鼎子堂(Teishi-Do)

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アマチュアさんのブログ小説

2016-02-06 22:20:58 | 本・読書

雪・・・ちらほら・・・。

職業作家(・・・っていうか、小説が、お金になるひと)ではない、所謂、普通?主婦の方が、ご自身のブログなどで、小説を発表されているのを見かけた。
・・・ブログを立ち上げている方で、小説を発表しているのは、職業作家を目指しているお方も多いのだろうと思う。

拝読させていただいている小説?(ご自身で、小説・・・とおっしゃっているから小説なのだろう)は、確かに、面白く読んでいる。

そこで、ふと・・・思った。

職業で書いている小説と、アマチュアの小説の違いが、かなり明白なことがわかってきた。

ブログの中で、連載小説と銘打っている作品のひとつは、たぶん日本で一番、位?が高い・・・と言われている或る一族の物語で、登場人物も全て実名で、日本人であれば、知らないひとは、殆どいないだろうと思われるご一族の顛末(・・・まだ連載中だから、今後、どのような結末になるのか分からないけれど)のようだ。
今後の成り行きとともに、当初の筋書きの結末が、変わらないとも言えないかもしれない。

登場人物は、全て?実名(中には、フィクションと思われる部分もあるようだ)で・・・といっても、全て、カタカナの表記である。

プロの書き手なれば、実在の人物であれば、ソレとわかるように、名前を変えたりする。

名誉棄損だとか、著作権???だとか、いろいろ規制があるのかもしれない。

故・宮尾登美子氏の小説『序の舞』を例にとるなら、実在の女流日本画家・上村松園(上村津禰)であれば、島村津也と変換しているし、森茉莉氏の随筆であれば、三島由紀夫を真島与志之、かの荻原朔太郎の娘であり、親友の荻原葉子を、野原野枝実、黒岩涙香であれば、赤沢涙谷といったように。

一寸した謎解きが面白いといえば、面白いし、分かる人だけには、分かる楽しさがある。

エピソードの組み立てなども、背景、時間、場所・・・所謂、空気感(・・・というか雰囲気とか)までを、文学的に表現するのが、プロであるから、その文章を読む人が、そのひとの記憶、過ごしてきた環境などと通して、物語を想像するし、登場人物さえも、自分イメージに合わせることができる。

アマチュアの方(今の処、この方しか知らないけれど)は、平坦である。佳くも悪くもフラットだ。
実在の人物が、すでに、現存するから、所謂、アテ書きという手法になるのだと思う。
観たまま、聞いたまま、ヴィジュアルそのまま・・・。

週刊誌、インターネット、書物・・・いろいろな情報ソースを取り出してきての羅列の中に、ご自身の趣味を反映しているように感じられる。分かりやすいと言えば、解りやすい。
テレビドラマを文字に置き換えたようなわかり易さだから、読んでいる方は、自分自身、創造する必要があまりない。
ドキュメンタリー的なのかもしれない。

そんな違いが見えてくるから、やはり、アマチュアの方のブログ小説は、金銭には、ならぬのだろうなぁ・・・と思う。

・・・もし、出版社なり、テレビ局なりが、資金を供出してくれるのであれば、たぶん本物なのだろう。

読むのにお金がかからないから、めったな批評もできないし、文句があるなら、読まなければいいのだろうし、不思議とファンも多いらしいから、それなりの褒め言葉でしか、批評できないのが、お金にならない小説なんだろうと思った次第。

これは、インターネット上にある広告の記事・・・同じものを、何度も、リライトする手法と似ているとこともある。

平坦さ、わかり易さが、第一条件のようだ。

でもそれなりに面白いところが摩訶不思議といえば、不思議・・・?
上手いのか下手なのか・・・?

私には、判断できないのである。
(好きか嫌いか・・・と言えば、テーマがテーマだけに、まあ、好きなんだろうと思う)