栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

8/8,9の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2020-08-10 11:26:02 | 血統予想

今年もパカラさんちにて、パカラ参加牧場がサマーセールに上場する馬のなかから、面白そうな配合を何頭か取り上げていますので、お目を通していただければ幸いです
https://pacalla.com/article/article-2917/


『一口馬主好配合馬ピックアップ(2019)』と『望田潤のPOG好配合馬リスト(2020)』で望田潤が推奨したオーソクレース(牡2歳)が日曜札幌5Rの新馬戦(芝1800m)を勝ち上がりました。

★キャロットクラブ
父エピファネイア
母マリアライト(ディープインパクト)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018105280/
牡 募集価格:8000万円
母マリアライトは宝塚記念とエリザベス女王杯に勝った女傑。その母クリソプレーズはリアファル、クリソライト、クリソベリルなども産んだ名繁殖。マリアライトは繁殖としても当然期待大ですが、エピファネイアとの配合はサンデーサイレンス4×3、Sadler's Wells≒Nureyev4×5・6など密な父母相似配合になります。その狙いどおりに、まさに父と母を足して割ったような馬が出ました。エピファやディープの柔さしなやかさと牝系のパワーが、絶妙なバランスで表現されている…と唸るしかない馬体と身のこなしです。アラブラの極みというべき血統ですが、大きな期待に応えてくれる素材でしょう。(望田)

オーソクレース(牡・父エピファネイア・母マリアライト)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018105280/
女傑マリアライトの初仔で、クリソベリルやリアファルの姪。母母クリソプレーズの全弟にアロンダイトがいる。エピファネイアとの配合はサンデーサイレンス4×3、Sadler's Wells≒Nureyev4×5・6などきれいな父母相似配合になり、両親ともにG1ホースだから高い能力が伝わる確率は高い。思ったよりRoberto方面に振れてきたが皐月賞でもいいです。(望田)

『ディープインパクト好配合リスト(2020)』で栗山求が推奨したランドオブリバティ(牡2歳)が日曜新潟5Rの新馬戦(芝2000m)を勝ち上がりました。

★ランドオブリバティ(牡・母ドバウィハイツ)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018104700/
リバティハイツ(フィリーズレビュー)の半弟。この兄弟の長女で、本馬の全姉でもあるリーチザハイツを5年前の当欄で指名したが、新馬戦(4着)を走っただけで引退してしまった。「ディープ×Dubawi」の組み合わせは6頭出走して3頭勝ち上がっているものの、まだ大物はいない。Shareef Dancer、ダンシングブレーヴ、Mr.Prospectorを併せ持っているので、いかにもディープインパクトに合いそうな配合構成だ。母ドバウィハイツはイギリス産ながらアメリカへ渡ってイエローリボンS(米G1・芝10f)、ゲイムリーH(米G1・芝9f)などを制した。速い芝を苦にしなかったのは評価でき、繁殖牝馬として重賞勝ち馬を産むことができたのもその能力の賜物だろう。本馬はAlzao≒Shareef Dancer≒ダンシングブレーヴ3×5・5。配合は素晴らしい。(栗山)

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オーソクレースはツアーの周回展示では同じ場所で同じ何かに怯えて毎周暴れてて、入厩してからも気性的に危うい的なコメントがちょくちょく出てましたよね

直前の追い切りでも手応え十分なのに、外からかぶせられたら手間をコロコロ替えて最後まで抜こうとせず、そんなややこしそうな気性だけに、最内を引いてしまって悲鳴を上げているキャロ民が散見されました(^ ^;)

レースでは馬群のなかでも落ち着いて走れてて、直線外に出したら動きと加速が違いましたが、そんな気性を考慮してか緒戦からビッシリ仕上げるという感じじゃなかったようで、パドックの馬体は明らかに余裕残しでした



エピファネイア×ディープインパクト(エピディープ)はJRA出走25頭中7頭が勝ち馬で【勝ち馬率28%/平均賞金が519万円】、エピファ産駒全体だと【勝ち馬率32%/平均賞金683万円】ですから、データ的には今のところややアンチニックスと言わざるをえない(ディープの肌ということはそれなりの良血の繁殖ですからね)

エピディープはHabitatとSir Ivorを通じるSir Gaylordのクロスになりますが、Sir Gaylord(≒Secretariatなども含む)のクロスをもつエピファ産駒は69頭出走で19頭勝ち馬で【勝ち馬率28%/平均賞金514万円】で、線が細く後駆が非力に出やすいSir Gaylordの弱点のほうが伝わりやすい配合といえるのではないかと

しかし下記のように、母母にSadler's Wellsの血が入る馬、つまりSadler's Wellsのクロスをもつエピディープは、出走5頭中4頭が勝ち馬とほとんど勝ってます



ちなみにSadler's Wells≒Nureyevの3/4同血クロスをもつエピディープはオーソクレース(Sadler's Wells≒Nureyev4×5・6)しか出走例がないのですが、シルク募集のルールブリタニア19はSadler's Wells≒Nureyev4×5のエピディープで、馬格があって大人気を集めてました(たしか1人気?)

Sir Gaylord的非力さがオンになりやすいエピディープの弱点をカバーするには、ヌレサドクロスはある程度有効だろう…という考察は、エピカメサンデーの成功からも裏をとれますよね

先週はモーリス休火山がついに爆発、新馬3勝の大暴れで盛り上がってまいりましたが、全4勝の内訳は以下のとおり



全て新馬勝ち、洋芝と渋馬場、牝馬が3頭、ほとんどが先行、そして自身の上がりが34.9~35.2

つまりモーリス産駒は、上がり35秒で間に合う馬場やコースで、先行して35秒で上がって勝っている

血統的にみて「だから」な能力は伝わりやすいが、「なのに」な能力は伝わりにくいというのが持論で、モーリスはスクリーンヒーロー×カーネギーだから頑強で闘争心に富み、スクリーンヒーロー×カーネギーなのにマイルで驚くようなスピードを見せつけたわけで、やっぱり「なのに」なほうはあんまり伝わってないというべきかと



カーネギーはBold Reason≒Never Bend3×3で、このNever Bend的ラトロ的な立ち肩をよく伝える血で(Never Bend肩の凱旋門賞馬といえばTreveの超ピッチ走法も思い起こす)、モーリス産駒が掻き込み気味に走ってイマイチ斬れないのはその影響が強いからやと思うんですが、ストゥーティはパドックや返しを見ても前肢がきれいに出るんですよね

クレバー「ぼく祐一のモーリスから買います」
望田「これモーリスっぽくないモーリスですよね」
クレバー「はい、隣のモーリスはモーリスですが(笑)」

母リラヴァティ(マーメイドS)はHalo3×4らしい脚捌きで走った馬ですが、母がHaloクロスをもつモーリス産駒はこのストゥーティが初出走で、カーネギーのNever Bend肩をHaloの継続クロスで矯正するというのは、ひとつ有効なパターンになるかもしれませんね



あとモーリス産駒は1歳の頃からノーザンの坂路を真っすぐ駆け上がっていたように体幹が確りしてて、雨でノメるような馬場でもバランスを崩さず走ってるように見えます

逆にドゥラメンテ産駒は道悪で追うとバランスを崩してフラフラ走っていて、道悪はこなす血統なんですが、緩くて芯が通ってない若駒のうちはあんまり上手に走れないんじゃないかと、土日のケイバを見てるとそんな気がしました

全身運動で走る馬ほど体幹が大事なのは言うまでもなく、ドゥラメンテ自身も皐月賞をぶっこ抜いたときだってまだビッと芯が入ってる感じじゃなくて、うねうね走って4角を斜めに走ってストライド爆発やったんですよね

コメント
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