完全無欠な「もうすぐ前期高齢男」日記

「もうすぐ前期高齢男」に進級「老いの自覚」を中心にUpしていきます。

小説の映画化 ~キャスティングのむずかしさ~

2006年09月05日 | Weblog
私は中年である。
ブログの更新は、とてもしたいのだが
何しろ雑務が多い。しかも若いときは
その「やらねばならないこと」より、
ブログを優先させられたのだが、さらにそれより
ゴロリと横になることを優先させてしまう「中年」である。

さて、この秋に「天使の卵(エンジェルス・エッグ)」と
いう映画が公開される。
村山由佳という女流直木賞作家のデビュー間もない時の
小説が原作なのだが、たしか「すばる文学賞」を受賞したはずだ。

実はこの人の本は、既に映画化されている。「きみのためにできること」
という小説なのだが、残念ながら何の評判にもならなかった。

今回の「天使の卵」は、小西真奈美が主人公(いや、本当は
市原隼人なのだろうけれど・・・)であり、はっきりいうと
この人が映画のすべてを決めてしまうだろう。

まさか、小西真奈美を知らない人はいないだろうと思うけど、
「おつかれさま、ぐびなま飲も!」といって発泡酒を差し出して
いる人だ。そして、いま公開中の「UDON」にも出演している
まあ、売り出し中の女優だ。

実際、私は彼女に好感は持っているが、残念ながらその実力に
おいては「大きなもの」を感じていない。
「主役」を張るにはいかにも器の小さい女優ではないだろうか。

そして、この原作「天使の卵」は恋愛小説としては非常に良い。
ストーリー自体は・・・。説明を避けるが、なにしろその文体が
すばらしい。みずみずしい新鮮さがある。

私のような「中年」のおじさんを「キュン」とさせる小説は、
そうそう無い。(もっとも、これを読んだのは10数年前だが)

だからこそ、映画としては非常に「むずかしい」と思うのだ。
文章で良い物を映像化して成功した例はほとんど無い。

小説を読んだ人は、たいがいその登場人物を自分自身で映像化
しているものだ。そして、そこに感情移入をして読んでいく。

映画化した場合、そのイメージと完全に一致することはありえないし
奇跡的に一致したからといって、小説の「みずみずしさ」を
監督が、俳優たちが完全に再現してくれることは、まずありえない。

ずいぶん昔の映画で悪いが「優駿」(宮本輝著・斉藤由貴
緒方直人主演)なども、原作を読んでいないとまったく意味が
わからなかった。

過去にも、小説を原作にした映画は数々あったが唯一成功していた例が
「映像を逆手に取った映画」だろう。頭の中で想像したものより
強烈な視覚に訴える映画などが成功しているといえるだろう。
(「犬神家の一族」等々)

昔「見てから読むか、読んでから見るか」というキャッチフレーズで
ずいぶん角川映画が一世を風靡したものだ。
今回のこの映画を見ようと思っていて、さらに小説を読んで
いない人がいたら、まず、本を読んで欲しい。とにかくその文体の
すばらしいさを味わって欲しいと思う。

それから、映画がどれだけその文体を映像がしているか、
確認する意味で見て欲しいと思う。そうでないと、原作の良さが
台無しになってしまう。それでは「本」がかわいそうだ。

今回も最後までお付き合いいただきありがとう。
これを読んだみんなに幸福が訪れますように。
ちなみにこの「天使の卵」有名なジュエリーの名前だそうですね。
「中年」はまったく知りませんでした。            may

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