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波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

市立図書館、読書のすすめ(中)

2015年05月06日 | 読書

【前編の「小説」から続く「説明文」】
生きることの意味 ある少年のおいたち
(高史明:ちくま文庫)これほど平易な言葉で深く人間を人生を語る文章を知らない。今でも時々手にする。国語書教材だったので繰り返し読んだが、いつも新たな感動があった。研ぎ澄まされた真実の言葉が誰にでもわかる豊かな世界を想像させる。 

君たちはどう生きるか(吉野源三郎:岩波文庫)勤務していた中学校が荒れていた時、国語の授業時間に紹介した中の一冊。「君たちが、学校を良くする主人公なのだ」というメッセージとともに、私自身が人生と生きがい、社会と個人、歴史と勇気を学んでいた。「道徳の時間」の教材としても使える、永遠のベストセラー。この文庫版のイラストもカットも実に好ましい。

国語の時間(竹西寛子:河出文庫)国語教科書の小説「神馬」の作者による随想集。「一日に一度だけでもよい。言葉で生きる人間を意識する時間を持ちたい。日常の言葉遣いが社会生活の基盤」を考えさせられる。国語を教える側で無く、学ぶ側として言葉に接していきたいと思う。短編集「蘭」などもおすすめだ。

日本語教室(井上ひさし:新潮)井上ひさしの作文教室(井上ひさし:新潮)小説や戯曲だけが傑作ではない作者。母校での4回の講義録、釜石小校歌のところで目頭熱くなる「日本語教室」。指導の極意が惜しげ無く開示される「作文教室」。「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」、この言葉に感嘆。

羊の歌 -わが回想-(加藤周一:岩波新書)老後は、夏目漱石、大江健三郎、井上ひさし、加藤周一を読むと定年前から決めていた。羊年生まれ(1919年)の作者が、戦争の中でどう人間として生きようとしたかを、もしかしたら戦前になるかもしれないこの時代に学ぶのは大きな意味があるはず。文学、芸術、政治…「巨人」が残してくれた遺産は膨大で難解だが、この判りやすい一冊が入り口だ。

憲法の『空語』を充たすために(内田樹:かもがわ出版)易しくはないが、論理が明快で読ませる。憲法論議に勇気を持って参加するに最適のテキスト。あの「通販生活」(2014秋冬号)の表紙で「目からウロコ本 第1位」として紹介。唸った。現行の国語教科書(教育出版)にこの作家の文章(「学ぶ力」)が載っている。この国が未だ大丈夫かもしれないと思える状況に安堵したりする。【後編の「芸術・文化」に続く】


子ども(14歳以下)の数が50年以降で最少更新(5/5道新)立男誕生時の3千万が半減の1617万人へ。3.11で「子どもこそ希望、希望こそ未来」と思った。絶望的な未来が予想で無く現実になりつつあるのを実感。戦争可能国家への暴走に比べ、子どもの貧困対策の遅さと言ったら……産みたくても産めないよな 蝶番6枚、引き出しつまみ3個、ビロード紙5枚、スタンプ台(3色)。ブラシ材の人形(リス)、絵はがきは嵐山の梅鳳堂ギャラリーで。旭川はスモモの白い花がいっぱい咲いていた。

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市立図書館、読書のすすめ(上)

2015年05月03日 | 読書

 昨年冬、市立図書館に頼まれて、20冊の「私の推薦する本」を紹介した。今年の2月、図書館の片隅にそのコーナーが作られたそうだ。「そうだ」と言うのは立男が見てないからだ。月に最低2回は図書館へ行っているが、開催期間から外れていたのだろう。見た人からは「良かった」と言われた。本人前にして「悪かった」とは言えないよな。開催期間をちゃんと聞いておかなかったからこんなことに。何だか残念だった。
 紹介した本は、想い入れのある20冊。「どんな雰囲気で紹介されたのかなあ?」と思いながら、何回かに分けて再録してみる。この画面右にあるカテゴリー「読書」にも何冊かはあるはず。まずは小説から。

                      

 塩狩峠(三浦綾子:新潮社)
 母の住む旭川へ行くとき、この本を思う。自分の信仰と人生を考える時間も多くなった。教師になるきっかけを作ってくれた中学の恩師、中西清治先生が表紙と挿絵を描いている。母は三浦綾子さんの教え子。氷点の舞台の見本林に建つ三浦綾子記念文学館にも立ち寄って欲しい。 

芽むしり 仔撃ち(大江健三郎:新潮社)
 高校時代に「死者の奢り」読み、大江健三郎論を大学で卒論にした。主義主張と小説世界の乖離に興味があった。今回、作品選択に迷ったが、斬新な文体と内容で「行動する作家」と評された本作に。今も平和と憲法についての積極的な行動姿勢が嬉しい。 

雨鱒の川(川上健一:集英社)
 あたり前を描ける非凡な作者。読書に非日常を求める人には物足りないかもしれないが、昭和の香りを感じて私は好きだ。「雨鱒の川」の純愛、「翼はどこまでも」の青春、「四月になれば彼女は」の自立、夫婦愛の「渾身」も面白い。

 草枕(夏目漱石:岩波書店)
 晩年は確かな言葉の世界でしめくくりたい。その基盤に欠かせない漱石、真面目に読んで来なかったことを反省する元国語教師の私。だが、「流れに棹させば…」で有名なこの作品で立ち往生している。こっ、これは本当に優れた小説なのか?と思いつつ、芸術の存在価値を長々と述べている冒頭部分を繰り返し読んでいたりする。


右のイラストは、旭川の醤油屋の醤油。容器の形に惹かれる  ゼミで、子どもたちにとって良い先生とはどういう先生なのか?の話。「坊ちゃん」を連休に読んで見ようと思った。半世紀前、自分で買った最初の文庫本がこれ。

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第52回/つながることの価値(後)

2015年05月02日 | 【保管】腹ペコ日記

つながることの価値(後)

(前回からの続き)「つながる」ツールにかける時間やお金を減らせば、こういうこともできるよ、と投げかけてみても、そこを減らすことはなかったように思う。どんなに生活が困難な状況にあっても、その部分は絶対に減らさないというところに、「つながり依存」の人間関係の様子が見え隠れしているように思った。もちろん、それがないと仕事先と連絡がとれないなど、違った理由もあったのだけれど。

・・・

 「つながること」自体が目的になる人間関係づくりは、「つながり依存」を生み出していく。そうすると、つながりが切れないような「つながり方」しかできなくなってしまう。そうした「つながり方」しかできていないことはわかっているから、その「つながり」が切れないようにするために、いつまでも「つながる」ツールにへばりつく。その息苦しさと、そこに費やすお金と時間…。著者は最後に「つながりの質を変える」ことが必要だと指摘しているけれど、じゃあ多様な価値観・不安定な社会の中で、どうしたらそれが可能となるのか。そんな疑問が、ずっとぐるぐる回っている。

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