栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

フェアリーS&シンザン記念回顧~ゴールドヘイローは上がり12秒で

2012-01-11 12:23:35 | 血統予想

中山11R フェアリーS
◎13.オメガハートランド
○8.トーセンベニザクラ
▲9.パストフォリア
△11.ラシンティランテ
△15.シャンボールフィズ
×4.ダイワミストレス
×7.アイスフォーリス
注5.マイネエポナ
注16.チェリーメドゥーサ
混戦で押し出されて人気になっているが◎から入りたい。ハーツクライの姪で母はノーザンダンサー4・5×4などクロスがうるさく、そこにノーザンダンサーを持たないアグネスタキオンをもってきた配合がいいし、1800mぐらいに向いた中距離馬なのに1400mで少し不利も受けながら牡馬の強いところと互角だったくるみ賞は評価できる。このレースは多頭数で淀みないラップになるのでジェルミナルやコスモネモシンやスピードリッパーなど中距離馬が持続力で好走するケースが多いし、母父エルコンドルパサーなら中山向きの機動力もあるだろう。

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さっき日月のレースはザッと見直したんですが、イレギュラーな原稿や一日前倒しの日程に追われていて、レース回顧は重賞のみで…

先週笠シショーから電話があってそこで少しフェアリーの話題も出たんですが、トランドネージュはひいらぎ賞では競られてオーバーペースになって沈んだだけで、レースレベルとしては赤松>ひいらぎだろう…という点で意見は一致して、だから○▲は赤松組にしたんですが、スローのイン捌き競馬でダイワメジャー産駒のマイラーとしての機動力がモノを言いましたね~

ま~でもクビ・ハナ・ハナ・1/2・クビ・クビ・クビ・クビ・クビ・クビ・クビの着差通り、位置取りコース取りで紙一重のレースだったのも事実で、落ち着いて間を割った津村もほめるべきでしょう

マイネエポナはさすが良血で馬っぷりはこのなかでも目立ちましたね~
シンコウラブリイを柔らかくしたような馬で、中山向きの前向きさと機動力があります

オメガハートランドは“短めリンカーン”というイメージの血統とレースぶりで1400mは忙しくベストは1800mだろうと書いてきたし、だからま~コスモネモシンやスピードリッパーぐらいは走るんじゃないかという読みだったんですが、これだけスローになると外を回って追い込むのは苦しかったですね…
でもこのメンバーでフラワーCをやったらこの馬が最先着するだろうと私は思っているし、オークスをやったらシャンボちゃんが勝つんじゃないかと思っていますよ(^ ^;)

ジェンティルドンナは全姉ドナウブルーより少し体型に伸びがありますが、脚捌きや加速はFair Trial的で姉と似たタイプだとみていただけに、姉ぐらいは走るだろうがそれで勝つとまでは想像できなかったですね~
マイネルアトラクトプレミアムブルーをモノサシにすれば千両賞や黄菊賞と大差ないレースレベルだったともいえるわけで、オリービンは前エントリで書いたように千両賞2着だけ走ってないというのが私の見解で、だから姉ぐらい走ったら勝ってしまった…という結果だったかなと
ルメールが昨秋妙に大人しい騎乗が多かったのは制裁点を気にしているからだと言っていた人もいましたが、年が明けてからは[4.1.3.9]と好調(^ ^;)

スローのイン伸び競馬で、トウケイヘイローは引っかかったぶんと外を回ったぶんひと押しがききませんでしたが、ゴールドヘイローはサンデー×ミスプロ×BuckpasserのA級配合形ですが、母父がSeeking the Goldで母はLa Troienneのクロスなので種牡馬としてはゼンノロブロイをマイラー寄り力馬寄りにしたイメージで、体質が硬めで大きな動きができない産駒が多く(そのぶん小回りの機動力はあるし道悪や洋芝も巧者)、トウケイヘイローもモエレフルールも中山マイルのHペースの上がり12秒戦で好走し、その頑張りを買われて1人気になったものの今度はスローの上がり11秒戦になってズッコケたというパターンは同じで、そういう呼吸で取捨したい種牡馬といえます

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種牡馬ダイワメジャーがいろいろと見えてきた

2012-01-11 10:47:16 | 配合論

フェアリーで1,3着、他にもジュニアCや寒竹賞を勝つなど正月競馬はダイワメジャー産駒が活躍しましたね~
私が◎にしたオリービンだけはズッコケましたが(^ ^;)、そこでいろいろと見えてきたことがあったのでちょっとまとめてみました

まず脚質的なことでいえば、ダイワメジャー産駒はオープン~500万下でみると、東京+外回り[3.3.3.12]で中山+内回り+ローカル[5.4.4.6]ですから、やっぱり外回りを斬れで差すというよりは内回りをパワーと粘りで先行捲り押し切りのイメージが基本

たとえば東京マイルの赤松賞の叩き合いをみていると面白いのですが、トーセンベニザクラは直線の坂を上るときの加速が凄くて、あそこでパストフォリアを並ぶ間もなく交わしてもう先頭に立っていて、対するパストフォリアは好位からジワジワと同じ脚で伸び続けて交わされてからまたゴール前では差を詰めていて、あれをみるとトーセンベニザクラは中山でも俊敏に差したり捲ったりできる脚があるという読みはできます

オリービンは母がNureyevにVaguely NobleですからよりHyperion的な脚質で、前走にしても直線半ばではもう先頭に並んでいて、そこからHyperion的な持続力粘着力で後続を振り切ったという勝ち方なのに、より斬れ勝負になる京都マイルで位置取りが更に後ろになるというのはこれいかに(小牧さんは「まだ折り合いに不安があるのでソッと乗ったら、意外に行かずにあの位置取りになった」とコメントしていますが…)

配合的なことでは主に二つ、一つは以前から指摘していることですがナスキロ柔さを伝える牝馬との配合が成功しやすく、トーセンベニザクラは母がDrone4×4とAutocratic、エピセアロームは母がCozzeneとボールドラッドとRiverman、ダローネガとダイワミストレスは母父がDroneとAutocratic、オメガホームランは母がSir Gaylord4×5にRiverman

トーセンベニザクラ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102231/
エピセアローム
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106383/
ダローネガ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106109/
ダイワミストレス
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105803/
オメガホームラン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105856/

もう一つ注目できるのは、活躍馬のほとんどが母系に「HyperionとDonatello」の組み合わせの血を持っていることで、トーセンベニザクラ、ダローネガ、ダイワミストレスの母父ホワイトマズルの母父はHyperionとAlycidon-DonatelloをクロスするEla-Mana-Mouだし、オメガホームランの母はHighest Honor(ナスキロ2本)×ダンシングブレーヴ×Kris×ハイハット(Ela-Mana-Mouの母父)ですからホワイトマズルとよく似た血脈構成です

またオリービンの母母父エンペリーの父系はHyperion×Donatello×FeolaのAureoleで、エピセアロームの母母父Fabulous Dancerの牝祖BelladonnaはDonatello×Hyperion×FeolaですからAureoleと同血の間柄

オリービン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105813/

ノーザンテースト的Lady Angela的なパワーや粘りを増幅するには、Alibhaiに代表される「Hyperion+Tracery」の組み合わせをもってくるか、AureoleやAlycidonに代表される「HyperionとDonatello」の組み合わせをもってくるのが有効なことは以前バクシンオー産駒の成功形をまとめたときに書いたので下記エントリを参照していただきたいですが、スカーレットブーケはLady AngelaにAlibhaiを合わせ、ダイワメジャー産駒はそこに「Hyperion+Donatello」をもってくることで、ノーザンテーストのHyperion的な側面を表現しつづけている…というふうにいえるのではないかと

つまりホワイトマズル肌とのニックスは、「ナスキロ血脈を二つ補給できる」のと「Ela-Mana-MouからHyperion+Donatelloを二つ補給できる」のがポイントではないかと

トーセンベニザクラもダローネガもダイワミストレスも、エピセアロームもオメガホームランもオリービンも、だいたい同じ方向を向いた配合といえるわけです

バクシンオーとノーザンテーストと「Hyperion+Tracery」「Hyperion+Donatello」
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/ac57c66e0f7808c5efd58a05e01e2e66

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