ルンルンピアノ

ピアノ教室の子どもたちとの楽しい毎日。。。。。。

118  犬と棚田

2005-11-02 20:01:48 | Weblog
※籠坊温泉近くで・・・
 ♪クリック


青空の広がる良いお天気。
きょうは珍しくN、母、私の3人でドライブ。
初めの計画では(能勢の棚田→道の駅「くりの郷」でお昼→帰宅)だった。
しかし、行きしなからNが道をまちがえ「篠山」へ入ってしまう。
仕方ないので、その辺で適当にお昼を食べてから棚田に向かう。

途中「籠坊温泉」にさしかかった時、目の前の路上に犬が座り込んでいた。
こちらを眺めたままジッと動かない。
どうしたんだろうと思い車を降りる。
黒っぽい毛の、プードルに似た犬だった。
カサブタだらけの耳、抜け落ちた毛、所どころ見えている地肌。
ひと目でヒドイ皮膚病とわかる。
顔をのぞき込んでも、輝きのない目でこちらをボンヤリと眺めるだけだ。
そっと鼻先に手の甲を近づけても反応がない。
毛が抜けて薄くなった頭をなぜてやっても、相変わらずジッとしているだけだ。
Nが車に戻ってキャットフードを持ってくる。
アスファルトの地面に二つかみほど置いてやると、初めて立ち上がってエサに近づき、パリパリ音を立てて食べ始めた。
時折り私たちの顔を見やりながら、意外にゆっくりした食事ぶりだった。
そばで観察していると、思っていた以上に皮膚病は深刻な様子だった。
首輪はつけているが、元の色がわからぬほど擦り切れて痛んでいる。
かなりの期間、ノラとして放浪していたのだろう。
でも、人を恐れず素直にエサを食べる様は、この犬が《まだ元気で美しかった頃》は大事にされていた証拠だ。
悲しい怒りがこみ上げて来る・・・

暗く重い気持ちで車に乗り込む。
いつもながら無力な自分が情けなかった。

籠坊温泉をぬけ、また少し道に迷いながらも何とか能勢町に到着。
「長谷 ながたに」の棚田は、(日本の棚田百選)にも選ばれている美しい山里の村だ。
棚田の上の方から眺めると、ポツンポツンと散在している茅葺き屋根の家がナントモ絵になる。
庭先で赤く実った柿の実が、いっそう情緒をかき立てる。
広い棚田のあちこちから白い煙がスジになって立ち昇る様も、なつかしい晩秋の風景

帰宅して寄り添って来るトビオをなぜながら、籠坊の犬を思い出した・・・



コメント
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