マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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番条町南垣内のお大師さま

2012年06月26日 09時17分23秒 | 大和郡山市へ
大和郡山市番条町に伝わる話によれば『村から引っ越しをされようとした家があった。村を出て橋の袂まで来たが引っぱる牛が動かなくなった。尻を叩いても動じない牛だった。荷車に積んでいた引っ越しの所帯道具のうち、お大師さんの厨子を下した途端に牛が歩き始めた。それ以来、村を離れる際にはお大師さんを親戚や隣近所、阿弥陀院、大師堂で預かるようになった。』という。



そうした預かりのお大師さんも並べて開帳をされる家もあるようだ。

南垣内にある真言宗阿弥陀院の本堂前に置かれたお大師さんは院所有だ。



八十八所参りとは別のお大師さんで番外。

高さ、幅とも38cmはとても大きい。

番条町のお大師さんすべてを巡拝するには丸一日かかる。

午前中は北垣内で午後は奈良市の別所町を訪問すれば夕刻間近。

この時間帯になれば玄関先などに開帳されていたお大師さんは家内に戻っていく。

一日限りに公開されるお大師さんだ。



阿弥陀院本堂には六つの厨子を並べられている。

集落を離れた家のお大師さん。

それを預かった阿弥陀院は今でも祀っている。



巡拝の人を待つお寺さんに村の人。

お顔は忘れもしないHさん。

平成17年にお伺いした家人だ。

モチが無くなったら奥からしょっちゅう足しにいかれる男性はこの年も前日に2斗1升のモチを搗いた。

親戚にも配るからそれだけの量になるという。

そんな話をしているときに住職が挨拶をされる。

「先日、六条町の法要に来られていましたね」と言われる言葉に頭がぐるぐる回る。

それは口柳観音寺の十七夜の法要だった。

初めて訪れる地だけに精いっぱいの取材。

僧侶一人、一人とは挨拶ができていなかった。

失礼したわけだが、住職は私の顔を覚えているという。

この日は北といい、南垣内でも出合いのハプニングになった。

ちなみに当日は一日中、NHK奈良が取材に来ていた。

我が家は電波が入らない難受信地域。

残念ながら拝見していないが後日談によれば午前中にお会いした発志院のご婦人二人が映っていたという。

(H24. 4.21 EOS40D撮影)