波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

散歩の踏切

2023年02月14日 | 図工・調理

人間の脳は、心臓を動かすなどの爬虫類脳、情緒をつかさどる哺乳類共通の辺縁系脳、そして人間固有の理屈を考える新皮質脳がある。人がものごとを考える手順は、まず辺縁系で情緒や感情を感じ、それから新皮質で理屈。この逆は無い。これ、井上ひさし(敬称略)のエッセイ(『井上ひさし 発掘エッセイセレクション 社会と言葉』の『憲法を考える』)にあった米国学者の説なのだが、大いに納得。

理由はわからないが誰が何て言おうと嫌なものはいやで好きなものは好き、が人間特有の感じ方とお墨付き与えてくれる言説。初めてあった人を、「この人なんか良いなあ、ついて行きたい」とか「この手は苦手だ、会わないようにしよう」と直感で判断するのは至極人間的なのだ。ものの好き嫌いは公言しても、人については口にしない、理由がはっきりした段階でも(笑)。それが大人のたしなみというもので、「俺はまだまだ人間が出来てないなあ」と今もって思う波風氏。だが、それを許してくれる偉大な学説。

散歩で惹かれるのは、自然とともに「人間の営み」がわかる風景。前から、山奥のダムとか鉄塔とかが好きだが、坂道なんて言うのも獣道じゃない人工物。今回の踏切も、建物も。理由はわからないが好きなものは好きなのだ、それでいいのだ(笑)。というわけで散歩シリーズも4回目。


楽しく井上ひさしエッセー集と佐藤雅彦著『毎月新聞』(中公文庫)を読んでいる。前まで気に入っていた作家が「偉そう、生意気、内輪話」に陥ると堪らなく残念。佐藤さんがそうなりませんように、と若干危惧。その点、椎名誠は偉い  画像は家に向かう時の風景。車だと気づきにくいが歩いていると道が蛇行し(もとは丘に挟まれた川底)正面に高校の雨天練習場が高い位置にあって立ち止まる。ヨーロッパの巌上の城とはだいぶ小粒だが意外性ある景色。

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