鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

4ヶ月ぶりに週末に外出いたしました。

2011-04-30 22:36:43 | Weblog
4月最後の日。曇りがち。

昨日は、大型連休の初日だったのだけれど、会社は、出勤日だったので、私は、本日が連休初日。
4ヶ月ぶりに都内へ。
都内へは、大抵、演劇・Liveとかのお出掛けなのだけれど、本日は、病院へ。
予定では、3月の第三週土曜日に予定していた通院ですが、震災で、電車も動かず、帰宅難民になった友人の話など聞いていると、行ったは、いいけれど、帰ってこられない・・・なんていうのが恐怖だったし、その後の予約が取れなかったので、1ヶ月半後の今日になってしまったという次第。
歯科系のクリニックなんで、これから長い事、通院始まるのは、億劫。

今日は、電車が、3分くらいの遅れで済んだけれども、今後は、どうだろう・・・。
夏場には、再び?停電も見込まれているようだし・・・。
上手く行けばいいのだけれども。

さて、今年の1月にLiveに行って以来、土日は、自宅で、隠棲していて、考えてみれば、震災の影響も含めて、演劇チケットが、数枚、ゴミ箱行きとなってしまって、勿体無いことをした・・・と思っているのだけれど、帰宅難民ってのものなぁ・・・。


まず、地元JR駅の暗いこと、暗いこと・・・ましてや、今日は、曇りがちで、暗い・・・。
なんだか、これから先の低迷を暗示しているかのようで、やっぱり、明るい方がいいよなぁ・・・。
東京駅や新宿駅なんかは、かなり明るかったのだけれど・・・。
やっぱ、人口密度が高いところは、明るくないと危ないしな・・・。
地元駅は、そんなに人もいないのだし、暗くってもいいのか・・・。

新宿駅から中央線。
中央線の新宿から西って、高架線だから、眺めがいいし、都心部のやたらビルばかりが立ち並ぶ光景とは、一線を画すようで、ひとが住んでいる・・・という感じがあって、空が高い・・・?ような気がする。
あくまでも、気がするだけなんだけれど。

武蔵野は、親子三代サラリーマンっていうお家が多いらしくて、持ち家が多いから、高い家賃やローンの支払いなんかがないから、生活水準のステータスが高いって話を聞いた事があるので、それが、わりとユルい雰囲気なのかな~と思う。

随分と送電線も延びていたりして、やっぱ東京郊外?なのかしらん???

縁があれば、住んでみたいところですね・・・。中央線沿線。


春の嵐

2011-04-27 22:43:46 | Weblog
荒れ狂うような風。
メイ・ストームには、少しだけ、早い。

気温が上昇して、夏日。
生暖かい熱気を帯びた風が吹きすさぶ。

今上さんと皇后さんが、被災地を訪問された映像をニュースが伝えた。
避難所の体育館で、ブルーシートの上を、安価な青いスリッパを履かれて、そして、被災者の前に、跪いておられる。

この方々は、ほんの70年前までは、雲の上のヤンごとない方々で、現人神だったから、実際のお姿を見ることさえ、庶民には、難しい時代もあったようだ。

・・・それが・・・。
弱き立場の人々と同じ立ち位置、視線を合わせる・・・。

時代も変わった・・・。

今上さんは、少し太られたようだ。
皇后さんは、お痩せになられた。

両陛下とも、お身体の具合宜しからず・・・と報道されていたのだけれども、

慈愛なんだろうか・・・?
静かな静かな微笑みである。
・・・庶民の苦しみとは、別の苦しみがあるのだろう・・・。

静かな静かな・・・シンとした深い森の中の透明な湖のような・・・。
或いは、月のない夜の星明かりにも似た・・・その笑み・・・。


春の嵐は、まだまだ吹きすさぶ。
人の心の中に・・・。
たぶん、やむことの無いあの日の嵐。

昔の現人神は、神の微笑みで、被災地に降り立ったようだ。



石の棺・水の棺

2011-04-26 23:12:31 | Weblog
うすぐもりでも、風爽やか・・・初夏の風によく似合う花・・・ハナミズキ咲き始める。


過去最悪の原発事故・・・チェルノブイリ原子力発電所の事故から、今日で、25年。四半世紀。
そういえば、そうだったんだよね。
ゴールデン・ウィークの直前だったからさ・・・。
この先、世界は、どうなっちゃうんだろう・・・?
ヨーロッパは汚染され、大好きなパスタ類の原料・デュラムセモリナ小麦も、放射能汚染が・・・。
もう、パスタは、食べられんのか・・・などと思っていたのが25年前・・・???

鋼鉄とコンクリートの石棺に覆われたチェルノブイリ。
老朽化だとか・・・。

さて、その25年後。
福島第一原子力発電所は、石の棺に納めるには、まだまだクリアしなければ、ならない問題が山積だとニュースで言っていた。

原子炉を水で覆う『水棺』に閉じ込めるのだとか・・・。
もう人の手で制御できる段階ではないようだ。

棺・・・というと死者を安置するのに使うもの。
従順さを失った放射性物質は、まだ死んだ訳ではない。
これから、2万年の時間は、半減を繰り返しながら生きているのだという。

2万年後の姿を見られる人はいない・・・。
その間にどんなふうに影響するのか・・・2万年の長きにわたり観察するのだろうか?
日本人が滅びなければ・・・。

これから25年後、福島第一原子力発電所は、水冷したあと、やはり、石の棺に入れられるのだろうか?

『コレが25年前に事故を起こした原子力発電所です。未だに、放射能モレで、近づけませんが、こちらの飛行機の上空からご覧になれます。石の棺でございます。』

・・・なんて、そんな原発巡りのツアーなんかやってるかもしれない・・・???

『そんでも、チェルノブイリよりかマシかね?いやいや、浜岡の方が凄かったもんね・・・。』

冗談で済めばよいのだけれど。

人の手に負えなくなったモンスターは、果たして、水の棺の中で、大人しく眠りについてくれるのだろうか?


『後巷説百物語:京極夏彦・著』

2011-04-25 23:04:44 | Weblog
曇りがち。昼頃、通り雨。


『巷説百物語』シリーズの第三弾。
前二作では、若き戯作者で、語り手として登場した山岡百介は、老境に入り、もうじき、死を迎える。
怪かしが、科学によって、怪かしでなくなる時代のはじまり。
江戸から明治と世の中が一変し、侍も町人も身分の違いがなくなる中、薬研掘りに庵を結び、おぎんの孫娘を引取り、静かに暮らす一白翁ことかつての山岡百介のもとに、集まる若者4人。
不思議な事件が、起こるたび、4人は、一白翁の下へ参上する。

一白翁は、かつて、若かりし頃、不思議を求めて、諸国を漫遊し、聞いた話、見た話・・・不思議な話を披露する。

赤えいの魚・・・男鹿に浮かぶ虚ろなひと達の住む不思議な島。地続きだと思って暮らしていたら、実は、巨大なエイの背中で、或る日、エイはイキナリ海に潜り、誰もか大地の上で、生活していると信じていたのに、沈んでみるまでは、そこがエイの背中だったとは気づかない・・・。
まるで、震災に脅える今の私たちの姿。

御行の又一の仕掛けた大芝居『天火』、『手負蛇』、誰が犯人なのかを古典にその手法をみつける『山男』、京極堂シリーズ『陰魔羅鬼の瑕』、『狂骨の夢』と複雑にリンクする『五位の光』、山岡百介最後の仕掛け『風の神』の六編。

・・・コレで、このシリーズも終わりなのかなぁ・・・なんか、一抹の寂しさを覚えたし、まだまだ続編が読みたいなぁ・・・と上梓された読後に切実に思ったりで。
もっと、もっと、続けて欲しいシリーズなのになぁ・・・

終わりではなかった。
その後、『先巷説百物語(拙ブログ2007年8月26日をご参照下さい)』、まだ、未読なのだけれど、『西巷説百物語』へと続く。

しかし、山岡百介の物語は、ここで終わっているようだ(『西巷説百物語』には、登場するのかどうか?これは、連休中に読むのが楽しみで、お取りおきをしてある・・・去年からずっと・・・)。

京極堂さんの御本は、読み出すと止まらない・・・。
夜中でも明け方まででも、読んでしまう・・・。
このまま、会社が休みだったらなぁ・・・。
ずっと読んでいられるけれど、勤め人の悲しいさだめ・・・。
どんなに遅くまで本を読んでいても、仕事のあるウィーク・ディは、真面目な会社員とならずば、なるまい・・・。
・・・でないと、本も買えないもんね。


天の理・地の理 

2011-04-24 22:42:51 | Weblog
午後の早い時間から、暗雲立ちこめ、暴風が吹き荒れ、そして、雷鳴。
・・・荒れるかな・・・コレは・・・などと、思っていたら、雨は、僅かホンの少し・・・。

夕刻には、明るい空が戻ってきた・・・そして、また雷雨・・・猫の目のように変わる気象。

そして、毎夜ごと・・・そして、朝・・・お決まりのように揺れる・・・地震。

築ン十年の安普請の家の壁には、真っ直ぐに亀裂が生じ、今度、巨大地震が起これば、多分、崩壊だろうと思う。
以前は、密閉されていたふすまが閉まらなくなり、1cmくらい空間が生じている。
・・・1cmズレたということか・・・。

しかし・・・あの揺れで、よくここまで保ったもんだと思う。
土台は、割と頑丈なのか、否か・・・ってとこだけれども。

さて、雲行きの怪しい日曜日なのだけれど、コレから先、どうなってしまうのだろうか・・・などと、考えても仕方のないことばかり考えている。

コレまでガセネタ含めて、いろいろな情報が飛び交っているけれども、近い未来においては、或る程度の予測が立ちそうだ。

地震に関しては、明日か、1ヵ月後か、1年後か、10年後か・・・いづれ巨大地震は、間違いなく起こるだろうと研究者は、言っている。
それが、いつなのか正確な日時は、予測できないけれど、まあ、そう遠くない未来に・・・。
コレだけ余震が続くということは、たぶん、そういうことなんだろうと思ったりする。
地下で連動している火山の活動も見逃せないファクターなんだろう。

地震・雷は、天然自然の成り行きだから、コッチの都合などなんのお構いもなしにやってくる。
物理的に避けるのは、不可能だろう。
日常は、雑事が多くて、忘れているけれども、やはり、足許は、いつも危険に晒されていると思って、間違いないようだ。

天然自然の理に関係なく、建設される原発も、もう人の手に負えるほど、大人しくなくなったのは、ご周知の通り。
人の手で、止めることができるうちに、全廃したほうが、まだ、リスクは、分散できるというものか・・・。

どっちにしろ、間違いなく起こりうることに、背を向け、目を閉じ、耳を塞いでいても仕方ない。
その中で、出来るだけ、リスクの少ない生き方ができるかどうか・・・その辺なんだろうと思っている。

我が近在では、未だ、放射線量が、通常の6倍である。
コレを人体に影響が無い・・・と報道する政府・マスコミの神経は、どうなっているんだろうか?

『塗仏の宴・宴の始末:京極夏彦・著』

2011-04-23 22:45:29 | Weblog
朝から雨。風雨強し。
雨なのに、空が異常に明るい・・・明るすぎる・・・地震の前触れか?
眠くて、眠くて、仕方が無い。
眠ろうとすると選挙の宣伝カーが、大音量で、通り過ぎる・・・、電話が鳴って、○×選挙事務所です!と言ったどうでもいい電話。今、選挙やってる場合じゃないと思うけれど・・・。


塗仏の宴の支度は、整い、後半へ向って、あの男の登場を待つばかり。
いよいよ『真打登場!』・・・なのだけれど、真打・中禅寺秋彦は、いつもの死神がハラ毀したような仏頂面(この表現は、本によって変わる・・・北半球が水没したような仏頂面だとか、アジアが滅んだような仏頂面だとか・・・程度と規模が変わるようだ)で、本を読んでいる・・・。

『事件は、何も起きていないじゃないか・・・。』

消えた村、すりかえられた村民、崩壊されたふたつの家族の行方・・・。

本編で、明らかになる中禅寺秋彦の過去。
陸軍で、未来を先取りしたような研究職だったんですねぇ・・・中禅寺さんは。
そのあたりが、今回の物語の発端となっているようだし。

後編では、榎木津礼二郎が大活躍。
京極堂を唆し、事件の謎解きは、ようやく始まる。
派手に暗躍していた富山の薬売り・尾国誠一の正体は・・・?
騙した方が騙される、騙された方が騙している・・・
見られている方が見ている、見ている方が見られている・・・。

このシリーズでは、名前は、登場するけれど、実際には、登場しない人物が多々あらわれる。

京極堂に『先生』と呼ばれる築地のあのひと・・・明石先生。
奇人・榎木津礼二郎の家族・・・榎木津幹麿子爵とその夫人とお兄さん。
学生時代の友人で、通訳の大河内君。
実際には、登場しないけれども本編の重要なキーパーソン・山辺唯継・・・などなど。

謎の多い、明石先生と、お茶目な変人・榎木津幹麿子爵の物語を読んでみたいもんだといつも思う。

そして、未だに分らない『織作茜』の父親・・・一体誰なんだろう?茜さんのお父さんって?

この物語は、作為的に破壊された二つの家族の物語でもある。

『塗仏の宴・宴の支度:京極夏彦・著』

2011-04-22 23:29:35 | Weblog
くもりがちで、何やら、肌寒い。

京極堂さんの本ばかり読んでいる。
今日の御題の『塗仏の宴・宴の支度』は、京極堂シリーズの集大成ともいえる長編。
前編にあたる『塗仏の宴・宴の支度』は、戦前に大虐殺の噂があって消えたらしいといわれる村への調査を依頼された京極堂の友人・関口巽が、事件に巻き込まれていく。

京極堂・中禅寺秋彦を封じ込めるための仕掛け。

『狂骨の夢』の一柳朱美、『格新婦の理』の織作茜、『姑獲鳥の夏』の内藤赳夫、『魍魎の函』の増岡弁護士、『鉄鼠の檻』の益田龍一は、事件後、刑事をやめて、サイコ探偵・榎津礼二郎の助手となって、『格新婦の理』に引続き、本編にも登場する。

お馴染みさんが複雑に絡み合い、そして、不死不老の徐福伝説を敬称する紀伊熊野の村上家と伊豆の消えた村の本陣・佐伯家を巻き込み、崩壊のゲームの終わり・・・後編の『塗仏の宴・宴の始末』と展開していく。

これは、京極堂本人に関わる事件。
その謎は、後編で明らかになっていくのだけれど、一つの物語が完結し、次の物語へと連鎖していく過程で、善人として登場した人物が、次の物語では、悪人に変わりながら、次々と増殖していき、読み人は、ループするような謎の連鎖に眩暈を覚える。

・・・古本屋・京極堂へ続く中野のあのだらだらした眩暈坂を登るような・・・。
騙している者が騙される、騙された者が騙している・・・

まだ、何も事件は、起こっていないじゃないか・・・。

事件は、起こっていない・・・水面下で、何かが起こっている・・・。
厳しいルールの下で、展開されるゲーム・・・勝つのは誰か・・・???

うんざりするくらい長い長い妖怪談義。
あまた登場する人物達。

本編は、まだ、始まったばかり。
宴の本番は、コレから・・・。

爽やかなゴールデンウィークが終わって、憂鬱な梅雨が始まる頃の物語。

眩暈がするような物語の迷路へ、ぺージをめくるたび、深まる謎。

早く解いてもらいたい・・・イライラするような、それでいてワクワクするようなジレンマな一冊。

No More GENPATSU!

2011-04-18 22:56:19 | Weblog
曇りがち。肌寒い一日。


19時のNHKニュースを見て、驚いた。
こんな状態でも、まだ、原発を無くそうって気には、ならないのが日本人のようだ。

NHKのアンケート調査によると、原発を全廃すべきだと答えたひとが、たったの12%だったとは。
日本人は、理性をなくしてしまったのだろうか?

たぶん、これが最終警告だろう。
ここで、原子力によるエネルギーの供給をやめないかぎり、たぶん日本は、原発事故で、消えてなくなる。そのとき、原発推進をしたえらいひとたちは、国外へ逃亡するだろう。
あくまでも噂だけれど、安全だとのたまう某官房長官の妻子は、既に、海外へ避難しているとか、していないとか・・・。

逃げることも、防御することも不可能ならば、危険なものは、危険でないうちに撤廃するしか道はない。

原発を全廃されて困るのは、電力会社・官僚・代議士・原子力産業に携わるひとたちだ。
彼らが声を大にして
『原発は、安全です。クリーンです。事故の確率は、2万年に一回です。』
という。
福島第一原発の現状の何処が、安全なんだろう?
安全だといっているヤツの頭は、とうにイカレているか、もうひととしての理性が機能していないのだと思う。

全世界に原発は、4000基。
4000基/20000年=5
5年に一度は、大惨事が起こる確率になるそうだ。単純計算だけれど。

理性を失ったヤツらのために、国民が犠牲になることは、ない。
危険になれば、ヤツらは、自分の責任を果たさず、海外へ逃亡する。

もう一度言う。

逃げることも、防御することも不可能ならば、危険なものは、危険でないうちに撤廃するしか道はない。


このブログを読んでくださった方へ。
ぜひ、広瀬隆さんの『原子炉時限爆弾』を読んでください。
単なる仮定の話ではなく、福島第一原発での現状がよくわかると思います。
小学生でもわかる理屈だと思います。
そして、事実を知らないことは、恐ろしい・・・ということに気づかれるのではないかと思います。


『原子炉時限爆弾:広瀬隆・著』~データに基づく正確な未来予測

2011-04-17 22:48:51 | Weblog
晴れ。風の爽やかな一日。

この本は、先月の震災の直後にオーダーしたのだけれど、納品されたのが、一昨日だった。
もっと早く読めばよかったのだけれど、まだ、全部読み終えていない・・・が、しかし、著者の広瀬隆さんは、1年前にこの本を上梓されたとき、既に、福島第一原発の状況を予測されていたようだ。
(この本は、震災と原発について、詳細な説明がされている。特に、東海沖地震に関する浜岡原発は、多分、福島よりも危ない。その前に、東北・関東沖で地震が発生してしまった。)

途中までの、感想だけれど、広瀬さんの予測は、正確である。

2010年6月17日に、弱い地震があり、福島第一原発2号機で、電源喪失事故があり、あわやメルトダウン寸前という事態にも関わらず、南アメリカのサッカーワールドカップの最中だったため、コレ幸いと東電は、ひた隠しに隠し、メディアも無報道だったという事実。
しかも、外部送電4系統の全てが遮断されていて、内部の温度がみるみる上昇・・・コレって、今回の事故の再現。
重大な問題を抱えながら、偶然にも、メルトダウンまで到達しなかっただけで、同じ轍をふんだってことのようで、なにやら、そら恐ろしい。

原発事故に関しては、政府・電力会社からの圧力がかかり、報道も控え目な数値しか言わないし、コメンテイターや専門家でさえ、その理性を疑うような発言しかしない・・・というのは、今回の震災と原発事故で、明らかになった。

電源系統に問題があるのがわかっているのに、何も対策を講じなかったんですかね。東電さんは・・・。

広島型原爆10発分のエネルギーを海に捨てているという効率の悪い原子炉構造。
あまりにも不細工だと広瀬さんは、発言する。

私は、原発に関して、その構造だとか、仕組みは、なにひとつ知らなかった。
恥ずかしい話、放射性物質を、臨界させてエネルギーを生じさせるってあたりはわかっていたのだけれど、その放射性物質を、ただ、お湯を沸かすだけにつかっているなんて、原発事故が起こるまで知らなかったのである。
無知蒙昧とは、このことだ。

水を沸騰させて、水蒸気で、タービンを廻し発電する・・・。

そう・・・放射性物質は、ただ、お湯を沸かすために使われていたのである。
(もっと、別なことに使われているのかと思っていた。放射性物質を臨界させて、それがそのまま電気を生み出すみたいな・・・)

世の中知らないこと多すぎるが・・・この先、このままだと、原発事故は、続いて、日本は、放射能に汚染された国として、そのうち、なくなるのだろうと私もそう思う・・・。

全部、読み終わったら、再度、書かせていただく。

『巷説百物語:京極夏彦・著』~はじまりは、単独完結編

2011-04-16 19:05:59 | Weblog
染井吉野も終わり。
葉桜に変わりつつ、みどりの季節を迎える。
夕方からやや風がでてきて、この季節独特の春雷を呼ぶのか・・・。


先月の終わり頃から、京極堂さんの本を読んでいる。
以前読んだものを読みなおしている。
所謂、『再読』。

裏・京極堂・御行の又市リシーズのはじまり・・・。
『巷説百物語』は、中篇7作品で、構成されていて、ひとつひとつが完結して終わる。
物語に続編への伏線がない分、明確で、分りやすい。
次の『続巷説百物語』からは、ひとつひとつ完結しながらも、次の物語へとリンクが、張られていて、構造が複雑になっていく分、また違う面白さがある。

初期の7編は、完全に完結していて、普通の人間とは、どこか違う・・・精神面での構造の違う、自分では、抑えられない衝動をもつ人々の殺人の動機を明かしていくところに、『人間』という小さなひとつの悲しい存在を浮き彫りにしていく・・・。

過去の殺人を雨の夜に暴かれる『小豆洗い』
狐と自分の愛人を殺さなければならなくなった『白蔵主』
ヒトの心を持たない凶悪な首切り浪人と強欲な極道を葬りさるトリック『舞首』
自分の出生を高貴だと信じ、狸によって葬られる『芝衛門狸』
馬によって繁栄を築き、馬の翻弄された『塩の長司』
柳の幽霊に翻弄される『柳女』
死体を溺愛しつづける『帷子辻』

世間的には、怪かしの仕業。
裏には、巧妙なトリックをしかける御業・又市そして、その仲間達。

いつもトリックの仕掛けに利用される戯作者志望・京橋蝋燭問屋の若隠居・山岡百介は、表と裏の境界線に立ち、中途半端にしか生きられない半端モノ。
それでも、百介は、仕掛けに借り出され、重要なキャストを演じつつも自覚のないまま、コトの顛末を最後の最後に知らされる・・・。

極楽蜻蛉のような恵まれた境遇の山岡百介だけれど、彼もまた深い心の闇をもつひと。
又市とは一線を画す表と裏を象徴するようだ。
又市の情容赦のないリアリズムな『怪』と山岡百介の求める非現実の『怪』が、縦糸となり、横糸となり、物語を織りなして行く。