鼎子堂(Teishi-Do)

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映画『THE WALK』

2016-02-04 10:25:55 | 演劇・映画
立春。

昨日(2月3日)は、夕刻より、映画『THE WALK』を鑑賞。

ニューヨークのワールド・トレード・センターの南北のビルにワイヤーを張って、綱渡りをすることを夢見るフランス人のフィリップ(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)

高さ地上411メートル。

その高さは、地上から見上げれば、果てしなく、屋上から見下ろすと目がくらむ。
大道芸人のフィリップは、建造中のワールド・トレード・センターの写真と記事の掲載された雑誌に運命のインスピレーションを感じ、ニューヨーク行を決意する。

その無謀とも思える夢を叶えるために、フィリップとガールフレンドのアニー、この夢に賛同したフランス人のカメラマン、数学教師。
ニューヨークで、知り合った仲間達の協力を得て、工事中の二つのビルにワイヤーを架ける。

サーカスの団長・パパ・ルディに、綱渡りの極意を学びながら、建造中のセンタービルの工事完成まで、時間との戦い。

計画は、紆余曲折を繰り返しながら、フィリップは、宙に浮くそのワイヤーの上に一歩踏み出す。

俯瞰するニューヨークの街並み。

紫に煙る夜明け。

飛翔する鳥が、フィリップめがけて、急降下する。


3本のワイヤーに支えられて、フィリップは、ニューヨークの街を見下ろす。

全ては・・・。

地上より411メートルの高さの中、命綱なし、防護ネットなし、一つ間違えれば、ビルの谷底へ、間違いなく落ちて行くだろう。

そんな中。

自分を支えるワイヤーに、ビルに、全てに感謝の思いを抱く。

フィリップを演じるジョセフ・ゴードン=レヴィットの繊細で優雅な肉体が、パリの街と、そして、彼を包むニューヨークの空気感と全く違和感がない。

ニューヨークって美しい街なのだと改めて思う。

そして、9.11で、破壊されたかつてのワールド・トレード・センタービルの在りし日の姿が、光の中に溶けていく。