栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

日曜のレース回顧~機動力の勝利

2012-01-16 12:00:36 | 血統予想

中山11R 京成杯
◎8.ベストディール
○1.カフェコンセール
▲4.ロジメジャー
△7.アドマイヤブルー
△15.マイネルロブスト
×5.レッドシャンクス
×16.アーデント
注3.スノードン
注13.ブライトライン
ディープにペティンゴをもってくるというのはハイインロー的なスタミナや粘りを表現するには有効で、◎は母系にヌレイエフとペティンゴとブラッシンググルームが入るのでディープ産駒としても粘り強さで走るタイプで、アドマイヤフジのようなイメージだから中山2000mで好位差しなら安心してみていられる。アドマイヤやアーデントやマイネルがいずれもストライドで走るタイプで根は東京>中山なだけに、ヘイローのニアリークロスらしい無駄のない脚捌きで中山の内枠で器用に立ち回れそうな○を相手本線にとりたい。

京都10R 紅梅S
◎2.サウンドオブハート
○11.フレイムコード
△9.エイシンキンチェム
△12.ゴールデンムーン
×1.メイショウアキシノ
×7.ラフレーズカフェ
注4.マイネボヌール
オリービンが勝った12/25阪神7Rは強風の影響で上がりがかかる前崩れで、そこで3番手追走から6着に沈んだプレミアムブルーがシンザン記念でヒモ穴になったように、先行してそれなりに踏ん張った馬は見直しが必要だ。しかも今の京都は外差しなんてほとんど決まらない状況だけに、今度はゴールデンムーンよりフレイムコードの前残りが有望とみる。◎の相手はこれだろう。

京都11R 日経新春杯
◎1.スマートロビン
○3.トゥザグローリー
△6.ナムラクレセント
△11.ダノンバラード
×7.ビートブラック
×10.マゼラン
注2.スマートギア
トゥザは有馬で▲にしたように母譲りの頭の高い掻き込む走法はどちらかというと急坂小回り向きで、京都や阪神の外回りでも重賞を勝ってはいるのだが、トップハンデを背負って盤石の本命かというと少し怪しい。ダノンはヘイロー3×3だから、母系のエルバジェなどのスタミナを考慮してもベストは2000mだろう。◎はディープ産駒にしては胴長で緩慢だが持続力を感じさせる走りで、牝系がダンスインザダークの近親でクロスがリファール4×2だからまるでザッツザプレンティのイメージの血統脚質で、菊で早めスパートで持続力勝負に持ち込んだアンカツさんとのコンビならば下りからの早めスパートで押しきれるとみた。

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「ベストディールの母コマーサントはE.P.テイラーS(加G1・芝10F)勝ち馬で、TheatricalにTroyにBlushing Groomだから粘っこい中距離血統だ。このTroyのスタミナの血がディープの母系と脈絡するから持続力や粘り強さに長けた中距離配合で、好位で器用に立ち回る脚もあるので中山2000mはピッタリ。ハイレベルな札幌2歳Sではマイネルロブストに続く4着だったが、この距離なら雪辱できるとみた」(血統クリニック)

Burghclereの「Hyperion,Donatello,Aloe,Fair Trial」をAureoleやWelsh Flameなどとに脈絡させ組み合わせクロスするのはスタミナや粘り強さを表現するのに有効で、Petingo(Fair TrialとAlycidonの組み合わせ)との配合も同じように有効だろうということは度々書いてきましたが、ベストディールの場合は母系にPetingoとNureyevとBlushing Groomが入るのでフレールジャックをスタミナ寄りで粘着型にしたようなイメージで、ズバッとナスキロ的に斬れる馬ではないですがHalo≒Sir Ivor≒Red Godの機動力とハイインロー的粘りで走るので中山2000mはピッタリで、ゴール前の叩き合いをみてもらえばわかりますが1~4着馬で一番完歩が小さいのがこの馬で、今日は中だるみスローでそれほどスタミナを問われるレースではなかったので、ほとんど4角の機動力だけで勝ってしまったという内容でした
「直線でまたエンジンがかかって、最後はいい脚を使ってくれました」と蛯名が言うように、「サンデー×Lyphard×ハイインロー」らしい先頭に立ってからの渋さもかいま見せたので、皐月賞はもうちょっと前受けの意識でもいいかと思いますが、鞍上は中山捲りの第一人者ですから今のところ皐月に向けては死角らしい死角はないかなあ…と
そもそもディープ自身が中山内回りでも抜群の機動力で並ぶまもなく捲りきって勝っていた馬で、だからナスキロではなくHaloのニアリークロスをメインにすると、ダノンバラード、フレールジャック、アダムスピークなど内回り向きの機動力のほうがONになりやすいという傾向はあります
人気を裏切ってしまったシェイクスピアも母系にサドラーとPetingoですから同じような粘り強さはあって、超スローを同じ脚で上がってきただけでしたがゴール板を過ぎても元気よく伸び続けていて、決して走らない馬じゃないと私は思いましたよ

マイネルロブストはブエナビスタと同じCaerleon≒マルゼンスキーのニアリークロスで細身で脚長でストライドが伸びるし、父よりは体型に伸びがあるのでおそらくベストは東京や外回りの1800mで、今日はスローであまり2000mのスタミナが問われなかったのと外捲りが決まる馬場展開でまた好走しましたが、そもそも特に小回り向きとは思えないのに札幌2歳や朝日杯でも好走している点はもっと評価されるべき馬で、共同通信杯をこのメンバーでやったら勝つのはこれかもしれないですね

アドマイヤブルーは土曜にも書いたように中山内回りの4角で加速できるタイプではなく、トップスピードに乗るのはあと1Fの標識あたりで、ホープフルはそれでもモノが上なので勝てましたが、今日はエンジンがかかる前に1,2着馬に捲られてしまったという3着
「思い通りに乗れたが、馬が緩いので一瞬にして交わされてしまいました」と後藤はコメントしていますが、ベストの騎乗でもベストパフォーマンスを出せるコースではなかったということで、これが東京2000mなら勝ったのはこの馬だったかもしれません

アーデントもディープにCaroとMill Reefでいかにも東京向きの斬れ方をする馬で、アドマイヤをマークして追い出しましたが伸び方加速の仕方は同じような感じで、これもベストパフォを出せるのは東京1800mあたりでしょう

日経新春杯は長い直線では有馬よりは少しパフォーマンスは落ちるけれど秋天5着や日経賞や京都記念ぐらい走ったらトゥザグローリーが楽勝でしたという結果で、ダノンバラードは外を回らされたにしてもここ2戦の内容ではまだG2レベルの相手では少し足りないし、スマートロビンはロングスパートしようにもそんな速い脚は元からございませんという神戸新聞あたりと同じ内容でしたね…

コメント (13)
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