memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

海の主人公たち (2)

2010-09-12 00:28:13 | 水産・海洋
したがって競争が激しく、漁師のかしら、漁労長になることはたやすくはない。 「とにかく一生懸命働き信頼を得ることだ」とAung Than はいう。「親分に印象を与え、信頼を得さえすれば”yay shuu”船長になれる」 普通の乗組員としての自分自身の証明するために6年間がかかったが、結果として一日当たり10ドルを稼ぐことができるようにになった。そしていま彼は彼の職業の頂点に到達している。彼は稼いだ金で乗組員を管理し、網漁具をきちんと補修し海に出たら最大の効果を発揮できるよう陸にあって備えることが大切と考えている。

船長(yay shuu) はもっとも経験を積んだ船員として海を知っていなければならない。また、乗り組み員の安全に責任を持ち、雇用者の視点からいかなる天候のもとでも働けるよう船の状態に気を配らねばならない。Aung Than は強風がつのり大きな波が彼の船に打ちつけていた日のことを思い出した。彼の乗り組みの中には泳げぬ者もいて、非常に怖がった。 「しかし、自分の最大の心配は船が波で沈没し、海底に沈んでゆくことだった」とかれはいう。「とても危険な作業だった」 「多くの漁師たちが生活のために命を落としてゆく」
基本給のほかに、魚の獲れ高に応じてボーナスをもらう。この支払は月に一度かまたは6か月ごとなど漁船のタイプと大きさによって異なる。

「自分は月に3,000バーツの収入がある、しかし良い時にはその2倍は稼げる」とAung Than の乗り組みのひとり Kyaw Linnはいう。この男の場合はボーナスがどのように計算されるかわからず、ただタイの船主がくれる金額を受け取るだけだという。
Kyaw Linnの仕事は母船から離れて明るい灯を点灯した小舟で魚を探すことである(灯船)。魚は燈火に引き付けられその量が十分になったら Kyaw Linnは母船に連絡。そして Aung Than が網を打つべきかどうかを判断する。(灯船を利用するまき網漁業)

「満月の前後数日間は漁をしない」と彼は言う。「それは月の光が明るく、われわれの船につかないからだ」ビルマの漁船員たちは彼らが獲る魚と同じように、常に明るい未来を探している。その誰しもがいずれは故郷に帰りたいという、が生活のために働くことを理解している。「タイである程度の金を稼いだらビルマに戻りたい」とAung Than はいう。