鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

Tempest~大嵐の中で・・・。

2009-01-31 20:56:57 | Weblog
夕べから続く激しい風と雨の音で、目を覚ますものの、ここ2日間の会社での人事異動などのかなりの激震で、どうにもこうにも、頭を、枕から上げることが出来ず、夕方まで、眠ったままだった。

A工場を潰し(このことは、半年前に決まってはいたけれども・・・)、その人員を受け入れ、A課とB課を統合して、シャッフルして・・・なんてことが、たった2日間の間に決定され、2月からその体制だって・・・。
神様だって、世界を作るのに7日間かかっているのに・・・。
規模は違うけれど、人間が、たった2日間で、今まで、A課100人体制だったのが、明日から400人体制になりますから宜しくネ!・・・っていきなり言われたって・・・。
なんの準備もしていないし、どうやって2月から運用すんの・・・って話なんですがね・・・。
出来るんだろうか・・・。
それに伴い、管理の手法も違っている各課の刷り合わせだって、何もできていないのにな・・・。

それでなくなって、月末の会計処理の忙しい中・・・どうすればいいの・・・???

・・・で、その肝心の中味についても、何も知らされていなかったので、会議、会議、会議で、自席にいない課長のご帰還を、会計処理をしながら、鬱鬱と待ち続け、19時をまわってようやく、戻ってきたので、データだけは、GETして、とりあえず、マッタなしの勤怠のみ、ようやく纏めて、来週に備えることにしたため、金曜日は、深夜近くなってしまった・・・なんで、ワタシが・・・。
こういう指示を管理職が誰も出してくれないから、底辺のワタシが、いつも先回りしてやらなければならないなんて・・・。しかも、ワタシ、よその会社からの出向者(扱いは、派遣です・・・)ですし、ここの会社の社員じゃないんですよ・・・。

自宅に戻ってみると、隣の課の契約社員のKさんからメールが来ていて、4月以降の契約の更新はしないと言われたそうで、何と言っていいのか分からない・・・。
夜中だし・・・電話もなんだろうから・・・とメールを書き始めるも・・・ほんとになんて言っていいのか書き出せずにいた・・・。
明日は、我が身か・・・と思う気持ちもあって、なんで、この会社は、『待ったなし・・・』なんだろう・・・。
『思い立ったが吉日』とばかりの人事異動・・・誰も何にも聞いていないから、だた、発表されて、ポカン・・・と口をあけて通りすぎるの待っているだけ・・・。先日のイキナリの事務所移転くらいなら、まだ許せるけれど、人事異動ですよ・・・。そのうち、コトの重大さが分かってきて、右往左往・・・。

変だ!オカシイ!!狂ってる!!!

こんなに急激にやった改変だから、そのうち、ボロが出て、ニッチモサッチもいかなくなるのは、目に見えている・・・そんな道理は、小学生にだって分かるのに・・・。

それだけ、セッパ詰っているってことなんでしょう。

とにかく・・・疲れた・・・のひとこと。

来週、大嵐吹き荒れるなか、とりあえず、やれることは、会計処理だけである。
惑わされず、踊らされず、自分のゲームをすればいい・・・と思うけれど、果たして上手くいきますかどうか・・・。

異常乾燥注意報???

2009-01-28 20:55:51 | Weblog
少しだけ暖かい水曜日。

この頃・・・というより、もう半年くらい前からなのですが、どうも、唇が乾くんですね。
リップクリームも薬局で買った医薬品というのを使っているんですが、どうにもカサカサ・・・。
こんな状態が長く続くので、病院へ行こうかな・・・と思っています。
でも、どの科にかかったらよいでしょう・・・。
皮膚科かな・・・歯医者さんでは、なさそうだし・・・。

晴天が続くと、お肌の乾燥が気になる・・・なんてことは、今まで経験がなかったんですが、今年は、唇と顔が、相当カサカサ・・・。

皮膚は、何故か丈夫な方で、ハンドクリームのお世話になったこともなかったのですが、手は、去年くらいから、荒れだしております。
去年は、お茶汲み、茶碗洗いとかの雑務が多かったので、それで荒れちゃったのかな・・・なんて思って、ハンドクリームにしては、かなりお高い、美容液入りってのを・・・購入・・・。
すっかり騙されました・・・。塗っても、大して変らない・・・。
普通のハンドクリームの10倍くらいの値段ですが、ボッタくられ感は、相当です。
こんなもんか・・・誇大広告だね・・・。
『手が、10歳若返る!』
嘘つき・・・。

ほんとにこの頃、乾燥が気になりだしました。

でも、雨が降っても、唇は、カサカサ・・・。
やっぱ、何か足りない栄養素でもあるんだろうか・・・?

・・・と思っておりましたところ、どうも、辛味の強いものを食した後に、調子が悪くなるようで、辛味成分と唇が合わないようです。

・・・という訳で、買ったばかりの口紅もつけられず、顔色は、ぱっとしない・・・。
引っ越したばかりの仕事場の事務所の照明も暗い中、かなり、冴えない。

コンナ状態ですわ。
この頃・・・。

雨でも降って空気が潤えば、インフルエンザなんかも、そんなに流行しないんでしょうけれども・・・。


☆☆☆

明日から暫く、ブログの更新は、不定期になります。

祝!祝!祝!? 400回越え!

2009-01-27 21:02:53 | Weblog
風も穏やかな少し暖かい一日。

日付をみて、考えました。
まだ、1月が終わっていないんだと・・・。もうすぐ終わるけれど。
長い長い1月・・・。
普通だと、1月は、行く、2月は、逃げる、3月は、去る・・・と言って、あっという間に過ぎてしまうもののようだけれども・・・。

本当なら、2日前に『祝!400回』を書こうと思っていたのですが、劇評が続いてしまって、2日遅れになっちゃいました。
300回の節目のときに、400回目は、あるのか・・・、また、どんな状況下に置かれているのかわからないと書きました。
本当に、いろいろ変化があって、一番の変化は、仕事上の組織の再編とやらで、かなり悪い状況になってきているってことでしょうか。
300回を書いた時点では、まだ、不況の風は、吹いていなかったし、しばらくは、このまま、波風も経たぬまま、過ぎていけば、それでいいかな・・・と思っていたのに、いまや、崖っぷち。
いまの職場もどうなるのか、まるでわからない。

噂もいろいろ錯綜していて、話題は、
『新年度までいられるか・・・。残れたとしても、仕事量は増えるだろうし、無理難題を押し付けられるだろうし、この不況下で新しい職が見つかるかどうか・・・去るも地獄、残るも地獄だわな・・・。』
その話ばかりで、気も滅入りますわ。ほんと・・・。

こんなにも、経済状態がおかしくなっているのなら、無傷では、いられないことを覚悟したうえで、新しい道を模索するなど、いい機会かもしれません。

今度、500回目を迎える時(・・・500回目があるのかどうかもわからないけれど)、まったく、予測もできませんが、今より、もっと悪くなっているのか、少しは上向いているのか・・・そんなことを考える1月の終わり・・・。


ワタシと同じような状況の方には、幸運を・・・。

今、良い状況に居る方には、幸運が続きますよう・・・。

どん底だと思われる方には、明るい希望がありますよう・・・。


リチャードⅢ世③*ファイナル

2009-01-26 21:06:41 | Weblog
朝は、霜で真っ白な月曜日。

一昨日から、書き続けている舞台『リチャードⅢ世』・・・今宵をもって、ファイナル・・・。

ワタシは、この『リチャードⅢ世』というドラマが結構、好きである。
あれだけ、人を落としいれ、亡きものにしてしまうリチャードⅢ世が、終幕では、自分で手にかけた人々の亡霊に脅かされるという展開で、やはり、この人も人間なんだな・・・案外、小心者なのかも・・・と思ってしまうあたり、『マクベス』に通じるものがある・・・マクベスの方が、もっと小心者か・・・奥さんや、魔女に唆されるあたり・・・。

リチャードⅢ世は、換骨奪胎された舞台も含めて、今回で5度目の観劇となった。
(拙ブログ:2007年12月7日に、『プリンス達のリチャードⅢ世』というタイトルでも書いたので、そちらもご参照いただければ幸いです)

初回は、故・尾上辰之助さん、マーガレット元王妃役に美輪明宏さんといった魅力的な取り合わせだった。この舞台もセリフの展開が超速かったような気がする。

二回目は、加藤健一さん(たぶん、一人芝居だったと思うけれど・・・)。この方は、このあたりから、翻訳劇の演出・出演が多くなっていったような気がする。

しばらく、演劇から遠ざかっていたけれど、三度目が、今回の演出のいのうえひでのりさん率いる劇団☆新感線の『朧の森に棲む鬼』・・・言わずと知れたリチャードⅢ世を下敷きにした作品である。そういわれなければ、『マクベス』色の方が強いような気がするんだけれど・・・。コレは大好きな作品となった。

四度目は、野村萬斎さん主演の『国盗人』。
野村さんのあのよく通る低い声、所作の美しさの際立つ舞台だったし、秀逸だったのは、愁嘆場を演じる女優4役をひとりでこなされていたのが、怪(すみません)女優・白石加代子さん。凄いぜ・・・。

こうやって振り返ってみるに、どうも、シェイクスピア作品と歌舞伎および、狂言といった日本の伝統芸能の役者さんとの相性は、抜群のようだ。
英国の演劇と歌舞伎が形をなしてきた年代とほぼ、同じくらい?というのも、不思議な因縁のような気もしている。

今回のリチャードⅢ世で、ひときわ美しかったのが、終盤でのヒーロー・リッチモンド伯役の川久保拓司さんを挙げておこうか。
あのドラマの中では、唯一正統な白い衣装、金髪といった端正さは、救われたような気がした。
(他の方のアバンギャルドで、サイケデリックな衣装も、奇抜で目を惹いたけれど・・・)

演劇は、セリフ・演技・美しさ・・・どれを欠いても成り立たないものらしい・・・。


リチャードⅢ世②*科白の上手さが、明暗を分ける

2009-01-25 20:58:48 | Weblog
よく晴れた寒い日曜日。

昨日の続き。

この舞台、嘆き悲しみ呪いのセリフしかない女優陣が、ほんとに上手な方ばかり。
まず、ヨーク公夫人の三田和代さん。
そんなに高い声ではないのに、あのセリフの抑揚、通りのよさは、さすが、モト劇団・四季の看板女優さんで、久々にお目にかかったのだけれど、上品なお美しさは、変らない。
ヨーク公夫人の死の迫った深く静かな悲しみを抜群の演技力で演じきっていた。
80歳の老婆役だが、そんな姿には、全く見えないのに、何故か違和感がない・・・。
紫色を基調としたお衣装もとてもよい雰囲気だった。
対照的なのが、ランカスター家のマーガレット元王妃役の銀粉蝶さん。
この人の吐き続ける呪いの言葉も凄まじい・・・あの長セリフを淀むことなく言い続けられる技量は凄い。
オドロオドロシさも抜群だった。
久世星佳さんのエリザベスは、朱色の着物調の衣装と髪の色を合わせ、したたかな王妃をよく通るお声で演じられていた。

・・・この三人を相手に、どうしても見劣りがしてしまったのが、アン役の安田成美さん・・・。
痛々しいまでに悲劇のヒロインを演じなければならないのに、控えめすぎた・・・いや、まわりの女優陣が凄すぎたのか・・・。生彩に欠けたアンになってしまっていた。
やはり、添え物程度か・・・と少し残念。あんなに繊細で、綺麗なのに・・・演技で引いてしまっていた。
私見だが、アン役は、新感線の高田聖子さんでも充分いけたのでは・・・と思うのだけれども・・・。

女優さんは、愁嘆場での見せ所の多いドラマけれど、男優さんも、あの難しいセリフに振り回されず、流石・・・と思われるのが、エドワード四世役の久保酎吉さん。普段は、善良なお父さんや、頑固な職人さんといった役が多いけれど、奇抜な衣装もまた不思議な雰囲気。
若松武史さんも独特の雰囲気で、善良なクラレンス役を演じられていた。
榎木孝明さんのスタンリー卿役も後半、舞台の空気を登場するだけで変えてしまう技量は凄い。
前半、あまり登場がなかっただけに、よけいそう思えるのか・・・。

昨日のブログで、新感線色の少ない舞台・・・と評してしまったけれども、やはり、シェイクスピアは、セリフが、きちんと言える役者さんでないと勤まらないということがよくわかったような気がする。
特に、現代風になどの脚色がなく、原本を忠実にドラマ化するのには、まず、正確な発音、抑揚ができないと問題外なのだろう・・・。
それが出来ないと、演技がついていかない。
膨大なセリフだし、ある程度、スピードを出さないと、上演時間内におさまらないということもあるのだろう思う。


演劇は、シェイクスピア以前、ベケット以降・・・(これでよかったかな???或いは逆?シェイクスピア以降、ベケット以前だったか・・・???)と言われているけれど、お客さんも少し勉強していかないと楽しめないか・・・。古典は・・・。

明日もまだ、続きます。


リチャードⅢ世*科白(セリフ)とモニターのジレンマ

2009-01-24 20:55:06 | Weblog
曇り空の一日。
昨日は、もう春・・・?ってくらいの暖かさだったのだけれども・・・。
そんな中、赤坂ACTシアターへ『リチャードⅢ世』を観劇に。

今回は、座席位置に難ありで、2階席前方左サイド。

劇団☆新感線のいのうえひでのりさんのモニターを多用した舞台だったが、それでなくても難しいレトリックなセリフ、英国薔薇戦争時代の複雑な相関関係を、モニターで視覚化しているものの、どのモニターをみても、視界を遮る障害物(壁の一部だとか、コードだとか、ネットだとか・・・)に邪魔されて、よく見えない・・・なんで、これで、S席料金なんだろう・・・と・・・。
モニターを追っていると、役者さんのセリフに追いつかない・・・。セリフを追っていると、モニターがお留守になってしまうジレンマ。
しかも、2階席は、空席もチラホラしていて、抽選で、ハズレて、やっとこ、取ったチケットなのに・・・と今回の観劇の不運さを象徴するかのよう・・・。

シェイクスピアは、セリフが難しい。
今回の出演者は、かなり芸達者な方ばかり・・・。
モト劇団四季の榎木孝明さん・三田和代さんをはじめ、セリフ廻しの達者な方ばかりだった。
そんな中、主役の古田新太さん・・・どうしたんだろう・・・と思うくらい、いつものアクの強さのないリチャードⅢ世になってしまっているようだった。
肝心のセリフが、聞き取りづらい・・・座席のせいだろうか・・・。
膨大なセリフに振り回されているような気がした。

それでも、さすが、いのうえさんと思わせる舞台構造。
休憩時間を含め約3時間半の長さを感じさせない・・・。
古典であるシェイクスピアのストーリーにどんどん引き込こむ手法は、いつもながら魅力的な演出であると感心した。

パソコン・携帯電話・マシンガンといった現代アイテムを多用しながらのシェイクスピア。
但し、今回は、新感線色のあまりない原作重視の『リチャードⅢ世』だったようだ。

『朧の森に棲む鬼』の下敷きとなった作品でもあり、かの『メタル・マクベス』といった脚色版のシェイクスピアを見たい方には多少物足りないかもしれない。
ただ、本来のシェイクスピア・ファンなら、納得がいくかもしれない。

今回は、仕事で一緒だったモト相棒がお連れ様。
『セリフを追うので必死でしたぁ~。』
と大分、お疲れのよう・・・やはり、『朧の森に棲む鬼』、『メタル・マクベス』のラインでの作品を期待してたようで、ちょっと難しかったです・・・との感想を述べられてた。

慣れないと難しいか・・・シェイクスピア・・・。

明日に続きます。



領域侵犯

2009-01-22 21:13:42 | Weblog
雨のぱらつく寒い一日。

観劇は、時には、両隣に座られるお客さんの影響をかなり受ける場合が多いと思います。

観劇が趣味というのは、女性の方が多いと思いますが、女性の方がお隣で、ちょっと困ったな・・・と思うのは、身に纏っていらっしゃる所謂、『香料』。
これについては、2008年のブログにも既に書いてしまいましたが、
『その香水・・・苦手なんだ・・・!(2007年10月10日、2008年1月30日の拙ブログをご参照下さい)』
って時ですかね・・・。
濃厚なヤツは、ちょっとゴメンこうむりたい・・・。
酔ってしまいそうで・・・。
空気の領域侵犯というヤツですね・・・。

滅多にないことですが、両隣が男性で、しかもメタボリックな方に挟まれてしまった場合・・・。
これは、かなり辛かった。
この席は、ワタシが数千円だして、この公演の上演時間中は、ワタシ・オンリーの席なのに・・・なんで、あなた方、ワタシの領域に侵犯してくるの!と叫びたかったときがあります。
この椅子と椅子の上、肘掛から肘掛の空間は、ワタシが買った空間なのよ!
その空間を、あきらかに越境してくるのです。
両隣の男性の腕と肩に押されて、相当苦しい・・・。しかも、梅雨時だったんだもんね。
高い金出して、なんで、こんなに窮屈な目に逢わなければならないのだろう・・・。
何も悪い事してないのに、肩身が狭い・・・両サイドに押されて、小さくなってみておりました。

もともと、かなり小さく狭いといわれている日本の劇場の客席ですからね・・・。
わたしは、標準よりは、ミニマムなのだけれど、それでも狭いと感じる時もありますが・・・。

リニューアルのため、暫く、閉館されて、建替え予定の歌舞伎座・・・。
ここでも、ちょっと苦しい思いをしました。
ワタシの席の前が、背の高い・・・外国の女性。
金髪の頭が、舞台を左右に分割・・・右と左へ泣き別れ状態で、ストーリーに集中できない・・・。
一等席・・・15,000円なのに・・・なんで・・・???

席種は、選べても、前後左右のお客さんは、選べない・・・。
当日、どんな方が来るのか分らないしね・・・。

この間は、開演しているのに、ビニール袋ガサガサさせていた人がお隣・・・。
もう始まっているんだけど・・・。
イントロダクションは、重要なんだけれど・・・これから始まるドラマの導入についていけないと、その先、一寸、辛いんだけれど・・・。

願わくば、どうぞ、普通の体形で、普通のモラルの方が、両隣に来てくださいますよう・・・。



『冬の絵空』**雪と花吹雪の幻影④

2009-01-21 21:11:48 | Weblog
日曜日から連続で書いております『冬の絵空』本日ファイナルってことで・・・。
ほんとすみません。
ずっと同じタイトルで・・・。

この舞台、忠臣蔵です。
日本人の大好きな忠臣蔵。

ドラマのプロローグでは、雪。
そして、エピローグでは、桜吹雪・・・と日本人の大好きなアイテムは、外しておりません。

忠臣蔵の四十七志は、太平の世に慣れきった所謂、階級は、武士でも刀すら満足に扱えない武士ばかり。
浅野家お取り潰しになっても他藩へ仕官の口もみつからないどうしようもない藩士ばかり・・・という設定。勿論、大石内蔵助もそのひとり・・・という、フツーの忠臣蔵とは、ちょっと違うし、最後の最後まで、討入りを阻止しようとしている大石内蔵助が、吉良上野介に渡りをつけて、浅野家お家再興まで実現一歩手前まで、こぎつけた・・・というあたりも、今までの忠臣蔵とは、どうも違うようです。

なかなか面白い忠臣蔵でしたが、このドラマで、セリフが極端に少ない、シロウ(犬男)役の片桐仁さんの存在に謎が残ります。
禁制のキリシタンで、犬以下のキリシタンなら、犬になれば、その咎を逃れ、信仰を全うできる・・・という役柄でしたが、これは、どう解釈したらよいのでしょうか?
お軽に影の如く付き従い、大石内蔵助に謎をかけ、自分の存在の証を立てよと迫る・・・
シロウというからには、天草四郎なのか・・・とふと関連付けては見るけれど、どうもよくわからない。
そのあたり、もう少し、ドラマのうえで、説明がほしかったと思います。
片桐さんも不思議な雰囲気のある方で、ひと目みたら忘れないような独特な個性がありますね。

そして、もうひとり、このドラマのヒロイン・お軽・・・この役もなかなかどうして難しい役でしたね。
捉えどころがない・・・。
引っかきまわすだけ引っ掻き回して、あのラストは、ありなのだろうかとワタシ自身は、ちょっと納得のいかないラストでした。
あれで、身の証が立ったのだろうかと・・・。
中越典子さんとても可憐なんだけれど、どうも印象がいまひとつと言ったカンジは、いなめませんでした。仮名手本忠臣蔵のお軽とかのイメージが固定されてしまっているせいなのか・・・。
加藤貴子さんと逆のキャスティングでもよかったのではと思うけれど・・・。

今回、いろいろ書いてしまいましたが、今年の初観劇としては、なかなか面白い作品に出会えました。

特にラストの桜吹雪は、圧巻の美しさ・・・。

『冬の絵空』**雪と花吹雪の幻影③

2009-01-20 21:10:29 | Weblog
昨日とは一転。曇りがちな冬の日。

一昨日から、続いています。

今回、劇団☆新感線から、橋本じゅんさん、粟根まことさんが参戦。
橋本じゅんさんは、悩める大石内蔵助役で、いつになく、真面目な役柄だったんだけれど、これは、『吉原御免状』の柳生宗冬役を彷彿とさせました。
殺陣は、流石に新感線の役者さんです。バッチリ決まっておりましたね。
いつもは、弾けた役の多い方ですが、重厚で思慮深く悩める大石内蔵助を、重く重く演じておりました。
このドラマの真の主人公・天野屋利平を演じる生瀬勝久さんとの陰影を演じなければならなかったからなのかも・・・と思わせる重厚さ。
生瀬さん(動) VS 橋本さん(静)の対決も、ラストに向って序々にクライマックスに向います。

これも別枠で、マッスン(枡毅さん)が、大石内蔵助役だったらまた、違っていたかな・・・と思ったりで・・・。
橋本さん、少し、抑えすぎか・・・。
お相手が、生瀬さんだからな・・・。

粟根さんは、第二幕からの出演でしたが、大石の宿敵・吉良上野介役。
何故か、家臣の清水一学との同性愛に走るかわいいご老人役でしたが・・・なんで?ここで、ホモの設定をしなければならないのかしら・・・別に、いいんだけど・・・。
実は、ワタシの座席の前には、小学校低学年とおぼしき娘さんがお母さんと観劇にいらしていた・・・。
ワタシには、関係ないけれど、小学生がこんな場面みてもいいのだろうか・・・と、ちと不安に・・・。
多分、藤木さんファンの親子だろうれど・・・。

よくよく考えれば、橋本じゅんさんと粟根まことさんの役柄が、逆でもよかったかもしれない・・・と今になってそう思いましたが・・・どうでしょうかね?

吉良上野介役は、松尾貴史さんとのダブル・キャストらしいので、松尾さんヴァージョンも見てみたかったな。

さて、肝心なことが、書けないでいますが・・・。やっぱり、書いておきましょうか。
天野屋利平役で、笑いを取るところは、笑いを、狂気を演じるところは狂気を、いつもながら、きっちりとした仕事ぶり。
このアクの強さは、一体なんなんでしょうと、毎度毎度、思うのだけれど、そのひと・・・生瀬勝久さん・・・。
今回は、登場人物全てを、掌で躍らせ、全て筋書き通り・・・に人を動かす天野屋を演じておりましたが、この役・・・たぶん、このひとにしか出来ないでしょうね・・・と思わせるくらい上手い。
娘・お軽の暴走?で、少しづつ筋書きがズレて、いくのを、ブラックな笑いと冷めた理性でコントロールしていく、難しい役柄なのだろうと思います。

本日は・・・といったところで、すみません。このあと、まだ、明日に、続きます。


『冬の絵空』**雪と花吹雪の幻影②

2009-01-19 21:16:37 | Weblog
久しぶりに暖かい一日に・・・。

『冬の絵空』昨日の続き。

舞台は、古い桜の大木。
季節は、師走。
冥界の入口らしい・・・。
冥府を守る犬達・・・これは、ギリシャ神話のケルベロス(地獄の番犬)のイメージなのだろうか・・・。
このドラマでの重要なアイテムである『犬兜』をつけた人としての証を立てられぬまま、冥界へ行けず、番犬としてたむろする宿命をになった異界の者達。
そこへ、盲目の妙海尼(この字でいいのかな・・・?)が、冥府からの使者を待つ。
この妙海尼・・・これからストーリーが展開するにつれて、かなり重要な鍵を握る女性です。
つまり、ヒロイン『お軽』。

忠臣蔵をテーマに、今までの忠臣蔵とは、全く違う解釈で繰り広げられるネオ・忠臣蔵といったお話です。

ストーリーを綴ってしまうと、ネタバレになるので、ストーリーは、劇場でお楽しみ下さい。
さわりだけ少し・・・書かせていただきました。

本編の主役は、超絶・美形とでも表現しても、よいかと思いますが、藤木直人さん。
私は、実体(・・・すみません。コンナ表現で・・・でもね。この表現、このドラマでは、ある意味を持つのよ。)にお目にかかったのは、初めてですが、匂い立つようなあでやかな容姿ですね。ほんとにお美しい。
立っているだけで、絵になるというのは、こういう人ですね。モデルさんのご出身でしたか?
沢村宗十郎という歌舞伎役者の役柄です・・・。
姿がいいだけに、惜しまれるのは、歌舞伎役者の見得と殺陣がいまひとつだったカンジですね。
なんとなく、決まらない・・・。惜しい!
もし、叶うならば、この役、ぜひ本家本元の『市川染五郎』さんあたりにやっていただきたかった。
でも、製作元がキューブさんだしな・・・。

数行前に、『実体』という表現を使いましたが、このドラマで、沢村宗十郎は、衣装化粧を落とすと、中味のない男と恋人のお軽(中越典子さん)に指摘されます。
・・・しかし、相手の中味を見抜けないのは、お軽の方・・・。
それが、この物語を悲劇へ導くことになってしまいますが・・・。
その実体のない絵空事の美しさを藤木さんならではの、天性のヴィジュアルのよさで表現していたというのは、ポイント高いと思います。この役は、美貌の役者さんでなければ、表現できませんからね。
どんなに演技力があっても、持って生まれた美しさには、勝てないってこともあるのですね・・・。

・・・明日に続きます。