小川耕太郎∞百合子社は、蜜ロウワックスのデザインをはじめ、全てのデザインを荒木敏雄先生に制作していただいています。
荒木先生の制作するデザインは、細部まで機能的にできているのに温かみがあり、読み手と商品を結んでくれます。
いつも一緒にお仕事をさせていただいている先生ですが
改めて、荒木先生の考え方を聞いてみたいな~と思い、このたび「自分でつくる住いの形」というシリーズで取り上げさせていただくことになりました。
荒木敏雄先生のお宅は、いつも大勢の人が集まってきます。ご夫婦の交友関係だけでなく、
4人の子どもの友達も皆この家に集います。
また、子ども達が小さい頃から、家族や仲間と一緒に、キャンプへいかれるそうです。
キャンプライフがキカッケで「ナイフ制作」や「フライフィッシィングのフライ制作」などの趣味へと発展するのが
荒木先生らしいな~と思いました。
「必要性から生まれるデザイン」はどこかデザイナーの仕事と繋がり、また荒木家の住いの形にも結びついているように感じました。
3回にわけて、趣味、デザインという仕事、住い(家族)などについてご紹介させていただきます。
1回目は、趣味のひとつである「ナイフ」のお話です。
荒木先生は、仕事から帰り、食事と風呂をすませると、大きなダイニングテーブルに座り、黙々と長勝さんに研いでもらった鋸でナイフ制作を始めるそうです。
手から導かれ思考される工程が大好きで、いつも何かしら手を動かしているそうです。
道具を使う行動をひとつひとつ確認し、どのいった場面で道具が必要とされていくかを探求すると、
道具の必然性が明確になり、そこから生まれた美にドキドキされるそうです。
そういえば、小川社のカタログを制作する時も、出張先や電話応対での話しなど、ざっくばらんに雑談とも思える話をしていると
先生は、そこから小川社の商品の必要性を導き出します。
本当に凄い方だと思います。
「いや~僕は多趣味で、仕事も趣味のひとつで、楽しんでないと嫌なんだよね。」
ナイフの発注ひとつとってみても、発注までの工程をここまで楽しめるのが、素晴らしいですよね。
先生にとって、ものづくりとは、全てを繋げてくれるものなんだろうと思います。
続く
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