市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

51億円事件の真相をタゴにきくため千葉刑務所を訪れた当時の模様

2009-04-11 07:58:00 | 安中市土地開発公社事件クロニクル
■当会では、地方自治体としては、国内で最大級の巨額詐欺横領事件であるタゴ51億円事件の真相解明のため、合計4件の住民訴訟を提起してきました。このうち、タゴ51億円事件の温床となった安中市土地開発公社のずさんな土地保有と固定資産税の不課税について、タゴが原市の芝原団地の一区画を隣接土地所有者の市民の名義で勝手に登記して、土地ころがしをしていた事実の真相を明らかにするための裁判を通じて、タゴと面会しようとしたことがあります。

 この平成9年(行ウ)第1号違法確認請求事件として審理されたこの住民訴訟では、事件発覚から3年後の平成10年(1998年)5月8日(金)午後4時から、前橋地裁3階の3号和解室において第9回公判が開かれました。この口頭弁論の最後のほうで、被告中島市長(当時)の訴訟代理人の渡辺明男弁護士は、唐突に、「本件は、公拡法第5条が一番問題になっている。そこで実は、刑務所に服役中の多胡邦夫に面会してみようかと思っている」と裁判長に提案しました。

■このとき、田村洋三裁判長は、渡辺弁護士に「当人がどこの刑務所に居るのか分かっているのか?」と問うと、渡辺弁護士は自信たっぷりに「千葉刑務所と聞いている。これまでに既に市税務課の職員が二、三度、千葉刑務所に行って、タゴに面会しようとしたが会えなかったというので、今度は自分が行って面会し、証言を取りたい」と言いました。「多分、断られるだろうが、ぜひやってみたい」と渡辺弁護士は、力を込めて言いました。

 田村裁判長は「どれくらい(時間があれば)行って来られるか?それによって次回の公判の日取りを決めたい」と渡辺弁護士に尋ねました。同弁護士は「6月の頭に(千葉刑務所に)行きたい」と予定を述べました。

 これに対し、原告側として当会も、多胡受刑者への面会の必要性を痛感し、同受刑者の服役の様子などもさぐるため、急きょ翌5月9日(土)、千葉刑務所を訪れました。このときの模様は、当会が月間で発行していた安中市民通信「まど」1998年5月20日第29号の6ページと7ページに掲載したので、次に引用します。


↑千葉刑務所正門。これは記事掲載当時ではなく、後日撮影されたもの。↑
**********
タゴ受刑者に真相をききたい! 千葉刑務所へ突撃取材!!

 5月8日の住民訴訟第9回公判において、被告市長の訴訟代理人(渡辺弁護士)は、6月上旬に、千葉刑務所で服役中の多胡邦夫受刑者を訪ね、住民訴訟に関して証言をとりたい、と裁判長に申し出た。
 これに対し、原告側としても、多胡受刑者への面会の必要性を痛感し、同受刑者の服役の様子などもさぐるため、急きょ翌5月9日、千葉刑務所を訪れた。

<タゴに会わせてくれ>

 東京駅で総武線快速電車に乗り換え、千葉駅で下車。ホームの電話帳で「千葉刑務所」を調べると、「電話043・231・1191㈹、作業係232・6079、千葉市若葉区貝塚町192」とあるのを確認。網走と違ってここは番外地ではなさそうだ。持ってきた道路地図には、「貝塚町」は出ているが、刑務所は出ていない。いちばん近そうな「都賀駅」まで行くことにした。千葉駅からは総武線で二つめ、ここまで高崎からおよそ2時間。
 都賀駅前でタクシーに乗り込み、畑と住宅が混在するのどかな風景の中、10分ほどで千葉刑務所へ到着する。
 刑務所の入り口は、やや狭い市道の脇にあり、住宅街に囲まれてひっそりと目立たない感じだ。『千葉刑務所』の標柱の脇には、看板がいくつも掲げられていて、「CAPICキャピックショップ刑務作業品常設即売場、総桐ダンス、高級紳士服、籐製品、鎌倉彫、焼却炉など、お気軽にお立ち寄りください。」とある。
 「釈放出迎えのみなさまへ、釈放者の出迎えは、構内の混雑を避けるため、釈放者一名につき車一台、家族三名までに制限します。それ以外は人構できません。」など様々な注意書きがあり、面会時間は「午前8・30~11・30、午後1・00~4・00」とあり、ご用の方はインターホーンを押して用件をお話ください」とあった。

<塀の中をめざして>

 ちょうどお昼時で、職員も食事時間だろうと、時間つぶしがてら正門から反時計回りで刑務所のまわりを見て回ることにした。
 市道からそれて裏道に入ると、民家が途切れたとたんバリケードが置かれてあり、刑務所らしく高さ6mほどの塀が続いている。監視塔もあり、テレビ監視カメラも塀を真横からとらえている。裏門は大きなスライド式ドアで、トラックや物資の搬出入に利用しているようだ。
 生活道路の先に高い塀がのぞく風景というのも、刑務所ならではの風景だ。間近では塀が見えるだけだが、遠くから眺めると、公団アパートのような4階建ての立派な建物が塀越しに顔を出している。
 さりとて所内の様子はさっぱりわからないので、近くから所内を見下ろせる6階建てマンションの屋上に上がってみた。
 俯瞰(ふかん)すると刑務所内は相当広い、さきほど塀に沿って正門の反対側まで歩いてみたが、塀の距離だけで300mくらいありそうだ。敷地の端から端は500mほどなので、単純に計算しても15ヘクタールはありそうだ。
 所内の北隅には4階建ての近代的な建物がいくつも連なり、窓の格子さえなければ、まさに公団アパートか大手企業の独身寮のようだ。そこから南側へ渡り廊下が並び、平屋の作業棟がいくつも並んでいるのがわかる。
 長さ100mはあろうか、工場のような明かり取り用のFRP板が屋根についていて、隣にも大きな2階建ての作業棟と思しきビルがのぞまれる。
 とにかく建物がびっしりと並ぶ大施設であることにおどろいた。相当数の服役囚を収容しているのだろう。
 マンションを降り、ふたたび外周を歩き出す。昔の施設なのか、古びた建物が鉄条網と金網フェンス越しに数棟建っている。
 フェンスに沿って南へ進むと、大きな通りに出る。角には職員用の寮が建っている。
 大通りの脇に9階建てのマンションがあったので、最上階にあがり、さきほどとは反対側から(南側から北方向へ)刑務所内を俯瞰した。驚いたことに、広大なグランドがみえる。サッカーコートなら四面くらいはとれそうな広さで、立派なゴールまで備えている。芝生や植え込みもよく手入れされているようだ。
 マンションを降りて狭い路地を行くと、刑務所に接した側に小高い森があり、石段の奥に由緒ありげな神社があった。「大六天神社」という。
 ここから10mほどで刑務所の正門だ。歩いて一周するとおよそ20分くらいか。1キロ半はありそうだ。

<招かざる客>

 さて12時半をすぎたので、正門のインターホーンを押してみた。「刑務所の取材に群馬県からきたこと。服役囚に安中市の元職員がいて、詐欺横領で14年の実刑を受け、現在服役中であること。刑務所の概要を示した資料があれば、ほしいこと。服役囚に面会するにはどんな手続きが必要なのか教えてもらいたいこと。などなど、用件を手短に伝えた。
 すぐに上司らしい人物に替わり、「私たちは今日は宿直なので、そうした詳しい話は事務がいる平日でないとわからない。」と迷惑そうな応答。
 「せっかくはるばる群馬県から週末を利用してきました。平日はなかなか仕事で時間がとれない。お手間は取らせないから、立ち話でもちょっと話を聞きたい。」とこちらから食い下がる。
 「では門は開いているから、そのまままっすぐ進んで入ってきてほしい。」と入所のOKがでた。
 土曜日で確かに構内はひっそりとしている。まもなく左手に4階建ての官舎が数棟あり、子供が自転車に乗っていたり、主婦らが立ち話する光景がみえる。駐車場には職員の自家用車がならぶ。
 官舎手前の平屋の建物に、赤い矢印で「面会・差し入れの方の受付はこちら」と書いてある。
 正門からここまで200mくらい。どうやらここからが、本当の刑務所施設のようだ。格子のインターホンから声をかけると、まもなく制服を着た職員がひとり現れ、門を開けた。
 中に入れてもらえるのか、と期待したが、残念ながら職員は門を半開きにしたままで、結局そこで立ち話となった。
 こちらから用件を再度伝える。安中の51億円事件のあらましと、住民訴訟の経緯、また刑事記録ではいまだ巨額のカネが使途不明のままであること、そして民事裁判の結果次第では、巨額の負債のツケを市民がかぶりかねず、市民の間では行政不信が高まっていることなどなど。
 さらにその元職員はココで服役中であることは確認しており、市民の間でも元職員が現在どんな状況下で服役しているのか、たいへん関心をよんでいることも。
 また住民訴訟では元職員の証人尋問の申し立てをずいぶん前に裁判所にしているが、千葉刑務所のほうにはその話がきているか、確認したいこと、そのほか刑務所での一日のスケジュールもききたいし、施設の概要書もあればもらいたい、と付け加えた。
 応対した係官によると、「面会の場合、家族や親戚縁者のときには『面会願い』が必要で、あらかじめアポ(許可)をとってから面会ができる。皆さんのような場合、あらかじめ文書で『特別面会願い』を出してもらいたい。宛先は千葉刑務所長殿として、面会したい期日(ただし平日のみ)、面会の理由、誰が面会に来るか、について記載したモノを郵送すれば、所で検討して、許可不許可の通知を文書で送付する」という。

<ムショ問答>

 係官の話によると、千葉刑務所は長期刑の服役者を収容しているのが特徴で、この場合の長期刑とは8年以上の服役のことだという。受刑者の日課は、最近よくテレビの特集番組などで放送されているのと同じようなものと考えてもらえればよい、という。
 「テレビはあまり観ないので」と食い下がって粘ったが、全国各地の刑務所で法律により同じ日課をこなすので、という回答を引き出すだけにとどまった。
 服役者の部屋はどういったものか? 個室というか独房や相部屋もあるのか、と尋ねると、苦笑いして「とにかくそれぞれの刑の内容などによっていろいろある」とのこと。
 刑務作業は週40時間労働で、これは労働基準法に準拠しているのだそうだ。刑務作業は、それぞれの刑の年数に応じて生産するモノが変わるという。ただし個々の作業ではなく、共同作業だそうだ。
 またヤクザのような累犯囚と初犯とは、一緒のグループにはせず、完全に分離して混ざらないように配慮しているという。
 なお、殺人犯、窃盗犯、横領犯など、犯罪の種類に関わりなく、長期受刑者を収容しているそうだ。
 刑務所の施設の概要、面積、収容者数、職員数、施設配置、設立からの履歴などを記したパンフはあるが、「特別面会願い」の中の追記で資料請求するようにとのことだ。
 「特別面会願い」については様式はとくになく、前記の項目が記入されていればよいが、とくに『面会理由』については最も重要なので、しっかり書くように、とのアドバイスだった。
 15分ほどの立ち話の成果が以上のような次第だったのだが、もちろんタゴ服役囚との面会はアポなしでもあり、不可能だった。しかし面会の手続きだけでも確認できたので、さっそく千葉刑務所長あてに申請したい。

<ムショ界隈のエール>

 正門を出て再度刑務所の周りを一周しながら写真を撮っていると、80歳くらいのご婦人に声をかけられた。その方は近所に住んでいて、当会が写真を撮っている姿を見かけたので声をかけたという。
 「ひょんなことからこの近くに住むようになりましたが、やはり刑務所の近くというのは気持ちのよいものではありません。昔から住んでいる人にきくと、かつては脱走事件もあったそうです。警備には力を入れているようで、職員の数は相当数いますよ。受刑者を見かけることはめったにありませんが、昨年夏の昼下がりに、施設周辺の土手の草刈り作業をしている5名の受刑者を見かけました。一名ずつ見張りの職員がついていましたが、大声で受刑者を罵倒していたことかありました。」
 この婦人の話では、刑務所の正門脇に、帰性会(きせいかい)というのがあり、刑を終え、社会復帰する受刑者たちが出所前の暫定期間をここで過ごし、スムースな社会復帰をするための訓練をおこなうそうだ。
 「最近のニュースをみていると、不祥事や犯罪ばかりで、これでは刑務所が満員になるのではないかと、心配しています。」と婦人がもらす。
 「わざわざ群馬から出向いてこられたそうだが、あなた方のような気持ちを持つ人がたくさん増えれば、世の中もこんなにならないのにねぇ。」と最後に堅気の当方が励まされた。
【ひらく会情報部・編集部】
**********

■こうして、平成10年5月9日(土)に千葉刑務所を下見した当会では、刑務所の担当官のアドバイスにより、千葉刑務所に対して平成10年5月20日付で「特別面会願い」を提出しました。このころの状況については、当会が当時毎月発行していた安中市民通信「まど」1998年6月20日第30号に詳しく報告してありますので、次に引用します。

**********
『市民には面会したくない』不発に終わった特別面会願い

 51億円事件については、平成10年3月市議会の一般質問に対し市側から「真相解明調査は終了していますので、議会、市民に報告します。また引き続いて問題があれば調査します」
 「裁判の進行は早まっております。和解もありえます」
 「民事裁判中であり、仮定の回答は出来ませんが、財政調整・基金、庁舎建設積立基金等は議会の議決があれば使えます」(以上平成10年4月25日発行市議会だより第32号より)
という答弁があったことからも、群銀対市・公社で係争中の民事裁判では、近いうちに市民アッと言わせるような動きがあるやもしれません。
 一方、住民訴訟では、「まど」5月号でお知らせしたように、被告の安中市長は「タゴに面会して証言を取りたい」と言い出しました。そこで、当会でも千葉刑務所に対して平成10年5月20日付けで「特別面会願い」を提出しました。

<ムショへ特別面会願い提出>
 千葉刑務所長宛の書面には面会相手氏名、面会希望日時、面会希望人数のほか、面会目的を記入しました。とくに面会目的は念入りに書きました。

《面会目的》
 ・・・我々市民団体は事件の真相解明を追及中だが、巨額横領金は、未だ半分以上が使途不明。平成7年10月に、群馬銀行が公社及び連帯保証人の安中市を相手取り総額35億円の貸金返還請求を民事提訴し、現在係争中だ。事件の結果次第では市民に巨額な負担がかかる恐れがあると、平成8年4月8日刑事事件の判決で裁判長が言及し、市民は民事の行方を固唾を飲んで見守っている。一方、この事件で安中市行政の様々な分野で杜撰な事務運営の実態が浮き彫りになった。とりわけ厳格さを求められる税務関係の不正については、黙認出来ない。我々市民は公社分譲団地を巡る課税問題で住民訴訟を提起している。平成9年1月に提訴し、9回の公判を重ね、そろそろ証拠調べに入る見通しだ。この現状下で、我々は多胡受刑者に面会し、住民訴訟で法廷に出頭し人証尋問に応じる意思があるか、市民に対し事件の真相について今後語る意思があるかどうか、また手記などで事件の真相を記録に残す意思があるかどうか、本人に確認するとともに、事件の疑問点や不明点(巨額不明金の金額と使途、交遊関係、趣味、自分自身の所得税額及びその納税状況など)について質問するため・・・

 最後に追記として、次の資料を入手したいと申し入れました。
①貴所の概要(歴史、施設、職員、組織、配置、収容能力、年間予算)
②受刑者の日課及びスケジュール
③受刑者一人あたりの年間平均経費と、刑務作業から産み出される年間平均利益
④帰性会の活動内容
⑤刑務所が抱える諸問題や課題
⑥出所後の再犯率(刑期、犯行内容、年齢などの傾向)
⑦出所の条件及び手続き
⑧貴所に関する小冊子やパンフレット

<ムショからの返事>

 千葉刑務所からの回答を心待ちにしていたところ、平成10年6月9日に事務局に電話がありました。
 千葉刑務所の回答は次の通り。
「先般頂いた特別面会について受刑者に伝えて意向打診したところ、「親族ないし自分が依頼した弁護士以外には会いたくない」と、本人から願箋で返事が上がってきた。本人は、以前からもそういう意思を持っており、市民の皆さんが遠方から来ても、本人がそう言っているので、場合によっては会えずにお帰り頂くことになってしまうと思う。当所としても本人の意思を尊重しているので」

――ムダ足になるということ?
「実際、そういうことになると思い電話したわけです」
――本人の依頼した弁護士というと、刑事裁判の時の弁護士以外にはいないということですか?
「その辺はプライバシー的なところもあるが、いないらしい。本人が手紙あたりで依頼しているかもしれないが」
――そうですか?
「居るかもわからないが・・・」
――刑事裁判では2人の弁護士が熱心に弁護をしていた。彼等は国選弁護人ではないと思う。本人の家族が、いち早く相談に行っているからだ。これは刑事裁判の時の話ですが。
「そうでしたか。弁護士さんが担当していたんですよね」
――未決勾留期間200日間はずっと弁護士がついて刑事弁護してもらっていましたから。だから、本人が依頼する弁護士とは、どういう弁護士を対象として言っているのか・・・。

<市民との面会を嫌うタゴ>

「ええ、そうですね。もう刑事事件は終わったからね。刑事担当の弁護士を本人は知っているのか判らないが、いずれにしても、本人は親族や、本人が依頼した弁護士以外には会わないということを言っている。皆さんは車か鉄道で来るのだろうが、せっかく遠くから面会に来てもたいへんだ。こちらに来た場合には、直接面会という形になる。当所としては(市民が)来所するのは構いませんが」
――本人の意向はわかりました。行くかどうか検討して決めたい。
「皆さんが近くなら、いいんだが。今回、面会依頼があったから(当人が拒否したの)ではなくて、会いたくないと行って居るので」
――これまでに、安中市の税務課職員が二、三度面会に来たことがあるそうですね。
「そういう経緯もあります。もともと面会許可は、原則として本人の親族だけなので。ところで、追記として皆さんが要望されていたことだが」

<ムショ情報も非開示>

――所内の概要や、日課など、市民の多大な関心を呼んでいるので、ぜひ。
「そういうことは公表していないもので・・・」
――パンフレットなど何かありませんか。勿論、皆さんいらっしゃい、という宣伝の代物ではないだろうが、犯罪者の更生を通じて社会復帰させる業務は、日は当たらないかもしれないが、大切な仕事だと思う。収容人員などについても、公表できないんですか?
「施設の性格上、どうしてもね」
――では、刑務所を見物がてら、お話を聴くというのは?
「施設参観は、やっている。群馬県からも更生援護婦人会や、保護司の方々が来られている。その際には取扱いに注意ということで、印刷物を資料配布しているが・・・」
――ではキャピックの展示品拝見がてら伺えば(その資料は)頂けますね。
「いや、それはお渡しできない」
――受刑者が残していた事件で、安中は混乱が続いています。本人は、市民に会いたくないといっているようだが、当然、市民の活動は親族や弁護士を通じて知っているでしょうからね。
「ええ」
――ところで、我々が面会を希望した受刑者の所内での態度はいかがですか?
「ノーコメント」
というわけで、残念ながらタゴとの直接面会は、先方の都合で実現が危ぶまれる状況になってしまいました。
 また、刑務所の内部状況についても、刑務所側の情報開示は至難であることが判明しました。やはり、犯罪者以外の市民に開かれた刑務所と言うわけには行かないようです。
【事務局】
**********

■以上のように、当会では、いち早くタゴの所在をつきとめて千葉刑務所に赴き、直接タゴに面会を申し入れましたが、「面会したくない」として事実上、拒否されました。ところが、保護司の資格をもつ岡田義弘市長(当時・県議)は、いつでも刑務所の施設参観が可能な立場にありました。また、当時の中島市長時代の安中市政でも、タゴの尻拭いに財政調整基金を使おうという動きがありました。

 当時からまもなく11年が過ぎようとしています。状況は当時と変わらないどころか、当時よりもさらにタゴ事件の発覚前の状況に戻りつつある気がします。タゴは巨額使途不明金のおかげで、一生食うに困らない、しかも非課税の財産をせしめ、タゴから回った横領金で事業を発展させたタゴ一族による運送会社は、今度は、首都圏の重要なインフラ施設を大規模に破損させたにもかかわらず、実質的なお咎めがされていないという、異常づくしのファミリーとして、後世に語り継がなければならないでしょう。

【ひらく会情報部】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする