研究者の任務
大田堯先生の映画「かすかな光へ」。この映画を見たときに、とても印象に残った言葉がある。それは、「Educationを“教育”と和訳したのは誤訳だったんじゃないか」というもの。つまり、Educationとは、「教え育てる」という営みではなく、「自ら育つ力を信じて伸ばすこと」なんじゃないか――。それを見たときに、宗谷で聞いた「教育とは子どもを人間にするための大人からの激励」という言葉を思い出した。「教育」とは、「教え育てる」という一方向的なものじゃなくて、子どもの可能性を信じて伸ばす営みなんだ、と。そんな風に思った。
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教育学研究者の任務は、そんな教育活動ができるように教育現場を励ますことにあるんじゃないかと、特に最近強く思うようになった。一方で、こんな困難な状況の中で、子どもの可能性を信じて伸ばそうと努力する実践に、私自身励まされてもきた。実践と研究が、そんな風に激励し合える関係にいられるといいなと思う。そんな研究者に、わたしはなりたい。