マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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脇本町垣内の旧暦閏年の庚申トウゲ

2012年06月10日 07時56分25秒 | 桜井市へ
脇本の内垣内の庚申千日祭を終えた神主は急ぎ足で町垣内に向かった。

大和川沿いに通る街道も長谷街道だ。

山麓側の旧道に対して新しい町屋ということであろうか、町垣内と呼ぶ。

そこは下ノ町(したのちょう)と上ノ町(かみのちょう)垣内の2垣内。

地蔵堂の前に集まっている。

内垣内と同様に葉付きのカシの木を持ってきた。

地蔵堂の傍らには「庚申」の文字を彫られた石がある。

内垣内ではそれぞれのヤドが書かれた願文。

ここでは神主が墨書する。

2本とも「奉幣 猿田彦大神 壱千日祭 村内安全 五穀豊就 諸願成就祈攸」と書かれたが年月日は記されない。

ここも同じく長いカシの木。

地蔵堂の屋根を越えるほどの長さである。

祭壇にお盆に入れたモチとお神酒を供える。

そして始まった神事。



神主や講中は揃って西方に向けて拝礼する。

この方向にあるのが大字慈恩寺に鎮座する玉列(たまつら)神社。

大神神社の摂社である。

そこには猿田彦社が末社にある。

庚申の申は猿田彦大神になったのであろうと思うが、その件を神主に聞きそびれた。

内垣内と同様に祓えの儀、祝詞を奏上する千日祭。



脇本では両垣内ともそう称しているが、かつてヤドを勤めた下ノ町に住むN氏は庚申トウゲと呼んでいる。

榛原の角柄(つのがわら)で拝見したゴクダイ。

それと同じ形態のものを作って立てていた脇本の庚申トウゲ。

12年ほど前というから平成10年か、13年に行われたのが最後と思われる。



内垣内と同じようにカシの木を担いで帰る庚申講中の一行はそれぞれの垣内のヤドで会食をされて過ごす。

(H24. 4.14 EOS40D撮影)