波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

覚えられない顔 3

2013年10月19日 | 日記・エッセイ・コラム

Photo_2【前号から続く】10月はMY人生振り返り月間。4年前の10月、生死分け目の入院体験から。胃3分の2切り、腸つないだところの炎症で、嘔吐三昧の3週間。あれよあれよで78㌔が56㌔。見舞いの人皆、セミの抜け殻風に横たわる立男見て絶句した。立男も体重計と洗面所の鏡で息飲んだ。

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 その時の顔をケータイで写した1枚がある。丸が四角になり、細くペラぺらな紙みたいになった無表情な顔。生まれた時から自分の顔は自分専用で忘れるはずないのだが、写真の顔は知らない顔。だが、余計なものを削り取って、残った芯は、こんなのかも知れない。化粧前のすっぴん顔は、こんなに悲しく弱々しく、実は本人が一番知りたくない顔かもしれない。そして、顔にとどまらず、こんなに薄っぺらなのが自分なのかもかもしれない。いやきっとそうだ。今年の人生振り返り月間も残りわずか、あのときの不安に比べれば、今の不満なんかしれている。知らず知らずのうちにへばりついた欲望を、いや欲望に弱い心を何とかそぎ落としたい。

画像のメトロノーム、ドラえもんみたいだ、と感じた瞬間からドラえもんにしか見えなくなる。認識や記憶なんて案外いい加減なものかもしれないニサッタ、ニサッタ(上)」(乃南アサ著:講談社文庫)読む。貸してくれた方はどこが良かったのかな?(下)も読んでみよう。

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