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(旧)小幡歯科医院歯科話

品川区目黒駅前小幡歯科医院の公式ブログです。一般歯科治療の話から体の健康の話まで幅広く語ります。

インプラント手術の後遺症

2008-01-25 10:03:00 | インプラント

たとえインプラントの手術が失敗して、インプラントを取り除くことになっても

後遺障害は残りません。

    

インプラントを取り除いた後は顎の骨が数ミリ減るのですが、顔の形が変わって

しまうようなことはありません。

               

ただし、インプラントの手術自体に後遺症が残るリスクがあります。

         

上顎は「蓄膿症」です。

     

上の顎には上顎洞という空洞があります。その空洞を突き破るようにインプラント

を入れてしまい、かつ感染してしまうと蓄膿になってしまいます。「蓄膿症」の症状

は鼻の横の痛みや腫れ、鼻づまり、鼻からウミがでる、頭痛、などです。

         

下顎は「神経麻痺」「神経のしびれ」です。

         

下の顎には太い神経(下顎神経)が通っています。インプラントを入れるときにこの

神経を傷つけてしまうと、神経麻痺や神経のしびれが生じてしまいます。

           

具体的には下唇の周りの皮膚の感覚がなくなったり、しびれる(麻酔が残っている

ような感覚)ようになります。

(顔面神経(顔の筋肉を動かす神経)とは関係ないので見た目には異常は起きま

せん。)

        

         

インプラント手術の後遺症はこの「蓄膿症」と「神経障害」です。

          

両者とも適正な長さよりも長くインプラントを入れてしまった時に起きるものです。

レントゲンやCTで術前にしっかりと骨の状態を把握しておけば、避けることのでき

るトラブルです。

             

         

小幡歯科医院

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/


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インプラント治療の矛盾

2008-01-24 10:00:00 | インプラント

インプラントの発展によって、歯を失っても自分の歯と同じように噛むことができる

ようになりました。

           

それによって、日常の診療も少し楽にできるようになってきました。

         

今までは、奥歯を治療している時に「この歯を失うと、患者さんは食事が快適に

できなくなってしまう。」というプレッシャーを常に感じながら治療していました。

        

インプラントを診療に導入してからは「最悪この歯を失っても、インプラントを

使えばまた歯を作ることができる。」という余裕ができました。

          

ただし、そこに大きな矛盾が生じるようになりました。 

             

歯が悪くなる前に抜いた方がインプラントがうまく入るのです。

               

基本的に歯はとことん残す方が良いと思います。自分の歯で噛むことが一番

だからです。

            

ところが歯が悪くなって限界まで残した場合、その歯を抜いてからインプラントを

入れると良い状態で入らないことがあります。

          

限界まで残さないで、少し悪くなった頃合に歯を抜いてインプラントを入れる

方が、良い状態で入ります。

                

つまり、インプラントを入れる予定なら、まだ使えると思う状態で歯を抜いた方が

うまくいく、ということです。

               

歯を抜く基準が、インプラントの登場によって変わってきました。

              

実際はケース・バイ・ケースですので、よく相談して検討することが大事です。

           

            


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閑話休題

2008-01-23 10:00:00 | インプラント

このブログでは多くの人が読むことを考えて、なるべく常識的な内容にするように

努力しています。

                                   

ところが、インプラントの内容に関しては読み返してみるとかなり主観的な内容に

なっています。つまり確固たる常識がないのです。

           

インプラントは市民権を得ていますが、今は混乱期ともいえます。情報が多すぎて

玉石混交の状態です。

            

インプラント治療のノウハウはかなり確立されてきています。

         

問題はどういう時にインプラント治療をすべきか、ということが統一されていま

せん。今はそれを確立しようとしている時期です。

             

現時点では、歯医者まかせにせずに患者さんがメリット、デメリットを把握し自分

にとってインプラントが必要な治療かどうか判断するべきであると思います。

             

             


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失敗後の処置(長期)続き

2008-01-22 10:00:00 | インプラント

インプラントがダメになっても、再びインプラント治療をすることがあります。

           

問題は、2度目のインプラント治療をどこの部位に行うか、です。

            

同じ場所にインプラントを入れられる場合は限られています。

              

別の場所にインプラントを入れて歯を回復させることの方が多いです。

            

そのため1回目のインプラント治療の時に、そのインプラントがダメになった時の

ことを考えて入れる部位を決定します。

          

1度目のインプラントがダメになっても、2度目のインプラントを入れて噛むことが

できるように治療計画を立てるようにしています。

         

もちろん1度入れたインプラントが一生もつことが理想ですが、、、、。


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失敗後の処置(長期)

2008-01-21 10:00:00 | インプラント

インプラントが10年もてば歯科の世界ではひとまず成功といえるのですが、実際

問題として10年は短いです。

         

歯科医にとっては10年は長いのですが、患者さんにとって10年は短いです。

           

年数の問題は置いておいて、インプラントがダメになった時のお話をします。

            

単純に二つの考え方に分かれます。

「もう、インプラントはしたくない。」と「またインプラントをしたい。」です。

             

余程短期間でインプラントがダメにならない限り、インプラントを入れた方はしっか

り噛めています。自分の歯と違って末期症状になるまでインプラントは痛くならな

いので、ダメになる寸前まで問題なく噛んでいます。

                

そのため短期間でインプラントがダメにならない限り、インプラントは悪い印象を

与えないものです。

              

そのため、「またインプラントをする」という選択をされる方が多いようです。


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インプラントの失敗(長期)続き2

2008-01-20 10:17:00 | インプラント

インプラントの悪化を止められないこともあります。

           

インプラントの状態が末期に近づくとどうなるのでしょうか。

           

一般的には痛みや歯ぐきの腫れはあまり起きません。

            

ただ化膿してウミが出るようになることがあります。歯ぐきが腫れていないのに、

ウミが出るというのがインプラントに特徴的なことです。

           

ウミが出ているのはすでに末期症状といえるのですが、痛みがなければインプ

ラントを抜きたくないというのが心情です。

        

そのため、痛みがなければウミを抑える処置をして様子をみることが多いです。

具体的にはインプラント周りの徹底的なクリーニングです。

           

最終的に痛みがでたらインプラントを抜きます。痛みが出ているということは、

骨にくっついていないということですので簡単にインプラントは取り除くことができ

ます。


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インプラントの失敗(長期)続き

2008-01-19 10:00:00 | インプラント

10年以内にインプラントがだめになってしまうことがあります。

         

インプラントがダメになる理由は歯周病(インプラント周囲炎)です。

         

ただし、歯と違ってインプラントは状態が末期になるまで痛みが出ません。

        

自分の歯は歯周病が初期の状態でも痛みが出て、警告を発します。ところが、

インプラントには神経が通っていないため余程歯周病が進行しないと痛みが

出ないのです。

            

痛みが出ないのはいいような、悪いようなことです。

            

症状を頼りにメインテナンスができないからです。具体的には悪くなっても気が

つかないので対応が遅れる心配があります。

         

インプラントの状態を審査するにはレントゲンを撮って調べるしかありません。

          

レントゲンを撮ればインプラントがどういう状態なのか確実にわかります。

           

レントゲンでインプラントの状態が悪化傾向にあると判断されれば、その原因を

探り出して悪化を防ぐ処置をしていきます。

            

悪化を防ぐ具体的な処置は「インプラント周囲のクリーニング」と「かみ合わせの

調整」です。レーザーが有効な時もあります。


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インプラントの失敗(長期)

2008-01-18 10:00:00 | インプラント

一度インプラントが骨についてしまえば、最低でも5年くらいはもちます。

          

ただ、5年でインプラントがダメになった場合は失敗です。歯科の治療では

「10年もたせることができたら成功」という基準があります。

                        

インプラントが10年以内にダメになる要因を以下に列挙します。

             

糖尿病がある

歯ぎしり、食いしばりが強くある

喫煙している

骨の密度が低い

歯(インプラント)磨きをしない

短いインプラントしか入らなかった

かみ合わせを適正に調整できなかった

放射線治療をしていた

            

経験上、歯周病になりやすい人で「糖尿病」「歯ぎしり、食いしばり」「喫煙」がある

人はリスクが高いです。

         

歯周病になりにくい人は、「糖尿病」「歯ぎしり、食いしばり」「喫煙」があっても

インプラントはうまくいきます。

                 

「骨の密度が低い」人や「短いインプラントしか入らなかった」場合でも、噛む力が

弱い人はインプラントが長持ちします。

                      

「かみ合わせを適正に調整できなかった」場合でも、噛む力が弱ければインプラン

トは悪くなりません。

                

噛む力が強い人にとっては、「骨の密度が低い」ことや「短いインプラントしか入

らなかった」ことはリスクが高いです。

       

上記のいろいろな要因が様々に影響しあってインプランとの寿命が決まるので、

簡単に予測はできません。

 

生活習慣で変えられること(禁煙、血糖値のコントロール、歯磨きなど)は、努力

して改善することによってインプラントの寿命はどんどん長くなっていきます。


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失敗後の処置(短期)

2008-01-17 10:00:00 | インプラント

手術後6ヶ月以内にインプラントがダメになることは、きちんとした手術をしていれ

ばほとんどありません。

          

埋入したインプラントが短期的にダメになる場合は、手術中に感触としてわかり

ます。

           

短期的にダメになりそう、つまり骨にしっかりくっつきそうもないと手術中に判断

されたら、インプラントは入れません。

              

ですから、手術中に慎重に判断していれば短期的な失敗はありえません。

          

もし骨の密度が低くてインプラントが埋入できなかった場合は、通常より太い

インプラントで再チャレンジするか、その部位はあきらめて他の部位を検討する

ことになります。


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インプラントの失敗(短期)

2008-01-16 10:00:00 | インプラント

インプラントの失敗には、短期のものと長期的なものがあります。

            

手術によってインプラントを入れても骨にくっついていないことがあります。  

         

原因は手術のミスか、骨の密度が極端に少ない場合です。

            

この場合、歯を入れても痛くて噛めません。失敗です。

            

つまりインプラントに歯を入れて噛むと痛いときは、その手術は失敗しています。

          

ただ、入れたインプラントの周りに骨が増生することがあります。この場合、術後

1~2ヶ月は噛むと痛くても4~6ヶ月様子を見ると痛くなくなることもあります。

 

この場合はインプラントは骨にくっついていますが、予断をゆるしません。

         

6ヶ月経っても噛むと痛い場合は、そのインプラントは骨にくっついていないので

取り除かなくてはなりません。


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インプラントの噛む力(続き)

2008-01-15 10:00:00 | インプラント

インプラントは自分の歯よりも強い力で噛むことができます。

          

それでは、上の歯も下の歯もインプラントの場合はどうなるのでしょうか?

                    

上下ともインプラントがしっかり入っている場合はインプラントがダメになることは

そうありません。

               

ただ厳密には噛むことに鈍感になっています。

             

それはインプラントには神経が通っていないからです。

          

人間の歯の周りにはとても敏感な神経が張り巡らされています。この神経がセン

サーになっていて、食べ物の中に変なもの(石のように歯では噛めないような硬い

もの)があればかんだ瞬間に気がつくようになっています。(「噛むと痛い」と感じる

のはこのセンサーによるものです。)

                

インプラントにはこの繊細なセンサーがありません。そのため噛んで痛くなると

いうこともありません。

    

そのため強く噛み過ぎることがあります。

             

上下ともインプラントの歯で強く噛みすぎた場合に、問題が起こるとすれば以下

の2つのことです。

     

インプラントに装着したセラミックの歯が壊れる

顎にダメージ(顎関節症)が生じる

           

上下にインプラントを入れた場合はこのようなことが起きないように注意する必要

があります。


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インプラントの噛む力

2008-01-14 10:00:00 | インプラント

インプラントはきちんと入れば、自分の歯と同じように噛むことができます。

            

まったく同じようにです。

           

実際は自分の歯よりも強い力で噛むことができます。

                               

ここに少し問題があります。

            

噛み過ぎてしまうのです。

             

例えば上の歯が自分の歯で下の歯がインプラントである場合、上の歯がインプ

ラントの噛む力に負けて悪くなってしまうことがあります。

           

悪くなるとは一般的には歯周病になってしまう、ということです。

                      

そのためインプラントの相対する歯が自分の歯である場合、自分の歯がインプ

ラントの強さによって悪くならないようにケアをする必要があります。

         

             


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傾斜埋入

2008-01-13 10:00:00 | インプラント

インプラントは歯が生える方向に沿って、真っ直ぐに入れることが理想です。

               

インプラントが真っ直ぐ入っているのと曲がって入っているのでは、真っ直ぐ入って

いる方がかむ力を自然に受け止めます。

              

ところが、インプラントを入れたいところに骨がないことがよくあります。

        

骨がないというのは骨格の問題で、生まれつきの体型のようなものです。

        

インプラントは海外で生まれたものですが、外人より日本人の方が「骨がない」こと

が多いです。論文に出てくる外人のレントゲンを見ると、「これなら目をつぶっても

入るじゃん!」と思うことがよくあります。

           

歯周病、インプラントについては日本人は少し不利な民族といえるでしょう。

                

ここで日本人の器用さの出番です。

            

骨のあるところを探し、斜めにインプラントを入れます。斜めにインプラントを入れ

ると、真っ直ぐに入れた場合よりも5ミリ前後長いインプラントを入れられることが

多くあります。

傾斜埋入の欄をご覧下さい。図でみれば一目瞭然です。)

             

これが傾斜埋入です。

             

真っ直ぐ入った短いインプラントよりも、曲がって入った長いインプラントの方が

寿命が長くなります。

                  

ただ、この傾斜埋入は時として「針の穴を通すように」難しいことがあります。

        

この場合、術前にCTを撮っていただくことがありますし、術中にもレントゲンで確認

しながら手術をします。その分、手術時間は長くなります。

            

入ってしまえば、インプランとが真っ直入っていても曲がって入っていても、噛む

感触は同じです。


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インプランとをできる人、できない人(続き)

2008-01-12 10:00:00 | インプラント

インプラント治療は顎の骨の状態によって、できる人とできない人に分かれます。

http://blog.goo.ne.jp/obatadc/d/20080104

            

インプラントを入れる部分の顎の骨の長さが短いと、良い状態のインプラントが

入りません。

                

ただ、少し発想を変えることによって良い状態のインプランとが入ることがあり

ます。

                

「傾斜埋入」といって、斜めにインプラントを入れることによって見た目上の骨の

長さより長いインプラントを埋入する治療方法です。


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無切開手術

2008-01-11 10:00:00 | インプラント

当院ではインプラントを無切開手術によって埋め込みます。

              

「無切開手術」とは文字通り、歯ぐきを切らないで行う処置のことです。

           

通常、インプラントの手術は、歯ぐきを切ってからインプラントを埋め込んで

最後に縫合して終わります。

         

歯ぐきを切ると術後に痛みや腫れが起こる可能性がでてきますが、切らなけ

ればその心配がかなり少なくなります。

           

実際は歯ぐきを切った方が手術がやりやすいのですが、「無切開手術」には

たくさんのメリットがあります。

           

手術時間が短くなること

後で痛んだり腫れたりしないということ

切らないので治りが早いということ

治りが早いので術後感染を起こす可能性がとても少ないこと

感染の心配が少ないのでこまめな消毒がいらないこと

           

などです。

            

歯ぐきを切らないといっても骨の中にインプラントを埋め込むのに、何故痛みが

でないのでしょう?

           

それは骨には敏感な神経が通っていないからです。

          

骨よりも歯ぐきを傷つけるほうが痛みが出ます。

               

インプラント手術と同時に歯ぐきの処置をすることがありますが、この場合イン

プラントの手術には痛みは出ないのですが、歯ぐきの処置に痛みが出ます。

              

当院で手術後に痛みが出たといわれる場合は、歯ぐきの処置を追加した場合

です。

                 

(この歯ぐきの痛みもレーザーによって和らげることができるようになりましたが。)

       

              

小幡歯科医院

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