8月25日
庭のサルスベリの樹に、今年は今までになくたくさんの花芽がついていて、もう長い間、”百日紅”というその名の通りに、深紅の花を咲かせている。
初夏のころの、あの大量に実をつけてくれた、ブンゴウメの樹といい、それぞれに何か意味ありげに思えてしまう。
今日は空気が澄んでいて、さわやかな風が吹き渡り、秋を思わせる快晴の一日だった。
私は、体に風を受け止めて、歩きながら考えていた。
青々とした草が辺りを覆い、木々は緑の枝葉を茂らせて、遠くの山々はくっきりとした山肌を見せていて、青空に小さな雲が二つ三つ・・・。
私の目の前にある景色、私が今、ここにいるということ・・・他に何が要るというのだ。
私は、再び入院して手術を受けることになった。