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波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

「正岡子規 言葉と生きる」を読む。

2016年01月10日 | 読書

  「正岡子規 言葉と生きる」(坪内稔典著:岩波書店)、雪降る2日間、読みふける。
 前から気になっていた子規。やっと読めた入門書。34年間の生涯、少年、学生、記者、病床、仰臥の5時代5章に分け、その扉でその時代に書き残した言葉や歌を配する。「(俳句・短歌・文章の文学上の革新を起こした)子規の言葉は、新しくなろうとする近代日本の言葉」を、初心者にもわかるスタイルで構成。老後は漱石、と決めていたのも子規を読む理由。また、著者が「ねんてん先生」、坪内稔典さんだったことも。前から、屈託なく楽しい俳句、融通無碍な文章が好きだ。
               
 子規の人間性、強烈な個性に惹かれる。自分を徹底して客観化・対象化し、滑稽さを愛する開放性に驚く。江戸幕府瓦解の年に生まれた子規、今から100年以上前に溌剌と生きた青年に、普遍的な人生の意味を考えさせられる。本物の知性とは何かを。生涯の友人、漱石を身近に感じるようにもなった。読み終えて直ぐ「墨汁一滴」と「病床六尺」を注文。久しぶりに「坊ちゃん」再開。


愛読する「海街diary最新刊〈7 あの日の青空〉」(吉田秋生作:小学館)、予約注文し読む。隣人の『生』と避けがたい『死』を描くことで、どんな平凡な人間にもドラマがあり、人生に意味を見いだし、登場人物が深みを増す。114頁で目頭熱くなる。子規が漱石に宛てた手紙「僕ハモ-ダメニナッテシマッタ…」読んだ時に似通う感慨。

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第89回/距離

2016年01月08日 | 【保管】腹ペコ日記

距離

 およそ2年前、引っ越しのドタバタの中、腹ペコは論文投稿という宿題を抱えていた。学会誌への論文投稿は、ほとんどの締切が「必着」。稚内からとなると、速達にしても2日はかかる。ということは、実質の締め切りが2日短くなるわけだ。段ボールに囲まれながら、寝る間を惜しんで執筆にいそしんだ。ただ、よくよく投稿要領を見ると、該当学会は「消印有効」という極めてまっとうな対応をしてくれていることが判明し、変な汗をかかずに済んだのだが。

・・・

 本州から離れて感じるのは、こうした「距離」の問題だ。締切問題をはじめ、いろいろな制度が「本州前提」(あるいは「都会前提」)になっていることに気づかされる。事実、学会や研究会には足が遠のくようになってしまった。金銭的な問題はもちろん、距離に伴う移動時間を捻出することの難しさ。教育研究の共同の広場をこの地が必要とした地理的要因を、こんな形で実感するとは思ってもみなかった。できることなら、なんらかの形でその輪に関わっていきたいと思う。


研究者の腹ペコさんの意気込み。 当地にこういう方がいて嬉しい 『2016カレンダー』を取りに来られた方の言葉。(波風さんの絵は)「敷居が低い」(ので好きだ)。

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完結編「ピアノの森 26」読む

2016年01月08日 | 読書

 「ピアノの森」(一色まこと作:講談社)、ついに完結。波風家の最長愛読コミックは、40年超えて続く「ガラスの仮面」だが、18年間の本書が次点。主人公の環境、天才を見いだす師、超絶的なピアノ演奏。これほど〈予定調和〉を裏切らないことで、読者に感動を与えるドラマ性は珍しい。〈音楽〉を描ける絵の巧さで可能な芸当。その分、主人公の個性は意外に希薄。無条件に親や仲間を信頼する、純粋無垢の人間性を与える。その分、天才性が強く打ち出される。この辺、作者は実に美味い。
                 
 年末、波風三男君の「ピッチを432にしておいて欲しい」の要望で、数年ぶりに波風家ピアノの調律。来ていただいた調律師さんの興味深い話をママさん通じて聞く。正月三箇日は終日、居間にピアノの音色。もう少ししたら俺もやろうかなと思う立男。
 彼を送ったその夜、TV「もう一つのショパンコンクール見る。「ピアノの森」の主戦場は、各ピアノメーカーを代表する調律師どうしの熾烈な戦いの場でもあった。演奏者がピアノを選び、調律師がピアノを選ばせる。漫画の師弟が選んでいるピアノは、スタンウェイだった。実際のコンクール決勝では多数に選ばれているヤマハでもカワイでもファツィオリ(イタリア)でもなかった。

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波風的な12月の新聞評

2016年01月06日 | 新聞掲載


 高校時代の担任の先生(86歳)から電話があり、「今日(新聞評)のは良かった」と言ってもらった。つくづく思うのは、「先生と教え子」という永遠の関係だ。恒例の正月のクラス会に今年も行けなかったが、「波風君が新聞に書いている文章が話題になったよ。みんなが読んでるよ」と教えていただいた「2016波風カレンダー」プレゼント、定員オーバーになりました。「未だ大丈夫だろう」と思っている方、もうだめです。すいません。

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【その245】 ファミリーツアー

2016年01月05日 | 【保管】一寸凡師コラム
ァミリーツアー 
年末から続く凡師家のファミリーツアー(交通手段は自家用車!)も終盤に。
   現在までの走行距離は2000キロを超えた。出発時に威力を発揮したスタッドレスタイヤは、関西・関東ともに全く出番なし。
埼玉で再会した友人曰く、「この辺でスタッドレスタイヤを履いてる人、見たことないですね~」。確かにどこの駐車場でも、スタッドレスタイヤを装着している車はほとんど無かった。しかし、「今年買い換えたばかりの新品タイヤなのに~」などといった泣き言は一切出てこない。「このタイヤのおかげで、快適に移動することができた」という強がりばかりである。
  さて、スタッドレスによる快適なファミリーツアーも東北編に突入。凡師の実家秋田を経由して、また北海道に上陸する。最後の最後まで気を抜かず、無事に帰還したい。

今日から当地は雪マーク。帰路、吹雪かないことを祈ってます。

 
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