蜜ロウワックス日記

小川耕太郎∞百合子社をとりまく日々あれこれ

樹齢115年生の自然乾燥剤 梁桁の荒引き製材

2010年09月09日 00時05分53秒 | 樹齢115年_自然乾燥_梁桁



8月下旬、115年生の材を荒引き製材するということで
製材所へいきました。
娘は風邪で保育園を休みましたが、午後11時半に熱を計ったら37.2度まで下がりました。
製材を娘の為に待ってくれるわけがないので、娘も製材所へ連れて行きました。
商売人の子どもは親の都合に振り回されるところがあるのかも?
主人は「熱も下がったしお出かけしようか」とおだて
おだてにのった娘は製材所へ連れていかれました(笑)



伐採後、山で半年間「葉枯らし」をしたのち、
山から下ろします。


いよいろ!荒引き製材です。


製材のシャッターチャンスがわからないので
主人に撮ってもらいました。
なぜか私までドキドキ。


修正製材してから出荷できます。
修正製材も是非みにいきたいです。楽しみ。
今の時代からみたら
気の遠くなるような時間感覚ですが
ちょっと前まではこれが当たり前だったそうです。




岩野さんが漉く奉書紙も気が遠くなるような作業です。
あれだけの仕事をしてちょっとしか生産できませんが
梁桁も同様です。



11月に皆様へ送る山sun通信にもこの様子を載せます。
気が遠くなるような待ち時間を経てから届く商品と
即納体制の商品と色々揃っています。



主人がいうのはどちらも大切だそうです。




自然乾燥の梁桁

2010年02月12日 15時54分26秒 | 樹齢115年_自然乾燥_梁桁
松阪木材の取締役から
今、葉がらししている杉材の写真と
山の住所などを書いたメモが送られてきた。



写真はデータではなく、プリントしたもので送られてきて
それをスキャンして紹介しているので、
少し切り株の写真がおかしい。



手前から上に波を打ったような模様が見えるが
それはチェーンソーの油の関係だと思う。



本当はキレイな真円の木目になっている。



手元にある写真を見ると
「オォー。」という木目なのでこの写真は残念だが、
切り倒した写真を見ていただければ
プロならお分かりいただけるだろう。





詳細をご紹介すると
山主:田中林業㈱
山林の場所:三重県松阪市飯高町草鹿野
素材生産業者:㈱川口屋
伐採時期:平成21年11月、皆伐。
内容:杉115年生 475本、桧115年生 155本



4月9日の原木市にも出されるらしい。
「杉元玉で今の相場なら20万円/㎥程度かな?」と言っていた。
60年生くらいの良質な杉元玉の数倍の値段である。



この木の2番玉、3番玉を中心に梁桁を作るのだから凄い。



本当に武者震いの出る木だ。



後は、どういう家に使ってもらえるか・・・?
私の営業にかかっている。



すぐに、松阪木材に電話をかけた。
「切り株を輪切りにして送ってくれ。
 持って営業に行く。」



「切り株を持つっていったって、80cm以上あるよ。」



「半分に割れば何とか風呂敷で包めるから。」



「???。分かった。」



こういうものは現物を見せるに限る。
重たかろうが、でかかろうが
持って行って見せればよい。



これを必要とする工務店さん、お施主さんに現物を見せるだけ。
ただそれだけで私が必死に話すよりももっと説得力がある。



それだけの力を持った木なのだ。



ただ、これだけの木を必要とするところはそうそうは無い。
また、こちらの在庫量にも限りがある。
よく考えて持っていこうと思っている。



清水工務店さん。
メールをありがとうね。
4月には入るから、もし良かったら親方と一緒に見に来てね。
切り株よりも凄いと思うよ。

新規事業

2010年02月10日 15時35分07秒 | 樹齢115年_自然乾燥_梁桁
最近、古民家改修の写真を公開し始めたら
アクセス数がかなり多くなってきた。
嬉しいことだ。



さて、今日は久々に仕事のことを書こうと思う。



昨年秋、あるホームセンターを経営する会社から
弊社「蜜ロウワックス」、「木もちe-デッキ」、「木もちe-外壁」などを
取り扱いたいというお話を頂いた。



どのように納品したら良いか話していると
そのホームセンターは松阪木材と取引があるという。
そこで私は、松阪木材に伺い、間に入ってくれるように頼みに行った。



その際、弊社の現状や今後の木材業界のことについてお話をした。



今、瑕疵保障や長期優良住宅のことを考えると
高温乾燥の梁桁を使わざるを得ないというような流れがある。



自民党が昨年ばら撒いた補正予算で、尾鷲市の木材協同組合でも
高温乾燥機を導入することになったようである。



しかし、どの材木屋さんに聞いても
「自分が家を建てるときには絶対高温乾燥の木は使わない。」と言う。
「内部がパサパサで、あんな木が持つ訳無い。」とも言う。



なのに、「そうしないと売れなくなる。」と悩んで、
嫌々ながらかもしれないが、高温乾燥に対応しようとしている。



おかしいではないか。



ほとんどの材木屋が「自分では使わない。」と言っているのに
「売るためには仕方がない。」と言う。



私は、松阪木材の役員の方に申し上げた。
「高温乾燥は他に任せて、自然乾燥の梁桁を作って販売した方が良い。」



そうして、この1月末、
その役員の方が弊社に来られ、
「自然乾燥の梁桁を作るから一緒に売ってくれ。」とおっしゃる。



「きちんとしたものを作ってくれるなら、必死になって売ります。」と答えた。



「実は昨年9月から120年生の杉を伐採し、今、葉がらししている。
 3月くらいから搬出して製材し始めるが、倉庫を作るのに1年位かかるから
 来年秋くらいの話になる。」との事だった。



(この約120年生の杉は有名な山林家が育てたもので
 植林から伐採するまでどのように育てられたかについての
 詳細な記録もある。実物はまだ見ていないが、
 その方の山というだけでハッキリ凄い木だと言って間違いない。)



「倉庫?うちの倉庫があるじゃないですか。
(松阪木材とは製材所時代に取引があった。
 そして、製材が倒産したときに迷惑をかけ、何千万円もの借金が残っている。)
 製材所の跡地は製材機がなくなって、約700坪の倉庫になっています。
 倉庫代はいりませんから、すぐに始めましょう。」



それで、倉庫を見に行って、その日は帰られた。



翌日、すぐに電話があり、
「この春からやる。」とのこと。



とんとん拍子に話が進み、
4月頃から弊社倉庫に荒挽きした梁桁材が並ぶことになった。



秋には半年寝かせた(伐採からは1年経った)梁桁を出すことが出来る。
約300~500㎥ほど寝かせる予定なので、
4,000mm×240mm×120mmの材で
2,600本~4,300本ほどの在庫である。



そしてまた、この秋には別の山林家が約130年生の杉山を切る予定で、
その山林家もこの計画に乗ってくれると言う。



恐ろしいくらいのスピードで動き始めそうだ。



修正挽きの製材機も倉庫に入れようかという話も出てきた。
(もう見積もりも取った。)



こうなるんだったら製材機を残して置けばよかった。



まさか、倒産して10年やそこらで
もう一度製材機を動かすことになるとは思わなかったから
処分してしまったのだ。



まあいい。新しく始めるということはそういうことなのだろう。



「木もちe-デッキ」、「木もちe-外壁」、「自然乾燥の梁桁」と
必死になる材料が揃ってきた。



この春から、鬼の営業が始まるのだ。
さて、唐草模様の風呂敷は何枚必要になるのだろう?