鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

巽為風~花に嵐のたとえも・・・。

2014-03-31 04:10:10 | Weblog

昨日の午後から、風が出てきて、一晩中、強風が吹き荒れていた。

今日の深夜の3時頃、ふと、思い立って、易を立ててみた。
得た卦は、『巽為風』。

春の嵐の夜に、『巽為風』とは・・・。

この強風で、咲きそめの桜が散ってしまわないか・・・などと、思ったりした。

却説。この卦『巽為風』。
風の如く、柔軟であれ・・・。
気まぐれ、心が定まらない。

たしかに。
心が決まらず、アレコレと彷徨い歩き、自分でもどうしようもない。

それで、いつも当たらぬ易を立ててしまう。
当たっているのか・・・外れているのか・・・。

花に嵐は、つきものなれど。
あまりに、激しい風だから。

ふと・・・。もう数十年前。
灯りの消えた薄暗い病室の中で、こんな嵐の春の夜を眠れぬまま過ごした日を思い出した。
あの時の春も、モラトリアム。
春なのに、私には、何もなかった。
希望も、未来も・・・。
ただ・・・切除した傷跡が、早く癒えて、この先の指針が欲しかった。

そのときも・・・たぶん。
春だと言うのに、心が定まらず、先の見えない不安があった。

それでも、あの頃は、まだまだ若かったから。

『巽為風』

激しい嵐に、眠れぬ夜に、ふと立てた易は、風。
まだ暗闇の中・・・。風は、樹々を揺さぶる。

私の心を揺さぶり続ける。



『男おいらん:内藤みか・著』

2014-03-30 22:54:03 | Weblog

終日の雨。

このところ・・・。
演劇から遠ざかってしまっている。

いまのところ、無収入というか(雇用保険の受給はあるものの・・・在職中の60%の支給なので、国民年金やら、健康保険料やら、税金やら、それだけで結構な物入りである。高すぎやしないか?失業しているのに?)、観劇に回す余裕がない。

・・・そんなわけで、全席完売、チケットが取れない・・・らしい・・・今日のお題『男おいらん』を小説で、読んでみることに。

確かに・・・。コレは、綺麗な男優さんがやったらよいかもね。
ヴィジュアルもの・・・というか、舞台向きなお話だろうなぁ・・・。

でもね・・・。小説としては・・・。
そう・・・。

『・・・。』
・・・なのであった。


・・・っていうか・・・。

コレって、ジャンル的には、ボーイズ・ラヴ系の設定・・・ですよね?
ノンケの美少年が、飢饉で、裏吉原(・・・そういう設定。史実的にどうなのかしら??廓まであるってのは・・・陰間茶屋なら聞いたことあるケド・・・???)に売られて、年季が明けるまでは、身体を売り続けるか、男妾(・・・なんかスゴイわね?)になって、身受けしてもらうか・・・ってことだから、普通の遊女を、ただ単に男に変えただけ。ただし、徹底的にヴィジュアル重視。
故郷(お里という表現を使ってらっしゃる)で、医者を目指す幼馴染の庄屋の息子、二世を誓った?恋人、吉原・裏吉原に出入りする医師などの関係には、多少のドラマ性もあったりで。

四の五の言う前に・・・。
コレは、果たして、小説?なのか・・・いや、確かに小説なのだろうが・・・。
文章表現が、どうも・・・っていうか、なんか、コレって、違くね?(←一応、時代モノなのにこんな感じなのだ)。

粗探しをする訳ではないけれど、主人公のお里は、一体どこなんだろうと思うような・・・ちゃんぽん的ヘンテコな方言・・・察するところ四国なんだろうか・・・?それにしては・・・???
江戸時代に『はしか』という病名は使っていたのだろうか?・・・ヘンな違和感もあったりで。
舞台向けのシナリオをノベライズ化したのだろうが・・・一読して、私にとって、読む価値の無い本であったなぁ・・・稚拙すぎる・・・と思った一冊。

例えば・・・。
無理に小説にしなくても、脚本という形式でもよいのではないだろうか?
(実際に、舞台を見たわけではないので、何とも言えないのだけれど)。
その方が、アラが、でなくてよかったのでは・・・?

この書物・・・復刊ドットコムという会社から購入したので、配送料も500円程度かかり、総額で、2000円を超えてしまった。本の内容と代価が全く一致しない点でも、評価できない・・・ような気がする(いかんせん、今、貧乏なので)。

まあね、好みの問題かもね?




ガーリック入り野菜スープ

2014-03-29 22:50:02 | Weblog

気分は、もう初夏。


会社へ行ったり、ヒトに会ったりしなくなって、もう半年あまり・・・。
先週は、2日間だけ、単発の仕事をしたけれど(仕事自体は、何もしておらず、ただ、必要人員の頭数を揃えるだけの不要の要?的仕事。私に、もう少しスキルがあれば・・・)。

日々、家の外へ出るのは、かなり大変なことだと思っている。

自宅に居れば必要のない被服費、靴、昼食代などが、外出すれば掛かるし、見栄えのせぬ不細工な顔なれど、多少は、繕っていかねばならぬし、髪も毎日洗って、入浴し・・・結構な掛りがあったりする。
その上、毎日の炊事、洗濯・・・などなど、雑用も多くて、結局、外出するために要する時間とお金が、大部分を占めているようだ。

この暮らしが苦痛ではないから、たぶん、私は外へ出て働くのには、不向きなのだろうと思う。
先月、引き出した預金も、財布の中にいれたままで、あまり減っていかない。外で、買い物など、あまりしないし、食糧品は、近所のショッピング・モールで、カード払いだから、現金は、あまり動かないようなのだ。

そう・・・。たぶん、こういうモラトリアムな生活が一番向いていのだと思っている。
何より・・・外出しないから、ヒトに会うこともないから、平日でも、にんにく料理を誰にはばかることもなく、食べられる・・・というメリットが、最高だ。
だからといって、にんにくばかり食べている訳でないけれど。

きちんとした食事(主食は、米か麺類、一汁二菜か三菜程度)は、1日に1回程度だけれど、それ以外で、空腹になったときは、缶入りの野菜ジュースを用いたスープ類などを食している。

作り方は超簡単。

鍋にオリーヴオイルをほんの少し、トマトと玉葱のみじん切りを炒めて、鍋の材料がひたひたになるくらい水を入れ、コンソメキューブか、スープの素を入れて、少し煮込む。あれば、ハムやソーセージやベーコンなんかを入れてもいいけれど、コレらの食材には、ちとヤバイ添加物(亜硝酸塩だとか・・・ソルビン酸だとか発癌性の疑いのある)が入ったものもあるので、出来れば無添加のヤツ・・・若しくは、むき海老や冷凍のシーフードミックスなんかを入れて、そのあとヤサイジュースを一缶投入(このジュースは、果実などを含まない塩系の野菜ジュースに限る)。
塩・胡椒そして、すりおろしたニンニク少し。ニンニクの風味が強すぎると思われる向きには、玉葱を炒めるときに、一緒に炒めた方が、いいかもしれない。

パンなどの炭水化物、タンパク質は、ヨーグルトなんかをデザートにする・・・軽い夜食風。




失業日記⑧

2014-03-28 22:56:43 | Weblog

昨日の寒さ・・・何処へやら。あたたかな金曜日。


昨日は、お昼過ぎから、商工会議所にて、求職活動の一環、就職支援セミナー第三回:面接の受け方を受講。

講師は、前回2月度と同じ産業コンサルタントという職業の女性の先生。
講義2時間。
面接のデモンストレーション(受講者同志で、面接官・面接者・観察者に分かれてのシュミュレーション)1時間。

面接とは・・・。こんなに難しいものだったのね。

採用されるには、自分に不利な事は、いわない。
あくまで、好印象で、面接官好みの問答をせよ。

まあ、当然と言えば当然か。

でもな・・・。こんな要領のよいヤツばかり採用して、成り立っている会社って・・・?
欺瞞だよな。いい加減だよな。仕事できなくても、コレだったら、受かるのね?
正直モノは、馬鹿をみる典型だわな・・・と思ったりする。

実際に、本当に、心底、従事したい仕事であれば、コレらの苦労は、厭わないだろう。
でも、日々の糧を得るだけの・・・隷属的な仕事でさえ、自分の心を隠してまで、取繕わなければならない。
自分の心を騙さないと仕事も見つからないのか・・・。

幾分投げやりに、もう会社での仕事は、できんな・・・などと思いながら、3時間半を過ごした。

セミナーが終わって、求職活動のお墨付きをいただいたあと、家人から頼まれたビン類(ワインだの、栄養ドリンクだの・・・消費税8%になる前に買いダメしておく)を購入。

夕刻、相方と食事。

相方は、一応、会社では人事権があるらしく、面接官などもやっていたので、いろいろと話をする。
工業系技術者の採用担当だから、
『あるひとつの質問をして、30秒以内に、的確な回答が出来なければ、落としますよ。』
と、言っていた。

そりゃ、今は、買い手市場だもんな・・・。




香考⑬Eau d‘Orange Verte:Hermes

2014-03-27 22:53:07 | Weblog

曇り時々雨。

ワタシは・・・。
林檎(りんご)より、蜜柑(みかん)の方が好きだ。味も香りも蜜柑の方が好きだ。
・・・だから、紅茶もフレグランスもシトラス(柑橘)系が好きだ。
故に・・・このエルメスのオードランジュベルトが嫌いなハズがない。

かなり単純な結論である。

極めて、爽やかで、極めて、清(すが)しい。

居住地によって、差があるかもしれないけれど、柑橘類は、秋の終わり頃から出始める温州蜜柑(うんしゅうみかん)を皮切りに、立春の頃から、デコポンだとか、甘夏だとか・・・あのビタミンオレンジとでも形容したくなるような色で、春を目で感じさせるし、あの爽やかな香りと酸味で、味覚と嗅覚を春へと修正するような気がする。

蜜柑とは、ちょっと違うけれど、レモンやライム、ネロリといった少し青味のあるような柑橘類も大好きで、酢橘(すだち)や柚子(ゆず)なども、優しく爽やかで清しい。

柑橘類のあの清しさ(・・・私は、清々しい・・・と言う表現よりも、すがしい・・・という表現の方が好きで、たしか、一昨日あたり記載した泉鏡花が使っていた表現だったと思うけれど、違うかも知れない)は、私の知っている嗅覚の中では、一番好きなのだと思っている。

・・・という訳で、オードランジュベルト。

これから暑くなってくる季節には、まさにぴったりの香りだと思う。

ライムとオレンジと・・・石鹸?のようなムスク、そして、ミント。
この香りは、何処か懐かしい。
たぶん・・・かなり昔・・・イタリア製だったか・・・スペイン製だったか・・・1ドル360円のレートの時代に、買ったことのあるオー・デ・トワレに似ている。
おしゃれな欧州的な大きな壜に入った安物のフレグランス。

その前後だったか・・・多分、それより前だろうなぁ。資生堂から、シャワーコロンなる香料の含有率が、極めて薄い商品が発売されて、あのライムの香りは、好きだった。
中学・高校生の小遣いでは、手に入れようにも難しかった。
香料1%くらいで、あとは、アルコールと水だったのだろうが・・・。

・・・このオードランジュベルトは、就寝時につけても、全く問題ない・・・どちらかといえば、アロマ系かもしれない。


香考⑫LES EXCLUSIFS JERSEY EDT:CHANEL

2014-03-26 22:51:36 | Weblog

薄曇りでも、暖かい。夕刻より雨。

私は、どちらかと言えば、草食・・・草食といっても、巷で、使われるセクシャリティ動向の意味での草食ではなく、食生活では・・・ということで、ややベジタリアン傾向にあって、サラダなどの野菜系のプレートか、肉類のプレートか・・・どちらを食するかと言えば、ほぼ間違いなく野菜系のプレートを選ぶ・・・と思う。ちょっと重めのパン(ライ麦やナッツなどを混ぜ込んだパン。真っ白い漂白されたパンじゃないもの)と裏ごしした野菜スープなどが一緒に供されると尚、可なり・・・だ。

食と香りの好みを一緒にするのもどうか・・・とも思うのだけれど、香りも、どちらかと言えば、青っぽいガルバナム樹脂だとか、レモンやネロリ、ライムなどの柑橘類、ラヴェンダーなどのハーバル系が好きで、麝香(ムスク)、流涎香(アンバーグリス)、霊猫香(シベット)などの動物系の香料と、植物性ではあるけれど、ちょっとキツいインセンス(お香)などは、酔ってしまってどうにもいけない。また植物系でも、甘すぎる花の香りだとか、同じ果実類でも、トリピカルフルーツ、やはり甘系のピーチだとか、林檎の香りは、全く受けつけない。
唯一、薔薇は、例外としておこうか。

まあ、いろいろと好みが面倒と言うか、嗅覚と脳が拒むようだ。

今日のお題。

日本語のカタカナ表記では、『レ ゼクスクルジフ ジャージー』

香調は、ラヴェンダー、ムスク、バニラ・・・ということで、なかなか良い香りである。やはり、麝香が少し強いか・・・そんなイメージもあるけれど。
同じシャネルのアリュール(・・・いや、チャンス?だったかもしれない)以来、香りが、変化しない香調のフレグランスが主流となっているのだろうか。
このジャージーも、つけた時から、ドライダウンするまで、めまぐるしい?香りの変化は、ないようで、安定したよい香りが続くパターンなのか・・・?と思う。

オー・デ・トワレということなので、賦香率も10%未満で、残り90%は、アルコールと水だと思うけれど、肌に載せてから、消えるまでの時間は、結構長い・・・。
やはり、原材料がよいのだろうと思う。

今、手元にあるものは、量り売り1mL 350円くらいの価格であって、ボトル入りじゃないから、相当空気に触れて劣化していると思うけれど、それでも、香りの品位は、保たれているあたり、流石に世界に冠たる?という形容詞を差し上げたくなる。
フルボトルの価格も半端じゃない。
75mLで、約2万円の価格になっていた。

これを惜しげもなく(オー・デ・トワレなので)、浴びるようにつけたあと、ザッとシャワーなど浴びて、夏を過ごしたい・・・などと、貧乏なうえに、貧乏性の私には、たぶん、絶対無理だろう・・・。




春休み:ノスタルジックな映画館④番外編(スクリーン)

2014-03-25 22:54:19 | Weblog

春・・・まったり。


映画を観るなら・・・。

初めて訪れた映画館は、都心から少し離れた(もとい・・・少しじゃなくて、相当離れた)工業地帯である我が居住地の場末の映画館で、駅前にあって、エントランス(←その時代、まだ、このワードは、定着していなかった)も、なんとなく(しかも陰気に)暗くて、東映だとか、東宝だとか、松竹だとか・・・そんな興行会社の看板スターのポスターがパネルになってお出迎えで、足許のカーペットは、かつての朱の色も褪せて、踏まれ、汚れて・・・そんな感じ・・・だったような気がする。

料金の高いロードショー系の映画館は、この街には、まだなくて、いつも二本立てか三本立て。
平日の昼間は、ガラガラだったけれど、春休みや夏休み、冬休みは、アニメーションなどの子供向けの作品上演中は、立ち見も出る・・・そんな映画館は、駅前にあった。

そして、もう一軒の映画館。こちらは、場末の更に場末。
お勤めを始めた頃、郵便局にお使いに行かされたときなどは、所謂、エロとか成人向け呼ばれる(・・・そう呼ばれていたのだろうか?)映画ばかり上演する映画館の前を通らなければならなくて、そのときは、足早に通過した・・・。
そのあたりは、酒場だとか、キャバレーだとか・・・駅の表通りとは、一線を画す裏通りで、郵便局には、一番近道だったから。

そんな映画館たちも今は、どうなっているのだろうか。

駅前の場末の映画館は、ショッピング・ビルの中の上層階に移動したし、裏通りの場末の場末にあるエロ系専門の映画館は、何故か居を移さず、健在?で、『ハッテンバ』になっているというし。
(この『ハッテンバ』という言葉は、漫画家・今市子さんの作品で、知ったのだけれど、やおい系の作品に多い・・・この『やおい』という言葉を始め、腐女子の好む作品って、難しい言葉が多くて、意味がよくわからず、ネットなどで、調べてようやく意味が通じる。今市子さんは、絵が綺麗だし、ストーリー性もあって好みなのだけれど)

料金の高いロードショー系の映画館は、電車で30分くらいの県庁所在地にあったのだけれど、病み上がりのモラトリアムで、自分ではビタ一文稼ぐことが出来ず、親から小遣いをもらっていた身にとっては、アシを踏み入れるには、ちと敷居が高すぎた。

それでも・・・。
病院の帰りに一度、入ったことがあった。
ルキノ・ヴィスコンティの作品だったけれど。

そう・・・ヴィスコンティだけは、ゆったりとした深紅の座り心地のよい椅子で、指定席でみないとその雰囲気は、堪能できない・・・それは、今でも、そう思う。

大スクリーンと指定席。

・・・そう・・・映画を観るなら・・・。




『グランドシネマ・坂東玉三郎・日本橋』②泉鏡花と玉三郎

2014-03-24 22:51:49 | Weblog
春本番。
霞んだ空と少し澱んだような空気。


百年に一度の女形の誉れ高き坂東玉三郎。

このひとは、男でも女でもないし、男でもあるし女でもある。
生物学的には、男性なのだろうけれど、たぶん、その括りでは、分類できないヒトを超越した何かがある。

・・・だから・・・。

観客は、既に還暦を過ぎた彼の舞台に酔う。

それが、映画となると・・・。
その魅力の何割かは、無条件で、差し引かれることに成るのだけれど。
・・・それでも・・・このひとの天性の才能には、何の影響もないだろうと思っている。
思っているが・・・しかし・・・。
映像とは、不思議なものである。
カメラのレンズを通して映る被写体には、たぶん、オーラも映るのだろうか?

さて、この天才女形が、好む題材が、泉鏡花という文人だった。
同じ日生劇場で、演じられた『天守物語』の富姫。
相手の姫川図書之助役は、片岡孝夫(現・仁左衛門)。
究極の美形カップルである。

この『天守物語』を見た当時、私は、まだ10代の小娘で、観劇などは、高嶺の花。
チケットを買ってしまうと、帰りの電車賃さえ心もとない。
・・・それでも・・・日生劇場の二階の・・・小娘のワタシでさえ、狭いと感じる・・・一番後ろの席。
そこで、私は、初めて、この百年に一度の女形の舞台を見たのだった。

煌めき、幽玄・・・美しさにもいろいろあると知った舞台だった。

その後、玉三郎は、病的に神経質なこの文人の作品を次々に手掛けていく。

多分、初の映画だろう・・・『夜叉が池』。
『天守物語』の富姫のお仲間、白雪姫・・・。この映画は、失敗だったけれど。
その後、お庭をただ歩くだけの『外科室』の監督。

正直・・・鏡花の世界は、物語性を追うものにとっては、難解だとおもう。
急に場面が転換されて、その間の事情は、語られない。この・・・映画『日本橋』で、葛木の出家は、どう理解していいのかわからないところもある。

鏡花と玉三郎・・・まさに運命の邂逅。

理屈では語れぬ究極の美が、そこにある。それは、感じるひとだけが感じ取れる美でもある。

高橋恵子の清葉役は、絶品。






『グランドシネマ・坂東玉三郎・日本橋』

2014-03-23 22:50:20 | Weblog
日差しは暖かく、気温15℃なれど、風の冷たい日曜日。


昨日22日、夕刻から、相方と映画へ。
何を隠そう・・・私が、映画館訪れるのは、数十年ぶりであった。
まだ、シネマコンプレックスという複数のスクリーン上映の形式が確立されていなかった頃だったと思う・・・。

映画は・・・。
半年もたてば、DVDになるし、地上波でも放送される・・・故に、映画館は、私にとっては、必要なかった。

今年に入って、相方曰く。
『映画にいきましょうよ。坂東玉三郎さん好きでしょ?舞台で上演された作品で、映画として、放映されるヤツですが。』

・・・そう。
この『日本橋』は、去年、日比谷の日生劇場で、上演されたのだけれど、去年の私は、もう奈落の底にいるような日々を送っていたので、坂東玉三郎が、日生劇場で、泉鏡花を演じたことさえ、知らずにいた。
普通の状態だったら、たぶん、劇場まで、観劇に行ったとおもうのだけれど。

『では。ご一緒に、お連れください。』
とお返事をして、封切りを待って、昨日、訪れたのは、相方の居住地にあるシネマコンプレックス。

小規模な映写室が、左右に並び、訪れた映写室のキャパシティは、125席。
お客さんは、相方と私の他・・・6名。
演劇が上演される劇場よりも、広い椅子とスペース。
大スクリーンで、ゆったりと鑑賞することができた。
演劇だと15,000円くらいの入場料だけれど、映画だと約1/10の料金。
しかし・・・坂東玉三郎なら、やはりナマで見るに越したことは無い。
映画だと、セリフが大仰だし、多少違和感もあったけれど、着物や帯の美しさは、細部に渡って見えるし、コレは、コレで・・・、なかなか。

映画は、娯楽産業の最たるものだとおもうけれど、私は、シネマコンプレックスのお作法を知らないし、映画少年だった相方に連れて行って貰わなければ、入場の仕方さえ?わからず、一生、映画館には、無縁だったかもしれない。

次回、上演予定の『テルマエ・ロマエⅡ』も、ご同伴をお願いして、帰宅した。



『医者いらずの食:内海聡』②

2014-03-22 22:51:15 | Weblog
 
穏やかな春のお彼岸。


以前、お昼のワイド・ショーで、ある食品の摂取が、身体にスコブル良い・・・とオンエアされると、その日の夕方、スーパーの食品陳列棚からその商品が消える・・・例えば、ココアだとか・・・とにかく、品薄状態が続く・・・。
そんな日本。

メディアと業界が巧妙に仕掛けた販売の罠にひっかかる一般市民。

私も以前、『プレーンヨーグルト』による健康法というヤツを、実行したことがあった。1日で、あのプレーンヨーグルト500mlを食べる・・・と言う方法だった。
結果・・・症状が酷くなってしまったのだった。
ヨーグルトは、健康食品で、乳酸菌だから、悪くはなかろう・・・と思って、試してみたが、消化吸収が良すぎたのか・・・以前より、便秘が酷くなったので、やめた。
ヨーグルトなんて、食後に、ケチケチ食べるくらいでちょうどよかったのかもしれない。

『医者いらずの食』の中で、内海聡氏は、プロバイオティクスについても言及していらっしゃる。
人体によいとされる菌を、薬のように摂取しても、意味のないことで、直接的すぎる医療行為は、人体に悪影響を及ぼす・・・。
だから、ヨーグルトを大量に摂っても、私の症状は、悪くなるばかりだったのね・・・。

薬も対症療法で、症状を抑えるだけ、製薬会社は、病気を治す薬など作る気は全くない・・・らしい。

利潤の追求のために、原材料の真実を知ったらとてもクチにできないようなものに、毒性の疑いが避けられないような薬品を使って、別物に代える・・・。

それを知らないで、喜んで食べる無知で、可愛そうな国民。

こんなおかしな国は、たぶん・・・他には、ないのかもしれない。

亡国の食・・・日本。

何を食べるかで、未来が決まる。
選択の幅は、極めて狭いから、資産家は、害毒の少ない高い食材で、健康になるけれど、毒だらけの加工食品を口にしている一般国民は、多分、死滅する。

一般国民が死滅すれば、国は、亡びる・・・そんなシナリオが、浮かんでくるような一冊。