爽やかな初夏の晴天続く。
朝方は、10度以下迄、気温が下がって、蹴飛ばした布団をかぶり直して二度寝する。
一昨日(20日)。
夕刻からの舞台のライヴビューイングを予定したけれども、同じ映画館で、某・ユキダルマさんたちのユニットのライヴビューイングと時間的にバッティングしていて、夕刻からパーキングが厳しくなりそうな雰囲気。
日曜日なので、併設のショッピングモールも混雑するであろうし、近場の駐車場もどうしたものか・・・と思案する。
映画館の上映スケジュールをみると、午前十時の映画祭と銘打った過去のリバイバル映画の上映枠があって、今週は、『アラビアのロレンス(4K完全版)』である。
上映開始は、午前9時少し前・・・。この時間なれば、駐車場の確保は安易なことだろう。
4時間近い上映時間だし、午後は、ショッピングモールで、ランチにして、夕刻からのライヴビューイングってことで、長時間上映が2本という・・・ちょっと過酷?なスケジュール。
・・・夕刻に自宅を出て、バスとライトレール(路面電車)を乗り継いで・・・という方法もあるけれど、自宅から車で、片道15分、公共交通機関を使うと1時間・・・。
『アラビアのロレンス』は、一度、大きなスクリーンで、完全版を見たかったんだよね・・・何度か、リバイバル上映があるたびに、そう思っていたけれど、駐車場確保という理由でもなければ、たぶん・・・映画館迄、出向くことはないだろう。
・・・という訳で・・・『アラビアのロレンス・4K完全版』。
かつて、某・国営放送で、完全版?で見た。

主演のピーター・オトゥールのあの水色の瞳。朱色の夕陽に染まるアラビアの砂漠。
現在もまだ続くイスラエルとアラブの対立。イギリスの二枚舌。パレスチナ問題の発端。
英雄に祭り上げられたロレンスの苦悩。
そんなキーワードは覚えているのに、映像のシーンと物語の展開は、殆ど、記憶になくて、もしかして、過去にみたテレビでオンエアされていた映画は、完全版ではなかったのかも・・・???
実在のロレンスとは、かなり乖離したオトゥールのロレンス。
1960年代の映画って、かなり贅沢。現在のように、まだCGは普及していないから、群衆シーンも実写だし。
広大な荒涼とした砂漠。ラクダ部隊、ロングシーンの壮大さ、そしてあのエキゾチックな音楽。
娯楽映画をはるかに超えた名作(史実に忠実と言えず、齟齬があるし、ソレは創作とフィクションと・・・洗脳装置として機能はしているものの・・・。映画の性質上仕方ないか・・・)。
ロレンスを演じたピーター・オトゥールを、かの森茉莉は、絶賛していたけれど、私は、序盤から登場したハリト族の首長アリを演じたオマー・シャリフの美しいことよ・・・と思う。
黒い長衣、頭部から胸にかけて、ピンっと張った上体の綺麗さ。
この作品がハリウッドデビュー作品で、その後、『うたかたの恋』、『ドクトルジバゴ』で、著名な俳優となった。
今までは、あまり好きな俳優ではなかったのだけれど。
ラストが、ちょっと予想外の展開・・・というか、やはりロレンスも世界と国家と歴史に翻弄されたひとりなんだと思う。
この映画で、特筆すべきは、女優がひとりも出てこないことで(群衆シーンでは登場するけれど)、なんだか、すっきりと潔い。
アラビア半島・・・この先もまだまだ戦争の続く地帯。その発端の真っただ中で、英仏列強とトルコ、イラクそして、イスラエルと・・・。
火薬庫に火種は尽きない・・・。
それにつけても・・・。4時間近く。永遠のモラトリアムの春、昔の映画で、過去の記憶が呼び起こされる。
やはり一番好きな映画だったし、これからも、一番好きな映画・・・なんだろうと思ったりした。