2月1.08 5月1.03 8月0.99 11月0.91
3月1.06 6月1.02 9月0.96 12月0.88
<ゴミ知理施設内容>
規模 45トン/16時間 × 2炉
ゴミ組成 低質ゴミ 基準ゴミ 高質ゴミ
水分(%) 61.3 45.5 27.8
可燃分(%) 30.3 43.6 59.2
灰分(%) 8.4 10.9 13.0
低位発熱量 1,000 1,800 2,700
(Kcal/Kg)
見かけ比重 0.24 0.24 0.24
炉形式 準連続燃焼式
焼却残渣の熱灼減量 5%以下
排ガス目標値 煤塵量 0.02 g/Nm3以下
HCl 3.29 1g/Nm3以下
NOx 150 pp以下
SOx 29.0 Mm3/hr以下
受入供給設備 ごみ計量機 ロードセル式、最大秤量25t
ごみビット 容量1,000m3(3日分)以上
クレーン 2基
燃焼設備 火格子
燃焼室熱負荷80,000~150,000Kcal/13/hr以下
排ガス冷却 水噴射方式
排ガス処理 バグフィルター
出口粉塵量 0.02g/Nm3以下
設計温度 200度C
塩化水素除去装置 湿式
除去率 50%以上
出口濃度 200ppm以下(酸素=12%)
排水処理設備 ごみピット汚水→炉内噴霧燃焼
プラント排水→生物処理+濾過→再利用
余熱利用設備 給湯
通風設備 煙突高さ 55m
灰出し設備 灰ピット容量 約90立米
施設面積 約9550平米
年間維持補修費 1年目 6,000,000円
2年口 9,000,000円
3年目 16,000,000円
4年目 36,000,000円
5年目 41,000,000円
<主な記述>
近年の新設される焼却施設が排ガスの高度処理施設を採用しているのは、これらの施設が公共施設として、ふさわしい公害防止対策を先取りして設置しなければならないという意識の現れであろう。
ダイオキシン類発生防止等ガイドライン(平成2年12月)に示されるダイオキシンヘの対策を含め、より高度な有害ガス除去装置の設置が必要である。
新施設の建設予定地である安中市原市は、市街地や磯部温泉と至近な位置にある。市民の自然保護、公害防止に対する意識は高く、施設の建設に対しては、環境保全に充分貧吝ごするよう要求されている。
SPM(大気浮遊微粒子)対策は、バックグランド値への寄与率をできるだけ低く仰えるためと、ダイオキシン対策を考慮して排出基準は0.02g/Nm3とする。窒素酸化物(Nox)は大気汚染防止法の排出基準250ppmに対し150ppm以下に設定する。硫黄酸化物(SOx)は大気汚染防止法の排出基準K値=17.5(157.5Nm3/hr)に対し、K値=3.25(29.0Nm3/hr)に設定する。塩化水素(HCl)について、大気汚染防止法の排出基準700mg/Nm3に対して3.29mg/Nm3に設定する。
<焼却施設のフローシート>
計量機
↓
ごみピット………>押込送風機………>燃焼空気
↓ ↓
焼却炉→排ガス→ガス冷却室→空気予熱器→→→
↓↑ ↓ ↓
↓ <…………温水発生器<……燃焼空気 ↓
↓ ↓ ↑温水 白煙防止空気加熱器
↓ 温水タンク ↓
↓ ↓ ↑給湯 有害ガス除去装置
↓ 場内 場外 ↓
↓ ダスト排出装置←←←←集塵機(バグフィルター),
↓ ↓ ↓
↓ 灰固形化装置 誘引通風器
↓ ↓ ↓
↓ ↓ダスト ↓排ガス
灰ピット 煙突
<粗大ゴミ処理・資源化フローシート>
粗大ゴミ 鉄アルミ類 不燃ゴミ
↓ ↓ ↓
投入ホッパー 投入ホッパー・破砕機
↓ ↓
前処理租破砕機 ワンウェイ瓶選別ライン
↓←←←←←←←←混合(黒、青、緑)
破砕機 茶→→→→カレット(貯留場)
↓ 透明→→→カレット(貯留場)
磁選機→→→→→→→→鉄類→→プレス機→→→鉄類(貯留場)
アルミ選別装置→→→→アルミ→プレス機→アルミ類(貯留場)
↓
不燃物分別装置
↓ ↓
可燃物 不燃物→→→→→→→→→→埋立地へ
↓
→→→→→→→→→→→→→→→搬送・ごみ焼却ゴミピットへ
<処理プロセス>
直接搬入ゴミ 収集ゴミミ
可燃ゴミ ネイチャーランド 可燃ゴミ 不燃ゴミ 粗大ゴミ 収集資源ごみ
3.12t/d 0.57t/d 63.36t/d 8.06t/d 3.17t/d 12.87t/d
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
↓ ↓(67.05t/d) ↓ ↓ ↓ ↓
ゴミ焼却施設 68.00t/d←←←←←粗大ゴミ処理施設 ストックヤード資源化物
↓ 可燃物0.95t/d ↓ ↓ ↓
焼却灰↓10.20t/d ↓ 資源化ゴミ 資源化ゴミ
↓ ↓ 0.631t/d 12.71t/d
最終処分場←←←←←←←←不燃物9.65t/d
※ネイチャーランド:松井田町の地域開発計画。
※数字はトレンド法による平成16年度の量を示す。
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■このように、当会では、タクマが受注して建設したこのゴミ処理施設の計画段階から監視してまいりましたが、コンサルタントによる計画策定段階から、人口の増加やゴミの増加を右肩上がりに過剰に見込むなど、そもそもはじめから談合ありきの計画だったことがわかります。
現在では、人口が計画値の8万2636人どころか、それより2万人も少ない6万3016人(10月1日現在)しかいません。そのため、2つある焼却炉は、交互に稼動させているだけで、まことにもったいない施設となっています。さらに談合で吊り上げられた事業費にくわえ、当時発生したタゴ51億円巨額詐欺横領事件で、まさに安中市民は泣き面にハチの状況でした。
そして、その状況は、この談合ゴミ焼却施設の起債に対する返済と、タゴ51億円事件の103年ローンとあわせて、我々安中市民の肩にのしかかり続けています。一方、これら2つの事業・事件に注がれたカネでよい思いをしている輩もいるのです。
【ひらく会情報部】