昭和ひとケタ樺太生まれ

70代の「じゃこしか(麝香鹿)爺さん」が日々の雑感や思い出話をマイペースで綴ります。

特別養護老人ホーム

2004-12-03 18:48:01 | 日々の雑記
 其処は私の好きな散歩道の一つで、自然豊な湿原沿い伸びる自転車道路だった。
夏の終わりの或る日、長年コヨシキリやシジュウカラなどの棲息地だった葦原の一画が突然刈り取られた。その時は遥々北海道の東の果てまで渡り着いて、折角く子育ての最中なのに、何と可哀そうな事を仕出かすのだと・・・たとえそれが国で行う厚生福利施設の建設事業であろうとも、やり場の無い怒りを強く覚えたものだった。

 その後直ぐに整地され工事はどんどん進んで居たのだろうが、周りを高い塀で囲っていたから、側の道路を今まで何度も歩き続けていたのだが、余り気にもせず又目を向ける事は無かった。

 ただ最近になって、素人にはとんと分からぬ背の高い重機などが幾台も目に付いたから、工事は順調なのだとは感じていた。
 毎日が休日に等しい年金生活者でも、月初めは保険料などの支払いで何かと忙しいものである。それが一段落した今日、三日ぶりにウォーキングに出かけて来た。
 何時ものコースの工事現場近くに来て驚いた。たったの三日前に来た時には全然気付かなかったのに、二階建ての全容が・・・と云っても型枠と鉄製の足場だけのものだったが、まるで傍の住宅街を睥睨するかに建ち上がっていた。

 初めの整地作業の際には多いに腹立だしも有ったのだが、この建設工事は老人の為の、「特別養護老人ホーム」ともなれば、余り遠くない将来老妻共々いずれ入居する破目となり「終の棲家」と成るやも知れずと考えれば、「この寒い中本当にご苦労さん!事故に気を付けて立派なものを造って下さいよ・・・!」との、応援の声の一つも掛けたくなるから、人の心って全く不思議なものである