普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

食料増産より太陽光発電??

2012-07-02 17:55:52 | 政策、社会情勢
・農村・食料問題わ忘れた再生エネルギー発電の買い取り制度の価格体系
人気ブログランキングへ 政治・社会問題へ
 再生エネルギー発電の買い取り制度が7月1日から発足に際して売新聞 は概要次のような社説を出しています。
 再生エネで発電した電気の買い取りを電力会社に義務づける「固定価格買い取り制度」で、電力会社は最長20年間、最初に適用された価格で買い取りを続ける仕組みだ。
 買い取り価格は太陽光が1キロ・ワット時あたり42円、風力は23円などで、ドイツの2倍前後も高い。再生エネを後押しするため、ほぼ発電業者の要望通りの価格を採用した
 価格が下がる直前に新たな発電設備を導入する「駆け込み参入」で利益を稼ぐケースも多い。日本ではすでに、大手企業が相次いで大規模太陽光発電計画を進めている。価格が高いうちに、資金の豊富な企業が「先行利得」を狙った参入ラッシュが起きれば、電気料金は跳ね上がりかねない
 政府は買い取り制をいずれ見直すとしているが、割高な買い取り価格の是正を、早急に検討すべきである。
 現行の制度は、発電コストが低下すると、買い取り価格が引き下げられ、事業者にとって不利になる仕組みだ。コスト削減の意欲をそぐという弊害も指摘されている。
 20年後など将来の発電コストの目標を定め、買い取り価格を段階的に下げる手法を取り入れてはどうか。発電効率の向上など技術開発を促す効果があるはずだ。
 私はこの件について
疑問だらけの再生可能エネルギーによる電力買い取り制度 で取り上げたことがあります。
 私が首を捻ったのはその価格体系です。
太陽光 10KW以上 42円/1KWH 同未満 42円プラス補助金で48円
風力  20KW以上 23.1円/1KWH 未満 57.75円
(水力も風力と似た価格体系です。)
当時の賃貸住宅新聞によると、2011度の買い取り価格は10Kw未満の住宅用は42円、10Kw以上になると24円、買い取り価格の固定期間は10年だった。(今回は固定期間20年)
 7月から始まる太陽光発電システムによる全量買い取り制度が委員長案通りの買い取り価格、期間で成立すれば、オーナーの収益は大幅に増加することになる。と建築、賃貸の業界ではウハウハの状態です。
 まして大規模の太陽光発電の計画者にとってはこれほど旨すぎる話しはありません。
 住宅、工場、公共施設での空間を利用した太陽光発電の設置を推進するのは当然で、それに対するインセンティブとしての買い取り料金の値上げは、周り回って設置していない家庭の電気料金の値上げの問題はあるにしてもその必要性は判ります。
 然し何も無い土地にパネルを並べただけの大規模発電でも、一般住宅並みの買い取り価格で補助しなければならない理由が判りません。
 さらにパネル設置の土地の有効利用の問題もあります。
 現状で平地と言えば水処理設備などの上にパネルを貼ることは出来るでしょうが、その他のパネルで覆われた土地は死んでしまいます。
 電力の問題以外では食料の自給率の問題があります。
 耕作放棄地にパネルを貼るか、元の田畑に戻して米、野菜、果物を作るかを考えるべきです。
 パネルを貼れば後のメンテナンスはバネルの掃除と蓄電設備の整備で殆ど人手がかかりませんが、後者では多くの人達が呼び戻せます。
 最近のテレビでは、漢方薬の原料不足が問題になっているそうですが薬草を植えることもできます。
 私はみすみす耕作できる土地を殺して、パネルを並べるだけで、住宅並みの値段で買い取って貰うなど余りにボロすぎると思うのですが、そしてその料金をパネル設置をしていない一般住宅に住む人達が支払うのは余りにも不合理のような気がするのですが。

 昨夜のテレビでは一般住宅や工場などにパネルを貼った映像を見ました。
 太陽資源の利用には良い事です。
 この他には水処理の池、体育館、グラウンドの屋根にパネルを貼るのも空スペースの有効利用です。
 或る農場でビニールハウスの代わりにパネルを貼ったハウスを作り、太陽光を余り必要としない作物を栽培していました。これには今流行の人口光を使った野菜栽培なども考えられるでしょう。
 然し心配性の私が心配した事実も見せられました。
 耕作放棄地かどうか判りませんが広い平原の一部に、広大なパネルが並べてあるのです。そしてその建築業者がまだ他に適地があればまだ事業を広げたいと言うのです。
 当たり前です。従来の24円が個人の市民ですら太陽光発電の経費も約10年すれば元が取れると言う42円に一挙に上がったのですから。
 それを本職とする業者が個人に比べて遥かに大容量、従って発電効率もそれだけ良い、しかも投資資金回収に充分過ぎる20年の固定価格を保障されているのですから。
 読売の言うように資金の豊富な企業が「先行利得」を狙った参入ラッシュが起きるのは当然です。
 そして読売が言う価格体系の見直しも、いかに頼り無い民主党政府でも、いくら家計増として跳ね返っても、政府の約束ですから簡単に帰るわけにいかないのですから。
そしてその20年間の間に日本の食料事情がどう変わるか分からないのに、パネルの下の土地は死んだまま放置されるのです。
 そして太陽光発電所に勤める人達は殆どゼロで村の活性化に全く繋がりません。
 ドイツではここ数年は新たな設置が政府想定の2~3倍になったので両院協議会はまた、太陽光発電の累積導入目標を5200万キロワットと定めたそうです。
 このままの業者に取っては丸儲け、濡れ手に粟の太陽光の発電の買い取り体系では、太陽光パネルにより農村の浸食と荒廃その固定化が進むか判りません。
 太陽光パネル設置と農村問題を今すぐにでも取り上げて対策を打つべきと思います。
 池田信夫さんが、原発ゼロ論者の飯田哲也さんのインチキの数字に騙されたソフトバンクの孫さんが菅さんを抱き込んだとバッサリ切っていましたがその真偽はともかくとして、最近の反原発派のように物事の一面しか考えないのと同じように、政府も再生エネルギー振興ばかり考え、それに付随する農村問題を忘れた政策だとしか思われないのですが。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。

政治・人気ブログランキングへ