ボリウッドを代表する俳優シャー・ルク・カーンが主演を務め、インドで大ヒットを記録したミュージカル・エンタテインメント。1970年代、脇役俳優のオームは人気女優シャンティに恋をするが、シャンティは売れっ子プロデューサーのムケーシュと密かに結婚・妊娠していた。しかし、ムケーシュは、妻の妊娠を喜ぶどころか疎ましく思っており、ある晩、撮影中の映画のセットにシャンティを呼び出し、罠にはめて殺害。シャンティを助けようと駆け付たオームも、映画スターのカプール夫妻の車にはねられてしまい、搬送先の病院で息を引き取る。オームの死亡と同じ時、同じ病院でカプール夫人は男児を出産。その男の子はオームと名付けられて育ち、30年後、スター俳優として活躍するが……。(映画.comより)
出ました!元祖インド映画!3時間の長丁場、歌あり踊りあり、最近はおしゃれにアメリカナイズされたインド映画も多い中、こう言うのを見るとホッとしますねぇ(って、年寄りくさい?)。
主演は我らがスター、シャー・ルーク・カーン。彼の映画もたくさん見て来ましたね。さすがに歳を取りました。ラジニカーントほどではないけれど、こんな新人のピチピチギャルのお相手には少々見劣りするような・・・。
しかし、ラジニカーントでも、いまだに自分より若い母親役の女優と共に(笑)、青年の役をやるわけですから、ルーク・カーンにできないわけはありません。ラジューのように出世はしなくとも、人情と愛情はたっぷりです。
さて、ルーク・カーン扮するオームは売れない脇役専門の役者。でも、いつか大きく花咲いてやると思っていると当時に、看板スターである美人女優に本気で恋しています。常に彼女に恋しているため、エキストラ参加の彼女主演の映画でも、目は彼女にクギ付けです。
ある日、ふとした撮影アクシデントから彼女を救ったために、少しお近付きになります。喜びはじけるオーム。でも、実は彼女は有名プロデューサーと結婚していたのです。出世欲が強いプロデューサーは、彼女との結婚をひたすら隠し、スタジオ付きのリッチな親を持っている女性との結婚を企みます。そしてあろうことか、彼の子を身籠っていた彼女をスタジオごと焼き殺してしまうのです。
すべてを知ってしまったオームは、彼女を助けようとして自分も死んでしまいます。事なきを得たプロデューサーは、めでたしめでたし、ハリウッドに渡り成功するほどの実績を積んでゆきます。
ところが、オームは有名俳優の息子に生まれ変わっていました。その名もオーム。2世俳優として大成功を収めていた(新)オームに、ある日覚えのない記憶がよみがえります。そして、それは少しづつ鮮明に。最初は半信半疑だった(新)オームも、すべてが記憶通りに残っていることに感銘を受け、復讐を果たす決意をします。
歌あり踊りあり、そしてかなりのズッコケあり。こんなポップな復讐劇は珍しい。とっても楽しめます。でも、「どうせ思い通りのハッピーエンド」とタカをくくって見ていると、最後に「えっ!」と驚くことになります。
やっぱり、あんまりな悪事はいけませんね。天は見ているのです。清く正しく生きましょう(笑)。