田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

小さな村の小さなダンサー

2010年10月10日 16時00分34秒 | 日記
もう始まってずいぶん経つので、たぶんギリギリで鑑賞できたんだと思います。でも、見れてよかった・・・。

最初の舞台は中国の山村。小さな田舎の村で、運動神経がよかったのか、ついスカウトの目に留まってしまったのがリー。
働き者で優しい母とまじめな父、7人もの兄弟に囲まれて平凡に暮らしていたのに、トントン拍子に予選を勝ち抜いてしまい、実家に帰ることもできずに特訓を受けることに。

中国っていう国は、今でもそうなのかはわからないけれど、思想の統一が厳格だから思ったことを素直に言っただけでも糾弾されたりしてしまいます。そんな、総統(?)にたてつくつもりは全然なくても。

バレエの特訓学校でも、そんな理由でリーをかわいがってくれた先生が飛ばされる。
でも、それがバネとなって、決して優等ではなかったリーが輝き始めるのです。

そしてやがては国家の代表としてアメリカに行くこととなります。

初めての資本主義にとまどうリー。沢山の服やらものを買い与えてくれたバレエのインストラクターに「僕の父の年収は○○だ。それなのに、このたくさんのもの。どうしてこんなことするんですか。」と素直に尋ねるリー。

一昔前の映画を見ているようです。

しかし、才能があるうえ、努力家でもあるリーは頭角を現し、半年の滞在が終わるころにはすっかり人気者に。インストラクターと一緒に滞在の延長を申請するのですが、「これ以上いて、リーが資本主義に汚染されてはいかん」などという恐ろしい意見の元、却下されてしまいます。

そこで、悩みぬいたうえ、弁護士の進言に従ってアメリカ人の彼女と結婚することにします。
普通ならそのままアメリカに滞在できるはず。しかし、そうは簡単にはいきません。
リーは弁護士やインストラクターから隔離され、脅しを受けます。また、弁護士たちもあらゆる行動を取り始めます。
マスコミも騒ぐようになり、結果、リーの結婚・滞在は認められますが、彼は二度と祖国へ帰ることはできなくなります。

たかが(?)バレエのダンサー、な~んにも思想なんて口にしていないのに、なんでこうなるのかと思うような展開です。しかし、なるんです、きっと。

リーは家族が脅されている夢や、ついには処刑されている夢まで見るようになります。
せっかく残ることができても、これで幸せだったのでしょうか。
あまりのつらさに妻とも別れてしまいます。

ここで印象的なシーンがありました。リーが帰宅しても、家は荒れたまま。流しには食器がたまったまま、部屋も全然片づけられていません。
妻が帰宅したとき、リーがそれをなじると、妻は「私はあなたの母親じゃないわ」と言います。するとリーは「ああ、母親じゃない。僕の母は朝から晩まで一日中働きづめだった」と返します。

ドキっとしました。つい、「そうだよな・・・」って思ってしまいました。もちろん、彼の妻のように夢を追っているだけか、実際に働いて稼いでいるかで立場は違うと思いますが。

ともかく、バレエに打ち込むしかないリーはやがてアメリカでも有名になります。

で、時は流れ、時代が変わり、ある公演でリーは両親に会うことになるのです。
それはサプライズだったため、リーは泣き崩れてしまいます。会場は大拍手。私も貰い泣きをしてしまいました。

よかった、ほんとうによかった。

やがてパートナーと故郷を訪ねたリー。そこで例の恩師に会うことができ、「君が踊る姿をどれだけ見たかったか・・・」と言われて、パートナーと何もない広場で踊ってみせるのです。

それがラストシーン。素晴らしいですね!

あがらえない時代の波に翻弄されながらも、前向きに生き抜いた素晴らしさ。
自由に恵まれているはずの私たちよりも、ずっと強いような気がします。


あ、関係ないですが、カイル・マクラクランを久しぶりに見れて感動でした。ドラマ見ないもんで・・・。
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ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡

2010年10月08日 22時52分09秒 | 日記
モーニング・ショーで見てきました。
ちょっと「ブエナ・ヴィスタ・ソシアル・クラブ」みたいな感じかな~とか想像しながら。

舞台はコンゴ。(そういえば昔、「コンゴ」というつまんないアメリカ映画がありましたね・笑)
路上でくらし、動物園で演奏する障害者の人たち。
しかし、情報として知っているからわかるものの、彼らが自分仕様に改造した乗り物であまりに自由自在に動くので、障害者なんて一見わかりませんでした。

冒頭、足が悪いのか、ヒザをついてみんなと一緒に踊っている男性がいるのですが、あまりに自然で軽々踊っているのでわざとヒザをついているのかと思い、目を凝らしてしまいました。

ともかく、みんなが明るく元気で生き生きしているので、悲惨さはみじんもありません。

彼らが歌う歌も、現実から来ている歌詞なのですが、なるほどと思えることばかりでまるで教えを受けたような感じがしたり。

私は音楽の才能がないので、彼らの音楽自体を魂で聞いてうち震える、ということはできなくてとても残念だったのですが、それでも「すごいなぁ」と思うことは多々ありました。

まず、どの人もボーカルができること。楽器を演奏していながら、誰もが突然ふられても歌えるのです。
あと、一番若かった彼!
捨てるような空き缶と、なにやらミニ弓みたいなものを弦1本でつないだだけのもので、全音階が出せる、いえそれどころか半音も出せる・・・そんなことが可能なんですか?
素晴らしすぎる!

素晴らしすぎる彼らが、これからのコンゴを豊かにしていってくれることを願います。


そういえば、上映終了後、走って出てきて「CDください!」と言って買い求めていたお兄さんがいました。感動したんですね。
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イエスマン イエスは人生のパスワード

2010年10月05日 22時56分30秒 | 日記
ちょっと古いですが、ジム・キャリーの映画を鑑賞しました。

冒頭はなんだかくら~いジム、友人からの誘いもいいわけしまくって断るわ、だるそうに仕事してるわ、とにかくネガティヴオーラ放ちまくりのジム。
ブラッドリー・クーパー扮する親友が根気よく誘ってくれたり、自分の婚約パーティーに呼んだりと、あきらめずに友達してくれてる姿を見ると、「主人公は、昔はきっとすんごくいい人だったんだろうな」と思ってしまいました。

で、あまりのネガティヴオーラに、ついにある友人がある自己啓発セミナーに誘います。それこそが「yes!yes!yes!」が合言葉の「なんでも”yes”と答えよう」の教えだったのです。な、なんと、驚いたことに教祖さまがテレンス・スタンプ!思わず吹き出してしまいました。

これは知らなかった!ラッキー!実はテレンス、好きなのですぅ。
一番好きなのは「私家版」か「イギリスから来た男」かな。もちろん「コレクター」や「プリシラ」、もっとも美しく撮られていると個人的に思う「テオレマ」まで、他にも好きなものはたくさんありますけどね。


すみません、脱線しました。ともかく、この教祖さまに無理やり誓わされたジムは何に対しても「yes」と答えなければならなくなります。もちろん、最初は「noと言ってもバレないさ」くらいに思っていたでしょう。
しかし、「yes」と言うといいことが起きるのに、「no」と言うとやっぱりうまくいかないことが起きたりするのです。

それで、だんだんジムもその気になってきます。
この辺は映画なのでおおげさに描かれていますが、なんとなく「でもそうだろうなぁ」と思わせられたりします。

なんにでも「yes」と答える必要はないにしても、やっぱりポジティヴ・シンキングが大事なんだろうな、と妙に納得したりもしました(笑)。

で、若くて可愛い女の子に出会ったり(これがズーイー・デシャネル!公開時期は前後するけど「(500)日のサマー」の不思議ちゃん)、出世したりもするんだけれど、やっぱりどこかにきしみは出てきますよね。そこで、ジムは教祖様に質問をぶつけるのです。

そして教祖さまは答えてくれます。「なんにでも”yes”と言えと言ってるのではないんだよ。慣れるまではそう言って、そのうち自分で心から言えるようになる、ということなんだよ」と。

そして、ジムの映画らしくハッピーエンディング。よかった、よかった。

よく見るとハンサムなジム・キャリーもそろそろ中年。でも、顔芸は健在でした。


強く勧めるほどの映画ではないけれど、楽に見れて気分良くなる映画だと思います。あ!そうだ!味わい深いルイス・ガスマンも出てました。チョイ役ですけど。うれしいですね。
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TUNAMI

2010年10月03日 15時21分49秒 | 日記
これって、なんでローマ字?万国共通の言葉だから?しかも原題、違うし。
もう少しセンスのある邦題はなかったかなぁ・・・。

で、なにやらをギネスに申請したとか、まぁそれなりにいろんなこだわりがあるのだろうと思い、鑑賞したわけです。

映像はすごかった。真偽のほどはさておき、圧倒される映像でした。
しかも、たった一人、仕事熱心な研究者だけが警告しているのに、国の役人が一蹴するのもパターン通り。安心して鑑賞できました。

しかし、後半で軟化してくるとは言え、前半に出てくる女性たちの鼻っ柱の強さには辟易しました。何人もの女性がそう描かれるものですから、韓国の女性ってみんなこうなのかしらと思ってしまいそうでした。

反面、日本の女性だって、一歩外へ出ればこんな風に描かれているのかもしれない、と大いに内省したわけです。

さて、物語は韓国独特の人情ものに近い作風です。みんな、生まれた場所に同じ顔触れで住み、争いも友情もみんな定番。
そこに大津波が襲ってくる、というものです。(作中では”メガ津波”と呼ばれていました)
主人公に「ペパーミント・キャンディー」や、日本のNHKドラマ「聖徳太子」のソル・ギョング。しかし、彼が妙に若づくりで違和感を覚えました。
彼がねずみ男こと大泉洋氏に見えたのは私だけでしょうか?

ソル・ギョングは名優なんだから仕事選べば・・・。まぁ事情もあるでしょうけれど。

しかし残念だったのは、せっかく凄い映像に圧倒されてるのに、クライマックスで主要な登場人物だけが選ばれたように助かるところ。そんなことないだろ~。
あまりの不自然さに力が抜けてしまいました。まだこんな作り方するのね。

この波に乗って(?)「超強台風」も見てしまおうかしらん(笑)。
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