中山11R 有馬記念
◎9.クロノジェネシス
○2.ブラストワンピース
▲14.サラキア
△5.ワールドプレミア
×10.カレンブーケドール
×12.オーソリティ
重厚なナシュワンの血を引く牝馬といえば、ホエールキャプチャもクロコスミアも、2歳時から素質を見せつつ古馬になってグンと成長し大活躍したのがまだ記憶に新しい。クロノジェネシスは秋天と比較しても無駄肉が削ぎ落されてしかし前後駆はバンプアップし、更に上向いて完成形に近づいた印象。古馬になってからは持続戦では宝塚記念も京都記念も完勝で、内回りを立ち回る脚もある。空前絶後の“牝馬の年”を横綱相撲で締めくくる。
ブラストワンピースは中間の追い切りや体つきを見ると仕上がりは今年一番か。一昨年の覇者で、今のタフな馬場はピッタリだし、新進気鋭の関東リーディングジョッキーが最内を立ち回る。
エリ女組では最も母系にスタミナがありデインヒルのパワーも表現されているサラキアをとりたい。馬群にさえ入らなければここも最後まで脚を使うはず。
フィエールマンやラヴズオンリーユーはずっと大箱向きだと書いてきたし印は入れない。ワールドプレミアはひと叩きして明らかに上向いているので押さえる。
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例によってNETKEIBAの全頭血統解説より1~3着馬を
クロノジェネシス
母クロノロジストはビーチサンバと同血の間柄で、本馬の他にもノームコアやハピネスダンサーなどを産んだ名繁殖。母母インディスユニゾンはフサイチエアデールの全妹にあたる。昨秋から馬体充実が顕著で見る見る本格化し、タフな馬場となった宝塚では粘着力とパワーで歴史的な圧勝。秋天は東京のスローで鋭さ勝負になってはカナロア産駒やディープ産駒に分があった。レース上がりが35秒以上かかったときは[3-1-1-0]。タフなレースでの信頼度は群を抜く。(距離○スピード○底力◎コース◎)
サラキア
サリオスの3/4姉で、サンタフェチーフの姪。母サロミナは独オークス(独G1・芝2200m)勝ち。母父Lomitasは独年度代表馬で独リーディングサイアー。この母方が強い体型体質で、ディープ産駒にしては斬れ味は並だが、古馬になってますますハイペリオン的に粘り強い脚質になってきた。気難しいオリオールの血を引くので馬群を嫌がる面はまだあり、最近は外から差すパターンで好走をつづけている。おそらく長距離はOK。気分よく走ればここでも。(距離◎スピード○底力◎コース○)
フィエールマン
母リュヌドールはリディアテシオ賞(伊G1・芝2000m)勝ち馬で、他にルヴォワールやラストヌードルを産んでいる。母父Green Tuneは仏2000ギニー馬。母母父Noir et Orはディクタスと似た仏スタミナ血統で、重厚なフランス牝系のディープ産駒だから大箱向きの斬れが自慢だ。母系にプリンスリーギフトが入って前駆のいい走りで、京都長丁場には確たる自信をもつ。秋天はスローで追走が楽で豪快に追い込んだが、中山内回りはちょっと差しにくい。(距離◎スピード○底力◎コース○)
今年の有馬記念は調教やパドックで目につく馬、好調と思わせる馬がけっこう多くて、内からブラストワンピース、ラヴズオンリーユー、ワールドプレミア、キセキ、クロノジェネシス、オーソリティ、サラキア、ここらは前走以上か今年一番という出来だったのではないかと
フィエールマンはこの馬にしては前捌きが少しゴツゴツして、秋天が東京仕様なら今回は中山仕様につくったのかという言い方もできると思うのですが、いずれにしても中山内回りのコーナーで馬を抜いていくような芸当はできない馬ですから、スローと見るやポジションを押し上げていったルメールはさすがやったし、ブエナビスタやエアグルーヴのようなストライドホースの強い負け方やったと思います
キセキが今回は出遅れてしまい、しかも鼻革の効果かペースが緩んでも後方で我慢して走れていて、そのためバビットの単騎逃げは中盤が緩み、クロノジェネシスがジワジワと動きはじめて残り1000mを60秒で走る争いに
スタミナとパワーで振り落としていくというほどの持続戦にはならなかったので、宝塚のような大きな着差はつきませんでしたが、直線で先頭に並びかけていく時点でこれはもう負けようがないという、横綱が四つに組んで土俵際にジワリジワリと寄り立てていくような、クロノジェネシスは実に凄みのある勝ち方でした
とうとう馬体重を474キロに乗せ、オークス出走時が432キロなのでそこからだと40キロ以上増ですか、ちなみにクロコスミアは16年フローラSが400キロで19年エリ女が448キロ
パドックを見ると、クロノジェネシスだけがこれ中に何か違うものが詰まっとるぞという体で、欧州の一流馬がこんな感じですよね、見た目よりも中身が詰まってて馬体重があるというね
ラッキーライラックなんかは立派な見た目どおりの520キロのアメリカンという感じで、そういう欧米の馬体の実の入り方の違いみたいなことも今日のパドックでは体感できました
サラキアはディープ牝馬ながらデインヒルのパワーとドイツ血脈のスタミナを感じさせる馬で、今あだ名をつけるなら「デインヒル風味のワールドプレミア」でしょうか、タフ馬場の中山2500という舞台ならばエリ女組最有力と考えられました
母母父Tiger Hillの母系にAureoleの血が入るので、馬群を割るようなケイバは今でも得手ではなく、だから少頭数や外枠やハナを切れそうなときはいつも狙ってきましたが、10頭立て以下[2-1-0-0]、7枠に入ったとき[2-3-0-0]、逃げたとき[0-1-1-0]
北村友はサラキアに乗ると必ずどこかで外に出すので[3-2-0-0]とオール好走、夏のコンビ再結成から快進撃ははじまり、今日もテン乗り松山はじっくり構えてみごとな大外一気、後出しといえば後出しなんですが、斬れ味というよりも地力や持続力でグイグイ追い込んだという2着でした
そんなわけで宝塚のようなド圧勝にはなりませんでしたが、有馬を勝った女傑としてはリスグラシューやダイワスカーレットに比肩する“エヴァーグリーン・ハイペリオン”な勝ち方
バゴの娘が、Nashwanの孫娘が、欧州仕様の名馬についに完成したのだから、来年は欧州の大レースを狙ってほしいなあ…とも思います
今年もありがとうございました!
来年も一年中無事に開催されることを祈るばかりです。
望田さんの◎○と重なることが多く、
重なって嬉しい半面
「いや私はnetkeiba見てません」と焦りました。
これも、ここで勉強させてもらってる成果が
ようやく出て来たのかなと思っています。
今年もありがとうございました。
引き続きお邪魔いたしますのでよろしくお願いいたします。
ダノンは大井ならこないだのメンツには負けんでしょう
ハナズの前走は強いのは強かった
ヒストリーはサラキアのようにどこかで外に出せれば
タナパクくらいしかいないんじゃないか?
来年も宜しくお願いします。m(__)m