3日前から、最高気温35度を超える猛暑日が続いたものの、本日は、少しだけ気温が落ち着いてきた感もある週末。
30度超えの真夏日の続く予報で、まだ6月下旬なのに、既にもう夏本番。それでも、熱射の中、風が立つのと、朝方は、25度以下迄、気温が下がるので、夏本番とは言い難いのかもしれない・・・けれど。
昨日(19日)桜桃忌。太宰治の命日だった・・・なんてことなど思い出しながら、車を運転して、隣町のシネマコンプレックスへ、映画『フロントライン』を鑑賞。
2019年にはじまり、その翌年、客船『プリンセスダイヤモンド号』の乗客の感染により、国内への感染拡大を阻止を第一に動く国家と厚生労働省。しかし、かつて経験のないパンデミックに対して、民間の災害派遣チームDMATに、客船内の医療を丸投げすることに。
いついかなるときも出現するゴミクズのような切り取り編集で、国民を煽るマスコミ。疲弊するDMATの医師への誹謗中傷。御用学者のデマの拡散の中で、未知のウィルスへの対処、感染者への対応を描く。
事実に基づいた映画との記載があったけれど、どこまでリアルなのか・・・現場を見ていない人間には、何もいえないけれど・・・やはり、描かれない部分も多かったのだろうと思うし、人道支援に行きついくお決まりのラスト・・・。
あくまでも、客船内の感染者の救済がテーマだから、こういう終わり方なのだろうけれども、常に、現場最前線に立つということは、並大抵の覚悟では務まらない。
誰だって、未知のウィルスは恐ろしい。
ひと際・・・淡々と最前線の現場(船内医療)を指揮する仙道(演・窪塚洋介)の揺るぎない信念と、客船の外から現場を統括する結城(演・小栗旬)の迷いが交錯する。
ことなかれ主義の代名詞となっている官僚の中で、現場の外から静かな変革者?であろうとする立松(演・松坂桃李)と極限の船内で、冷静に対応する仙道の横で、自分自身の家族と乗客の家族を重ねて苦悩する真田(演・池松壮亮)のコントラスト。
命のせめぎ合いの客船の現場の外から、ソースを拾い出し、ショーに仕立てるキャスターの上野(演・桜井ユキ)の姿は、比喩でもあろうし、傍観者でしかないテレビの前の視聴者である大多数の国民の象徴だったのかもしれない・・・。
ドラマの中の支柱であろう窪塚洋介のある意味、達観した(選択肢のない状態で、いま自分自身にできることのみに焦点をあてる)或いは、諦観なのか・・・そのあまり感情の起伏のなさに、ある意味、安堵を見出せる・・・あのどうしようもない状況の中で、活路を見出すには・・・たぶん、成り行きに任せる以外、何の方法もなかったのかもしれない・・・それでも信念はブレないあたり、このひとが本当の主役なのかも。
実際に、映画では見せていないけれど、『ダイヤモンドプリンセス』の船内は、凄惨な有様(災害時の避難所化?)で、現状修復には、多額の資金が必要だったと聞いている。
先日迄、某・国営放送のドラマで、病弱で収入が少ない古い団地に暮らすアラフォーの女性の役を演じていた桜井ユキはが、その対極のような今回のキャスター役を演じていたのには驚いた。
モデルと聞いていたので、スタイルは抜群なのに『病弱な麦巻さん役』から、メディアの最前線でムナクソネタを拾うキャスター役との違いを比べてみるのも面白い(メイクとかも全く違うし、もともと色白の綺麗な肌質みたいだし?化け方が上手い)。
フロントライン---最前線。
様々な最前線には、様々なドラマが・・・ある。
現場を知らないヤツは、現場を語ってはいけないような気もする・・・。
そして、こういう映画が公開されるのは、ある意味、ブラフで、次の仕組まれたパンデミックへの序章かも・・・とか、疑り深い私などは、勘ぐってしまったりしているのもまた事実で。