栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

イナリワンの思ひ出

2016-02-07 23:47:23 | 配合論

イナリワンの思ひ出はいろいろありますが、やっぱり南関で天下を取った後中央に殴り込んできて、デビュー3年目のユタカとのコンビで、春天と宝塚を文字どおりぶっこ抜いたのが強烈なインパクトとして残っていますね~

まあ今で喩えるとですね、帝王賞や東京大賞典でタルマエと勝ったり負けたりしていた南関東の王者スケロク(父キングカメハメハ)が電撃の中央入り、ベテラン四位とのコンビで芝に挑戦するも、どうも折り合いが不安定で大阪城S4着、阪神大賞典5着と今ひとつ弾けず

「なんや乗りにくそうな馬やけど、やっぱりダート向きなんかなあ…」とみんながそう思っていたところ、新進気鋭の石川くんとの新コンビで春天に出たらきれいに折り合ってサウンズオブアースを5馬身ちぎり捨て、つづく宝塚でも横綱相撲でイスラボニータを寄せつけずG1連勝、というぐらいのインパクトかな

配合はNasrullah4・5×4でオーソドックスな「3/4Nasrullahクロス」、Mill Reef(The Tetrarch5×6・7)にGrey Sovereign(The Tetrarch4×5)にセフト(父Tetratema)で、当時のサラブレッドとしては最高にしなやかで優雅なストライドで走る馬でした
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1984106229/

ミルジョージの牝馬で最も優雅だったのは岡潤一郎の愛馬リンデンリリーで、これは母父がキタノカチドキでNasrullah4・5×5、そして母母はガーサントとセフトを通じるTetratema4×4
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1988104764/

AlmahmoudはThe Tetrarch4×5、CosmahはThe Tetrarch5×5・6、イナリワンが柔らかいのもリンデンリリーが柔らかいのも、Haloが柔らかいのもサトノダイヤモンドが柔らかいのも、ロジックは30年経っても何も変わらない

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日曜の重賞回顧~弱点皆無の3連勝

2016-02-07 17:21:45 | 血統予想

京都11R きさらぎ賞
◎9.サトノダイヤモンド
○4.ロワアブソリュー
△2.レプランシュ
△3.ロイカバード
サトノダイヤモンドは母マルペンサがヘイロー4×3、ノーザンダンサー4×4、ナタルマ4×5・5と、血統表の3/4でアルマームードのラインを何重にもクロスしていて、自身はヘイロー≒サーアイヴァー3・5×4・5。ポンとスタートを決めて好位で超スローを折り合いピタリ、内回りの4角でもスムーズな加速で、直線ゴーサインが出たら速やかに反応して抜け出す。まだ体質的には緩さも残るが決して非力ではなく、レースぶりが大人びていてセンスが良くて何でもできそうで、ここも京都外回りで抜群に斬れるほどの馬は見当たらないから、優等生なレースでスキは見せないだろう。ロワアブソリューは「父中距離×母スプリンター」らしいフワッとした先行脚質で、今の京都はイン伸び優勢だし、ここはスローに落として逃げられそうで相手本線。ロイカバードはどちらかといえば内回り向きの脚質なので、外回り1800mで人気ほどのパフォーマンスを期待できるかは少し微妙だろう。

東京11R 東京新聞杯
◎2.ダノンプラチナ
○11.ダッシングブレイズ
△3.エキストラエンド
△6.スマートレイアー
ダッシングブレイズは配合はずっとほめてきたし重賞を勝てるぐらいの力をつけてきたが、典型的なマイラーではなく1800mぐらいが合っている馬だろう。ここもサトノアラジンぐらいは斬れるだろうが、東京マイルならばダノンプラチナの格は限りなくG1に近い。2頭の斬れ味勝負が楽しみだが、馬券的にはスローをインから鋭く差す脚があるエキストラエンドとスマートレイアーを拾いたい。

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サトノダイヤモンドは今日も中団で折り合いピタリ、直線ゆっくり追い出されると涼しい顔で加速して、他のディープ産駒を置き去りにし、いつもどおりの優等生な競馬で全くスキを見せずに完勝

伸びのある体型で脚も長く、ディープ産駒らしい柔らかさがあるので他馬より大きく動けるのですが、一方でHaloのクロスに的を絞ったような配合ですから動きや脚捌きに無駄がなく俊敏で、また手先のパワーも十分で荒れ馬場や道悪を苦にせず、「柔らかく大きく、強く速く」動ける一流馬

父よりも伸びのある体型は母系に入るBuckpasserの影響が強いとみていますが、POGで推奨したときはもっとマイラー型に寄るんじゃないかと私は思ってましたね

それに加えて従順で大人びた性格で道中無駄なことを一切せず、デビュー戦から歴戦の古馬のような優等生なレースで、いずれも負けようがないという内容で3連勝

父ディープインパクトと比較すると、しなやかさや俊敏さではさすがに少し見劣りますが、操縦性や展開馬場などの対応力はサトノダイヤモンドが上でしょう

タレント揃いの3歳世代の中でも弱点の少なさでは最右翼で、どんな条件下でも満点に近いパフォーマンスを出せるので、この馬を負かすとしたら特定の条件下で120点を叩き出せる一芸タイプかもしれません

だから春は二冠とも有望だけど、二冠とも2着というビワハヤヒデのような蹄跡もイメージできるのですが、皐月もダービーも4角で涼しい顔で好位にいるのは間違いなく、誰もが認める戦国クラシックの主役に躍り出た3連勝でした

2着争いは後出しジャンケンというよりも、外回りでこれぐらいペースが流れるとストライドで加速しないロイカバードは最後苦しかったというべきかと

ロワアブソリューは怖がりらしいし、オンザロックスにハナを叩かれた時点でノーチャンスでした

以下「重賞の見どころ」より再掲

サトノダイヤモンド
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013106101/
母マルペンサはR.V.マンシリャ大賞典(亜G1・芝2000m)などの勝ち馬。母父Orpenは名マイラーLureの代表産駒でモルニ賞(仏G2・芝1200m)勝ち。マルペンサはHalo4×3、Northern Dancer4×4、Natalma4×5・5と、血統表の3/4でAlmahmoudの血を何重にもクロスしている。自身はHalo≒Sir Ivor3・5×4・5。ポンとスタートを決めて好位で超スローを折り合いピタリ、内回りの4角でもスムーズな加速で、直線ゴーサインが出たら速やかに反応して抜け出す。まだ体質的には緩さも残るが、とにかくレースぶりが大人びていて何でもできそうな馬だ。ここも京都外回りで抜群に斬れるようなタイプは見当たらないから、優等生なレースでスキは見せないだろう。

ロイカバード
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105760/
フォールズシティH(米G2・ダ9F)などに勝ったWine Princessの半弟で、母アゼリは通算24戦17勝(うちG1は11勝)、北米年度代表馬(1回)と北米古牝馬チャンピオン(3回)の女傑。ジェイドハンター×Ahonoora×トライマイベストだからパワーと粘りで走る血統で、そこにディープインパクトのしなやかさが加わった中距離馬。バーンと弾ける脚はないが、福寿草特別でも3~4角で前に取りついて抜け出す脚が速く、ディープ産駒でも斬れ味より機動力に持ち味があるタイプといえる。新馬戦ではサトノダイヤモンドに完敗だったが、京都外回りでは雪辱は難しいかも。

ダノンプラチナの仕上げが手ぬるいという話も耳に入ってたんですが、パドックを見てもたしかに少し緩んで見えたんですが、どうせスローで上がりだけの競馬だろうから少々緩くても斬れ味が違うから、と思いつつも若干の嫌な予感があったので弱気に◎○→△の3連複(^ ^;)、富士Sほど弾けなかったのはイン伸び馬場で外を回ったぶんと緩かったぶんでしょう

パトロールを見るとダッシングブレイズの前にはギリギリ一頭ぶんスペースはなかったと言わざるをえず、それでもイチかバチか突っ込みたくなるほどの期待馬やったんでしょうが、ダンスディレクターもロジクライもイン差しで見事に勝たせてきた浜中にとっては苦い結果に

スマートレイアーは米子Sでミルコがいきなりフワッと先行させたのが圧巻でしたが、テン乗りなのに勇気を持って出していってスローに落とした吉田隼人の騎乗も負けず劣らずで、G1を勝って一皮むけたのかと思わせる会心の逃げ切りでした

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日曜のボツ予想~Nijinskyの差しを狙え

2016-02-07 10:23:30 | 血統予想

春菜は◎メンデンホール
ミッドサマーフェアの半妹で、母はMr.Prospector2×4、Northern Dancer4×4・5、母母がStorm Bird≒The Minstrel2×3、そこにアウトブリードのアドマイヤムーンが配された緊張→緩和のメリハリが良い配合
“女レオアクティブ”というイメージのパワーマイラーで中山1600がピッタリですが、コントレは明らかに中山より東京のほうが買える乗り役だし、前走並のパフォーマンスが出せればモノはここでも一枚上だろうと

早春は前の○グランアルマダか後ろの◎トルークマクトか、今の東京なら前残りから入るのが吉かもですが、トルークはCaerleon3×4で母父High ChaparralもSadler's WellsとMill Reefの組み合わせなので、血統表の3/4でNorthern Dancerとナスキロラトロをクロスする配合で、その配合どおりラトロ肩で掻き込むけれど体質は柔らかくて東京2400が最も斬れる、というより東京2400しか斬れない馬
Caerleonのクロスは揉まれ弱い気性の馬が多く、たとえばスキャン持ち牝馬にメイショウボーラーを配してCaerleon=Videoの全きょうだいクロスなんて面白いことやってみると、ジューンロディにメイショウイチオシにドリームハヤテと見事に揉まれ弱い逃げ馬ばかり出てきます
この馬も直線は一番外に出さないと伸びないところはあって、東京2400でも稲城特別は馬群の中で突っ張った走りのままゴールしてましたが、そういう性格を理解している主戦に手が戻るのに加えてこの少頭数は歓迎、昨秋の東京で連勝は10頭立てと11頭立てでした

「母系にNijinskyを入れてMr.Prospectorをクロスするのがプリサイスエンド黄金配合」と毎年種牡馬辞典で書いてますが、代表産駒グロリアスノアをはじめ、ロラパルーザ=ラローザブル、テイムエイム=カフジテイクなど全きょうだいが高確率で走る黄金配合
東京最終の◎ダウトレスは母父ダンスインザダークですからロラパルーザ=ラローザブル兄弟やノースランドボーイ=ノッティングボーイ兄弟と同じパターンでもあり、このプリサイスエンド×ダンスインザダークも全ダ18勝中15勝が1600m以上、母オナーリーブはダ1700で3勝、なぜか1400に絞ったローテでここまできましたが、前走の勝ち方を見ても1F延びればレースがもっと楽そうなイメージ
ちなみにこれも種牡馬辞典で毎年書いてますが、「同父のスウェプトオーヴァーボードとの比較では、こちらのほうがスピードは落ちるぶんダート向きで距離適性は長めで、東京ダ1600の下級条件がオーソドックスな狙いどころ」なのがプリサイスエンド

「No.1予想」ではきさらぎ賞を、「馬券総合倶楽部」ではきさらぎ賞と東京新聞杯を予想していますので、日曜もよろしくお願いします

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