東京11R NHKマイルC
◎10.アルマワイオリ
○7.クラリティスカイ
▲9.アルビアーノ
△18.マテンロウハピネス
×1.アヴニールマルシェ
×12.ミュゼスルタン
アルマワイオリはスエヒロコマンダーの甥で、マイネルロブストのイトコで、母母スエヒロジョウオーは現阪神JF勝ち馬。父マツリダゴッホは有馬記念馬で中山が鬼の捲り屋だったが、産駒もウインマーレライやクールホタルビなど軽い機動力に富む脚質の馬が多い。ただし本馬は、ボールドビダー、ミルリーフ、ボールドラッド、サーゲイロードとナスキロ血脈が豊富な配合で、細身で脚長でしなやかなストライドで走るので、長い直線でジワリと斬れる脚質だ。外回りで折り合いがついたときはもみじSも朝日杯もアーリントンCも見事な斬れで、アーリントンは開幕週のインベタ馬場を大外一気、NZTとデイリー杯は道中引っかかったし、適距離で折り合いがついて不利やロスがなかったのはもみじSと朝日杯だけといっていい。つまり適距離で折り合いがついて不利やロスがなかったときはダノンプラチナにしか負けていないわけで、ここにプラチナが出てきたらまず勝ち負けになるだろうし、プラチナ級がいないとみれば◎で狙える。
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今年のNHKマイルCは、大方の予想どおりレンイングランドの逃げで口火を切り、今のウチパクは一時期のスランプは完全に脱して芝でもダートでも馬をキッチリ御していて、ハナに立ってからはジワジワとペースダウン
400~1000mまで中だるみして上がり3Fが11.1-11.3-11.8、これでは後ろの組はなかなか厳しく、直線先頭に立ったアルビアーノを目標に、好位から追い出されたクラリティスカイが1馬身交わしたところがゴールでした
以下、NETKEIBA「重賞の見どころ」より再掲
クラリティスカイ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012106160/
クラリティシチーの半弟で、母母タイキダイヤはクリスタルCに勝ち京都牝馬Sと阪神牝馬Sで2着。ダイキダイヤの兄弟にはNHKマイルCのタイキフォーチュンやNZTのタイキリオンがいる。3歳春に開花するマイラー牝系と言っていい。脚長のストライド走法で戦績どおり東京や外回りコース向き、体型的には母方のマイラー資質も強くベストは1800mだろう。皐月賞は内回りの多頭数の大外枠で条件としては厳しかったが、小脚のきくタイプではないので枠なりに外々を回らされるよりは…という横山典の逃げが奏功しての掲示板。東京マイルはいちょうS勝ちのコースで、条件的には上積みが見込める。
私はクラリティスカイもアルビアーノも1800mベストとみていますが、だから中盤緩んで1800mのようなレースになったことも2頭にとってはやりやすかったはずで、毎年ヴィルシーナが中だるみのヴィクトリアマイルをHalo的な軽い1800m向きのスピードでフワッと押し切ってしまうのと似た質のレースだった、といえるのではないかと
クラリティスカイについては「2歳勝ち馬評価」でA評価、いちょうS◎朝日杯▲と東京外回りでは高い評価をしてきましたが、母タイキクラリティはキングカメハメハとの間にクラリティシチーを産んでおり、こちらも配合をほめてきてちょくちょく◎を打ってるお手馬で、このタイキクラリティの名繁殖ぶりは配合からも十分うなずけるものがあるのです
牝祖Mixed MarriageはPharos=Fairway4×3、Son-in-Law4×4、そこにBull Dog4×4のTim TamがかけられたTamerettはPharamond≒Pharos=Fairway4×4・5
そこにNasrullah≒Royal Charger3×4のWell DecoratedがかけられたBadge of CourageはTudor Minstrel4×3、そこにNasrullah4×4のMiswakiがかけられたパテントリークリアはRaise a Native3×5、Tom Fool4×4
そこに強いクロスを持たない(Perfume≒Royal Charger4×3)オジジアンが配されたタイキダイヤはGonfalon≒Hopespringseternal2×3(Royal Charger≒NasrullahとBlue Eyed Momo≒BusandaとPrincequilloが共通)、そこに強いクロスを持たないスペシャルウィークが配されたタイキクラリティはシル≒Hopespringseternal4×4(Buckpasser×Princequillo)
┌Royal Charger
┌○┌War Admiral
│└Blue Eyed Momo
│ └△
│ └La Troienne
Gonfalon
└△┌Princequillo
└△
┌○
││┌War Admiral
│└Busanda
│ └△
│ └La Troienne
Hopespringseternal
│┌Princequillo
└△┌Nasrullah
└△
代々緊張と緩和を繰り返しながら、マルゼンスキーとオジジアンとMiswakiという母系に入って定評のある血を通じて、Buckpasser~Busanda(≒Blue Eyed Momo)絡みのニアリークロスを継続累進してきたのが実に素晴らしい(・∀・)
Courtly DeeやNumbered AccountやMy Bupersなどがニアリークロスや組み合わせのクロスを通じて優れた牝系のなかに遺りつづけているのは、「War AdmiralとLa Troienne」の組み合わせが母系に入って優秀だからに他ならず、マルゼンスキーが母父として優秀なのはBuckpasserが母父として優秀だからで、Buckpasserが母父として優秀なのはWar Admiralが母父として優秀だから
ミュゼスルタンはナショナルフラッグの牝系がちょっと大物感がないので好走はしても勝つまではどうか、と思っていましたが、母母マルカコマチにNorthern Dancerが入らないのはいいし、「Northern DancerとナスキロとTom Foolのクロスでラストタイクーンいじり」というのはキンカメの芝オープン級が最も出やすい配合で、東京や外回りの大レースで好走するキンカメ産駒はナスキロベースの配合をしていることが多い、ということも昨年のトゥザワールドとタガノグランパの後先で何度か説明しました
アヴニールマルシェは1600mよりは1800mがベターで、Sir Gaylordクロスのディープ産駒らしい緩さが残るので現状東京のスローが一番追い込みやすいはずで、そういう意味では展開は向かなかったけれどペースは向いたという言い方はできるかも
グランシルクはNZTのときにも書きましたが、母父がRoberto系なのでケイアイチョウサンに似たイメージで、東京よりは中山のほうが追い込みやすいタイプに私には見えます
アルマワイオリはナスキロ柔くしなって斬れるので、もうちょっと上がりがかかってくれないとピッチで加速できないのが弱みになってしまうし、毎度不利やロスに泣かされている馬ですが今日もペースが緩んだところで行きたがって乗りにくそうでした
アルビアーノについても「重賞の見どころ」より再掲
アルビアーノ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012110102/
父Harlan's HolidayはStorm Catの孫でドンH(米G1・ダ9F)などの勝ち馬。日本では関東オークスを勝ったエスメラルディーナの父として知られる。母母Auroraの産駒にArchやアコマなどの北米G1馬が、3代母Altheaの産駒にヤマニンパラダイスがおり、近親にもGreen Desertやワンアンドオンリーなど活躍馬が続出する名門牝系。母父Unbridledはミスプロ系最強の底力を誇り、ホッコータルマエ、トーホウジャッカル、カレンブラックヒル、ダノンプラチナなどの母系に入る。Storm Cat、Unbridled、Danzig、Mr.Prospector、Honest Pleasureと血脈構成がエーシントップとかなり似ていて、早期から完成度の高いスピードを発揮している点も似ているが、こちらのほうが体型に伸びはあり体質も柔らかい。俊敏かつしなやかでNHKマイルぐらい勝っても不思議ない馬だが、東京マイルのHペースを先行押し切るとなると、持続力や粘着力のある血がもう少しほしい気も。
フロリダのセリで40万ドルの高額で購買された馬で、その母Anticsは父がミスプロ系の名血名種牡馬Unbridled、そして母AuroraはGreen Desertと3/4同血でヤマニンパラダイスと同血で牝系は飛ぶ鳥を落とすCourtly Dee、今北米で最も価値のある繁殖牝馬といっても過言ではないほどの超良血で、これからもアルビアーノぐらい走る仔は毎年産むだろうし、種が何であれAnticsの娘というだけで40万ドルの価値はあるというべきで、しかもこれだけの競走能力を見せたとあれば陣営はもう早く繁殖に上げたくて仕方ないんじゃないかと(^ ^;)
アドマイヤグルーヴやラヴズオンリーミーやAnticsみたいな本物の名血から本物の競走馬が出るのは当然として、それに対抗するにはやはり配合を工夫するしかなく、たとえばKingmambo≒ジェイドロバリーの3/4同血クロスでレッツゴードンキやメイショウマンボが出たのは配合の勝利というべきですが、2世代3世代先を見据えながらタイキクラリティのような繁殖牝馬をつくること、これが血統屋さんのお仕事の根本であり本分だろうと思っているのです
そんなわけで、終わってみれば名繁殖タイキクラリティの息子と名血Anticsの娘の叩き合い、ではいつもの締めで、みなさんもごいっしょに
「やっぱり母は大事です」
昨夜は4匹の猫が走り回る家で深夜まで飲んで寝てしまい、さっき実家に戻ってきたところですが、最寄の阪急東向日駅に着いたのが朝9時半
そうか競馬ブック買って帰らないと、でもまだちょっと早いよなあ…と思いながらキオスクのオバチャンに「ブックきてます?」「ああすいません、もう売り切れました」
えええ~朝9時半に売り切れって、いったいに朝何時に入荷してるんや…札幌なんか昼の13時にやっとコンビニに並ぶのに、いくらなんでもお膝元すぎるやろ(^ ^;)
というわけでこれから西向日にチャリンコ漕いでブック買いにいって、それからヴィクトリアマイルと京王杯SCの「重賞の見どころ」を書かなければならないので、マイルCの回顧はまた夜に…
■『ディープインパクト好配合馬リスト(2014)』で栗山求が推奨したサトノラーゼン(牡3歳)が土曜京都11R京都新聞杯(G2・芝2200m)を勝ちました。
○サトノラーゼン(牡・母トゥーピー)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104735/
母トゥーピーは仏1000ギニー2着馬で、2代母 Turpitude は父と相性のいい Caerleon と Aureole を併せ持つ。母の父 Intikhab はエリザベス女王杯を連覇したスノーフェアリーの父で、ディープインパクトと相性がいいとはいえない Roberto 系だが、他の部分で十分カバーしているので狙ってみたい。
■『ディープインパクト好配合馬リスト(2014)』で望田潤と栗山求がダブル推奨したパラダイスリッジ(牝3歳)が土曜京都4R未勝利戦(芝2000m)を勝ちました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104604/
◎パラダイスリッジ(牝、母クロウキャニオン)
ベルキャニオン、カミノタサハラ、マウントシャスタ、ボレアスの全妹。毎年同じことを書いているが、クロウキャニオンとラヴアンドバブルズは外せない。ディープ×フレンチデピュティはパワー型に出やすい組み合わせだし、母母クロカミはMargarethenの牝系でHail to ReasonやLa TroienneやDamascusも引くパワーマイラー。牝馬に出ても桜花賞路線で期待できる配合といえる。(望田)
◎パラダイスリッジ(牝・母クロウキャニオン)
母方に入る Caerleon、Vaguely Noble は父とニックス。母の父フレンチデピュティも相性がいい。ボレアス、マウントシャスタ、カミノタサハラ、ベルキャニオンが連続で走ったのは偶然ではない。この兄弟は馬体重と能力がおおむね一致する傾向がある。要するに筋肉量と馬格に恵まれた馬が走る、という単純な因果関係だ。牝馬に出たことで小柄に出ることが懸念材料だったが、4月時点で462kgなら悪くない。重賞級の期待がかけられる。(栗山)
■『望田潤のPOG好配合馬リスト(2014)』で望田潤が推奨したサラトガスピリット(牡3歳)が日曜京都4Rの未勝利戦(芝2400m)を勝ちました。
◎サラトガスピリット(牡・母サラトガ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012101422/
母サラトガはダートで3勝し準オープンまで出世したが、地味な牝系ながら Deputy Minister≒コリムスキー3×3が光る父母相似配合で、このニアリークロスだけで準オープンを張ったといっても過言ではない。本馬も適性はダートに寄るかもしれないが、母がNorthern Dancer+ナスキロラトロの相似配合というのはハーツクライ産駒の教科書的配合といえる。
■水曜園田兵庫チャンピオンシップ2着 リアファル(一口・望田&栗山)
■土曜京都11R京都新聞杯2着 ポルトドートウィユ(ディープ・望田&栗山)
■土曜京都12R1000万下 マイネルハルカゼ(一口・栗山)
サラトガスピリットはパドックで実馬を見ても、体型に伸びがあって骨格的には群を抜いてよかったですが、まだ緩さは残るのでいかにも未完成なハーツ産駒、という感じ
POGでも一口でも、サラトガのような地味ですが繁殖として期待できそうな好配合の牝馬に初仔からツバをつけておく、というのが血統屋さんのやり方です
私の調べた範囲では、Deputy Minister≒コリムスキーのニアリークロス馬はクレバーサンデー、サラトガ、ヤマカツマヤリスとオール勝ち上がりで、またサラトガとヤマカツマヤリスは母としても初仔から勝ち馬を出しており(クレバーサンデーは牡)、コリムスキーの入った繁殖ももうあんまり残ってないでしょうが、このニアリークロスはもっと試されていいんじゃないかと思いますよ