研究者を目指すことになったのは、宗谷で出会った「学校づくり」「三づくり」という言葉がきっかけだった。授業の内容や方法について考えていた私にとって、学校組織のことと授業のことを一緒にとらえるこの言葉は新鮮だった。
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今は、戦後に日本で「学校づくり」がどうやって生まれてきたのかを研究している。「学校づくり」という言葉は、戦後にはじめてつかわれるようになったもので、学校の組織運営と教育内容・方法を一緒にとらえ、考えるものだった。そのことを証明するために、戦後当初の学校づくり実践を調べて日本各地をうろうろしており、宗谷の「学校づくり」もそのひとつ。
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4月から稚内で働きはじめて感動したのは、当時の学校づくり実践家が取り組んだ家庭との連携の方法と、ほとんど同じ方法をある先生が提案されたことだった。やっぱりそういう形になるのか、本質はいつになっても変わらないんだ、と思ったし、自分の研究を励まされたように感じた。