普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

反原発デモに参加している善良な国民へ

2012-07-29 15:55:59 | 電力、原発

・現実無視の原発即時停止・一部の人達に利用されていないかデモ参加の善良な国民・敗戦の教訓も忘れて「空気」動く国民とそれを利用する一部勢力
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・現実無視の原発即時停止
 国会や首相官邸の囲む反原発でもに子ども連れのお母さんたちまで参加しているそうです。
 その中で原発の総てを即時停止して欲しいと考えている人達もいると思いますがその人達に知って欲しいことがあります。
 原発の現場で働く人、その人達にために民宿を経営している人達の総ては皆善良な人達ばかりです。
 貴方、貴女達が眼の仇にしている電力会社の経営陣も基本的には日本の法律に基づいて原発を運転しています。
 中には政府に虚偽報告などした人もいるし、東電の経営者には安全より経営を優先した人もいるかも判りませんが、全般的に言えば日本の法律に基づいて、原発を建設し運転してきた人が殆どだと思います。
 そこでいきなり原発を総て廃止しろとの国民の言葉に従って政府がいきなり全廃を宣言するなどは、中国などの独裁国家ならできるかも知れませんが、日本は民主主義国家ですからやはり法律に基づいて建設した原発は、法律に基づいて廃止しなければなりません。
 その時活断層上の原発の停止は法的に決まっているので停止は当然ですが、その他の少なくとも法的に問題ない原発を国の都合で廃止するには、それなりの保障を支払わねば成りません。
 保障なしで全廃すると言う法律をいきなりつくるのも全体主義国家のやり方です。
 原発ゼロ論者で、環境エネルギー政策研究所長の飯田哲也さんは大阪市の特別顧問時代に「原発を止めれば関西電力は破産になる、そのためには国が金を出すのは国の責任だ」と言っていました。
 文脈から言えばことは関西電力だけでなく、東電ほか総ての原発停止に伴う相応の金を全電力会社に払わねばならないことになります。
国が停止を命令するので報償金を払えという飯田さんの話しは筋が通っていますが、唯でさえ財政状況が厳しく千兆に近い国債残高を持つ日本政府が、全原発廃止でそれだけ保障できる余裕があるでしょうか。
それに加えて廃炉に決まった原発の廃炉までの維持費も保障するとすれば幾ら金があっても足りません。
 電力会社もある程度の犠牲を払ってでも経営の許す範囲で原発の縮小に努めると思いますが、それには限度があります。
 仮に飯田さんの言うように破産状態に陥った電力会社が我慢できずに裁判に持ち込んだら国は完全に敗訴になるのは目に見えています。
 その賠償費用の数十兆?の金は結局は税金として家庭に跳ね返って来ます。
 勿論国の財政や家計の問題以外に、マスコミやネット上で言われている原発廃止に伴う燃料費の高騰や再生エネルギーの買い取り制度→企業競争力の低下→産業の空洞化→雇用の減少、地域経済の停滞とうの問題も考えねばなりません。
 それについても同じ反原発学者の小出裕章さんは「Will」での推進側の学者の討論の中で「脱原発後の資源小国の日本はそれに相応しい慎ましい生活をするべき」と言っています。
 今でも日本の平均賃金の低下、一部非正規社員の収入と生活保護家庭の収入の逆転など日本の貧困化が進んでいますが、小出さんのいうように日本人の平均収入が仮に今より2~3割減った場合の生活を考えて下さい。
 それに飯田説に従えば原発停止に伴う保障の財源捻出のための増税か未来に負担を強いる国債の増発が家庭にかかって来ます。
 反原発デモに参加している善良な皆さん、反原発学者でさえ言っているこのような原発廃止に伴う問題点まで承知でデモに参加しているのでしょうか。
・一部の人達に利用されていないかデモ参加の善良な国民
 心配性の私が心配するのは、政府は、2030年の原発依存度について、0%、15%、20~25%の3つの選択肢を示しています。
 つまり政府は電力会社や国の経済に大きな影響を与えないように、今年から約18年かけて原発を順次縮小し、0%~25%に持って行こうとしているのです。
 民主党政府は頼り無いですし、私も批判もして来ましたが前に書いた理由で上記3案は現実的な対応だと思っています。 (私は順次縮小、最低限の原発維持の立場ですが。)
 30年には0%の選択枝がまだあるのに、何故大集団で首相官邸や国会議事堂を取り囲まねばならぬのでしょう。
 唐突に決められた大飯原発の再稼働反対だけならデモの意味は判ります。 (私は同原発の再稼働はベストではないが、今になって適切な判断と明らかになったように、夏場の停電を防ぐためのセカンド・ベストの選択だったとお思います。)
 大飯原発の再稼働反対ならその旨、30年かけて原発0~25%反対ならプラカードに、何案また全案反対の旨書い自分の主張を明らかにすべきと思うのですが。
 それが唯「原発反対」のプラカードや掛け声だけの大群衆。
 心配性の私から見ると、先に書いた現実無視の原発即時停止→廃止を訴えているようにしか聞こえないのです。
 善良な人達がデモに参加する前に、その主催者が左がかった労働組合、群衆に紛れ込んだ破壊主義的な中核派などの話しを聞けば、自分達の善意の行いが彼らに不当に曲げて利用されるのではないかと、一歩立ち止まって考えみる必要があると思うのですが。
 特にL・鳩山さんのデモ参加の報道を見れば、自分達の純粋な行動が他の目的に利用されているのではないかと思いませんか。
・敗戦の教訓も忘れて「空気」動く国民とそれを利用する一部勢力
ツイッターを見ていて気付いたのですが、終戦時の名書の山本七平さんのが最近売れているようです。
 読者の感想を見ると多分最近の反原発運動や東北地方のがれき処理反対運動の拡がりをみて「空気の研究」のことを思いだした人もいるようです。
 山本さんの言う「空気」で日本は敗戦と言う大きな間違いを起こしたのに、依然として同じ「空気」、私の言葉で言えば「ムード」だけで動いている一部の国民。
 そしてその「空気」を煽っているマスコミ。
 その「空気」や「ムード」を利用して善良な国民を左翼の勢力の反原発に引き込もうとする構図は安保闘争からいまでも変わらないようです。
 私たちは敗戦という大きな犠牲を払って得た教訓を活かして、「空気」や「ムード」に流されないように、自分の頭で考えて行動すべきだと思うのですが。
どうか心配症の私の心配が余計な心配で終わることを祈っています。

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