戸惑い八景

見たり聞いたりしたモノを独自に味つけしました。
飛騨の高山から発信しています。

木村秋則講演会

2014年05月25日 | 想うこと

昨夜は、木村秋則さんの講演会を聴きにいきました。

会場は、文化会館の小ホールで、客席は満杯になりました。

400席ほどですが、少しだけ立ち見もあったかもしれません。

それほどの盛況でした。

1時間ほどの講演だろうと思っていたのですが、6時半から始まり、講演が終わり会場を出ましたら、9時10分になっていました。

講演の最後に、少しだけ質疑応答がありましたが、2時間半近く、木村さんはお話になったわけです。

歯がないそうで、そのために腹式でハッキリゆっくり話さなければならないそうなのですが、力強い話を2時間以上されたのです。

そのバイタリティーに、まず驚くとともに、感服いたしました。

全体を通して感じたことは、この思いを伝えねばならぬ、という強い意志でした。

いま地球は大変な状況になっている、それを農業の改革から、良い環境に換えなければならないのだ、という必死の願いです。

それには、まず、土を良くしなければならない。

ために、農薬、化学肥料、除草剤、を使用しない、農業にしなければならない、と。

そのための、具体的な方法と、実践例を話されました。

そして、怖い話として、農薬によって地下水が汚染され、それを飲んでいた住民に健康被害が出てしまった例を示されました。

ときに、現在の栽培方法に対しての批判も出て、聴衆の中には農業従事者も多かったでしょうから、反発を招くこともあったかもしれませんが、それだけ必死の思いがあったということです。

これはお話の中に出なかったことですが、著書の中で、時間がない、というフレーズがありましたから、いま改革しなかったら、という思いも強いのでしょう。

そして、こころ。

植物にもこころがある。

たぶん、こちらの話が分かってもらえる。

植物の身になって栽培を行うのだ、というのが基本姿勢なのだと思いました。

講演の最後の方に質疑応答があったのですが、そのなかで、トマト栽培をされている方から、自然農法に挑戦中なのだがアドバイスを、というのがありました。

木村さんが答えられたのは、専門的なことはわからないのですが、横に植える、ということでした。

もちろん、土をどのように被せるのだとか、どのくらい離して大豆を二つ埋めるのだとか、詳しく話されましたが、それを話されたとき、聴衆から、「オオット」、という声が上がりました。

皆さん目から鱗状態になられたようでした。

そして、質問が終わりましたら、大きな拍手もおきました。

聴いていると、木村さんは、常識に囚われず色々なことに挑戦されて、多くの失敗から、現在の方法にたどり着いたことが分かります。

テントウムシがはたして害虫にどのくらいの効果があるのか調べるために、テントウムシが飛ばないよう羽に飯で糊つけして実験されたはなしまでありました。

それにより、私たちが小学校の時に習った、テントウムシは益虫の鑑なのだという話は、違うのだと知ったということです。

因みに、リンゴの葉を食べる害虫にもっとも効果を発揮したのは、虻の幼虫だと、いうことでした。

そこまでの実験、実践があったこその、”奇蹟のリンゴ”なのです。

最後の最後に、UFOの話も出ましたが、それはまた後日にも書こうと思います。

講演を聴き、木村さんのバイタリティーに感服したのと併せ、その人柄、腰の低い姿勢、に感銘を受けました。

なにより、とても人気の高い、木村さんの講演会が、1000円で聴けたことが、なによりの奇蹟であると思いました。