栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

フェブラリーS回顧~Aureole≒Graustarkを抜き去るLaw Society≒Pleasant Colony

2013-02-18 12:01:14 | 血統予想

東京11R フェブラリーS
◎14.テスタマッタ
○8.イジゲン
▲11.カレンブラックヒル
△10.ワンダーアキュート
△16.シルクフォーチュン
×4.ナムラタイタン
×12.ダノンカモン
注1.マルカフリート
注7.ガンジス
シアトルスルー~エーピーインディの父系はナスキロ柔いストライドを伝えるので、直線が長く砂質が軽い東京ダートに向く。テスタマッタは昨年の勝ち馬で、タピットの産駒だからエーピーインディの曾孫にあたる。母父コンサーンはノボトゥルーやブロードアピールと同じブロードブラッシュ産駒で、東京での追い込みは破壊力抜群だ。根岸Sの直前追いはこの馬にしては少し動きに硬さが感じられたが、今回はしなやかさが感じられて良くなった。東京ダートではいつも◎か○にしてきたから、ここも◎でいきたい。

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昨日はウインズに出向いて大人のお店の店長にDVDをもらったら(と書くと非常にいかがわしく聞こえますが「怒り心頭」のやつね)、マイネルシュトルムマイネルテンクウ持ってる同級生もいたのでなんや札幌来てたんかと、それで小倉7Rのテンクウをみんなで応援
「頑張ったな~、まあ持ち味は出した3着やった」
「ボ、ボックスとワイドにしといてよかった!」(なんやこいつ、勝つと思ってなかったな…)
それからは痛飲で二日酔いコースまっしぐら…

テスタマッタは向正面でガツンとひっかかり(これはまあ想定内)、しかし直線では持ったままでグレープブランデーとワンダーアキュートの後ろに取り付いておおこりゃ弾けるぞと、しかしグレープが抜け出しかかったところにスペースができたと思ったら、そこに和田に斜めに入ってこられてお終い

こりゃマイッタなあ…という結末でしたが、でもレース後にあんまり消化不良感がないのは、やっぱり去年勝ってるし10年には2着しているからで、この馬が東京ダートマイルにおいてはチャンピオンの1頭だということはもう証明されているからで、そこはたとえばルーラーシップのような不憫はないんです

グレープブランデーはマンハッタンカフェ産駒で、母系にPleasant Colony(ワンダーアキュートのBMSでもある)が入るのでRibot6×5のクロス

Ribot系でもTom Rolfe系のスタミナはHis Majesty=Graustarkなどに比べると伝わりにくくて、それはTom Rolfeの母父Romanの凄いパワーがONになりやすいからなのだ…ということはよく書いてきました

マンハッタンカフェが菊や春天を勝ったのはAllegedのスタミナを受け継いでいたからに他ならないのですが、産駒にジョーカプチーノやアーバニティのようなスプリンターも出るのはTom Rolfeのパワーで突進しているからなのです

しかしさすがにRibot系の血をクロスすると、ショウナンマイティ(Alleged4×3)、ガルボ(Ribot7×7)、ゲシュタルト(Tom Rolfe6×5)、トレンドハンター(Ribot7×5)、アントニオバローズ(Ribot7×7)、マンハッタンスカイ(Ribot7×5)、セラフィックロンプ(Ribot7×5)、ダイワバーバリアン(Ribot7×6・7)、バッドボーイ(Ribot7×7)、メイショウレガーロ(Hoist the Flag5×5)、メイショウドンタク(Hoist the Flag5×5)と、ちゃんとスタミナを受け継いで中距離型に出やすいです

だからグレープグランデーはダート馬としてもアロンダイト(Ribot7×3)みたいなイメージがあって、東京2100mならともかく1600mは忙しいんじゃないか…というのが私の見立て

マイルのHペースでも好位で手応え十分だったことにまず驚いたし、直線で抜け出すときの反応なんかをみてもベストは1800mぐらいなんだろうなあ~と思いました

このところ「新中京ダートは東京ダートとニアリーなコースである」説をよく吹聴していますが、そういう意味では中京1800mの東海Sからのステップは今後も注目でしょう

あとLaw SocietyとPleasant Colonyは、Ribotの他にもDetermine≒Flower Bowlとナスキロが共通するので、Ribot系のスタミナを活かしつつナスキロ柔さもONにできるので、マンカフェ×Pleasant Colonyはこれから注目すべき配合ではないかとも思いました

ショウナンマイティもAllegedをクロスすると同時にボルキロもクロスしてますからね~

エスポワールシチーは昨年はトランセンドをマークして進むもトランが直線早々とダウンしてしまったのでスペースがなくなってしまい、あれでワンダーアキュートとはコンマ2差の5着ですから、自分の競馬ができればまだまだ…というところをみせました

このあたりの息の長さも、Aureole≒Flower Bowl7×5、Flower Bowl≒Cover Up4×6のなせるワザというべきでしょう

カレンブラックヒルについては、ま~こういう大敗もありえただろうし、この結果だけをもってあれこれ言うのはフェアじゃないというか、言っても仕方ないでしょう

スーパーホーネットなんてもっと歩いてたし、でもあそこでフェブラリーを使ったから安田記念で最後の意地を見せることができたのかもしれないし、獲得賞金の多いG1級マイラーがダートで冒険できるというのもここぐらいしかないわけで

たとえば和風グニャグニャマイラーのグランプリボスがアスコットのタフな馬場で勝負になるとは私には思えませんでしたが、レースが終わってからそれを言ってもしょうがないし、そういう異分野への挑戦から我々が教わったことや得たものは多々あります

私もダローネガは中距離馬なのになぜマイルばかり使うんだとか、Aureole魂の逃げ馬なのになぜハナを譲るんだとか、毎週毎週そんなことを書いていますが、適性を知るためにあれこれ試してみることもある程度は必要でしょう(同じ失敗を繰り返すのは愚ですが)

デビューから一貫して芝マイルを使われてNHKマイルまで連戦連勝、そこから距離を1Fずつ伸ばしていって1800mまでは守備範囲だけど2000mはちょっと長いのだということが明らかになり、ダートではやっぱり芝のようにはいかないのだということが明らかになったと

こうしてみると、使うべくして使って勝つべくして勝って負けるべくして負けたレースばかりといってもよく、内輪の事情は知りませんが、ここまでのローテは何一つ無駄がないんじゃないか…とすら思うのですが

もっと理不尽なローテに泣かされながら、1勝もできずに表舞台から去っていった馬なんていくらでもいますよ 

コメント (6)
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